JP3196152B2 - 中空糸膜束ユニット、中空糸膜型分離モジュ−ル及びこれらの製造方法 - Google Patents
中空糸膜束ユニット、中空糸膜型分離モジュ−ル及びこれらの製造方法Info
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Description
を結束した中空糸膜束ユニット、多数の中空糸膜束素子
をハウジング内に組み込み固定した中空糸型分離モジュ
−ル及びそれらの製造方法に関し、特に中空糸膜束素子
の中空糸膜を均一に分散させた状態で固定した中空糸膜
束ユニット、中空糸型分離モジュ−ル及びその製造方法
に関する。
食品工業、医薬工業用等低溶出性、スチ−ム滅菌性、耐
薬品性を必要とする分野で広く利用されている。中空糸
膜分離モジュ−ルは、例えば図6に示すように多数の中
空糸膜の端部を結束してハウジング内に組み込み、ウレ
タン系、エポキシ系等の接着剤で固定化したものであ
る。図6において、中空糸膜1は、ケ−シング5内に封
入されており、その一端3は固定端部としてケ−シング
5に固着され、そのケ−シング5の端部にフランジ10
を設け、カバ−体8のフランジ10’と接合して閉ざさ
れている。濾過すべき液は一端6の流入孔より流入し、
中空糸膜を通過し他端9より流出される。図中、7は空
気抜きポ−トである。
中空糸膜をランダムに束ねただけのものであるため、各
糸膜同志のすき間は不均一になりやすく、使用時に被処
理流体を通過させた際、被処理流体は流路抵抗の小さい
部分に集中して流れるようになり、いわゆるチャンネル
現象を生じ、このチャンネル現象により分離機能を果た
さないデッドスペ−スが存在することと成り中空糸膜モ
ジュ−ルとしての分離効率を低下させる結果となった。
この点を改良する手段として、例えば中空糸膜の分散す
べき端面に一方向より空気を吹き付ける方法があるが、
この方法は中空糸膜を均一に分散させるには充分でな
く、良好な品質のものが得られないばかりでなく中空糸
膜自体にダメ−ジを与える心配もあった。
するに際してはウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の接着剤
を使用しているため接着剤からの溶出物も多く、耐熱
性、耐薬品性にも乏しいため、浄水器用等限定された用
途にしか使用出来ない。この接着剤による固定化に代る
手段として熱融着方法がある。この方法は、複数の中空
糸膜同志の間隙にポリオレフィン樹脂のような熱融着性
樹脂を充填し、加熱して一体とするのであるが、樹脂の
熱溶融時に中空糸膜の形状を維持することが困難で中空
糸膜が潰れたり、或は中空糸膜の内径及び外径の寸法に
変化を生じる等の問題点があった。
て、特開平1−293105号公報には、熱溶融を行な
う部分の中空糸膜の内部を加熱の際に流動性を示さない
物質で目止めを行い、中空糸膜端部同士の隙間に熱可塑
性樹脂を詰め、加熱溶融して接着した後、目止め剤を除
去する方法が記載されている。そして、具体的に補助部
材を詰めた中空糸膜の糸束の外周に熱収縮性のテ−プを
巻きつけて固定し、これを加熱することによって、補助
部材が完全に中空糸膜同志の間隙を埋めると共に熱収縮
性テ−プの収縮によって糸束が締めつけられて液密的に
熱融着されることが示されている。
17号公報には中空糸膜及び中空糸膜の結束端部におけ
る封止剤の材質をオレフィン系樹脂を使用した中空糸膜
分離ユニットが開示されている。そして、この中空糸型
膜分離ユニットの製造方法として封止剤のポリオレフィ
ン系樹脂の微粉末の懸濁液をつくり、これに中空糸膜の
結束端部を浸漬し、封止剤の融点以上の温度に加熱して
懸濁液の液体を蒸発させ、封止剤微粉末が溶融流動状態
になった後、常温まで徐冷固化する方法が開示されてい
る。しかし、この製造方法では加熱溶融時に封止剤微粉
末間の空隙を埋めるための操作を行なわないため気泡の
残存が多く、初期シ−ル性及び耐熱くり返し圧力性の耐
久性の保証がしがたいという問題があった。
号公報記載の方法では、熱収縮性のテ−プを巻きつけ、
これによって糸束は締めつけられ、熱溶融した補助部材
は完全に中空糸膜同志の隙間を埋めることができ、液密
的に熱溶融接着されるが、糸束外周にテ−プを巻きつけ
る等の操作を行わなければならず、しかも任意に巻きつ
けるために収縮後の外径寸法が一定とならない。このよ
うにして作られた濾過素子(中空糸膜分離モジュ−ル素
子)は、チュ−ブ状ケ−シング内に挿入されて使用され
るが、素子の端部外周とケ−シング内壁との間のシ−ル
は、Oリングパッキンを用いるか、または、再度補助部
材を用いて溶着する必要がある。従って、前者の場合に
はパッキン材の溶出、濾過素子の外径のバラツキからく
るパッキング材との間のシ−ル不良や耐久上の問題を生
じ、後者の場合には外周部の接合不良、またあらかじめ
接合した中空糸膜間の再溶融に起因するシ−ル不良、更
に製造工程の増加等の問題を生ずる。
記の欠点を改良すべく種々検討した結果、本発明を完成
したもので、本発明は、中空糸膜束における中空糸膜を
均一に分散させることを目的とするものであって、その
結果、ケ−シング内での中空糸膜を均一に分散させて濾
過面積収納効率の高い中空糸膜の利点を十分に生かすと
共に、その端部を従来のような接着剤の溶出の問題点を
改良して中空糸膜束ユニット、ケ−シングと一体化した
中空糸膜型分離モジュ−ル及びそれらの製造方法を提供
するものである。
子材料よりなる複数本の中空糸膜が高密度に配列され、
少なくともその一方の端部が上、下2枚の帯状の熱可塑
性フィルムで覆われ、且つ、該中空糸膜配列方向に沿っ
てのり巻状に巻き込まれた断面2層の渦巻状とした中空
糸膜束素子が液密的に一体に接合されてなる中空糸膜束
ユニット、及び、高分子材料よりなる複数本の中空糸膜
が高密度に配列され、少なくともその一方の端部が上、
下2枚の帯状の熱可塑性フィルムで覆われ、且つ、中空
糸膜配列方向に沿ってのり巻状に巻き込まれた断面2層
の渦巻状の中空糸膜束素子が、端部が絞られたチュ−ブ
状ケ−シング内に挿入され、各中空糸膜間および中空糸
膜束素子外周とケ−シング内壁とが液密的に一体に接合
されてなる中空糸膜型分離モジュ−ルである。
は、予め芯体の表面に帯状の熱可塑性合成樹脂フィルム
をセットし、該芯体表面上に中空糸膜を前記フィルムと
直角方向になるようにスパイラル状に巻き付けた後、更
に他の熱可塑性合成樹脂フィルムを中空糸膜を挾んで前
記フィルムと同じ位置に載置し、これらフィルム同志及
び/又は中空糸膜を熱融着して各中空糸膜の端部を一体
にし、しかる後、中空糸膜束を芯体から外し、帯状フィ
ルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2つ折りとして中空
糸膜層が2層に積層された中空糸膜束とし、この積層中
空糸膜束を中空糸膜の配列方向に沿ってのり巻き状に巻
き込み、中空糸膜束素子を形成し、その端部外周に締付
補助部材を嵌合した後加熱して、端部を締め付け熱融着
させるとともに、端部を結束させ、各中空糸膜同士を液
密的に接合し、しかる後、端部を切断除去して中空糸膜
を開口させて円筒状の中空糸膜束ユニットを形成するこ
とを特徴とする中空糸膜束ユニットの製造方法である。
−ルの製造方法は、予め芯体の表面に帯状の熱可塑性合
成樹脂フィルムをセットし、該芯体表面上に中空糸膜を
前記フィルムと直角方向になるようにスパイラル状に巻
き付けた後、更に他の熱可塑性合成樹脂フィルムを中空
糸膜を挾んで前記フィルムと同じ位置に載置し、これら
フィルム同志及び/又は中空糸膜を熱融着して中空糸膜
束の端部を一体にし、しかる後、中空糸膜束を芯体から
外し、帯状フィルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2つ
折りとして中空糸膜層が2層に積層された中空糸膜束と
し、この積層中空糸膜束を中空糸膜の配列方向に沿って
のり巻き状に巻き込み、中空糸膜束素子を形成し、これ
を熱収縮性を有するチュ−ブ状ケ−シング内に挿入した
後、加熱して端部を熱収縮させて締め付けるとともに熱
融着させ、各中空糸膜同志及び中空糸膜束素子とケ−シ
ング内壁とを液密的に接合し、しかる後端部を切断除去
して中空糸膜を開口させるか、或いは、上述の方法で中
空糸膜束素子を形成し、これを熱収縮性を有するチュ−
ブ状ケ−シング内に挿入した後、端部に締付補助部材を
嵌合した後、加熱して収縮締付けて熱融着させ、しかる
後、各中空糸膜同志及び中空糸膜束素子とケ−シング内
壁とを液密的に接合し、さらに締付補助部材外し、端部
を切断除去して中空糸を開口させることを特徴とする中
空糸膜型分ジュ−ルの製造方法である。
中空糸膜束ユニット及び中空糸膜型分離モジュールの中
空糸膜束の端部結束部は熱可塑性フィルム又はチューブ
状ケーシングの内壁に融着し、2層の中空糸膜が渦巻状
に積層されるように形成され中空糸膜は均一に分散して
いるので、従来見られたチャンネル現象を回避し、濾過
面積効率を高めることができ、更に、チューブ状ケーシ
ングとして熱収縮性を有する合成樹脂で構成されたパイ
プを使用した場合、溶剤を使用することなく、前記中空
糸膜束の端部結束部外周とケーシング内壁との間が液密
的に一体接合され、低溶出性、耐熱性、耐薬品性を有す
る中空糸膜分離モジュールを提供することが出来たので
ある。
発明の中空糸膜としては例えば濾孔径ポリオレフィン、
ポリサルホン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)等何れでも良
く、熱可塑性樹脂フィルムとしては熱融着性を有するフ
ィルムであれば良いが、通常、使用する中空糸膜の材質
との関係で選択することが好ましい。例えば、中空糸膜
として、ポリプロピレン中空糸膜を使用する場合にはポ
リエチレン系フィルムを使用し、ポリサルホン中空糸膜
の場合にはポリオレフィン系フィルムを、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)の場合にはポリオレフィン系フィ
ルムを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の場
合にはパ−フルオロアルコキシアルカン(PFA)又は
パ−フルオロ(エチレン/プロピレン);テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(FEP)を使
用することが好ましい。
は板状体等何れの形状でも良い。芯体の大きさとしては
製造する中空糸膜型分離モジュ−ルの大きさによって異
なるが、例えば、ドラムの場合、通常、直径20〜20
0mm程度のものがよく使用され、これに例えば、幅1
0〜50mm、厚さ10〜100μm程度の帯状の熱可
塑性合成樹脂フィルムを載置する。熱可塑性合成樹脂フ
ィルムを載置したドラム上に中空糸膜をスパイラル状に
等ピッチで巻きつけ、中空糸膜間の間隙を均一にする。
巻きつけが終わったならば、その上に先に使用したフィ
ルムと同質のフィルムを同じ位置に載せ、両フィルムを
熱融着して中空糸膜の端部を帯状熱可塑性樹脂フィルム
で仮止めして中空糸膜束とする。この仮止めによって得
た中空糸膜束の中空糸膜同志の間隙を一定に保ことが出
来る。
融着した帯状フィルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2
つ折りとして中空糸膜層が2層に積層された中空糸膜束
とし、この2層の積層中空糸膜束を、中空糸膜に沿って
のり巻き状に捲き込んで中空糸膜束素子を形成し、この
端部に締付補助部材、例えば締付チュ−ブを嵌合して締
付け加熱することによって熱融着させて結束させる。し
かる後、端部を切断して開口し、これによって円筒状の
均一に分散した中空糸膜束ユニットを得ることが出来
る。
即ち、中空糸膜束素子をチュ−ブ状ケ−シング内に挿入
し、ケ−シングの端部に締付補助部材、例えば締付けチ
ュ−ブを嵌合して締め付け、加熱することによって中空
糸膜束素子の中空糸膜同志および/または、中空糸膜束
素子の外周とチュ−ブ状ケ−シング内壁とを一体化して
接合して中空糸膜型分離モジュ−ルを形成するのであ
る。その際、一般的にはチュ−ブ状ケ−シング外周部に
締付チュ−ブを嵌合して、その径を収縮させるが、チュ
−ブ状ケ−シング自身により端部の径をしぼって一体化
することもでき、この方法としては、チュ−ブ状ケ−シ
ングとして熱収縮性ケ−シングを使用することが好まし
い。この熱収縮性ケ−シングは予め外力によって径を拡
張して歪を持たせ、加熱によってケ−シング自身が元の
状態に戻ろうとする復元力によって収縮するケ−シング
を意味する。また、この場合、端部をフィルムの融点以
上に加熱し、中空糸膜端部を熱融着する。即ち、ケ−シ
ングの先端15mm〜55mmのところをフィルムの融
点以上に加熱溶融させるのであって、加熱にはプレ−ト
ヒ−タ−を用いる。
めるられるが、なお一層容易にするため、ケ−シング外
側に予め補助部材、例えば締付チュ−ブを配設しておく
ことが好ましい。このようにして中空糸膜端部の間隙が
埋められ、冷却固化した後、ケ−シング外側の補助部材
を取り除き、収縮部先端から5〜10mmを切断除去し
中空糸開放端を表面に出し開口させる。上述で得られた
モジュ−ルに、ポリオレフィン製カバ−を熱融着し使用
される。
可塑性樹脂フィルムをもって封止され一体となってい
る。溶融熱可塑性樹脂フィルムとして使用する材料は、
中空糸膜の材質と同じか、或はこの材質より融点の低い
耐薬品性及び耐溶剤性を有する熱接着性合成樹脂であっ
て、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル等である。更に、本発明では中空糸膜端部又はケ−
シングの端部を締め付けて結束するために締付補助部材
を使用する。使用する締付補助部材としては、前述の熱
収縮性ケ−シングや熱収縮性チュ−ブ、復元力の大きい
弾性体チュ−ブ、金型、バネ材からなり、円筒渦巻き状
に成形され、所定の径に達したところで締め付け力が0
となるように形成された板バネチュ−ブ(図7参照)等
がある。熱収縮性チュ−ブとしてはポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂(例えばPF
A、FEPチュ−ブ)等の熱可塑性樹脂又はシリコン樹
脂を延伸成形したチュ−ブ、又は熱収縮性シリコンゴム
チュ−ブであり、また復元力の大きい弾性体としてはシ
リコンゴムが好ましい。これらの締付チュ−ブは、中空
糸膜束素子の端部に直接嵌合してもよいが、熱可塑性を
有するケ−シング内に、中空糸膜束素子を挿入し、その
ケ−シングの外周に上記のチュ−ブを嵌合してもよい。
嵌合した締付チュ−ブによってケ−シング自体が熱収縮
し、中空糸膜の糸束をケ−シングと一体となって固定化
することができる。
固定化した後、除去するが、熱収縮性チュ−ブを中空糸
膜端部に直接嵌合して加熱して封止剤を熱融着させると
共に熱収縮性チュ−ブを収縮させた場合で、しかもチュ
−ブ自身が熱溶融性を有するものであればチュ−ブを除
去する必要はなく、この場合には中空糸膜端部の外周に
はチュ−ブを構成していた熱可塑性樹脂の層が形成され
る。本発明にかかる中空糸膜束ユニットおよび中空糸膜
分離モジュ−ルは、図1に示すように中空糸膜束の一端
が固定化され、他端の中空糸膜がU字状に折り返された
ものは勿論であるが、図2に示すように中空糸膜束の両
端部が固定化されたものでもよい。このように両端部が
固定化されたものにおいては、前記フィルムは芯体の互
いに対向する位置(例えばドラムを用いる場合、ドラム
の中心軸に対して対称の位置)2ケ所に配置され、その
上から中空糸膜をスパイラル状に巻きつけ、さらにフィ
ルムを前記各フィルムと同じ位置に載せ、仮止めする。
しかる後中空糸膜を芯体から外して、各フィルムのほぼ
中央で2つ折りし、2層に積重された中空糸膜とし、こ
れをのり巻き状に捲き込んで、中空糸膜束素子を形成す
る。この素子の上下部分に締付チュ−ブを配設した後、
加熱して中空糸膜束ユニットを得る。前記中空糸膜束素
子を筒状ケ−シング内に配設して、その上下外周に締付
チュ−ブを配設して、前記と同様にして中空糸膜型分離
モジュ−ルを得る。
の一例を図をもって説明する。図1は中空糸膜の一端部
を熱融着固定した中空糸膜型分離モジュ−ルを、図2は
両端部を熱融着した中空糸膜型分離モジュ−ルをそれぞ
れ示す。図1において、中空糸膜1の一方の端部2はU
字状に折り曲げられて(図4参照)、端部に流入孔6及
び空気抜きポ−ト7を有するケ−シング5内に挿入され
ている。中空糸膜1およびケ−シング5の他端部は、そ
の外径が絞られ熱可塑性フィルム4、4’が溶融して一
体となった熱可塑性樹脂をもって中空糸膜同志が一体化
されている。そして、本発明の中空糸膜型分離モジュ−
ルは2層の中空糸膜がうず巻き状に積層された固定端部
3(図5参照)が形成されている共にケ−シング5の内
壁と熱融着されている。なお、図5は2層の中空糸膜が
一対となって渦巻状に巻き込まれた状態を示したもの
で、中空糸膜は2列毎に同じ位置になっており、熱可塑
性フィルム4、4’は中空糸膜の間を溶融して一体とな
る。そして、このケ−シングの該固定端部3の外周には
空気抜きポ−ト7と流出孔9を有するカバ−体8が熱融
着されている。図2においては、中空糸膜1の両端部が
熱融着された固定端部3、3’を有す。固定端部3、
3’は熱可塑性フィルム4、4’によって形成され、ケ
−シング5内に挿入されている。ケ−シング5の上下端
は絞られており、その部分の内径は他の部分より小径に
なっている。そして、中空糸膜1の固定端部3、3’は
ケ−シング5のそれぞれの内壁に熱融着されている。ケ
−シング5の両端部の外周には流出孔9を有するカバ−
体8及び流入孔6’を有するカバ−体8’が熱融着され
ている。
造法について説明する。図3は本発明の製造工程を示し
た説明図である。図において直径約50〜100mmの
ドラム11に幅10〜50mm、厚さ0.01〜0.1
mmのポリエチレンフィルム4を仮接着し、この上にポ
リプロピレンよりなる中空糸膜1を等ピッチでスパイラ
ル状に巻き付ける(a)。中空糸膜の巻き付けが終了
後、ポリエチレンフィルム4の上に、中空糸膜1を挾む
ようにしてポリエチレンフィルム4’を載せ、両フィル
ムを熱融着する(b)。なお、この場合、ポリエチレン
フィルム4の中央部にある中空糸膜1は後工程で切断除
去するのでその中央部は潰れてもよいが、他の部分は潰
れないようにフィルムを載せる。本実施例に用いたポリ
エチレンフィルムは透明なものであるので、その内側の
中空糸膜は透けて見える。両フィルムを融着した拡大断
面図を(c)として示す。次いでドラムを外し、中空糸
膜1の一部にポリエチレンフィルム4、4’が融着した
ものを取りだし(d)、これを中空糸膜の方向にポリエ
チレンフィルム4、4’をのり巻き状に巻き込み
(e)、円筒状の中空糸膜束素子を形成する(f)。こ
の巻き取りには、直径2mmφ〜5mmφのポリオレフ
ィン製丸棒を心棒として用いると巻き取り易い。この丸
棒の融点はフィルムと同程度のものが好ましい。このよ
うにして得られたもの、即ち中空糸膜束素子をポリオレ
フィン製のケ−シング5内に挿入する(g)。ケ−シン
グ5の端部外側には予めPFA、FEP等の熱収縮チュ
−ブ若しくは拡張したシリコンゴム弾性体チュ−ブ等の
締付補助部材12を配設し、加熱することによってケ−
シング端部の径を容易に縮小させることが出来る。な
お、補助部材12のチュ−ブは収縮後又は復元後適切な
寸法になる様に予め寸法設定して置くことが便利である
(h)。
挿入されたケ−シング5の先端部15mm〜55mmの
ところをポリエチレンフィルムの融点以上に加熱された
プレ−トヒ−タ−13によって溶融させてケ−シング5
とを一体化する(i)。しかる後、ポリエチレンフィル
ムの冷却固化後、ケ−シング5の外側の補助部材12を
取り除き、収縮部先端から5〜10mmを切断し中空糸
開放端を表面に出す(j)。このようにして得られた中
空糸膜束素子を内部に接合したケ−シングの端部外側に
ポリオレフィン製カバ−8を熱融着することによってオ
−ルポリオレフィン製の中空糸膜濾過分離モジュ−ルを
得た(k)。また、上記fの工程において、巻き取って
造られた中空糸膜束素子の端部外周に締付チュ−ブを配
設し(g’)、先の(h)〜(j)の各工程と同様に締
付補助部材12を配設した中空糸膜束素子をプレ−トヒ
−タ13に配置し(h’)、端部15〜55mmのとこ
ろをポリエチレンフィルムの融点以上に加熱し(i’)
た後、収縮部先端から5〜10mmを切断し中空糸開放
端を表面に出し(j’)て中空糸膜束ユニットを得た。
め熱可塑性合成樹脂フィルムをもって中空糸膜端部を仮
接着し、これをのり巻き状に巻き込むことによって中空
糸膜を均一に分散させた中空糸膜束ユニットを得ること
ができ、これにより濾過面積収納効率を高めることがで
きる。また、同様の方法によって得られた中空糸膜素子
をケ−シングと接合するに際してはウレタン、エポキシ
系接着剤を熱可塑性樹脂で代替することで低溶出性、耐
薬品性、耐熱性に優れたおよび中空糸膜濾過分離モジュ
−ルが得られる。更に、本発明の中空糸膜束ユニットお
よび中空糸膜型分離モジュ−ルは、溶融熱可塑性樹脂に
より複数本の中空糸状多孔質膜とケ−シングとをその端
部を絞った状態で一体的に接合されたものなので、低溶
融性で、耐熱、耐薬品性、シ−ル性に優れており、しか
も多孔質膜の集積度が高く従って長寿命である。また本
発明においては中空糸状多孔質膜の端部固定に際して
は、熱溶融法を採用したので、接着剤法における溶出成
分の問題はなく、製造にあたっては、芯体に巻き付ける
方法を用いたので、製造が極めて容易となり、中空糸膜
の分布が均一となり、品質の安定したものを安価に提供
することができる。また、中空糸状多孔質膜の端部外周
には締付部材を嵌合して熱融着を行ったため、簡単な操
作で中空糸状多孔質膜の端部を、より一層締め付けるこ
とができ、その結果、ハウジング内に液密的に熱接着し
シ−ル性、寸法精度の高い中空糸膜束ユニットまたは中
空糸膜型分離モジュ−ルを得ることが出来る効果を奏す
る。
成品。
の完成品。
ルム 5 ケ−シング 6、6’ 流入孔 7 空気抜きポ−ト 8、8’ カバ− 9 流出孔 10、10’フランジ 11 ドラム 12 締付補助部
材 13 ヒ−タ−ブロック
Claims (3)
- 【請求項1】 予め芯体の表面に帯状の熱可塑性合成樹
脂フィルムをセットし、該芯体表面上に中空糸膜を前記
フィルムと直角方向になるようにスパイラル状に巻き付
けた後、更に他の熱可塑性合成樹脂フィルムを中空糸膜
を挾んで前記フィルムと同じ位置に載置し、これらフィ
ルム同志及び/又は中空糸膜を熱融着して各中空糸膜の
端部を一体にし、しかる後、中空糸膜束を芯体から外
し、帯状フィルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2つ折
りとして中空糸膜層が2層に積層された中空糸膜束と
し、この積層中空糸膜束を中空糸膜の配列方向に沿って
のり巻き状に巻き込み、中空糸膜束素子を形成し、その
端部外周に締付補助部材を嵌合した後加熱して、端部を
締め付け熱融着させるとともに、端部を結束させ、各中
空糸膜同志を液密的に接合し、しかる後、端部を切断除
去して中空糸膜を開口させて円筒状の中空糸膜束ユニッ
トを形成することを特徴とする中空糸膜束ユニットの製
造方法。 - 【請求項2】 予め芯体の表面に帯状の熱可塑性合成樹
脂フィルムをセットし、該芯体表面上に中空糸膜を前記
フィルムと直角方向になるようにスパイラル状に巻き付
けた後、更に他の熱可塑性合成樹脂フィルムを中空糸膜
を挟んで前記フィルムと同じ位置に載置し、これらフィ
ルム同志及び/又は中空糸膜を熱融着して中空糸膜束の
端部を一体にし、しかる後、中空糸膜束を芯体から外
し、帯状フィルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2つ折
りとして中空糸膜層が2層に積層された中空糸膜束と
し、この積層中空糸膜を中空糸膜の配列方向に沿っての
り巻き状に巻き込み、中空糸膜束素子を形成し、これを
熱収縮性を有するチュ−ブ状ケ−シング内に挿入した後
加熱して、端部を熱収縮させて締め付けるとともに熱融
着させ、各中空糸膜同志及び中空糸膜束素子とケ−シン
グ内壁とを液密的に接合し、しかる後、端部を切断除去
して中空糸膜を開口させることを特徴とする中空糸膜型
分離モジュ−ルの製造方法。 - 【請求項3】 予め芯体の表面に帯状の熱可塑性合成樹
脂フィルムをセットし、該芯体表面上に中空糸膜を前記
フィルムと直角方向になるようにスパイラル状に巻き付
けた後、更に他の熱可塑性合成樹脂フィルムを中空糸膜
を挾んで前記フィルムと同じ位置に載置し、これらフィ
ルム同志及び/又は各中空糸膜を熱融着して中空糸膜の
端部を一体にし、しかる後、中空糸膜束を芯体から外
し、帯状フィルムのほぼ中央で中空糸膜に沿って2つ折
りとして中空糸膜層が2層に積層された中空糸膜束と
し、この積層中空糸膜束を中空糸膜の配列方向に沿って
のり巻き状に巻き込み、中空糸膜束素子を形成し、これ
をチュ−ブ状ケ−シング内に挿入し、ケ−シング端部外
周に締付補助具を嵌合した後加熱して、端部を締め付け
収縮、熱融着させ、しかる後、締付補助部材を外して各
中空糸膜同志及び中空糸膜束素子とケ−シング内壁とを
液密的に接合し、さらに端部を切断除去して中空糸膜を
開口させることを特徴とする中空糸膜型分離モジュ−ル
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20568094A JP3196152B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 中空糸膜束ユニット、中空糸膜型分離モジュ−ル及びこれらの製造方法 |
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JP20568094A JP3196152B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 中空糸膜束ユニット、中空糸膜型分離モジュ−ル及びこれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0866623A JPH0866623A (ja) | 1996-03-12 |
JP3196152B2 true JP3196152B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=16510919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20568094A Expired - Lifetime JP3196152B2 (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 中空糸膜束ユニット、中空糸膜型分離モジュ−ル及びこれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3196152B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100380043B1 (ko) * | 2000-08-11 | 2003-04-18 | 박헌휘 | 미생물 검출용 중공사막 채집 캡슐 |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP20568094A patent/JP3196152B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0866623A (ja) | 1996-03-12 |
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