JPH0564723A

JPH0564723A - 殺菌脱臭装置

Info

Publication number: JPH0564723A
Application number: JP3225611A
Authority: JP
Inventors: Tomoiku Ishii; 知幾石井
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1991-09-05
Filing date: 1991-09-05
Publication date: 1993-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】触媒体を用いた殺菌脱臭装置において、装置
の小型化を図ると共に、脱臭及びオゾン分解触媒機能を
半永久的に維持するようにする。【構成】空気を通過させる触媒体２を収容する絶縁性
容器３の周囲に遠赤外線放射体４を設ける。遠赤外線放
射体４には加熱源５により加熱して遠赤外線を発生させ
て、これによって触媒体２を加熱することにより、触媒
体２を活性化した状態に維持しておく。これにより放電
電極を不要にして殺菌脱臭装置を構成することができる
ので、装置の小型化を図ることができ、また、脱臭及び
オゾン分解触媒機能を半永久的に維持することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば冷蔵庫や冷凍庫
あるいは事務室などの臭気を脱臭するために用いられる
殺菌脱臭装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に知られている殺菌脱臭装置は、一
対の放電電極間に高電圧を印加してオゾンを発生させ、
このオゾンを臭気の原因となる臭気成分に反応させて脱
臭すると同時に殺菌し、更に触媒により脱臭すると共
に、発生したオゾンが外部に漏れないように触媒により
余剰オゾンを分解するようになっている。

【０００３】図５はこの種の殺菌脱臭装置の従来の構造
を示すもので、殺菌脱臭装置５０において、５１はケー
ス、５２はファン、５３，５４は高電圧電源５５から高
電圧を印加するオゾン発生用電極、５６はハニカム形状
に多数の貫通孔５７を設けた触媒体であり、全体が脱臭
及びオゾン分解触媒機能を持った物質を焼結してなる場
合と、貫通孔５７の内面に触媒を設ける場合がある。こ
れらの殺菌脱臭装置は、例えば特開昭61-29358号公報，
特開昭63-126525 号公報に開示されている。

【０００４】この殺菌脱臭装置５０は、高電圧電源５５
により電極５３，５４間に高電圧を印加してコロナ放電
を行わせることによりオゾンを発生させ、ファン５２に
よって入口５９からケース５１内に導入される空気５８
中の臭気成分と前記オゾンとを反応させて脱臭すると共
に殺菌する。次に触媒体５６の貫通孔５７を通過させる
ことにより、更に脱臭すると同時に、余剰のオゾンを分
解し、出口６０から臭気成分が減少し、かつ、オゾンを
含まない空気６１を排出する。触媒体５６で余剰オゾン
を分解している理由は、オゾンが多量に存在した場合は
肺を冒したり、目まいや目を刺激したりするなど、オゾ
ンが人体に有害であるためである。

【０００５】しかしながら、上記構成の従来装置５０の
場合、オゾンを発生するオゾン発生用電極５３，５４
と、脱臭作用及びオゾンの分解作用を行う触媒体５６と
が分離された構成となっている。そして、触媒体５６は
十分に活性化されていないので、水分や油分、更には煙
草の煙などの塵埃による汚れに弱く、触媒体５６の表面
が汚れで覆われたとき脱臭効率の低下、オゾン分解効率
の低下を招き、臭いや有害な余剰オゾンが残存してしま
うようになる。

【０００６】ここで触媒体５６を活性化するにはヒータ
によって加熱すればよいが、この方法では触媒体５６の
外側のみ加熱されてしまって内部まで均一に加熱されな
いので、十分活性化できない。

【０００７】このような場合、従来装置５０では触媒体
５６を有効に再活性する手段はなく、その寿命が不十分
で、汚れた都度新たな触媒体５６に取換えているのが実
情である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の殺菌
脱臭装置では、オゾン発生用電極５３，５４と触媒体５
６とが分離された構成となっているので装置の小型化を
図るのが困難となり、また、脱臭及びオゾン分解触媒機
能を長期間に亘って維持するのが不可能であるという問
題がある。

【０００９】本発明は以上のような問題に対処してなさ
れたもので、小型化を容易にし、かつ、脱臭及びオゾン
分解触媒機能を半永久的に維持することを可能にした殺
菌脱臭装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、空気を通過させる空間領域を有する触媒体
と、この触媒体を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱
手段により触媒体を活性化させて前記空間領域内で殺菌
及び脱臭を行わせることを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】本発明の殺菌脱臭装置の構成によれば、触媒体
を加熱手段によって加熱して活性化させ、これによって
殺菌及び脱臭を行わせる。従って、放電電極は不要とな
るため、容易に装置の小型化を図ることができ、また、
触媒体を十分に活性化することができるので、脱臭及び
オゾン分解触媒機能を半永久的に保持することが可能と
なる。

【００１２】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１３】図１は本発明の殺菌脱臭装置の第１の実施
例を示す斜視図で、本実施例の殺菌脱臭装置１は、触媒
体２を収容した例えば方形状の絶縁性容器３と、この絶
縁性容器３の周囲に例えば両側に設けられた遠赤外線放
射体４と、この遠赤外線放射体４から遠赤外線を発生さ
せる加熱源５とを備えている。６は被処理空気８の入
口、７は処理された空気の出口、９はファンである。

【００１４】触媒体２は例えばＳｉＯ₂，ＭｎＯ₂，Ｔ
ｉＯ₂などの酸化物を混合した数μｍから数ｍｍの粒径
の粉体から成っており又はこの混合物に金属粉を混入し
たものであり、全体が脱臭及びオゾン分解触媒機能を有
していて各粉体間には空気を十分通過させ得る空間領域
が存在している。すなわち、遠赤外線放射体４は、加熱
源５として例えばニクロム，シーズヒータなどによって
加熱されたとき遠赤外線を発生するような機能を有して
おり、例えばゼオライトが用いられている。このように
して遠赤外線が発生されると、熱が生じるのでこの熱に
よって触媒体２は加熱されて、遠赤外線の特性により深
部まで加熱が行われるので、絶縁性容器３内の外側及び
中心部がほとんど同じ温度になるように均一に加熱され
るようになるため、十分に活性化される。

【００１５】なお、以上では遠赤外線によって触媒体２
を加熱する例で示したが、次のように中遠赤外線及び近
遠赤外線を含むいわゆる遠赤外線全体を利用することに
より同様な加熱を行うことができる。

【００１６】近遠赤外線波長０．８乃至２μｍ中遠赤外線波長１．５乃至５．６μｍ遠赤外線波長４乃至１２μｍすなわち、本実施例では加熱源５によって放射体４を加
熱して発生される遠赤外線を含む、ほぼ波長０．８乃至
１２μｍの遠赤外線を利用して触媒体２を加熱して活性
化する。

【００１７】次に本実施例の作用を説明する。

【００１８】被処理空気８はファン９によって絶縁性容
器３の入口６から触媒体２内に導入され、触媒体２を構
成する各粉体間の空間領域を通過するとき各粉体に触れ
る。この場合触媒体２は前記のように遠赤外線放射体４
と加熱源５とから成る加熱手段によって、十分に活性化
された状態に維持されているので、全体が脱臭及びオゾ
ン分解触媒機能を有している。

【００１９】従って、空気は十分に脱臭及び殺菌が行わ
れた後に、出口７から外側に排出される。これによっ
て、触媒体２によってオゾンが分解されるので、出口７
から外部にオゾンが漏れることはない。

【００２０】このように本実施例によれば、放電電極を
設けることなく触媒体２のみによって十分な脱臭及び殺
菌を行わせることができるため、容易に装置の小型化を
図ることができる。また、触媒体２を十分に活性化して
オゾン分解触媒機能を持たせることができるので、脱臭
と同時に余剰オゾンを分解させることができる。

【００２１】これにより従来では分解しにくかった成分
でも、容易に分解させることができるようになる。例え
ば、臭気に含まれるカルボン酸（ＣＨ₃ＣＯＯＨ）は従
来では分解不可であったが、本実施例のように前記加熱
手段５によって触媒体２を２００℃乃至３００℃に加熱
した状態で空気８を通過させることにより、次のように
分解できる。

【００２２】ＣＨ₃ＣＯＯＨ→ＣＯ₂＋Ｈ₂Ｏすなわち、加熱状態を維持することにより、酸化反応が
起こり易くなり容易に分解することができる。従って、
水分や油分、更には煙草の煙などの塵埃による汚れに強
くなり、脱臭効率の向上、オゾン分解効率の向上を図る
ことができるので、触媒体２の表面に臭いや有毒な余剰
オゾンが残存することを防止することができる。よっ
て、脱臭及びオゾン分解触媒機能を半永久的に維持させ
ることが可能になる。

【００２３】図２は本発明の第２の実施例を示すもの
で、前記のような遠赤外線放射体を省略して、電磁波発
生源１６を設け、この電磁波発生源１６から発生される
電磁波１０を触媒体２に照射することにより熱を発生さ
せて触媒体２を活性化するようにしたものである。

【００２４】この場合電磁波発生源１６から発生される
電磁波（電波）の周波数は、触媒体２を加熱するように
作用する周波数であれば特定の範囲の周波数には限定さ
れない。この周波数としては例えばほぼ１ＧＨｚ乃至３
０ＧＨｚの周波数範囲を有するマイクロ波を利用するこ
とができ、このマイクロ波を触媒体２に照射することに
よりマイクロ波加熱が行われて、触媒体２が活性化され
る。

【００２５】また、マイクロ波加熱以外に電磁波を利用
して誘電加熱、あるいは誘導加熱を行って触媒体２を活
性化することもできる。

【００２６】本実施例によっても電磁波発生源１６を加
熱手段として利用することにより、触媒体２を外側のみ
ならず中心部に至るまで均一に加熱することができるた
め、前記実施例と同様な効果を得ることができる。

【００２７】図３は本発明の第３の実施例を示すもの
で、本実施例殺菌脱臭装置１１は、複数の貫通孔１３を
有する形状の触媒体１２と、この触媒体１２の周囲に設
けられた遠赤外線放射体１４と、この遠赤外線放射体１
４から遠赤外線を発生させる加熱源１５とを備えてい
る。本実施例の触媒体１２は、例えば金属粉などの導電
材料にＳｉＯ₂，ＭｎＯ₂，ＴｉＯ₂などを混合したも
のを焼結することによりハニカム状に形成される。この
触媒体１２は、前記第１の実施例と同様に前記放射体１
４で発生された遠赤外線により、十分に活性化された状
態に維持されている。従って、全体が脱臭及びオゾン分
解触媒機能を有している。

【００２８】被処理空気８はファン９によって、入口６
から触媒体１２の貫通孔１３内に導入され、貫通孔１３
内の空間領域を通過するとき触媒体１２に触れて、前記
実施例と同様に十分に脱臭及び殺菌が行われた後に出口
７から外部に排出される。従って、本実施例によっても
前記第１の実施例と同様な効果を得ることができる。図
４は本発明の第４の実施例を示すもので、前記第２の実
施例と同様に遠赤外線放射体を省略して、複数の貫通孔
１３を有する形状の触媒体１２に電磁波発生源１６を設
けた例を示すものである。

【００２９】本実施例によっても第２の実施例と同様な
効果を得ることができる。

【００３０】以上のように本発明の各実施例によれば、
触媒体を加熱する加熱手段を設け、この加熱手段によっ
て触媒体の外側及び中心部を均一に加熱するようにした
ので触媒体を十分活性化することができる。

【００３１】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、オゾ
ン発生用の放電電極を不要にして加熱手段によって均一
に加熱して触媒体を活性化するようにしたので、装置の
小型化を図ると共に、脱臭及びオゾン分解触媒機能を半
永久的に維持することが可能な殺菌脱臭装置を提供する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の殺菌脱臭装置の第１の実施例を示す斜
視図である。

【図２】本発明の第２の実施例を示す斜視図である。

【図３】本発明の第３の実施例を示す斜視図である。

【図４】本発明の第４の実施例を示す斜視図である。

【図５】従来装置を示す構成図である。

【符号の説明】

１，１１殺菌脱臭装置２，１２触媒体３絶縁性容器４，１４遠赤外線放射体５，１５加熱源１０電磁波１３貫通孔１６電磁波発生源

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】空気を通過させる空間領域を有する触媒
体と、この触媒体を加熱する加熱手段とを備え、前記加
熱手段により触媒体を活性化させて前記空間領域内で殺
菌及び脱臭を行わせることを特徴とする殺菌脱臭装置。
【請求項２】前記加熱手段が電磁波発生源から成る請
求項１記載の殺菌脱臭装置。
【請求項３】前記加熱手段が触媒体に設けられた遠赤
外線放射体と、この遠赤外線放射体を加熱して遠赤外線
を発生させる加熱源とから成る請求項１記載の殺菌脱臭
装置。
【請求項４】前記電磁波発生源がマイクロ波発生源か
ら成る請求項３記載の殺菌脱臭装置。