JPH0564728A - フイルター要素の製造方法 - Google Patents

フイルター要素の製造方法

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JPH0564728A
JPH0564728A JP25418191A JP25418191A JPH0564728A JP H0564728 A JPH0564728 A JP H0564728A JP 25418191 A JP25418191 A JP 25418191A JP 25418191 A JP25418191 A JP 25418191A JP H0564728 A JPH0564728 A JP H0564728A
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邦好 高原
Yoshiki Nomura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流密性の高い全弗素樹脂フィルターの提供。 【構成】 四フッ化エチレン樹脂製のフィルター膜の上
下端縁部分に、無孔の熱可塑性フッ素樹脂製エッジフィ
ルムを重畳させて融着し、更に前記フィルター膜の両面
に、フッ素樹脂製の1対の多孔支持体を添わせ、こうし
て得られた濾材をアコーデオンプリーツ状に折り曲げ、
エンドレスに形成した後に両側縁を封着し、端板成形用
の金型中で溶融した熱可塑性フッ素樹脂中に前記上下端
縁の少なくとも前記エッジフィルムを浸漬して冷却する
ことにより、前記端板により前記フィルタ膜を完全封着
する。 【効果】 シールしにくい四フッ化エチレン樹脂製のフ
ィルター膜の上下端縁部分が完全に封着できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器部品を洗浄した
りエッチングしたりする薬液を浄化するためのフィルタ
ーにおけるフィルター要素の製造方法に関し、特に全フ
ッ素樹脂より構成されたフィルター要素の特殊な熱封着
工程を用いたフィルター要素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路板やウエーハ等の電子部品を洗
浄したり、エッチングしたりするための薬液は、不純物
による汚染を極端に嫌う。したがって、薬液の浄化には
微細孔のフィルター要素を有するフィルターが必要であ
る。このような洗浄液やエッチング液は腐蝕性が強いの
で不活性なフッ素樹脂ですべての部材を構成することが
提案され、また実用化されている。例えば、実開昭59
−31410号には図1、図2及び図3に示すように、
フッ素樹脂から形成された多孔内筒1及び多孔外筒3と
の間に、四フッ化エチレン製の多孔質フィルター膜7と
その両面に添わせた熱可塑性フッ素樹脂製多孔支持体
9、11との積層体を菊花状にプリーツ加工した濾材5
を配置し、その上下端縁を熱可塑性またはそうでないフ
ッ素樹脂製の端板13、15の環状凹所17に接着封止
してなるアコーデオンプリーツ型のフィルター要素を記
載している。実開昭59−82516号、実開昭59−
176614号、及び特公昭62−59962号にも同
様な趣旨の記載がある。
【0003】ところが、フィルター膜として使用される
四フッ化エチレン樹脂製のフィルター膜5を上下端板に
封着する場合、熱可塑性フッ素樹脂を接着剤として加熱
溶融して端板に接着するのであるが、フッ素樹脂は粘度
が高く、フィルター膜は腰が非常に弱い非熱可塑性樹脂
であるので、フィルター膜1の間に接着剤がうまく浸透
せず、濾過財組付け部のシールが確保できない問題点が
ある。このため、実開昭59−31410号では、内筒
1の上下端の外縁周及び外筒3の上下端の内縁部に沿っ
て接着剤樹脂を余分に施すための切欠部を設けている
が、接着剤のプリーツ間への十分な浸透は達成できな
い。
【0004】実開昭59−82516号では、ネット
9、11としてフッ素樹脂の代わりに高度に熱可塑性の
ポリプロピレンを用いて濾材5の上下端縁を予め一体に
熱封止した後、端板の環状の凹所に挿入して溶融したポ
リプロピレン樹脂を接着剤として結合して漏れを防いで
いるが、濾材の上下端縁の腰の弱さは改善されるもの
の、接着剤の粘性が大きいために依然としてプリーツ間
への樹脂の浸透は充分でなく充分な封着が行なわれず、
またフッ素樹脂以外の樹脂を使用する問題がある。
【0005】なお実開昭59−176614号は機械的
な締付け力を利用する封着法を記載するが、シール性に
は疑問がある。
【0006】特公昭62−59962号は、実開昭59
−82516号に類似の方法を記載するもので、まず環
状溝を有する金型に熱可塑性フッ素樹脂を装入して溶融
し、これに濾材の上下端を浸漬してフッ素樹脂をプリー
ツ間に浸透させ、次いで冷却してまずシール部を形成
し、更にこのシール部を端板の環状溝に装入して溶融し
た接着剤で気密または液密に接着する。しかし、フッ素
樹脂の粘度が高いために最初のシール部の形成時に樹脂
が濾材のプリーツ間に充分に浸透できず、そのため完全
に気密または液密なシール部は作りにくい。従って、シ
ール部を形成する工程で不完全なシールが生じるとその
後の端板への結合工程でもこれを完全に修復することは
困難である。また、この方法では2段階のシール工程を
要する問題がある。
【0007】更に、米国特許第3415384号には、
フィルター膜の片面に多孔支持体を沿わせた濾材の上下
端部にポリプロピレン等の熱可塑性エッジフィルムを沿
わせて一緒にらせん状に巻き込み、この上下端部をポリ
プロピレン等の熱可塑性樹脂製の端板の環状溝に装入
し、これら上下端部と端板とを相互に摩擦摺動させて摩
擦熱で溶融させて一体に接着することを記載している。
しかし、この方法ではフィルター膜の上下端縁の端面で
のみ結合が生じ、フィルター膜間には熱可塑性樹脂が充
分に浸透しないから、充分なシール性を確保できない。
【0008】
【発明が解決すべき課題】上に述べたいずれの方法で
も、粘性の高いフッ素系熱可塑性樹脂は腰の弱い四フッ
化エチレン樹脂製フィルター膜の上下端縁のプリーツ間
へ充分に浸透出来ない問題があり、又公知の方法では複
雑な工程を必要としたり、他の耐食性の充分でない材料
を使用する必要がある。
【0009】したがって本発明の目的は、フィルター膜
の上下端縁が確実な液密シールを形成することができる
簡便なフィルター要素製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、四フッ化エチ
レン樹脂製のフィルター膜の上下端縁に近接した部分
に、無孔の熱可塑性フッ素樹脂製エッジフィルムを添わ
せ、それらを前記上下端縁に融着し、アコーデオンプリ
ーツ状に折り曲げ、エンドレスに形成した後に両側縁を
封着し、端板のための金型中で溶解した熱可塑性フッ素
樹脂中に前記上下端縁の少なくともエッジフィルムを浸
漬して冷却することにより前記端板により前記フィルタ
膜を完全溶着することを特徴とする、フィルター要素の
製造方法である。なお、フィルター膜には、エッジフィ
ルムの接合後に両面にフッ素樹脂製の多孔支持体を添わ
せておく。
【0011】本発明の原理は次の通りである。まずフィ
ルター膜に添わせて無孔の熱可塑性フッ素樹脂製エッジ
フィルムを接合することは、プリーツに折る前に加熱ロ
ーラを当てるなどして連続して熱融着されるので、エッ
ジフィルムの熱可塑性フッ素樹脂は非熱可塑性のフィル
ター膜の細孔に浸透して両者間を液密又は気密に結合し
て充分なシール性を確保する。すなわち、フィルター膜
とエッジフィルム間の接合面に沿った漏れは充分に阻止
される。次に、プリーツ加工の後に、濾材は所定の上下
方向寸法となるように裁断されるが、切断箇所はエッジ
フィルムから外れないようにする。四フッ化エチレン樹
脂のフィルター膜は極めて腰が弱いので、裁断時の蛇行
は避けられないが、エッジフィルムのところで切断する
ので蛇行の抑制は気にしなくてよい。次に、濾材の上下
縁は片側ずつ金型中で端板用の溶融した熱可塑性フッ素
樹脂に浸漬されるが、エッジフィルムは簡単に溶融し
て、溶融した端板に融合一体化し、次いで冷却すること
により完全なシールが形成される。本発明の方法の著し
い効果は、溶けた樹脂がフィルター膜の間にある程度浸
透すれば充分なことである。なぜならエッジフィルムが
すでにフィルター膜に気密または液密に結合されてお
り、従ってエッジフィルム端部と端板との間に充分な流
体密なシールが形成されれば充分なシール性が確保出来
るからである。もちろん、フィルター膜の上下縁が端板
中に充分に浸される程度に濾材の上下縁が溶けた端板中
に浸漬されるのは一向に差し支えはなく、シールの原理
は少しも変わらない。
【0012】更に、本発明によるとシール性のみならず
耐用性も充分に確保される。これは濾過物の圧力や振動
を長時間加えても、フィルター膜とエッジフィルムの
間、及びエッジフィルムと端板との結合が充分であるた
めにシール部に緩みが生じないことを示す。
【0013】この封着の原理は従来のいかなる方法とも
違うことは明らかである。本発明では溶融したフッ素樹
脂を濾材の上下端でプリーツの隙間に浸透させることは
必要条件ではなく、エッジフィルム端縁と端板の結合が
充分なら樹脂のわずかな浸透でも充分なシール性が確保
されるのである。
【0014】なお、アコーデオンプリーツ状に折り曲げ
る工程に続いて、前記エッジフィルムの軟化温度に近い
高められた温度で前記プリーツを圧縮保持して折り癖を
付ける工程を付加すれば、腰の弱い濾材の形状が安定化
し、そのためその後の工程が容易になる。このような工
程は、濾材のプリーツの一方の平面部を固定端板で支持
し、濾材の折り曲げ部を平板状の固定壁で支持し、プレ
ス可動部を濾材の他方の平面部に係合して濾材を前記固
定端板に向けて圧縮させることにより行なうことが出来
る。
【0015】
【実施例の説明】以下図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図4は本発明による全フッ素樹脂よりなるフ
ィルター要素の組立前の諸部材の状態を示す斜視図であ
り、21は熱可塑性フッ素樹脂製の下側端板、22は熱
可塑性フッ素樹脂製の多孔外筒、24は四フッ化エチレ
ン樹脂製のフィルター膜とフィルター膜の両面に添わせ
た熱可塑性フッ素樹脂又は四フッ化エチレン樹脂製の多
孔支持体との積層体であるプリーツ状に折られた濾材、
23はその上下端縁に結合された熱可塑性フッ素樹脂製
の無孔のエッジフィルム、25熱可塑性フッ素樹脂製の
多孔内筒、26は熱可塑性フッ素樹脂性の上側端板、及
び27は外部接続用のOリングアダプターである。なお
ここに熱可塑性フッ素樹脂とは、加熱により溶融する熱
可塑性フッ素樹脂で、例えば四フッ化エチレン−パーフ
ルオルアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四
フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FE
P)、四フッ化エチレン−パーフルオルアルキルビニル
エーテル共重合体−六フッ化プロピレン共重合体(EP
E)が使用出来る。
【0016】濾材24の構造及び製造法を図5〜9及び
下記工程1〜5に、またフィルター要素の組立て工程を
図10〜11及び下記工程6に示す。 1.エッジフィルム融着工程 先ず、図5に示すように、長尺の四フッ化エチレン樹脂
製のフィルター膜31と熱可塑性フッ素樹脂製の無孔の
エッジフィルム23を連続供給して、フィルター膜の両
縁部分に重畳させ、次いでエッジフィルムの融点以上の
温度(例えばFEPの場合は約250〜350℃)に加
熱したホットロールの間に通してエッジフィルムをフィ
ルター膜に融着する。このとき、各エッジフィルムの熱
融着部の幅は、後述の工程5での所定寸法への切断後
に、充分な流体密シールを形成出来るように定めること
が必要である。なお、この工程は片側づつ行なっても良
い。
【0017】フィルター膜31とエッジフィルム23の
重畳関係は図5のようにしても良いし、図6のようにエ
ッジフィルム23がフィルター膜31の両縁から突出す
るようにしても良い。四フッ化エチレン樹脂製のフィル
ター膜31は腰が弱いから連続供給中の蛇行を避けるこ
とが困難であるので、図5、図6のような一定の重畳関
係の維持は困難で、実際には図7にようになる場合もあ
る。従って、濾材を上記の所定寸法に切断する際に蛇行
があっても必ずエッジフイルム内を切断出来るに充分な
幅のエッジフィルムを所定間隔で使用する必要がある。
【0018】フィルムエッジは溶融状態でフィルター膜
に押し付けられるから、フィルムエッジの樹脂はフィル
ター膜の細孔に侵入してアンカー効果により完全に結合
する。これにより流体密なシールが達成出来る。すなわ
ち、濾過液体又は気体はフィルター膜とフィルムエッジ
の間を通して漏れることはなくなる。その上両者の結合
は機械的にも強固であるので、耐久性のある耐圧を示す
ことが分かった。これらの点は後で実例により示す。
【0019】2.プリーツ加工工程 このようにして得られたフィルター膜31及びエッジフ
ィルム23、23の結合体の両面に四フッ化エチレン樹
脂製又は好ましくは熱可塑性フッ素樹脂製の多孔支持体
32(網、不織布、多孔質シート)で挟んで積層し、こ
の積層体をアコーデオンプリーツ状に折る。このとき、
折り機の前後で積層体の上下面に表面温度(例えば約5
0〜150℃)の熱を加えて折り癖を付ける。
【0020】3.ヒートセット工程 前工程でプリーツ状に折った積層体を所定の山数にカッ
トする。好ましくは、治具を使用して更に折り癖を付与
する。これによりその後の工程が容易になる。図8に示
すように、治具35はアコーデオンプリーツ状に折り曲
げて得た積層体の一方の端面を支持出来る固定端板34
と、両方の折り曲げ部を支持する平行な固定壁31と、
前記固定端板34に対向して移動自在に設けられ前記濾
材の他方の端面に圧接し得るプレス可動部と、前記プレ
ス可動部を固定端板に向けて移動させて前記濾材を圧縮
するための駆動部38(例えばピストン−シリンダ)
と、前記濾材を加熱するための加熱装置(図示せず)と
からなる。例えば、治具を伝熱製の良い金属で製作し、
それをオーブン、電熱器又はスチームで加熱する。治具
35の中にプリーツを付けた積層体を収容し、例えば1
00〜250℃の高めた温度で所定時間加熱することに
より完全に起き形状がセットされる。
【0021】4.エンドレスシーム工程 1〜3の工程で得られたプリーツを付けた積層体をエン
ドレス状にして両側縁を融着してシールする。好ましく
は図9のようにエンドレス重畳部の多孔支持体32を一
部切断除去し、その代わりに無孔の熱可塑性フッ素樹脂
製の側縁フィルム33をフィルター膜31に接するよう
に装入し、温度を側縁フィルム33の融点以上に上げて
適当なホットプレス治具(図示せず)を使用して融着す
る。これにより、側縁フィルム33の樹脂はフィルター
膜の細孔に浸透してシールを行ない、円筒体を形成す
る。
【0022】5.両端カット工程 次に円筒体を適当な治具に支持させ、所定の上下端縁間
寸法に円筒体をカットして本発明の濾材24(図4参
照)とする。カット部分は必ずエッジフィルムの部分を
通り、しかも前記工程1で記載したようにカット後に充
分な幅の熱融着部分が残ることが重要である。
【0023】工程1〜5で製造された、フィルター膜の
上下端縁にエッジフィルムを融着し、両面に多孔支持体
を積層し、プリーツを付け、エンドレス円筒状に形成
し、両側縁で融着し、上下端縁で切断して得た濾材は、
これをフィルター要素に組立てたとき、極めて液密性及
び気密性の高い、且つ耐圧性の高いフィルターを構成出
来る。
【0024】6.ポッティング工程 次に、この濾材を用いたフィルター要素の構造と組立て
方法を図4及び図10〜図11を参照して説明する。先
ず、この例では端板には図4の閉鎖型端板21と、開放
型端板26が使用されており、濾材24とこれらの端板
への結合は順に行なわれる。先ず、端板21を図10に
示した構造の金型38に装入してその融点以上の温度、
例えばPFAの場合には約250〜350℃に加熱し溶
融する。次に内外多孔円筒22、25及び円筒状の濾材
24の各下端を金型38の内部の所定深さまで押入れた
状態で約30〜60秒保持し、その後圧力を解放する。
5〜10分間放冷する。エッジフィルム23は端板21
と一体化し、充分な封着を行なう。溶融した樹脂の一部
はプリーツ間に浸透することが好ましいが必ず必要とい
うわけではなく、重要なのはエッジフィルムが端板と融
合することである。なぜならエッジフィルムと単板との
流体密性さえ確保されるなら、エッジフィルムとフィル
ター膜とは予め融着されているから、エッジフィルムと
フィルター膜の間の流体漏洩通路は存在しないからであ
る。
【0025】次に、図39に示した金型39に図4の開
放型端板26を装入し溶融させ、前工程まで組み立てた
ものを反転させ、次いで内外多孔円筒22、25及び濾
材24の各上端を金型39の内部に浸漬する。これによ
りエッジフィルム23は溶融して端板と融合する。つい
で室温に冷却することによりエッジフィルム23は端板
26と一体化し、充分な封着を行なう。
【0026】実験例 以下に具体例を示す。四フッ化エチレン樹脂製のフィル
ター膜(平均厚さ45μm、平均孔径0.1μm、平均
バブルポイント値2.0kg/cm2、幅300mm)
の両縁部にエッジフィルムとしてFEPフィルム(幅2
5mm、厚さ12μm)を幅10mmの270℃に加熱
したロールヒータで熱融着した。このときエッジフィル
ムの間隔は熱シール部分のセンター間が定尺250mm
になるようにした。
【0027】このエッジフィルム付きフィルター膜を上
下からPFAネット(100メッシュ、幅300mm)
で挟んで積層体を形成しながら、山の高さ(山−山間の
寸法)が11mmのプリーツに折り、山数120ごとに
カットする。このとき折り機の直前、直後で積層体を上
下から100℃に加熱することで予備的にプリーツ形状
の固定化を行なった。
【0028】ここで得られたプリーツ山数120の、上
下にPFAネットの支持体を持ち、両縁部にFEPのエ
ッジフィルムを融着したプリーツ付き積層体を、図8に
示したステンレス製治具に挿入し、一定圧力を加えなが
ら150℃のオーブンに入れ、1.5時間の加熱処理
後、オーブンから取り出し室温まで放冷した。これによ
りプリーツ形状が最終的に固定化された。
【0029】このプリーツつき積層体の両側縁部を重ね
あわせてエンドレスにし、重なった部分の相対する部分
のネットを切り取り、フィルター膜同士が重なるように
し、図9のようにそれらの間にFEPフィルムを挟み、
市販のホットスタンプマシンにて320℃で加熱融着し
た。
【0030】こうして得た円筒形プリーツ濾材の上下両
端に融着されたエッジフィルムのセンター部分をカット
することにより所定長さの円筒形濾材を得た。
【0031】次に、この円筒形濾材の両端部を嵌合で
き、底部にフィルター要素の最終形状を刻み込んだ金型
(図10の閉鎖型、図11の開放型の2種)に、金型と
外径がほぼ同一で厚さが7mmのPFA端板(図4の閉
鎖型端板21、開放型端板26の2種)を挿入し、上部
から480℃、下部から300℃の温度で5分間加熱し
てPFA端板を溶融した。
【0032】前記円筒形濾材の外側にPFA多孔外部円
筒(保護スリーブ)及び内側にPFA多孔内部円筒(ほ
ぼスリーブ)をセットした後(図4)、上記の溶融した
PFA端板内に空気シリンダで加圧挿入し、2分間加
圧、保温した後、室温まで放冷し、金型から取り出し
た。この工程を片側で閉鎖型端板、反対側で開放型端板
に対して行なった。最後に、PFA製のハウジング取り
付け用のOリングアダプタ(図4の27)を熱融着によ
り取り付けてフィルター要素を完成した。
【0033】得られたフィルター要素のバブルポイント
試験(気密性試験)、及び耐用耐圧試験を行なった。
比較のために、エッジフィルムを使用しない他は実施例
と同様にしてフィルター要素を製造した。試験の結果は
表1に示す。ここに各試験は次の通りである。 a.バブルポイント試験 試験サンプルを60%IPA水溶液で充分に濡らし、加
圧用ステンレスハウジングにセットし、加圧用空気を徐
々に送り込み、濾液出口側からの発泡(バブル)が見ら
れた圧力を測定する。この方法はフィルター膜の持つ最
大孔径を測定する標準的な方法である。 b.耐久耐圧試験 60%IPA水溶液で充分に濡らした後、純水で置換
後、加圧用ステンレスハウジングにセットし、7kg/
cm2 の正圧でパルス濾過を100回行なった後、5.
3kg/cm2 の逆圧濾過を3分間行なった後のディフ
ュージョン値を測定する。ディフュージョン値とは、拡
散で透過してくる空気量を示し、総孔面積に比例する。
【0034】
【表1】
【0035】
【作用効果】以上の結果から、本発明のフィルター要素
はシール性が非常に良いだけでなく耐久耐圧性も良いこ
とが分かる。なお試料3はディフュージョン値がやや大
きいが、実用上問題となる限界である約20(cc/min)
より少ないので問題がなく、又工業的製造工程では管理
を良くすることによりこのような値は充分に回避出来る
考えられる。比較例によると、フィルムエッジを使用し
ないと漏れ通路が出来易く、又耐久耐圧性にも劣ること
が分かる。これは端板の素材である熱可塑性フッ素樹脂
の溶融粘度が非常に高いためにエッジフィルムがない場
合はプリーツ間に樹脂が完全無欠に浸透しない限り、流
密性が達成されないので2重シールなどが必要となる。
これに対して、エッジフィルムは予めフィルター要素に
熱融着されているため、こうした樹脂の浸透は必ずしも
必要でなく、エッジフィルムが端板に融合することによ
り充分なシール性と耐久耐圧性が得られるものである。
本発明は従来のような2重シールなどの従来の方法に比
べて、作業性、操作性、確実性、経済性の面で非常に優
れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフィルター要素を組み込んだフィルター
装置の断面図である。
【図2】図1のフィルター装置の部分破断斜視図であ
る。
【図3】従来のフィルター要素に使用された濾材の構成
を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例によるフィルター要素の組立前
の構成部材を示す斜視図である。
【図5】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明のフィルター要素に使用するプリーツを
付した濾材に折り癖を付けるための治具及び工程を示す
斜視図である。
【図9】本発明のフィルター要素に使用するプリーツを
付した濾材の両側縁部を融着するための工程を示す断面
図である。
【図10】本発明に使用する端板を濾材の一端縁にに結
合するため金型を示す図である。
【図11】本発明に使用する端板を濾材の他端縁にに結
合するため金型を示す図である。
【符号の説明】
21、26−端板 22−多孔外筒 25−多孔内筒 23−濾材 27−Oリング部材 31−フィルター膜 32、32−支持体 33−側部フィルム 35−プリーツ治具 34−固定端板 36−固定壁 37−プレス可動部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四フッ化エチレン樹脂製のフィルター膜
    の上下端縁部分に、無孔の熱可塑性フッ素樹脂製エッジ
    フィルムを重畳させて融着し、更に前記フィルター膜の
    両面に、フッ素樹脂製の1対の多孔支持体を添わせ、こ
    うして得られた濾材をアコーデオンプリーツ状に折り曲
    げ、エンドレスに形成した後に両側縁を封着し、端板成
    形用の金型中で溶融した熱可塑性フッ素樹脂中に前記上
    下端縁の少なくとも前記エッジフィルムを浸漬して冷却
    することにより、前記端板により前記フィルタ膜を完全
    封着することを特徴とする、フィルター要素の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アコーデオンプリーツ状に折り曲げる工
    程に続いて、前記エッジフィルムの軟化温度以下の高め
    た温度で前記プリーツを圧縮保持して折り癖を付ける工
    程を含む、請求項1に記載のフィルター要素の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 エンドレスに形成した後に両側縁を封着
    する工程に続いて、濾材を熱可塑性フッ素樹脂製の多孔
    内外筒の間に収納する工程を含む、請求項1又は2に記
    載のフィルター要素の製造方法。
  4. 【請求項4】 フィルター膜の両面に1対の多孔支持体
    を添わせてなる積層物をアコーデオンプリーツ状に折り
    曲げて得た濾材の一方の端面を支持出来る固定端板と、
    前記濾材の折り曲げ部を支持する平行な固定壁と、前記
    固定端板に対向して移動自在に設けられ前記濾材の他方
    の端面に圧接し得るプレス可動部と、前記プレス可動部
    を固定端板に向けて移動させて前記濾材を圧縮するため
    の駆動装置と、前記濾材を加熱するための加熱装置とか
    らなる、前記アコーデオンプリーツ状に折り曲げた濾材
    に折り癖を付与する装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005115595A1 (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Entegris, Inc. 濾過膜、濾過材及びフィルタエレメント
JP2016533892A (ja) * 2013-10-07 2016-11-04 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドW.L. Gore & Associates, Incorporated 熱可塑性樹脂を充填した端部を有する濾過物品
JP2017121627A (ja) * 2012-04-27 2017-07-13 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティドW.L. Gore & Associates, Incorporated シーム・シール型フィルタ及びその製造方法

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