JPH05111622A - フイルター要素の製造方法 - Google Patents

フイルター要素の製造方法

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JPH05111622A
JPH05111622A JP30264091A JP30264091A JPH05111622A JP H05111622 A JPH05111622 A JP H05111622A JP 30264091 A JP30264091 A JP 30264091A JP 30264091 A JP30264091 A JP 30264091A JP H05111622 A JPH05111622 A JP H05111622A
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filter
thermoplastic resin
film
end plate
edge
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English (en)
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Kuniyoshi Takahara
邦好 高原
Yoshiki Nomura
芳城 野村
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Nihon Millipore KK
Original Assignee
Nihon Millipore KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流密性の高い樹脂フィルターの提供。 【構成】 非熱可塑性樹脂製または熱可塑性樹脂製のフ
ィルター膜の上下端縁部分に、無孔の熱可塑性エッジフ
ィルムを重畳させて融着し、更に前記フィルター膜の両
面に、1対の多孔支持体を添わせ、こうして得られた濾
材をアコーデオンプリーツ状に折り曲げ、両側縁を封着
してエンドレスに形成し、端板の少なくとも片面を溶融
したものに前記上下端縁の少なくとも前記エッジフィル
ムを浸漬して冷却することにより、前記端板により前記
フィルター膜を完全封着する。 【効果】 シールしにくい非熱可塑性樹脂製または熱可
塑性樹脂製のフィルター膜の上下端縁部分が完全に封着
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は他の成分または不純物を
含む液体あるいは気体から該成分または不純物を分離す
るためのフィルターに使用するフィルター要素の製造方
法に関し、特に封着部が溶融時に高い粘度を示す樹脂で
形成されるようなフィルター要素の特殊な熱封着工程を
用いたフィルター要素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路板やウエーハ等の電子部品を洗
浄する洗浄液や、エッチングしたりするための薬液は、
不純物による汚染を極端に嫌う。したがって、薬液や洗
浄液の浄化には微細孔のフィルター膜を有するフィルタ
ー要素が必要である。このようなフィルター要素は薬液
の腐蝕性が強い場合にはフッ素樹脂ですべての部材を構
成することが提案され、また腐蝕性が比較的低い場合に
はポリプロピレン等の樹脂で一部を構成したものが実用
化されている。例えば、実開昭59−31410号には
図1、図2及び図3に示すように、フッ素樹脂から形成
された多孔内筒1及び多孔外筒3との間に、四フッ化エ
チレン製の多孔質フィルター膜7とその両面に添わせた
熱可塑性樹脂製多孔支持体9、11との積層体を菊花状
にプリーツ加工した濾材5を配置し、その上下端縁をフ
ッ素樹脂、ポリプロピレン等から製作された端板13、
15の環状凹所17に接着剤で封止してなるアコーデオ
ンプリーツ型のフィルター要素を記載している。実開昭
59−82516号、実開昭59−176614号、及
び特公昭62−59962号にも同様な趣旨の記載があ
る。
【0003】ところが、フィルター膜として使用される
四フッ化エチレン樹脂製のフィルター膜5を上下端板に
封着する場合、熱可塑性樹脂を接着剤として加熱溶融し
て端板に接着するのであるが、接着剤に使用される熱可
塑性フッ素樹脂やポリプロピレン等の耐食性の熱可塑性
樹脂は米国特許第3457339号等に記載されている
ように封着時の温度で約50cp以上と粘度が高い一
方、フィルター膜は腰が非常に弱い非熱可塑性樹脂であ
るので、フィルター膜1の上下端縁が折れたりフィルタ
ープリーツの間に接着剤がうまく浸透せず、濾過材組付
け部のシールの確保が困難な問題点がある。このため、
実開昭59−31410号では、内筒1の上下端の外縁
周及び外筒3の上下端の内縁部に沿って接着剤樹脂を余
分に施すための切除部を設けているが、接着剤のプリー
ツ間への充分な浸透が困難である。
【0004】実開昭59−82516号では、ネット
9、11としてフッ素樹脂の代わりに高度に熱可塑性の
ポリプロピレンを用いて濾材5の上下端縁を予め一体に
熱封止した後、端板の環状の凹所に挿入して溶融したポ
リプロピレン樹脂を接着剤として結合して漏れを防いで
いるが、濾材の上下端縁の腰の弱さは改善されるもの
の、接着剤の粘性が大きいために依然としてプリーツ間
への樹脂の浸透は充分でなく完全な封着が極めて難しい
問題がある。
【0005】なお実開昭59−176614号は機械的
な締付け力を利用する封着法を記載するが、シール性に
は疑問がある。
【0006】特公昭62−59962号は、実開昭59
−82516号に類似の方法を記載するもので、まず環
状溝を有する金型に熱可塑性樹脂を装入して溶融し、こ
れに濾材の上下端を浸漬してフッ素樹脂をプリーツ間に
浸透させ、次いで冷却してまずシール部を形成し、更に
このシール部を端板の環状溝に装入して溶融した接着剤
で気密または液密に接着する。しかし、フッ素樹脂の粘
度が高いために最初のシール部の形成時に樹脂が濾材の
プリーツ間に充分に浸透できず、そのため完全に気密ま
たは液密なシール部は作りにくい。従って、シール部を
形成する工程で不完全なシールが生じるとその後の端板
への結合工程でもこれを完全に修復することは困難であ
る。また、この方法では2段階のシール工程を要する問
題がある。
【0007】更に、米国特許第3415384号には、
フィルター膜の片面に多孔支持体を沿わせた濾材の上下
端部にポリプロピレン等の熱可塑性エッジフィルムを沿
わせて一緒にらせん状に巻き込み、この上下端部をポリ
プロピレン等の熱可塑性樹脂製の端板の環状溝に装入
し、これら上下端部と端板とを相互に摩擦摺動させて摩
擦熱で溶融させて一体に接着することを記載している。
しかし、この方法ではフィルター膜の上下端縁の端面で
のみ結合が生じ、フィルター膜間には熱可塑性樹脂が充
分に浸透しないから、充分なシール性を確保できない。
【0008】
【発明が解決すべき課題】上に述べたいずれの方法で
も、粘性の高い熱可塑性樹脂は四フッ化エチレン樹脂に
限らず他の腰の弱い材料から製作したフィルター膜の上
下端縁のプリーツ間へ充分に浸透出来ない問題があり、
又公知の方法では複雑な工程を必要としたりする。
【0009】したがって本発明の目的は、フィルター膜
の上下端縁が確実な液密シールを形成することができる
簡便なフィルター要素製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非熱可塑性樹
脂製または熱可塑性樹脂製のフィルター膜の上下端縁に
近接した部分に、無孔の非フッ素系熱可塑性樹脂製のエ
ッジフィルムを添わせ、それらを前記上下端縁に融着
し、次に両面に多孔支持体を添わせ、得られた積層体を
アコーデオンプリーツ状に折り曲げ、両側縁を互いに封
着してエンドレスに形成し、非フッ素系熱可塑性樹脂で
製作した端板の少なくとも片面を溶融したものに前記上
下端縁部分の少なくともエッジフィルムを浸漬して冷却
することにより、前記端板により前記フィルタ膜を完全
溶着することを特徴とする、フィルター要素の製造方法
である。ここにフィルター膜に使用できる非熱可塑性樹
脂には四フッ化エチレン樹脂等があり、また熱可塑性樹
脂には、公知のフッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレ
ン−パーフルオルアルキルビニルエーテル共重合体等が
ある。他の使用できる熱可塑性樹脂にはポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケト
ン等、これらの共重合体、ポリマーアロイ等がある。エ
ッジフィルム及び端板として使用する非フッ素系熱可塑
性樹脂にはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスル
ホン、ポリエーテルケトン等、これらの共重合体、ポリ
マーアロイ等がある。これらの樹脂は一般に耐熱性樹脂
として知られる熱可塑性樹脂であり、フィルタ要素を構
成するのに適した耐食性と耐熱性を有し、又耐熱・耐食
性のフッ素系樹脂よりも安価である。これらの樹脂は封
着時に溶融状態で高粘度である欠点を有するが、本発明
によると簡単に必要な封着が達成できる。エッジフィル
ム及び端板を構成する非フッ素系熱可塑性樹脂は加熱封
着時にフィルター膜の細孔に侵入するかあるいはフィル
ター膜と一体化して充分な封止効果を達成する樹脂から
選ばれる。またこの樹脂はフィルター膜と同等以下の融
点、より好ましくはより低い融点を有するものを使用す
る。例えばフィルター膜に四フッ化エチレン樹脂または
フッ化ビニリデン樹脂を使用する場合にはエッジフィル
ム及び端板にはポリプロピレンが好ましく、フィルター
膜にポリプロピレンを使用する場合にはエッジフィルム
及び端板にはポリプロピレン及びポリエチレンが好まし
い。なお支持体並びに内外円筒にもこれらの非フッ素系
熱可塑性樹脂を使用することが望ましい。
【0011】本発明の原理は次の通りである。まずフィ
ルター膜の上下端縁に添わせて無孔の熱可塑性樹脂製エ
ッジフィルムを接合する工程は、フィルター膜をプリー
ツに折る前に加熱ローラを当てるなどの連続熱融着によ
り実行されるので、エッジフィルムの熱可塑性樹脂はフ
ィルター膜の細孔に充分浸透して両者間を液密又は気密
に結合し充分なシール性を確保する。すなわち、フィル
ター膜とエッジフィルム間の接合面に沿った漏れは充分
に阻止される。次に、プリーツ加工の後に、濾材は所定
の上下方向寸法となるように裁断されるが、切断箇所は
エッジフィルムから外れないようにする。特に四フッ化
エチレン樹脂製のフィルター膜を使用する時は、この膜
の腰が極めて弱いので、裁断時の蛇行は避けられない
が、エッジフィルムのところで切断するので蛇行の抑制
は気にしなくてよい。次に、濾材の上下縁は片側づつ端
板の表面が溶融した熱可塑性樹脂に浸漬されるが、エッ
ジフィルムは簡単に溶融して、端板の溶融した表面に一
体化し、次いで冷却することにより完全なシールが形成
される。本発明の方法の著しい効果は、溶融した熱可塑
性樹脂がフィルター膜の間にある程度浸透すれば充分な
ことである。なぜなら、エッジフィルムがすでにフィル
ター膜に気密または液密に結合されており、従ってエッ
ジフィルム端部と端板との間に充分な流体密なシールが
形成されれば充分なシール性が確保出来るからである。
もちろん、フィルター膜の上下端縁が端板中に充分に浸
される程度に濾材の上下縁が溶けた端板中に浸漬される
のは一向に差し支えはなく、シールの原理は少しも変わ
らない。なお、上の工程で、端板を一部溶融する代わり
に、端板用の成形金型中で完全に溶融した状態でエッジ
フィルムとの融合を行ってもよい。
【0012】更に、本発明によるとシール性のみならず
耐用性も充分に確保される。また食品の加熱殺菌等にお
いて使用される場合に必要な耐熱耐用性も確保できる。
これは濾過物の熱、圧力、及び振動に対してフィルター
膜とエッジフィルムの間、及びエッジフィルムと端板と
の結合が充分であるためにシール部に緩みが生じないこ
とを示す。
【0013】この封着の原理は従来のいかなる方法とも
違うことは明らかである。本発明では溶融した熱可塑性
樹脂を濾材の上下端でプリーツの隙間に浸透させること
は必要条件ではなく、エッジフィルム端縁と端板の結合
が充分なら樹脂のわずかな浸透でも充分なシール性が確
保されるのである。
【0014】なお、アコーデオンプリーツ状に折り曲げ
る工程中に、またはその後に前記エッジフィルムの軟化
温度に至らない程度に加熱すると、支持体及びエッジフ
ィルムに折り癖がつくから、腰の弱い濾材の形状が安定
化し、そのためその後の工程が容易になる。
【0015】
【実施例の説明】以下図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図4は本発明によるフィルター要素の組立前
の諸部材の状態を示す斜視図であり、21は熱可塑性樹
脂製の下側端板、22は熱可塑性樹脂製の多孔外筒、2
4は四フッ化エチレン樹脂等の非熱可塑性またはポリプ
ロピレン等の熱可塑性樹脂製のフィルター膜とフィルタ
ー膜の両面に添わせた熱可塑性樹脂製の多孔支持体との
積層体であるプリーツ状に折られた濾材、23はその上
下端縁に結合されたポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製
の無孔のエッジフィルム、25は熱可塑性樹脂製の多孔
内筒、26は外部接続部27を具備した熱可塑性樹脂性
の上側端板である。
【0016】濾材24の構造及び製造法を図5〜9及び
下記工程1〜5に、またフィルター要素の組立て工程を
図10〜11及び下記工程6に示す。 1.エッジフィルム融着工程 先ず、図5に示すように、長尺の四フッ化エチレン樹脂
等のフィルター膜31と熱可塑性樹脂製の無孔のエッジ
フィルム23を連続供給して、フィルター膜の両縁部分
に重畳させ、次いでエッジフィルムの融点以上の温度
(例えばポリプロピレンの場合には約150〜220
℃)に加熱したホットロールの間に通してエッジフィル
ムをフィルター膜に融着する。このとき、各エッジフィ
ルムの熱融着部の幅は、後述の工程5での所定寸法への
切断後に、充分な流体密シールを形成出来るように定め
る必要がある。なお、この工程は片側づつ行なっても良
い。
【0017】フィルター膜31とエッジフィルム23の
重畳関係は図5のようにしても良いし、図6のようにエ
ッジフィルム23がフィルター膜31の両縁から突出す
るようにしても良い。四フッ化エチレン樹脂製のフィル
ター膜31は腰が弱いから連続供給中の蛇行を避けるこ
とが困難であるので、図5、図6のような一定の重畳関
係の維持は困難で、実際には図7のようになる場合もあ
る。従って、濾材を上記の所定寸法に切断する際に蛇行
があっても必ずエッジフイルム内を切断出来るに充分な
幅のエッジフィルムを所定間隔で使用する必要がある。
【0018】フィルムエッジは溶融状態でフィルター膜
に押し付けられるから、フィルムエッジの樹脂はフィル
ター膜の細孔に侵入してアンカー効果により完全に結合
する。これにより流体密なシールが達成出来る。すなわ
ち、濾過液体又は気体はフィルター膜とフィルムエッジ
の間を通して漏れることはなくなる。その上両者の結合
は機械的にも強固であるので、耐久性のある耐圧を示す
ことが分かった。これらの点は後で実例により示す。
【0019】2.プリーツ加工工程 このようにして得られたフィルター膜31及びエッジフ
ィルム23の結合体の両面に熱可塑性樹脂製の多孔支持
体32(網、不織布、多孔質シートなど)で挟んで積層
し、この積層体をアコーデオンプリーツ状に折る。この
とき、折り機の前、中、または後で積層体の上下面に多
孔支持体の軟化温度に達しない高めた表面温度(例えば
ポリプロピレンの場合約50〜120℃)の熱を加えて
折り癖を付ける。治具を使用して更に折り癖を付与して
もよい。
【0020】3.切断工程 プリーツ状に折った積層体を所定の山数にカットする。
【0021】4.エンドレスシーム工程 1〜3の工程で得られたプリーツを付けた積層体をエン
ドレス状にして両側縁の多孔支持体32を重畳させ(図
8)、多孔支持体32の融点以上の温度に上げて適当な
ホットプレス治具(図示せず)により融着する。これに
より、多孔支持体32は互いに融着すると共にフィルタ
ー膜の細孔に浸透してシールを行ない、円筒体24を形
成する。
【0022】5.両端カット工程 次に円筒体を適当な治具に支持させ、所定の上下端縁間
寸法に円筒体をカットして本発明の濾材24(図4参
照)とする。カット部分は必ずエッジフィルムの部分を
通り、しかも前記工程1で記載したようにカット後に充
分な幅の熱融着部分が残ることが重要である。
【0023】フィルター膜の上下端縁にエッジフィルム
を融着し、両面に多孔支持体を積層し、プリーツを付
け、エンドレス円筒状に形成し、両側縁で融着し、上下
端縁で切断して得た濾材は、これをフィルター要素に組
立てたとき、極めて液密性及び気密性の高い、且つ耐圧
性、耐熱性の高いフィルターを構成出来る。
【0024】6.ポッティング工程 次に、この濾材を用いたフィルター要素の構造と組立て
方法を説明する。先ず、この例では端板には図4の閉鎖
型端板21と、開放型端板26が使用されており、濾材
24とこれらの端板への結合は順に行なわれる。先ず、
端板21のプリーツ加工した濾材の端面を封止接合すべ
き片面(非成形部分)をその融点以上の温度、例えばポ
リプロピレンの場合には約150〜220℃に加熱し溶
融する。この時他側の成形部分が熱変形しないように注
意する。次に内外多孔円筒22、25及び円筒状の濾材
24の各下端をこの溶融部分に所定の深さまで押入れた
状態でポリプロピレンの場合には約1〜5分保持し、そ
の後圧力を解放する。5〜10分間放冷する。エッジフ
ィルム23は端板21と一体化し、充分な封着を行な
う。溶融した樹脂の一部はプリーツ間に浸透することが
好ましいが必ず必要というわけではなく、重要なのはエ
ッジフィルムが端板と融合することである。なぜならエ
ッジフィルムと端板との流体密性さえ確保されるなら、
エッジフィルムとフィルター膜とは予め融着されている
から、エッジフィルムとフィルター膜の間の流体漏洩通
路は存在しないからである。なお、予備成形した端板を
使用しないで、端板成形用の金型中で端板材料を溶融し
たものに濾材の上下端を押し入れても同様な結果が得ら
れる。
【0025】次に、図4の開放型端板26の片面(図の
底面側)を溶融させ、前工程まで組み立てたものを反転
させ、次いで内外多孔円筒22、25及び濾材24の各
上端をこの溶融した部分に浸漬する。これによりエッジ
フィルム23は溶融して端板と融合する。ついで室温に
冷却することによりエッジフィルム23は端板26と一
体化し、充分な封着を行なう。
【0026】実験例 以下に具体例を示す。四フッ化エチレン樹脂製のフィル
ター膜(平均厚さ45μm、平均孔径0.1μm、平均
バブルポイント値2.0kg/cm2、幅300mm)
の両縁部にエッジフィルムとしてポリプロピレンフィル
ム(幅25mm、厚さ40μm)を幅10mmの約18
0℃に加熱したロールヒータで熱融着した。このときエ
ッジフィルムの間隔は熱シール部分のセンター間が定尺
250mmになるようにした。
【0027】このエッジフィルム付きフィルター膜を上
下からポリプロピレンネット(100メッシュ、幅30
0mm)で挟んで積層体を形成しながら、山の高さ(山
−谷間の寸法)が11mmのプリーツに折り、山数12
0ごとにカットした。このとき折り機の直前、直後で積
層体を上下から100℃に加熱することで予備的にプリ
ーツ形状の固定化を行なった。
【0028】ここで得られたプリーツ山数120の、上
下にポリプロピレン製ネットの支持体を持ち、両縁部に
ポリプロピレン製のエッジフィルムを融着したプリーツ
付き積層体を、治具に挿入し、一定圧力を加えながら1
00℃のオーブンに入れ、50分の加熱処理後、オーブ
ンから取り出し室温まで放冷した。これによりプリーツ
形状が最終的に固定化された。
【0029】このプリーツつき積層体の両側縁部を重畳
させて図8のようにセットし、市販のホットスタンプマ
シンにて200℃で加熱融着した。
【0030】こうして得た円筒形プリーツ濾材の上下両
端に融着されたエッジフィルムのセンター部分をカット
することにより所定長さの円筒形濾材を得た。
【0031】次に、片側にフィルター要素の最終形状を
有するポリプロピレン製端板(図4の閉鎖型端版21、
開放型端板22の2種)の濾材側の面を約200℃の温
度で約2分間加熱して端板を部分溶融した。
【0032】前記円筒形濾材の外側にポリプロピレン多
孔外部円筒(保護スリーブ)及び内側にポリプロピレン
多孔内部円筒(保護スリーブ)をセットした後(図
4)、上記の溶融したポリプロピレン端板内に空気シリ
ンダで加圧挿入し、2分間加圧した後、室温まで放冷し
た。この工程を片側で閉鎖型端板、反対側で開放型端板
に対して行ないフィルター要素を完成した。
【0033】得られたフィルター要素のバブルポイント
試験(気密性試験)、及び耐用耐圧試験を行なった。
比較のために、エッジフィルムを使用しない他は実施例
と同様にしてフィルター要素を製造した。試験の結果は
表1に示す。ここに各試験は次の通りである。 a.バブルポイント試験 試験サンプルを60%IPA水溶液で充分に濡らし、加
圧用ステンレスハウジングにセットし、1.75kg/
cm2 の加圧用空気を徐々に送り込み、濾液出口側から
の発泡(バブル)の有無を見る。発泡がないときに合格
とする。 b.耐久耐圧試験 60%IPA水溶液で充分に濡らした後、純水で置換
後、加圧用ステンレスハウジングにセットし、7kg/
cm2 の正圧でパルス濾過を100回行なった後、5.
3kg/cm2 の逆圧濾過を3分間行なった後のディフ
ュージョン値を測定する。ディフュージョン値は拡散で
透過してくる空気量を示し、総孔面積に比例する。ディ
フュージョン値が20cc/min以上は不合格と判定
する。
【0034】
【表1】
【0035】
【作用効果】以上の結果から、本発明のフィルター要素
はシール性が非常に良いだけでなく耐久耐圧性も良いこ
とが分かる。比較例によると、フィルムエッジを使用し
ないと漏れ通路が出来易く、又耐久耐圧性にも劣ること
が分かる。これは端板の素材である熱可塑性樹脂の溶融
粘度が高いためである。従ってエッジフィルムがない場
合はプリーツ間に樹脂が完全に浸透しない限り、流密性
が達成されないので2重シールなどが必要となる。これ
に対して、エッジフィルムは予めフィルター要素に完全
に熱融着されているため、こうした溶融した熱可塑性樹
脂の浸透は必ずしも必要でなく、エッジフィルムが端板
に融合することにより充分なシール性と耐久耐圧性が得
られるものである。本発明は従来のような2重シールな
どの従来の方法に比べて、作業性、操作性、確実性、経
済性の面で非常に優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフィルター要素を組み込んだフィルター
装置の断面図である。
【図2】図1のフィルター装置の部分破断斜視図であ
る。
【図3】従来のフィルター要素に使用された濾材の構成
を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例によるフィルター要素の組立前
の構成部材を示す斜視図である。
【図5】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明のフィルター要素に使用するフィルター
膜とエッジフィルムを融着する工程を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明のフィルター要素に使用するプリーツを
付した濾材の両側縁部を融着するための工程を示す断面
図である。
【符号の説明】
21、26 端板 22 多孔外筒 25 多孔内筒 23 エッジフィルム 24 円筒体 27 Oリング部材 31 フィルター膜 32 支持体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非熱可塑性樹脂製または熱可塑性樹脂製
    のフィルター膜の上下端縁部分に、無孔の非フッ素系熱
    可塑性樹脂製エッジフィルムを重畳させて融着し、更に
    前記フィルター膜の両面に、1対の多孔支持体を添わ
    せ、こうして得られた濾材をアコーデオンプリーツ状に
    折り曲げ、両側縁を封着してエンドレスに形成し、別に
    片側の面をカートリッジ端板の形状に成形した端板の他
    側の面を溶融した非フッ素系熱可塑性脂中に前記上下端
    縁部分の少なくとも前記エッジフィルムを浸漬して冷却
    することにより、前記端板により前記フィルタ膜を完全
    封着することを特徴とする、フィルター要素の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 非熱可塑性樹脂製または熱可塑性樹脂製
    のフィルター膜の上下端縁部分に、無孔の非フッ素系熱
    可塑性樹脂製エッジフィルムを重畳させて融着し、更に
    前記フィルター膜の両面に、1対の多孔支持体を添わ
    せ、こうして得られた濾材をアコーデオンプリーツ状に
    折り曲げ、両側縁を封着してエンドレスに形成し、端板
    成形用の金型中で溶融した非フッ素系熱可塑性脂中に前
    記上下端縁部分の少なくとも前記エッジフィルムを浸漬
    して冷却することにより、前記端板により前記フィルタ
    膜を完全封着することを特徴とする、フィルター要素の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 フィルター膜の材料が、非熱可塑性であ
    る四フッ化エチレン樹脂、熱可塑性であるポリプロピレ
    ン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリカ
    ーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ化ビニリデン
    樹脂、及びポリエーテルケトンよりなる群から選択され
    る請求項1または2に記載のフィルター要素の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 エッジフィルム、多孔支持体、及び端板
    の材料がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホ
    ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスル
    ホン、及びポリエーテルケトンよりなる群より選択され
    ている請求項1または2に記載のフィルター要素の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 アコーデオンプリーツ状に折り曲げる工
    程に続いて、前記エッジフィルムの軟化温度以下の高め
    た温度で前記プリーツを圧縮保持して折り癖を付ける工
    程を含む、請求項1または2に記載のフィルター要素の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 両側縁を封着してエンドレスに形成する
    工程の直後、次の工程に移る前に、濾材を熱可塑性樹脂
    製の多孔内外筒の間に収納する工程を含む、請求項1ま
    たは2のいずれかに記載のフィルター要素の製造方法。
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