JPH0564724A - 固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置 - Google Patents
固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置Info
- Publication number
- JPH0564724A JPH0564724A JP3254451A JP25445191A JPH0564724A JP H0564724 A JPH0564724 A JP H0564724A JP 3254451 A JP3254451 A JP 3254451A JP 25445191 A JP25445191 A JP 25445191A JP H0564724 A JPH0564724 A JP H0564724A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solid electrolyte
- oxide
- wall surface
- porous catalyst
- ozone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 触媒の交換/再生を不要とし、長期の連続使
用に耐える窒素酸化物あるいはオゾン等の排ガス処理方
法およびその装置を提供する。 【構成】 白金、銀、パラジウムなど貴金属、もしく
は、前記貴金属と酸化コバルトまたはアルミナとの混合
物から成る多孔質触媒(2a,2b)を両面に積層した
安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、も
しくは、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物から成る筒
状の酸素イオン固体電解質(3)によって構成された処
理槽内に窒素酸化物やオゾンを通過させ、前記窒素酸化
物あるいはオゾンを内壁面の多孔質触媒(2a)で接触
分解させ、発生した酸素を前記固体電解質の内壁面に負
の電位、外壁面(多孔質触媒(2b)に正の電位を印加
することにより外環境に汲み出す。
用に耐える窒素酸化物あるいはオゾン等の排ガス処理方
法およびその装置を提供する。 【構成】 白金、銀、パラジウムなど貴金属、もしく
は、前記貴金属と酸化コバルトまたはアルミナとの混合
物から成る多孔質触媒(2a,2b)を両面に積層した
安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、も
しくは、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物から成る筒
状の酸素イオン固体電解質(3)によって構成された処
理槽内に窒素酸化物やオゾンを通過させ、前記窒素酸化
物あるいはオゾンを内壁面の多孔質触媒(2a)で接触
分解させ、発生した酸素を前記固体電解質の内壁面に負
の電位、外壁面(多孔質触媒(2b)に正の電位を印加
することにより外環境に汲み出す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガス処理分野、例え
ば、窒素酸化物では工場等のボイラ―、自動車等エンジ
ン、電子加速器等使用現場、オゾンでは乾式複写機、電
子加速器等使用現場、および、水処理プラントで用いる
ことができる。
ば、窒素酸化物では工場等のボイラ―、自動車等エンジ
ン、電子加速器等使用現場、オゾンでは乾式複写機、電
子加速器等使用現場、および、水処理プラントで用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物の処理法としては、アンモニ
アなどの反応剤に吸収・還元を行う湿式法・接触還元
法、加速電子やレ―ザ―のエネルギ―を利用した電子ビ
―ム法・レ―ザ―分解法、白金などの貴金属触媒と接触
させることにより分解を行う接触分解法等がある。
アなどの反応剤に吸収・還元を行う湿式法・接触還元
法、加速電子やレ―ザ―のエネルギ―を利用した電子ビ
―ム法・レ―ザ―分解法、白金などの貴金属触媒と接触
させることにより分解を行う接触分解法等がある。
【0003】また、オゾンの処理法としては、高温で分
解を行う熱分解法、苛性ソ―ダ水溶液などを用いて分解
・還元を行う湿式法、活性炭を用いて分解を行う活性炭
法、および、触媒を用いて分解を行う接触分解法などが
ある。
解を行う熱分解法、苛性ソ―ダ水溶液などを用いて分解
・還元を行う湿式法、活性炭を用いて分解を行う活性炭
法、および、触媒を用いて分解を行う接触分解法などが
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の技術においては次の問題があった。 a) 湿式法、接触還元法などの様に吸収材や還元剤な
どを使用するものは、その薬品剤の消費量が多く、ま
た、処理によって生じた副生成物の処理が問題となる。 b) 電子ビ―ム法、レ―ザ―分解法では大規模な設備
を必要とし、高価である。また、電子ビ―ム法では副生
成物の発生、レ―ザ―分解法では処理効率が低いという
問題がある。 c) 接触分解法は使用にともない分解効率が低下する
ために、一定時間使用後は触媒の交換、もしくは、再生
処理を行わなくてはならず、長期の連続使用ができな
い。 d) 熱分解法は、オゾンに対しては有効であるが、窒
素酸化物に関してはあまり有効ではない。また、処理ガ
ス中に有機溶媒などが存在する場合は燃焼などが生じる
問題がある。 e) 活性炭法は、オゾンと窒素酸化物が同時に存在す
ると爆発する危険性があり、問題がある。
た従来の技術においては次の問題があった。 a) 湿式法、接触還元法などの様に吸収材や還元剤な
どを使用するものは、その薬品剤の消費量が多く、ま
た、処理によって生じた副生成物の処理が問題となる。 b) 電子ビ―ム法、レ―ザ―分解法では大規模な設備
を必要とし、高価である。また、電子ビ―ム法では副生
成物の発生、レ―ザ―分解法では処理効率が低いという
問題がある。 c) 接触分解法は使用にともない分解効率が低下する
ために、一定時間使用後は触媒の交換、もしくは、再生
処理を行わなくてはならず、長期の連続使用ができな
い。 d) 熱分解法は、オゾンに対しては有効であるが、窒
素酸化物に関してはあまり有効ではない。また、処理ガ
ス中に有機溶媒などが存在する場合は燃焼などが生じる
問題がある。 e) 活性炭法は、オゾンと窒素酸化物が同時に存在す
ると爆発する危険性があり、問題がある。
【0005】従って、本発明は簡易な設備で、しかも、
添加材不要、安全かつ連続使用に耐える排ガス処理方法
およびその装置を提供することを目的としている。
添加材不要、安全かつ連続使用に耐える排ガス処理方法
およびその装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の固体電解質を用いた排ガス処理方法および装置
は、貴金属を含んだ多孔質触媒を両面に積層した筒状の
酸素イオン固体電解質によって構成された処理槽内に窒
素酸化物やオゾンを通過させ、前記窒素酸化物あるいは
オゾンを内壁面の多孔質触媒で接触分解させ、発生した
酸素を前記固体電解質の内壁面に負の電位、外壁面に正
の電位を印加することにより外環境に汲み出し、窒素を
前記処理槽の排気孔より排気するものである。
の発明の固体電解質を用いた排ガス処理方法および装置
は、貴金属を含んだ多孔質触媒を両面に積層した筒状の
酸素イオン固体電解質によって構成された処理槽内に窒
素酸化物やオゾンを通過させ、前記窒素酸化物あるいは
オゾンを内壁面の多孔質触媒で接触分解させ、発生した
酸素を前記固体電解質の内壁面に負の電位、外壁面に正
の電位を印加することにより外環境に汲み出し、窒素を
前記処理槽の排気孔より排気するものである。
【0007】また、装置の構成は、筒状の酸素イオン固
体電解質と、前記固体電解質の内壁面に積層した貴金属
を含んだ多孔質触媒電極と、前記酸素イオン固体電解質
および前記多孔質触媒電極から成る筒体の両端に取り付
けられた流通孔を有する端部材と、前記端部材に接触し
ないように前記筒状の酸素イオン固体電解質の外壁面に
積層した貴金属を含んだ多孔質触媒電極から成る処理槽
と、前記両多孔質触媒電極に電位を印加するための定電
圧供給装置と、前記筒体に接近して配置された加熱装置
とにより構成するか、もしくは、前記処理槽の複数をカ
プラにて直列に接続すると共に複数の処理槽を少なくと
も排気口を備えた加熱炉内に配置し、処理槽の吸気孔お
よび排気孔を前記加熱炉外に引き出し、前記各処理槽の
多孔質触媒電極は定電圧供給装置に対して並列に接続し
たことを特徴としている。
体電解質と、前記固体電解質の内壁面に積層した貴金属
を含んだ多孔質触媒電極と、前記酸素イオン固体電解質
および前記多孔質触媒電極から成る筒体の両端に取り付
けられた流通孔を有する端部材と、前記端部材に接触し
ないように前記筒状の酸素イオン固体電解質の外壁面に
積層した貴金属を含んだ多孔質触媒電極から成る処理槽
と、前記両多孔質触媒電極に電位を印加するための定電
圧供給装置と、前記筒体に接近して配置された加熱装置
とにより構成するか、もしくは、前記処理槽の複数をカ
プラにて直列に接続すると共に複数の処理槽を少なくと
も排気口を備えた加熱炉内に配置し、処理槽の吸気孔お
よび排気孔を前記加熱炉外に引き出し、前記各処理槽の
多孔質触媒電極は定電圧供給装置に対して並列に接続し
たことを特徴としている。
【0008】
【作用】本発明は接触分解法を応用している。接触分解
法は、500〜1,000℃の環境において、白金など
の貴金属や前記貴金属と酸化コバルトなど酸化物との混
合触媒を用いて窒素酸化物あるいはオゾンの分解を行
う。窒素酸化物およびオゾンの分解反応は下記の化学式
1の反応に基づく分解反応による。(以下、窒素酸化物
については、最も反応性に乏しい一酸化窒素を例に示
す。)
法は、500〜1,000℃の環境において、白金など
の貴金属や前記貴金属と酸化コバルトなど酸化物との混
合触媒を用いて窒素酸化物あるいはオゾンの分解を行
う。窒素酸化物およびオゾンの分解反応は下記の化学式
1の反応に基づく分解反応による。(以下、窒素酸化物
については、最も反応性に乏しい一酸化窒素を例に示
す。)
【0009】
【化1】
【0010】(式1)より分かる様に、接触分解法によ
る反応においては、窒素酸化物またはオゾンと反応生成
物である窒素と酸素以外は関与しないので、添加物を必
要としたり、窒素・酸素以外の生成物が発生することが
ない。しかしながら、実際は、発生した酸素の一部が触
媒表面に吸着され、この吸着酸素による被毒のために触
媒による分解効率が低下し、長期連続使用ができない問
題があった。
る反応においては、窒素酸化物またはオゾンと反応生成
物である窒素と酸素以外は関与しないので、添加物を必
要としたり、窒素・酸素以外の生成物が発生することが
ない。しかしながら、実際は、発生した酸素の一部が触
媒表面に吸着され、この吸着酸素による被毒のために触
媒による分解効率が低下し、長期連続使用ができない問
題があった。
【0011】このため、接触分解法の実用化において
は、酸素の耐被毒性に優れた触媒の開発、あるいは、酸
素被毒されても容易に再生できる触媒の開発が行われて
きたが、これまでに開発されている触媒は、まだ一定期
間使用後には、使用を停止して触媒を交換するか、再生
する必要があり、長期の連続使用は不可能であった。
は、酸素の耐被毒性に優れた触媒の開発、あるいは、酸
素被毒されても容易に再生できる触媒の開発が行われて
きたが、これまでに開発されている触媒は、まだ一定期
間使用後には、使用を停止して触媒を交換するか、再生
する必要があり、長期の連続使用は不可能であった。
【0012】本発明では、酸素イオン伝導体である安定
化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、もしく
は、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物から成る酸素イ
オン固体電解質の表面に、白金、銀、パラジウムなどの
貴金属、もしくは、前記貴金属と酸化コバルトまたはア
ルミナなどの酸化物との混合物から成る多孔質触媒を担
持させ、これを触媒分解を行う処理槽の構成材料に用い
ることにより分解発生した酸素を除去し、触媒を酸素の
被毒から防ぎ、連続使用を可能としたものである。
化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、もしく
は、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物から成る酸素イ
オン固体電解質の表面に、白金、銀、パラジウムなどの
貴金属、もしくは、前記貴金属と酸化コバルトまたはア
ルミナなどの酸化物との混合物から成る多孔質触媒を担
持させ、これを触媒分解を行う処理槽の構成材料に用い
ることにより分解発生した酸素を除去し、触媒を酸素の
被毒から防ぎ、連続使用を可能としたものである。
【0013】固体電解質は、固体であっても電解質溶液
と同様にイオンが電気を導く物質であり、酸素イオンの
固体電解質としては、安定化ジルコニア(酸化ジルコニ
ウムに微量のイットリア、マグネシアもしくはカルシア
を添加したもの)に代表される蛍石型酸化物固溶体、あ
るいは、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物などがあ
る。
と同様にイオンが電気を導く物質であり、酸素イオンの
固体電解質としては、安定化ジルコニア(酸化ジルコニ
ウムに微量のイットリア、マグネシアもしくはカルシア
を添加したもの)に代表される蛍石型酸化物固溶体、あ
るいは、酸化ビスマスをベ―スとする酸化物などがあ
る。
【0014】この酸素イオン固体電解質3の両端(多孔
質触媒電極2a,2b)に電位を負荷させると、図3に
示す通り、陰極では下記の化学式2に示される還元反応
が生じ、
質触媒電極2a,2b)に電位を負荷させると、図3に
示す通り、陰極では下記の化学式2に示される還元反応
が生じ、
【0015】
【化2】
【0016】陽極では、下記の化学式3に示される酸化
反応
反応
【0017】
【化3】
【0018】が起こる。酸素イオンは固体電解質3中を
移動するので、この反応により、酸素ガスは陰極(2
a)から陽極(2b)に向かって移動する。
移動するので、この反応により、酸素ガスは陰極(2
a)から陽極(2b)に向かって移動する。
【0019】本発明の方法では、前記酸素イオン固体電
解質3の内外壁面に貴金属などから成る多孔質触媒を積
層担持させ、この多孔質触媒を電極としているので、陰
極表面(2a)に窒素酸化物、あるいは、オゾンが接触
すると(式1)の反応が起こり窒素と酸素が分解発生す
る。分解発生した酸素は(式2)の反応により酸素イオ
ン固体電解質3中に取り込まれ、陽極(2b)側に移動
する。そして、(式3)の反応により固体電解質から陽
極表面に放出される。この一連の挙動により多孔質触媒
で分解発生した酸素は速やかに除去されるので、触媒の
酸素被毒が避けられ、触媒活性の低下を起こさずに連続
使用を行うことができる。
解質3の内外壁面に貴金属などから成る多孔質触媒を積
層担持させ、この多孔質触媒を電極としているので、陰
極表面(2a)に窒素酸化物、あるいは、オゾンが接触
すると(式1)の反応が起こり窒素と酸素が分解発生す
る。分解発生した酸素は(式2)の反応により酸素イオ
ン固体電解質3中に取り込まれ、陽極(2b)側に移動
する。そして、(式3)の反応により固体電解質から陽
極表面に放出される。この一連の挙動により多孔質触媒
で分解発生した酸素は速やかに除去されるので、触媒の
酸素被毒が避けられ、触媒活性の低下を起こさずに連続
使用を行うことができる。
【0020】また、図4に示されるように、陰極では直
接還元反応として下記の化学式4の反応も生じ、窒素酸
化物およびオゾンの分解が促進される。
接還元反応として下記の化学式4の反応も生じ、窒素酸
化物およびオゾンの分解が促進される。
【0021】
【化4】
【0022】尚、オゾンは室温でも分解するが、300
℃以上の温度では速やかに分解する。よって、本発明の
方法および装置では、上記反応以外に高温による分解も
起こる(熱分解法)。純粋なオゾンでは問題ないが、化
学工場より廃棄されるオゾンには有機溶媒が含まれるも
のもあり、通常の熱分解法では、この有機溶媒の燃焼が
問題となる。しかし、本発明では、処理槽中の酸素は酸
素イオン固体電解質により槽外へ排出されているため
に、処理槽内は一種の酸欠状態にあり、有機溶媒の燃焼
は起こりにくい環境になっている。従って、本発明の装
置は、熱分解法のオゾン処理装置としても、従来装置よ
りも安全な装置となる。
℃以上の温度では速やかに分解する。よって、本発明の
方法および装置では、上記反応以外に高温による分解も
起こる(熱分解法)。純粋なオゾンでは問題ないが、化
学工場より廃棄されるオゾンには有機溶媒が含まれるも
のもあり、通常の熱分解法では、この有機溶媒の燃焼が
問題となる。しかし、本発明では、処理槽中の酸素は酸
素イオン固体電解質により槽外へ排出されているため
に、処理槽内は一種の酸欠状態にあり、有機溶媒の燃焼
は起こりにくい環境になっている。従って、本発明の装
置は、熱分解法のオゾン処理装置としても、従来装置よ
りも安全な装置となる。
【0023】窒素の場合、500℃以上の加熱を要する
が、窒素酸化物の分解能力は約1,000℃で飽和に達
し、かつ、約1,000℃を超えると酸素イオン固体電
解質に電子電導が生じてしまい、電極間のショ―トサ―
キットの形成により酸素の輸送が不可能となる。従っ
て、加熱の上限は1,000℃までである。
が、窒素酸化物の分解能力は約1,000℃で飽和に達
し、かつ、約1,000℃を超えると酸素イオン固体電
解質に電子電導が生じてしまい、電極間のショ―トサ―
キットの形成により酸素の輸送が不可能となる。従っ
て、加熱の上限は1,000℃までである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例を示す図面に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0025】(実施例1)これは請求項1に対応してお
り、図1もしくは図2の装置を用いて実施する排ガス処
理方法である。例えば、図1において貴金属を含んだ多
孔質触媒を両面に積層した筒状の酸素イオン固体電解質
3によって構成された処理槽1内に窒素酸化物やオゾン
を通過させ、前記窒素酸化物あるいはオゾンを内壁面の
多孔質触媒(2a)で接触分解させ、発生した酸素を前
記固体電解質の内壁面(即ち、触媒電極2a)に負の電
位、外壁面(触媒電極2b)に正の電位を印加すること
により外環境に汲み出し、窒素を前記処理槽の排気孔5
bより排気するものである。
り、図1もしくは図2の装置を用いて実施する排ガス処
理方法である。例えば、図1において貴金属を含んだ多
孔質触媒を両面に積層した筒状の酸素イオン固体電解質
3によって構成された処理槽1内に窒素酸化物やオゾン
を通過させ、前記窒素酸化物あるいはオゾンを内壁面の
多孔質触媒(2a)で接触分解させ、発生した酸素を前
記固体電解質の内壁面(即ち、触媒電極2a)に負の電
位、外壁面(触媒電極2b)に正の電位を印加すること
により外環境に汲み出し、窒素を前記処理槽の排気孔5
bより排気するものである。
【0026】尚、多孔質触媒電極2a,2bとしては、
白金、銀、パラジウムなどの貴金属、もしくは前記貴金
属と酸化コバルトまたはアルミナなどの酸化物との混合
物を用いていることができ、酸素イオン固体電解質3と
しては、安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固
溶体、あるいは酸化ビスマスをベ―スとする酸化物など
を用いることができる。また処理槽1の加熱は被処理ガ
スがオゾンの場合は必ずしも必要でない。
白金、銀、パラジウムなどの貴金属、もしくは前記貴金
属と酸化コバルトまたはアルミナなどの酸化物との混合
物を用いていることができ、酸素イオン固体電解質3と
しては、安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸化物固
溶体、あるいは酸化ビスマスをベ―スとする酸化物など
を用いることができる。また処理槽1の加熱は被処理ガ
スがオゾンの場合は必ずしも必要でない。
【0027】(実施例2)これは請求項2に対応してお
り、図1に示す装置である。同図において符号1は処理
槽である。処理槽1は、筒状の酸素イオン固体電解質3
の内壁面に貴金属を含んだ多孔質触媒2aを積層し、こ
れを陽極(電極)としている。前記筒体の両端には被処
理ガスの流通孔を備えた端部材5aおよび5bが筒体の
両端に設けられたねじ部8にねじ嵌めされている。一
方、前記酸素イオン固体電解質3の外壁面には、前記端
部材5aおよび5bに接触しない範囲で貴金属を含んだ
多孔質触媒2bを積層し、これを陰極(電極)としてい
る。
り、図1に示す装置である。同図において符号1は処理
槽である。処理槽1は、筒状の酸素イオン固体電解質3
の内壁面に貴金属を含んだ多孔質触媒2aを積層し、こ
れを陽極(電極)としている。前記筒体の両端には被処
理ガスの流通孔を備えた端部材5aおよび5bが筒体の
両端に設けられたねじ部8にねじ嵌めされている。一
方、前記酸素イオン固体電解質3の外壁面には、前記端
部材5aおよび5bに接触しない範囲で貴金属を含んだ
多孔質触媒2bを積層し、これを陰極(電極)としてい
る。
【0028】符号6は定電圧供給装置であり、前記両電
極間に直流0.1〜5Vの電位を印加している。符号7
は加熱装置であり、通常、ニクロム線ヒ―タが用いられ
る。窒素酸化物あるいはオゾンなどの被処理ガスは、吸
気孔5aより供給され、処理槽1内を通過して排気孔5
bより排出される。前記被処理ガスは処理槽1内を通過
する際、処理槽内壁面の多孔質触媒2aに接触すること
により分解し(式1)に示す還元反応により酸素が分離
される。分離された酸素は酸素イオン固体電解質3の外
壁に向かって運ばれ、多孔質触媒2bによる(式2)に
示す酸化反応により外環境に放出される。尚、処理槽内
壁面の多孔質触媒2aと外壁の多孔質触媒2bは同質で
なくてもよい。
極間に直流0.1〜5Vの電位を印加している。符号7
は加熱装置であり、通常、ニクロム線ヒ―タが用いられ
る。窒素酸化物あるいはオゾンなどの被処理ガスは、吸
気孔5aより供給され、処理槽1内を通過して排気孔5
bより排出される。前記被処理ガスは処理槽1内を通過
する際、処理槽内壁面の多孔質触媒2aに接触すること
により分解し(式1)に示す還元反応により酸素が分離
される。分離された酸素は酸素イオン固体電解質3の外
壁に向かって運ばれ、多孔質触媒2bによる(式2)に
示す酸化反応により外環境に放出される。尚、処理槽内
壁面の多孔質触媒2aと外壁の多孔質触媒2bは同質で
なくてもよい。
【0029】酸素イオン固体電解質3には、安定化ジル
コニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、あるいは酸化
ビスマスをベ―スとする酸化物などを用いることができ
る。また、多孔質触媒2aおよび2bには、白金、銀、
パラジウムなどの貴金属もしくは、前記貴金属と酸化コ
バルトまたはアルミナなどの酸化物との混合物を用いる
ことができる。
コニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、あるいは酸化
ビスマスをベ―スとする酸化物などを用いることができ
る。また、多孔質触媒2aおよび2bには、白金、銀、
パラジウムなどの貴金属もしくは、前記貴金属と酸化コ
バルトまたはアルミナなどの酸化物との混合物を用いる
ことができる。
【0030】(実施例3)これは請求項3に対応してお
り、図2に示す装置である。同図において符号1は処理
槽であり、図1の処理層と同等に構成されている。複数
の処理槽1は加熱炉10内に並列配置されており、各処
理槽はU字型をした金属製(例えば、銅合金製)のカプ
ラ9を用いて直列に接続している。符号11は複数の処
理槽1を並列な関係に固定する銅合金製の固定冶具で、
処理槽1の外壁面を形成する多孔質触媒電極2bと導通
しており、導線12により定電圧供給装置6の陽極に結
合されている。符号13は各処理槽1の内壁面を形成す
る多孔質触媒電極2aを連結する導線であり、定電圧供
給装置6の陰極に結合されている。尚、加熱炉10は図
示していないがヒ―タが組込まれている。また、ヒ―タ
を設置する場合、図1に示されるように個々の処理槽毎
に付設してもよい。
り、図2に示す装置である。同図において符号1は処理
槽であり、図1の処理層と同等に構成されている。複数
の処理槽1は加熱炉10内に並列配置されており、各処
理槽はU字型をした金属製(例えば、銅合金製)のカプ
ラ9を用いて直列に接続している。符号11は複数の処
理槽1を並列な関係に固定する銅合金製の固定冶具で、
処理槽1の外壁面を形成する多孔質触媒電極2bと導通
しており、導線12により定電圧供給装置6の陽極に結
合されている。符号13は各処理槽1の内壁面を形成す
る多孔質触媒電極2aを連結する導線であり、定電圧供
給装置6の陰極に結合されている。尚、加熱炉10は図
示していないがヒ―タが組込まれている。また、ヒ―タ
を設置する場合、図1に示されるように個々の処理槽毎
に付設してもよい。
【0031】更に、加熱炉に吸気口16を設けてこれに
空気を供給し、排気口15を燃焼装置の吸気側に接続す
ることにより、酸素付加空気を利用でき、より効率的な
燃焼を得るなど分解酸素の再利用もできる。符号14は
処理槽1から加熱炉10外に引き出された連結管であ
り、何れか一方の被処理ガスの吸気孔となり、他の一方
が排気孔として用いられる。この装置は、前記実施例2
の装置に比べ触媒の表面積が大きくとれるので処理能力
の向上を図ることができる。
空気を供給し、排気口15を燃焼装置の吸気側に接続す
ることにより、酸素付加空気を利用でき、より効率的な
燃焼を得るなど分解酸素の再利用もできる。符号14は
処理槽1から加熱炉10外に引き出された連結管であ
り、何れか一方の被処理ガスの吸気孔となり、他の一方
が排気孔として用いられる。この装置は、前記実施例2
の装置に比べ触媒の表面積が大きくとれるので処理能力
の向上を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば添加材不要、副生成物も発生せず安全かつ簡易
な設備で、しかも、連続使用に耐える排ガス処理方法お
よびその装置を得ることができる。
によれば添加材不要、副生成物も発生せず安全かつ簡易
な設備で、しかも、連続使用に耐える排ガス処理方法お
よびその装置を得ることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る固体電解質を利用した
排ガス処理装置の概念図面である。
排ガス処理装置の概念図面である。
【図2】本発明の他の実施例に係る固体電解質を利用し
た排ガス処理装置の概念図面である。
た排ガス処理装置の概念図面である。
【図3】酸素イオン固体電解質による酸素輸送の説明図
である。
である。
【図4】窒素酸化物およびオゾンの処理槽における反応
の説明図面である。
の説明図面である。
1 処理槽 2a,2b 多孔質触媒電極 3 酸素イオン固体電解質 5a 吸気孔 5b 排気孔 6 定電圧供給装置 7 加熱装置 8 ねじ部 9 カプラ 10 加熱炉 11 固定冶具 12,13 導線 14 連結管(吸/排気孔) 15 排気口 16 吸気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/66 A 8017−4G 23/89 A 8017−4G
Claims (3)
- 【請求項1】 白金、銀、パラジウムなど貴金属、もし
くは、前記貴金属と酸化コバルトまたはアルミナとの混
合物から成る多孔質触媒を両面に積層した安定化ジルコ
ニアに代表される蛍石型酸化物固溶体、もしくは、酸化
ビスマスをベ―スとする酸化物から成る筒状の酸素イオ
ン固体電解質によって構成された処理槽内に窒素酸化物
やオゾンを通過させ、前記窒素酸化物あるいはオゾンを
内壁面の多孔質触媒で接触分解させ、発生した酸素を前
記固体電解質の内壁面に負の電位、外壁面に正の電位を
印加することにより外環境に汲み出し、窒素を前記処理
槽の排気孔より排気することを特徴とする固体電解質を
用いた排ガス処理方法。 - 【請求項2】 安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸
化物固溶体、もしくは、酸化ビスマスをベ―スとする酸
化物から成る筒状の酸素イオン固体電解質と、前記固体
電解質の内壁面に積層した白金、銀、パラジウムなど貴
金属、もしくは、前記貴金属と酸化コバルトまたはアル
ミナとの混合物から成る多孔質触媒電極と、前記酸素イ
オン固体電解質および前記多孔質触媒電極から成る筒体
の両端に取り付けられた流通孔を有する端部材と、前記
端部材に接触しないように前記筒状の酸素イオン固体電
解質の外壁面に積層した多孔質触媒電極から成る処理槽
と、前記両多孔質触媒電極に電位を印加するための定電
圧供給装置と、前記筒体に接近して配置された加熱装置
とにより構成したことを特徴とする固体電解質を用いた
排ガス処理装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の処理槽の複数をカプラに
て直列に接続すると共に、前記複数の処理槽を少なくと
も排気口を備えた加熱炉内に配置し、前記処理槽の吸気
孔および排気孔を前記加熱炉外に引き出し、前記各処理
槽の多孔質触媒電極は定電圧供給装置に対して並列に接
続されていることを特徴とする固体電解質を用いた排ガ
ス処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254451A JPH0564724A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3254451A JPH0564724A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0564724A true JPH0564724A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=17265199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3254451A Withdrawn JPH0564724A (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0564724A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08168673A (ja) * | 1994-12-14 | 1996-07-02 | Agency Of Ind Science & Technol | 排気ガスの処理方法 |
EP0979935A3 (de) * | 1998-08-11 | 2002-11-13 | DaimlerChrysler AG | Verfahren und Vorrichtung zum Stickoxidabbau in einem Verbrennungsabgas |
US6942723B2 (en) | 2003-05-13 | 2005-09-13 | Seiko Epson Corporation | Water-base ink and ink set using the same |
US7384991B2 (en) | 2003-09-02 | 2008-06-10 | Seiko Epson Corporation | Aqueous ink |
EP2123722A1 (en) | 2004-10-22 | 2009-11-25 | Seiko Epson Corporation | Ink jet recording ink |
-
1991
- 1991-09-06 JP JP3254451A patent/JPH0564724A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08168673A (ja) * | 1994-12-14 | 1996-07-02 | Agency Of Ind Science & Technol | 排気ガスの処理方法 |
EP0979935A3 (de) * | 1998-08-11 | 2002-11-13 | DaimlerChrysler AG | Verfahren und Vorrichtung zum Stickoxidabbau in einem Verbrennungsabgas |
US6942723B2 (en) | 2003-05-13 | 2005-09-13 | Seiko Epson Corporation | Water-base ink and ink set using the same |
US7384991B2 (en) | 2003-09-02 | 2008-06-10 | Seiko Epson Corporation | Aqueous ink |
EP2123722A1 (en) | 2004-10-22 | 2009-11-25 | Seiko Epson Corporation | Ink jet recording ink |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5614521B2 (ja) | 固体炭素分解型セラミックス化学反応装置 | |
JP4664189B2 (ja) | 汚染物分解装置 | |
JP4217457B2 (ja) | 窒素酸化物分解素子およびこれを備えた窒素酸化物分解装置 | |
JPH0866621A (ja) | 窒素酸化物の除去方法 | |
JP2006247507A (ja) | 排ガス処理装置及びその処理方法 | |
JPH0564724A (ja) | 固体電解質を用いた排ガス処理方法及び装置 | |
JP4635693B2 (ja) | 排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置 | |
JP2009106884A (ja) | 水処理及びガス処理装置 | |
JP2003265926A (ja) | 窒素酸化物浄化用化学反応器及び窒素酸化物の浄化方法 | |
JP2000140566A (ja) | 気体浄化方法および気体浄化装置 | |
KR102001834B1 (ko) | 휘발성 유기화합물 분해용 전극 및 이를 이용하는 휘발성 유기화합물 제거 시스템 | |
JP6575924B2 (ja) | NOx浄化装置及びそれを用いたNOx浄化方法 | |
JP2002213228A (ja) | 内燃機関の排気浄化装置 | |
JPH08332342A (ja) | 窒素酸化物の除去装置及び除去方法 | |
JP2003047827A (ja) | 排ガス浄化用素子 | |
JP4461273B2 (ja) | 排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置 | |
JP4201319B2 (ja) | 電気化学セル型化学反応システム | |
JP2004058029A (ja) | 省エネルギー型電気化学反応システム及びその活性化方法 | |
KR20220020072A (ko) | 유해가스 제거용 플라즈마 촉매 반응기 및 이를 이용한 유해가스 처리 방법 | |
JP4132893B2 (ja) | 化学反応器用電極材料 | |
KR101738107B1 (ko) | 대기오염물질 처리시스템 | |
KR20020026323A (ko) | 비가열 플라즈마와 촉매환원반응에 의한 질소산화물제거장치 | |
JP3253198B2 (ja) | 窒素酸化物還元装置 | |
JP3784956B2 (ja) | 排ガス浄化用素子および窒素酸化物の浄化方法 | |
JP3839661B2 (ja) | 空気浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981203 |