JP2004166742A - オゾン薫蒸装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】メンテナンスが容易でオゾン発生効率ないし薫蒸効率が高いオゾン薫蒸装置を提供する。
【解決手段】外部から空気を吸い込む吸気口2a、この吸気口から吸い込んだ空気を外部へ吐出する吐出口2cおよび通風ファン3を備えた通風路2eを内部に形成した本体ケース2と;通風路にオゾンを供給するオゾン発生装置11と;光触媒フィルタ4a,4bと;オゾン発生装置の運転停止時に少なくとも254nmの波長の光を照射する紫外線ランプ5a,5bと;を具備していることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】外部から空気を吸い込む吸気口2a、この吸気口から吸い込んだ空気を外部へ吐出する吐出口2cおよび通風ファン3を備えた通風路2eを内部に形成した本体ケース2と;通風路にオゾンを供給するオゾン発生装置11と;光触媒フィルタ4a,4bと;オゾン発生装置の運転停止時に少なくとも254nmの波長の光を照射する紫外線ランプ5a,5bと;を具備していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内空間等所要の空間をオゾンにより充満させて脱臭、殺菌するオゾン薫蒸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオゾン薫蒸装置の一例としては、吸引ファンの下流側に脱臭触媒とオゾン発生装置を順次直列に配設したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−98929号公報(第1頁[0016]〜[0023]、図1,図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のオゾン薫蒸装置では、その特許文献1の[0017]に記載されているように脱臭触媒はオゾンと悪臭成分を所定量吸着した後には、この脱臭触媒を交換する等のメンテナンスが必要になる。
【0005】
また、室内等所定の閉鎖空間のオゾン薫蒸のためにオゾン発生部を運転してオゾンを発生させ、かつ閉鎖空間に放出させている際に、脱臭触媒も同時に運転するので、オゾン発生部で発生させているオゾンの一部を脱臭触媒により吸着してしまうという不具合がある。このために、オゾン発生効率ないし薫蒸効率が低いという課題がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、メンテナンスが容易でオゾン発生効率ないし薫蒸効率が高いオゾン薫蒸装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係る発明は、外部から空気を吸い込む吸気口、この吸気口から吸い込んだ空気を外部へ吐出する吐出口および通風ファンを備えた通風路を内部に形成した本体ケースと;通風路にオゾンを供給するオゾン発生装置と;通風路に通風自在に配設されて光触媒を担持体に担持させてなる光触媒担持体と;通風路に配設されて、この通風路に、オゾン発生装置の運転停止時に少なくとも254nmの波長の光を照射する光源と;を具備していることを特徴とするオゾン薫蒸装置である。
【0008】
なお、この請求項1以下において、光源は例えば冷陰極殺菌ランプ等の紫外線ランプであり、少なくとも254nmの波長の紫外線を照射するランプであればよい。また、波長が185nmと254nmの両紫外線を照射するランプでもよいが、この場合は185nmの紫外線をカット(遮断)する遮光膜を塗布したランプが好ましい。
【0009】
また、オゾン発生装置としては、高濃度のオゾンを発生させる無声放電オゾン発生器が望ましいが、金属細線封入型、金属酸化物粉体封入型、拡散ドリフト型、窒素放電光無声放電重畳型、回転電極型、極低温動作グロー放電型、二重放電型、コロナ放電型、電解法型の各オゾン発生器でもよい。
【0010】
光触媒担持体は担持体の一例であるエアフィルタの通風外表面に、酸化チタンと酸化亜鉛の少なくとも一方の光触媒をフッ素樹脂により固定化したフィルタであり、エアフィルタとしてはガラスウール製でもよい。
【0011】
また、このオゾン薫蒸装置には、オゾンガスを水蒸気に混合させて室内へ放出させる熱加湿器または超音波加湿器を設けてもよく、これによれば水蒸気によりオゾンと室内空気中の塵埃や浮遊菌等の臭気成分との結合を向上させることができるので、オゾンによる臭気成分の酸化分解効率、すなわち脱臭効率を向上させることができる。
【0012】
この請求項1に係る発明によれば、オゾン薫蒸装置が運転されると、まず通風ファンとオゾン発生装置が運転される。これにより、無人の脱臭しようとする室内空間等の閉鎖空間の空気が通風ファンによりオゾン薫蒸装置の吸気口から本体ケース内の通風路に吸い込まれ、この通風路を通風する際に、オゾン発生装置で発生したオゾンと混合され、オゾンガスとして本体ケースの吐出口から再び室内空間へ吐出され、その繰返しによりオゾンが室内に充満される。
【0013】
このために、室内空気中の浮遊菌等の臭気成分がオゾンにより酸化殺菌されて脱臭、殺菌される。すなわち、室内がオゾン薫蒸により脱臭、殺菌される。しかし、このオゾンは人間等生体に危険であるので、オゾン薫蒸装置は次に、この室内のオゾンを除去する運転に移行する。
【0014】
すなわち、このオゾン薫蒸後は通風ファンの運転が続行される一方、オゾン発生装置の運転が停止され、今度は光源が運転される。このために、室内空気中に残留しているオゾンやオゾンだけでは分解できずに残留している中間生成物が室内空気と共に、再びオゾン薫蒸装置の吸気口から、その内部の通風炉内に吸い込まれ、この通風路を通風する際に、光源からの波長が少なくとも254nmの殺菌線が照射される。
【0015】
これにより、通風中の残留オゾンが殺菌線により酸化分解されて除去される一方、通風中の臭気成分の有機物が殺菌線により殺菌されて脱臭されると共に、オゾン中間生成物が酸化分解されて除去される。さらに、ここで残留したオゾンと中間生成物は光触媒担持体を通風する際に、今度は光触媒により酸化分解されて脱臭され、浄化された空気として再び室内空間へ吐出され、この作用が繰り返される。
【0016】
したがって、室内のオゾン薫蒸後、オゾンの自然減衰を待たずに、室内空気中の残留オゾンを強制的に分解して除去すると共に、オゾン中間生成物を除去するので、オゾン除去時間を短縮することができ、人間等生体への安全性を向上させることができる。
【0017】
また、オゾン発生装置の運転中には、オゾンを分解する紫外線を照射する光源の運転を停止するので、オゾンの発生ないし放出効率を向上させることができる。このために、室内空間等へ放出される単位時間当りのオゾン放出量を増加させることができるので、オゾン薫蒸時間を短縮することができる。
【0018】
また、光触媒はオゾンとの衝突によりオゾン触媒の機能を発揮して、光源からの紫外線を受けて臭気成分を分解して脱臭することができる。
【0019】
さらに、光触媒担持体は、その光触媒とオゾン触媒の両触媒機能によりオゾンを分解除去すると共に、オゾン分解中間生成物や有機物を酸化分解し、光触媒担持体自体では吸着しないので、光触媒担持体を交換する等のメンテナンスを行なう必要がない。このために、メンテナンスの軽減を図ることができる。
【0020】
このようにオゾン薫蒸運転後のオゾン分解除去運転時には、光源と光触媒担持体により空気中の臭気成分を分解して脱臭することができるので、室内の有人時にはオゾン薫蒸装置を脱臭装置として使用することができる。
【0021】
本願請求項2に係る発明は、本体ケースは、その内部に、オゾン発生装置を空冷する冷却用通風路を形成していることを特徴とする請求項1記載のオゾン薫蒸装置である。
【0022】
なお、冷却用通風路は、その一端を、通風ファンを備えた通風路の途中に連通させることにより通風ファンの吸気力を共用することができる。
【0023】
この発明によれば、オゾン発生装置はその運転により発熱昇温し、過熱によりオゾン発生能力ないし効率を低下させるが、冷却用通風路の通風により冷却されるので、オゾン発生装置の過熱によるオゾン発生能力ないし効率の低下を防止ないし抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係るオゾン薫蒸装置1の縦断面図、図2はこのオゾン薫蒸装置1の上部斜視図、図3は図1の平面図、図4(A)はオゾン薫蒸装置1の背面図、図4(B)は同正面図である。
【0026】
これらの図に示すように、オゾン薫蒸装置1は例えば図中縦長角筒状の本体ケース2の前面の中央部(図4(B)参照)に、矩形等所要の形状かつ大きさの吸気口2aを形成する一方、図1に示すように本体ケース2の頂端部2b中央部上には、吐出口2cを有する吐出管2dを突設し、この吐出口2cと吸気口2aとを連通するほぼ逆コ字状の通風路2eを本体ケース2内に形成し、図中矢印方向に外部空気を吸い込み、通風させるように構成している。
【0027】
すなわち、通風路2eは、その吸気口2aの内側において吸気口2aの上下方向両側で対向する上隔壁2fと下隔壁2gを配設して下通風路2e1を形成する一方、この上隔壁2fと頂端部2bとの間にて上通風路2e2を形成し、吸気口2aと反対側の上隔壁2fの一端部にて壁厚方向に貫通する連通口2hを穿設し、この連通口2hを介して上通風路2e2を下通風路2e1に連通させている。
【0028】
この下通風路2e1には吸気口2aの内側において吸気ファン3を配設し、さらに、この吸気ファン3の下流側には下通風路2e1の幅方向にそれぞれ並設された左右一対の光触媒フィルタ4a,4b、左右一対の紫外線ランプ5a,5b(図4(A)参照)、オゾンを分解除去するオゾンフィルタ6をこの順に所要の間隔を置いて順次配設している。
【0029】
各光触媒フィルタ4a,4bは担持体の一例であるエアフィルタの通風外表面に、酸化チタンと酸化亜鉛の少なくとも一方等の光触媒をフッ素樹脂により固定化したフィルタである。エアフィルタとしてはガラスウール製でもよい。
【0030】
図5にも示すように、各紫外線ランプ5a,5bは、ほぼU字形のランプ5c、リード線5d、電源プラグ5eを備え、このU字状ランプ5cから波長が少なくとも254nmの紫外線である殺菌線を照射するランプであり、この紫外線によりオゾンを分解すると共に、空気中の雑菌を殺菌し、さらに後述する光触媒を活性化させる機能を具備している。
【0031】
一方、上通風路2e2には、吐出口2cの下方にて加湿器7を配設している。加湿器7は水8を貯水する水槽7aと、この水槽7a内の水を振動させて低温の水蒸気を発生させる超音波加湿ユニット7bと、を具備している。水槽7aの前端部(図1では右端部)上方にて本体ケース2はカートリッジタイプの水タンク9を挿脱自在に挿入させる水タンク挿入部10を配設している。
【0032】
水タンク9はその底部(図1では下端部)に液面調整バルブ12を設けており、この液面調整バルブ12の先端が水槽7aの内底面上に突設された突起7bに当接したときに、水タンク9内の水8を水槽7a内へ、その水面が常時所定水位を保持するように給水するようになっている。なお、超音波加湿ユニット7bを図示しない加熱ヒータに置換し、高温水蒸気を水槽7aから放出するように構成してもよい。
【0033】
そして、本体ケース2の下隔壁2gと底部2jとの間の下部空間2iにはオゾン発生装置11を配設している。オゾン発生装置11はオゾナイザ11a、このオゾナイザ11aに高圧電力を給電する高圧電源装置11b、オゾナイザ11aに空気を送風するエアポンプ11cおよびオゾンガス管11dを備えている。オゾナイザ11aは例えば気中無声放電により高濃度のオゾンを発生させるものである。オゾナイザ11aとしては、例えば金属細線封入型、金属酸化物粉体封入型、拡散ドリフト型、窒素放電光無声放電重畳型、回転電極型、極低温動作グロー放電型、二重放電型、コロナ放電型、電解法型等があり、これらオゾン発生器のいずれかでもよい。
【0034】
エアポンプ11cは本体ケース2の下部空間2i内の空気を吸い込み、オゾナイザ11aに送風し、このオゾナイザ11aにおける気中無声放電により高濃度のオゾンガスを発生させるようになっている。
【0035】
オゾンガス管11dは、その一端である入口端をオゾナイザ11aのオゾンガス出口に接続する一方、その他端の出口端を下隔壁2gを気密に貫通して下通風路2e1に延在し、さらに、上通風路2e2に延伸し、上記加湿器6の水槽7aの水面上方にて開口し、オゾンガスを水槽7aの水面上方へ放出させるようになっている。
【0036】
そして、本体ケース2はその下部空間2iに冷却用通風路12を形成している。この冷却用通風路12は本体ケース2の底部2jに穿設された外気入口12aと、下隔壁2gの吸気ファン3よりも上流側の前端部にて穿設された連通出口12bと、にそれぞれ連通し、吸気ファン3の吸気力により外気入口12aから吸い込んだ外部空気を冷却用通風路12を通風させて連通出口12bから下通風路2e1へ通風させるようになっている。
【0037】
そして、上記吸気ファン3、紫外線ランプ5a,5b、加湿器7の超音波加湿ユニット7b、オゾン発生装置11は図示しない制御器にコードを介して電気的に接続され、これらの運転が制御器によりそれぞれ制御されるようになっている。すなわち、制御器はオゾン薫蒸モード運転時には吸気ファン3、オゾン発生装置11、加湿器7を運転する一方、紫外線ランプ5a,5bの運転を停止させる。また、制御器は、所定時間オゾン薫蒸モードで運転した後、オゾン分解除去運転モードに切り換え、その運転時には吸気ファン3と紫外線ランプ5a,5bを運転させる一方、オゾン発生装置11と加湿器7の運転を停止させるようになっている。
【0038】
また、図1〜図3に示すように本体ケース2の頂端部2b上には、その長手方向両端部にてコ字状の図中左右一対の把手13a,13bを設けると共に、長手方向一端部(図2、図3では左端部)にて操作スイッチ等の操作具を備えた操作パネル14を配設している。なお、図1、図4(A),(B)中、符号15は本体ケース2の底部に配設された複数のキャスターである。
【0039】
次に、このように構成されたオゾン薫蒸装置1の作用を説明する。
【0040】
まず、このオゾン薫蒸装置1をオゾン薫蒸モード、すなわち脱臭殺菌しようとする所要の室内等の無人の閉鎖空間内に搬入し、次に操作パネル14の所要の操作具、例えば薫蒸モードON/OFFキーをON操作する。すると、吸気ファン3、加湿器7およびオゾン発生装置11がそれぞれ運転を開始する。しかし、紫外線ランプ5a,5bの運転は開始されず、消灯状態のままにある。
【0041】
このために、運転を開始した吸気ファン3により図1に示すように、室内空気が吸気口2aから本体ケース2内の下通風路2e1内に連続的に吸い込まれ、この下通風路2e1を図中実線矢印方向に通風し、まず左右一対の光触媒フィルタ5a,5bをそれぞれ通風する。その通風の際、通風中の塵埃が光触媒フィルタのエアフィルタにより捕捉されて浄化される一方、通風中臭気成分等の有機物が光触媒により酸化分解されて脱臭される。
【0042】
この後、さらに通風は左右一対の紫外線ランプ5a,5bの周囲を通風するが、これら紫外線ランプ5a,5bは消灯中であるので、殆どそのまま通風し、オゾンフィルタ6を通風してから連通口2hと上通風路2e1を順次経て水槽7a内へ通風される。
【0043】
一方、このとき、水槽7aの水面上には、低温の水蒸気とオゾンガスが放出されている。すなわち、水槽7aの水面からは超音波加湿ユニット7bの水中での超音波振動により低温の水蒸気が放出されていると共に、オゾンガス管11dの出口端からオゾンガスが吐出されている。
【0044】
すなわち、オゾン発生装置11では、エアポンプ11cの運転により本体ケース2内の下部空間2iが負圧になるので、この下部空間2i内へ外気入口12aを経て室内空気が吸い込まれ、さらにエアポンプ11cに吸入されてからオゾナイザ11a内へ送風される。このオゾナイザ11aは高圧電源装置11bから高圧電力を受電して気中無声放電して、オゾンを発生させ、そのオゾンガスがオゾンガス管11dにより加湿器7aの水面上に案内され、放出されている。
【0045】
このために、オゾンガスは水槽7aの水面上において、水蒸気と通風路2cからの室内空気とに混合されて、オゾン混合ガス(空気)として吐出口2bから再び室内空間へ吐出される。このようなオゾン薫蒸運転が所要時間継続されると、やがて水蒸気を含んだオゾンガスが室内空間に充満する。
【0046】
このように水蒸気を含んだオゾンガスが室内空間内に充満されると、オゾンは水蒸気によりこの室内空気中の塵埃や臭気成分等の雑菌や有機物に効率よく付着され、この有機物を酸化分解して脱臭すると共に、室内空気中に浮遊しているカビ等の各種雑菌を殺菌してさらに脱臭し、室内空気を浄化する。
【0047】
そして、このようなオゾンガス薫蒸運転時には吸気ファン3の運転により下部空間2i内の空気が連通出口12bを介して吸気されると共に、エアポンプ11aの運転により下部空間2i内の空気が吸気されるので、下部空間1i内は負圧になる。このために、室内空気が底部2jの外気入口12aから下部空間2i内へ吸い込まれ、さらに、連通出口12bから下部通風路2e1へ吸入される通風が発生し、その通風が下部空間2i内の冷却用通風路12を通風するので、この通風によりオゾナイザ11a、高圧電源装置11b、エアポンプ11cを冷却することができる。
【0048】
そして、このようにオゾンガスが室内に充満した状態では人間等の生体には危険であるので、オゾン薫蒸運転は制御器により所定時間運転後停止され、オゾンの室内への放出は停止させられる。
【0049】
すなわち、オゾンは時間の経過と共に自然に減衰していくが、生体に安全な濃度までオゾンが自然減衰するには長時間を要するので、室内の残留オゾンを短持間で分解除去するために、次に制御器はオゾン分解除去運転を開始させる。
【0050】
すなわち、制御器は吸気ファン3を引き続き運転すると共に、左右一対の紫外線ランプ5a,5bを運転、すなわち点灯させると共に、オゾンフィルタ6を運転する一方、オゾン発生装置11と加湿器7の運転を停止させる。
【0051】
このために、残留オゾンとオゾン中間生成物を含んだ室内空気が吸気ファン3によりオゾン薫蒸装置1の吸込口2aからその内部の下通風路2e1内へ吸い込まれる。これにより、吸い込まれた室内空気はまず光触媒フィルタ4a,4bを通風する際に、その通風中のオゾンとその中間生成物が光触媒により酸化分解されて除去されると共に、通風中の塵埃が引き続き光触媒フィルタ4a,4bのエアフィルタにより捕捉除去される。さらに、この通風は左右一対の紫外線ランプ5a,5bの周囲を通風する際に、紫外線が照射され、特に254nmの紫外線照射により、通風中のオゾンが酸化分解されて除去されると共に雑菌が殺菌される。この後、さらに通風がオゾンフィルタ6を通風する際に、通風中のオゾンが再び分解除去され、上通風路2e2を経て吐出口2cから再び室内へ吐出される。これの繰返しにより室内空気中の残留オゾン濃度が安全値以下に低下したとき、または予め設定した所定時間経過後に、制御器はこのオゾン分解除去運転を停止させる。
【0052】
したがって、このオゾン薫蒸装置1によれば、そのオゾン薫蒸運転によりオゾンを無人の室内に充満させることができるので、このオゾンにより臭気成分の有機物や雑菌等を酸化分解して脱臭、殺菌し、室内を脱臭、浄化することができる。
【0053】
しかも、空気中の臭気成分の有機物や雑菌を光触媒フィルタ4a,4bの光触媒と、紫外線ランプ5a,5bの紫外線とにより2重、3重に酸化分解するので、室内空気の脱臭殺菌による脱臭ないし浄化を高効率で行なうことができる。
【0054】
また、オゾンにより有機物等を酸化分解する際に発生する中間生成物を光触媒フィルタ4a,4bの光触媒により酸化分解して除去することができるので、室内空気の浄化効率をさらに向上させることができる。
【0055】
さらに、オゾンガスに水蒸気を混合させて室内に吐出するので、水蒸気によりオゾンガスを室内空気中の塵埃や有機物に効率よく付着させることができるので、オゾンによる有機物の酸化分解効率を向上させ、ひいては室内空気の脱臭、浄化効率をさらに向上させることができる。
【0056】
また、光触媒フィルタ4a,4bに紫外線ランプ5a,5bの紫外線を照射するので、この光触媒フィルタ4a,4bの光触媒を活性化させ、光触媒による酸化分解能力を増大させることができる。
【0057】
さらにまた、紫外線ランプ5a,5bは空気中に紫外線を照射することにより空気を分解して微量のオゾンを発生させ、紫外線の殺菌線により有機物を酸化分解することができるうえに、この微量オゾンによっても有機物を酸化分解して脱臭、殺菌することができる。すなわち、オゾン分解除去運転によっても室内空気を脱臭することができ、しかも紫外線ランプ5a,5bで発生するオゾンは低濃度であるので、室内に人間等生体がいても危険性が無く運転できる。
【0058】
また、紫外線ランプ5a,5bは、その点,消灯により運転開始ないし停止を容易かつ迅速に制御することができるうえに、通風させないので、通風させるエアフィルタに比して通風の圧損を低減することができる。
【0059】
さらに、オゾン発生装置11のオゾナイザ11a、高圧電源装置11bおよびエアポンプ11cは運転時に発熱昇温し、過熱時にはオゾン発生能力を低減させるが、これらオゾン発生装置11を冷却用通風路12により冷却するので、高温昇温時のオゾン発生能力ないし効率の低下を未然に防止ないし低減することができる。
【0060】
図6は本発明の第2の実施形態に係るオゾン薫蒸装置1Aの縦断面図である。このオゾン薫蒸装置1Aは下通風路2e1に、オゾン発生装置11を吸気口2aに対して直線的に対向する位置にて配設し、図1等で示す下隔壁2gよりも下方の下部空間2iを含む下部を省略して小型軽量化を図った点に主な特徴を有し、これ以外は第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置1と同様に構成されている。
【0061】
すなわち、このオゾン薫蒸装置1Aは下通風路2e1に、オゾンフィルタ6よりも下流側においてオゾン発生装置11を配設し、このオゾン発生装置11を吸気口2aに対して直線的に対向させている。
【0062】
このために、吸気ファン3により吸気口2aから吸い込んだ空気をオゾン発生装置11に直線的に送風することができるので、この送風により、オゾン発生装置11のオゾナイザ11a、高圧電源装置11bおよびエアポンプ11cを空冷することができる。
【0063】
これにより、上記第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置1の冷却用通風路12を省略することができるので、この冷却用通風路12およびこの冷却用通風路12を形成する本体ケース2の下部空間2iを省略することができ、その分小型軽量化を図ることができる。
【0064】
図7は上記紫外線ランプ5a,5bのU字状ランプ5cの外表面のほぼ全面にオゾン抑制膜16を塗布した第2の紫外線ランプ5fを示しており、この第2の紫外線ランプ5fはオゾン抑制膜16をコーティングした以外は上記図5で示す紫外線ランプ5a,5bと同様の冷陰極紫外線ランプであるので、同一部分には同一符号を付している。
【0065】
このオゾン抑制膜16は例えばZrO2膜等からなり、185nmの紫外線を吸収する一方、254nmの紫外線を透過させるようになっている。
【0066】
すなわち、185nmの紫外線が空気に照射されると、オゾンを発生させるので、この185nmの紫外線をオゾン抑制膜16により吸収し、オゾンの発生を抑制することができる。一方、オゾンを分解する254nmの紫外線は上記第1の紫外線ランプ5a,5bとほぼ同量出力されるので、オゾン分解能力ないし効率の低減は防止できる。
【0067】
このために、オゾン薫蒸装置1,1Aのオゾン分解除去モードの運転時には、紫外線ランプ5a,5bが点灯されるが、この紫外線ランプ5fによるオゾンの発生は抑制されるので、オゾン分解除去モード運転時のオゾン分解除去効率を向上させることができ、オゾン分解除去運転時間を短縮できる。
【0068】
図8は第3の紫外線ランプ5gの正面図である。この第3の紫外線ランプ5dは図7で示す第2の紫外線ランプ5fのオゾン抑制膜16をU字状ランプ5cのほぼ全長ではなく、そのほぼ半分にコーティングしてオゾンの発生量を制御したものであり、オゾン抑制膜16のコーティング面積は必要に応じて適宜調整することができる。
【0069】
なお、図1に示すように、オゾン除去部のオゾンフィルタ6とオゾンガス供給部のオゾンガス管11dの放出端との間の通風路2eに、オゾン濃度を検出するオゾン濃度センサ16を配設し、このオゾン濃度センサ17により検出した検出値に基づいてオゾン薫蒸装置1の運転を制御するように制御器を構成してもよい。
【0070】
すなわち、オゾン薫蒸装置1のオゾン分解除去運転時に、室内空間から本体ケース2の通風路2e内に吸い込んだ空気のオゾン濃度が所定値以下に低減したことをオゾン濃度センサ17により検出したときに、このオゾン分解除去運転を停止させるように制御器を構成してもよい。これによれば、室内のオゾン濃度が所定の安定値以下に低減したことを確認してからオゾン分解除去運転を停止させるので、安全性を向上させることができる。
【0071】
また、このオゾン濃度センサ17は図6で示すオゾン薫蒸装置1にも設けてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態ではオゾン発生装置11と加湿器7とを同時に運転し、オゾンと水蒸気とを吐出口2cから室内へほぼ同時に放出させる場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばオゾン発生装置11を所定時間運転した後、加湿器7を所定時間運転するように制御器を構成してもよい。
【0073】
すなわち、オゾン発生装置11を運転することにより、まず、オゾンのみを吐出口2cから室内へ放出し、オゾンを室内に充満させた後に、オゾン発生装置11の運転を停止させる。その停止とほぼ同時、またはその後、加湿器7を運転して水蒸気を吐出口2cから室内へ放出させ、この水蒸気を、既に室内に充満しているオゾンに混合させ、室内を脱臭、浄化させてもよい。
【0074】
つまり、上記実施形態のようにオゾンと水蒸気をほぼ同時に室内へ放出する場合は、上述したように水蒸気にオゾンが吸着し、そのオゾンを含んだ水蒸気が臭いの分子に付着して臭い分子を酸化する。オゾン単体よりも水蒸気の方が極性を持っているため臭いの分子に吸着し易いため、水分とオゾンを混ぜるとより脱臭効果が高くなる効果がある。
【0075】
しかし、オゾンと水蒸気をほぼ同時に室内へ放出すると、オゾンが付着した水蒸気が凝集したり、回りの壁や天井に結露し易いため、室内の臭い成分との接触確率が減少する場合がある。そこで、まずオゾンを室内へ放出後、水蒸気を室内へ放出する場合は、まずオゾンが室内に広く拡散し、その後、水蒸気が広く拡散するため、オゾンの脱臭に作用する比率が、同時放出より高くなる。
【0076】
そのため同時放出より、オゾン放出後に加湿した方が高い効果が得られる場合もある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、オゾン薫蒸により室内空気中の浮遊菌等の臭気成分をオゾンにより酸化殺菌して脱臭、殺菌することができる。また、このオゾン薫蒸後はオゾン分解除去運転により室内空気中に残留しているオゾンやオゾンだけでは分解できずに残留している中間生成物と残留オゾンとを殺菌線により酸化分解して除去する一方、通風中の臭気成分の有機物を殺菌線により殺菌して脱臭すると共に、オゾン中間生成物を酸化分解して除去することができる。
【0078】
したがって、室内のオゾン薫蒸後、オゾンの自然減衰を待たずに、室内空気中の残留オゾンを強制的に分解して除去すると共に、オゾン中間生成物を除去するので、オゾン除去時間を短縮することができ、人間等生体への安全性を向上させることができる。
【0079】
そして、この発明によれば、オゾン発生装置の運転中には、オゾンを分解する紫外線を照射する光源の運転を停止することにより紫外線によるオゾンの分解を停止させるので、オゾンの発生ないし放出効率を向上させることができる。このために、室内空間等へ放出される単位時間当りのオゾン放出量を増加させることができるので、オゾン薫蒸時間を短縮することができる。
【0080】
また、光触媒はオゾンとの衝突によりオゾン触媒の機能を発揮して、光源からの紫外線を受けて臭気成分を分解して脱臭することができる。
【0081】
さらに、光触媒担持体は、その光触媒とオゾン触媒の両触媒機能によりオゾンを分解除去すると共に、オゾン分解中間生成物や有機物を酸化分解し、光触媒担持体自体では吸着しないので、光触媒担持体を交換する等のメンテナンスを行なう必要がない。このために、メンテナンスの軽減を図ることができる。このようにオゾン薫蒸運転後のオゾン分解除去運転には光源と光触媒担持体により空気中の臭気成分を脱臭することができるので、室内の有人時にはオゾン薫蒸装置を脱臭装置として使用することができる。
【0082】
請求項2に係る発明によれば、オゾン発生装置はその運転により発熱昇温し、過熱によりオゾン発生能力ないし効率を低下させるが、冷却用通風路の通風により冷却されるので、オゾン発生装置の過熱によるオゾン発生能力ないし効率の低下を防止ないし抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置の縦断面図。
【図2】図1で示すオゾン薫蒸装置の上部斜視図。
【図3】図2の平面図。
【図4】(A)は図1で示すオゾン薫蒸装置の背面図、(B)は同正面図。
【図5】図1で示す紫外線ランプの一部切欠正面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るオゾン薫蒸装置の縦断面図。
【図7】図5で示す紫外線ランプの第1変形例の一部切欠正面図。
【図8】図5で示す紫外線ランプの第2変形例の一部切欠正面図。
【符号の説明】
1 オゾン薫蒸装置
2 本体ケース
2a 吸気口
2b 頂端部
2c 吐出口
2d 吐出管
2e 通風路
2e1 下通風路
2e2 上通風路
2f 上隔壁
2g 下隔壁
2h 連通口
2i 下部空間
3 吸気ファン
4a,4b 一対の光触媒フィルタ
5a,5b 一対の紫外線ランプ
6 オゾンフィルタ
7 加湿器
7a 水槽
7b 超音波加湿ユニット
8 水
9 水タンク
9a 液面調整バルブ
11 オゾン発生装置
11a オゾナイザ
11b 高圧電源装置
11c エアポンプ
11d オゾンガス管
12 冷却用通風路
12a 外気入口
12b 連通出口
17 オゾン濃度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内空間等所要の空間をオゾンにより充満させて脱臭、殺菌するオゾン薫蒸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のオゾン薫蒸装置の一例としては、吸引ファンの下流側に脱臭触媒とオゾン発生装置を順次直列に配設したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−98929号公報(第1頁[0016]〜[0023]、図1,図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のオゾン薫蒸装置では、その特許文献1の[0017]に記載されているように脱臭触媒はオゾンと悪臭成分を所定量吸着した後には、この脱臭触媒を交換する等のメンテナンスが必要になる。
【0005】
また、室内等所定の閉鎖空間のオゾン薫蒸のためにオゾン発生部を運転してオゾンを発生させ、かつ閉鎖空間に放出させている際に、脱臭触媒も同時に運転するので、オゾン発生部で発生させているオゾンの一部を脱臭触媒により吸着してしまうという不具合がある。このために、オゾン発生効率ないし薫蒸効率が低いという課題がある。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、メンテナンスが容易でオゾン発生効率ないし薫蒸効率が高いオゾン薫蒸装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に係る発明は、外部から空気を吸い込む吸気口、この吸気口から吸い込んだ空気を外部へ吐出する吐出口および通風ファンを備えた通風路を内部に形成した本体ケースと;通風路にオゾンを供給するオゾン発生装置と;通風路に通風自在に配設されて光触媒を担持体に担持させてなる光触媒担持体と;通風路に配設されて、この通風路に、オゾン発生装置の運転停止時に少なくとも254nmの波長の光を照射する光源と;を具備していることを特徴とするオゾン薫蒸装置である。
【0008】
なお、この請求項1以下において、光源は例えば冷陰極殺菌ランプ等の紫外線ランプであり、少なくとも254nmの波長の紫外線を照射するランプであればよい。また、波長が185nmと254nmの両紫外線を照射するランプでもよいが、この場合は185nmの紫外線をカット(遮断)する遮光膜を塗布したランプが好ましい。
【0009】
また、オゾン発生装置としては、高濃度のオゾンを発生させる無声放電オゾン発生器が望ましいが、金属細線封入型、金属酸化物粉体封入型、拡散ドリフト型、窒素放電光無声放電重畳型、回転電極型、極低温動作グロー放電型、二重放電型、コロナ放電型、電解法型の各オゾン発生器でもよい。
【0010】
光触媒担持体は担持体の一例であるエアフィルタの通風外表面に、酸化チタンと酸化亜鉛の少なくとも一方の光触媒をフッ素樹脂により固定化したフィルタであり、エアフィルタとしてはガラスウール製でもよい。
【0011】
また、このオゾン薫蒸装置には、オゾンガスを水蒸気に混合させて室内へ放出させる熱加湿器または超音波加湿器を設けてもよく、これによれば水蒸気によりオゾンと室内空気中の塵埃や浮遊菌等の臭気成分との結合を向上させることができるので、オゾンによる臭気成分の酸化分解効率、すなわち脱臭効率を向上させることができる。
【0012】
この請求項1に係る発明によれば、オゾン薫蒸装置が運転されると、まず通風ファンとオゾン発生装置が運転される。これにより、無人の脱臭しようとする室内空間等の閉鎖空間の空気が通風ファンによりオゾン薫蒸装置の吸気口から本体ケース内の通風路に吸い込まれ、この通風路を通風する際に、オゾン発生装置で発生したオゾンと混合され、オゾンガスとして本体ケースの吐出口から再び室内空間へ吐出され、その繰返しによりオゾンが室内に充満される。
【0013】
このために、室内空気中の浮遊菌等の臭気成分がオゾンにより酸化殺菌されて脱臭、殺菌される。すなわち、室内がオゾン薫蒸により脱臭、殺菌される。しかし、このオゾンは人間等生体に危険であるので、オゾン薫蒸装置は次に、この室内のオゾンを除去する運転に移行する。
【0014】
すなわち、このオゾン薫蒸後は通風ファンの運転が続行される一方、オゾン発生装置の運転が停止され、今度は光源が運転される。このために、室内空気中に残留しているオゾンやオゾンだけでは分解できずに残留している中間生成物が室内空気と共に、再びオゾン薫蒸装置の吸気口から、その内部の通風炉内に吸い込まれ、この通風路を通風する際に、光源からの波長が少なくとも254nmの殺菌線が照射される。
【0015】
これにより、通風中の残留オゾンが殺菌線により酸化分解されて除去される一方、通風中の臭気成分の有機物が殺菌線により殺菌されて脱臭されると共に、オゾン中間生成物が酸化分解されて除去される。さらに、ここで残留したオゾンと中間生成物は光触媒担持体を通風する際に、今度は光触媒により酸化分解されて脱臭され、浄化された空気として再び室内空間へ吐出され、この作用が繰り返される。
【0016】
したがって、室内のオゾン薫蒸後、オゾンの自然減衰を待たずに、室内空気中の残留オゾンを強制的に分解して除去すると共に、オゾン中間生成物を除去するので、オゾン除去時間を短縮することができ、人間等生体への安全性を向上させることができる。
【0017】
また、オゾン発生装置の運転中には、オゾンを分解する紫外線を照射する光源の運転を停止するので、オゾンの発生ないし放出効率を向上させることができる。このために、室内空間等へ放出される単位時間当りのオゾン放出量を増加させることができるので、オゾン薫蒸時間を短縮することができる。
【0018】
また、光触媒はオゾンとの衝突によりオゾン触媒の機能を発揮して、光源からの紫外線を受けて臭気成分を分解して脱臭することができる。
【0019】
さらに、光触媒担持体は、その光触媒とオゾン触媒の両触媒機能によりオゾンを分解除去すると共に、オゾン分解中間生成物や有機物を酸化分解し、光触媒担持体自体では吸着しないので、光触媒担持体を交換する等のメンテナンスを行なう必要がない。このために、メンテナンスの軽減を図ることができる。
【0020】
このようにオゾン薫蒸運転後のオゾン分解除去運転時には、光源と光触媒担持体により空気中の臭気成分を分解して脱臭することができるので、室内の有人時にはオゾン薫蒸装置を脱臭装置として使用することができる。
【0021】
本願請求項2に係る発明は、本体ケースは、その内部に、オゾン発生装置を空冷する冷却用通風路を形成していることを特徴とする請求項1記載のオゾン薫蒸装置である。
【0022】
なお、冷却用通風路は、その一端を、通風ファンを備えた通風路の途中に連通させることにより通風ファンの吸気力を共用することができる。
【0023】
この発明によれば、オゾン発生装置はその運転により発熱昇温し、過熱によりオゾン発生能力ないし効率を低下させるが、冷却用通風路の通風により冷却されるので、オゾン発生装置の過熱によるオゾン発生能力ないし効率の低下を防止ないし抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。なお、これらの図中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0025】
図1は本発明の一実施形態に係るオゾン薫蒸装置1の縦断面図、図2はこのオゾン薫蒸装置1の上部斜視図、図3は図1の平面図、図4(A)はオゾン薫蒸装置1の背面図、図4(B)は同正面図である。
【0026】
これらの図に示すように、オゾン薫蒸装置1は例えば図中縦長角筒状の本体ケース2の前面の中央部(図4(B)参照)に、矩形等所要の形状かつ大きさの吸気口2aを形成する一方、図1に示すように本体ケース2の頂端部2b中央部上には、吐出口2cを有する吐出管2dを突設し、この吐出口2cと吸気口2aとを連通するほぼ逆コ字状の通風路2eを本体ケース2内に形成し、図中矢印方向に外部空気を吸い込み、通風させるように構成している。
【0027】
すなわち、通風路2eは、その吸気口2aの内側において吸気口2aの上下方向両側で対向する上隔壁2fと下隔壁2gを配設して下通風路2e1を形成する一方、この上隔壁2fと頂端部2bとの間にて上通風路2e2を形成し、吸気口2aと反対側の上隔壁2fの一端部にて壁厚方向に貫通する連通口2hを穿設し、この連通口2hを介して上通風路2e2を下通風路2e1に連通させている。
【0028】
この下通風路2e1には吸気口2aの内側において吸気ファン3を配設し、さらに、この吸気ファン3の下流側には下通風路2e1の幅方向にそれぞれ並設された左右一対の光触媒フィルタ4a,4b、左右一対の紫外線ランプ5a,5b(図4(A)参照)、オゾンを分解除去するオゾンフィルタ6をこの順に所要の間隔を置いて順次配設している。
【0029】
各光触媒フィルタ4a,4bは担持体の一例であるエアフィルタの通風外表面に、酸化チタンと酸化亜鉛の少なくとも一方等の光触媒をフッ素樹脂により固定化したフィルタである。エアフィルタとしてはガラスウール製でもよい。
【0030】
図5にも示すように、各紫外線ランプ5a,5bは、ほぼU字形のランプ5c、リード線5d、電源プラグ5eを備え、このU字状ランプ5cから波長が少なくとも254nmの紫外線である殺菌線を照射するランプであり、この紫外線によりオゾンを分解すると共に、空気中の雑菌を殺菌し、さらに後述する光触媒を活性化させる機能を具備している。
【0031】
一方、上通風路2e2には、吐出口2cの下方にて加湿器7を配設している。加湿器7は水8を貯水する水槽7aと、この水槽7a内の水を振動させて低温の水蒸気を発生させる超音波加湿ユニット7bと、を具備している。水槽7aの前端部(図1では右端部)上方にて本体ケース2はカートリッジタイプの水タンク9を挿脱自在に挿入させる水タンク挿入部10を配設している。
【0032】
水タンク9はその底部(図1では下端部)に液面調整バルブ12を設けており、この液面調整バルブ12の先端が水槽7aの内底面上に突設された突起7bに当接したときに、水タンク9内の水8を水槽7a内へ、その水面が常時所定水位を保持するように給水するようになっている。なお、超音波加湿ユニット7bを図示しない加熱ヒータに置換し、高温水蒸気を水槽7aから放出するように構成してもよい。
【0033】
そして、本体ケース2の下隔壁2gと底部2jとの間の下部空間2iにはオゾン発生装置11を配設している。オゾン発生装置11はオゾナイザ11a、このオゾナイザ11aに高圧電力を給電する高圧電源装置11b、オゾナイザ11aに空気を送風するエアポンプ11cおよびオゾンガス管11dを備えている。オゾナイザ11aは例えば気中無声放電により高濃度のオゾンを発生させるものである。オゾナイザ11aとしては、例えば金属細線封入型、金属酸化物粉体封入型、拡散ドリフト型、窒素放電光無声放電重畳型、回転電極型、極低温動作グロー放電型、二重放電型、コロナ放電型、電解法型等があり、これらオゾン発生器のいずれかでもよい。
【0034】
エアポンプ11cは本体ケース2の下部空間2i内の空気を吸い込み、オゾナイザ11aに送風し、このオゾナイザ11aにおける気中無声放電により高濃度のオゾンガスを発生させるようになっている。
【0035】
オゾンガス管11dは、その一端である入口端をオゾナイザ11aのオゾンガス出口に接続する一方、その他端の出口端を下隔壁2gを気密に貫通して下通風路2e1に延在し、さらに、上通風路2e2に延伸し、上記加湿器6の水槽7aの水面上方にて開口し、オゾンガスを水槽7aの水面上方へ放出させるようになっている。
【0036】
そして、本体ケース2はその下部空間2iに冷却用通風路12を形成している。この冷却用通風路12は本体ケース2の底部2jに穿設された外気入口12aと、下隔壁2gの吸気ファン3よりも上流側の前端部にて穿設された連通出口12bと、にそれぞれ連通し、吸気ファン3の吸気力により外気入口12aから吸い込んだ外部空気を冷却用通風路12を通風させて連通出口12bから下通風路2e1へ通風させるようになっている。
【0037】
そして、上記吸気ファン3、紫外線ランプ5a,5b、加湿器7の超音波加湿ユニット7b、オゾン発生装置11は図示しない制御器にコードを介して電気的に接続され、これらの運転が制御器によりそれぞれ制御されるようになっている。すなわち、制御器はオゾン薫蒸モード運転時には吸気ファン3、オゾン発生装置11、加湿器7を運転する一方、紫外線ランプ5a,5bの運転を停止させる。また、制御器は、所定時間オゾン薫蒸モードで運転した後、オゾン分解除去運転モードに切り換え、その運転時には吸気ファン3と紫外線ランプ5a,5bを運転させる一方、オゾン発生装置11と加湿器7の運転を停止させるようになっている。
【0038】
また、図1〜図3に示すように本体ケース2の頂端部2b上には、その長手方向両端部にてコ字状の図中左右一対の把手13a,13bを設けると共に、長手方向一端部(図2、図3では左端部)にて操作スイッチ等の操作具を備えた操作パネル14を配設している。なお、図1、図4(A),(B)中、符号15は本体ケース2の底部に配設された複数のキャスターである。
【0039】
次に、このように構成されたオゾン薫蒸装置1の作用を説明する。
【0040】
まず、このオゾン薫蒸装置1をオゾン薫蒸モード、すなわち脱臭殺菌しようとする所要の室内等の無人の閉鎖空間内に搬入し、次に操作パネル14の所要の操作具、例えば薫蒸モードON/OFFキーをON操作する。すると、吸気ファン3、加湿器7およびオゾン発生装置11がそれぞれ運転を開始する。しかし、紫外線ランプ5a,5bの運転は開始されず、消灯状態のままにある。
【0041】
このために、運転を開始した吸気ファン3により図1に示すように、室内空気が吸気口2aから本体ケース2内の下通風路2e1内に連続的に吸い込まれ、この下通風路2e1を図中実線矢印方向に通風し、まず左右一対の光触媒フィルタ5a,5bをそれぞれ通風する。その通風の際、通風中の塵埃が光触媒フィルタのエアフィルタにより捕捉されて浄化される一方、通風中臭気成分等の有機物が光触媒により酸化分解されて脱臭される。
【0042】
この後、さらに通風は左右一対の紫外線ランプ5a,5bの周囲を通風するが、これら紫外線ランプ5a,5bは消灯中であるので、殆どそのまま通風し、オゾンフィルタ6を通風してから連通口2hと上通風路2e1を順次経て水槽7a内へ通風される。
【0043】
一方、このとき、水槽7aの水面上には、低温の水蒸気とオゾンガスが放出されている。すなわち、水槽7aの水面からは超音波加湿ユニット7bの水中での超音波振動により低温の水蒸気が放出されていると共に、オゾンガス管11dの出口端からオゾンガスが吐出されている。
【0044】
すなわち、オゾン発生装置11では、エアポンプ11cの運転により本体ケース2内の下部空間2iが負圧になるので、この下部空間2i内へ外気入口12aを経て室内空気が吸い込まれ、さらにエアポンプ11cに吸入されてからオゾナイザ11a内へ送風される。このオゾナイザ11aは高圧電源装置11bから高圧電力を受電して気中無声放電して、オゾンを発生させ、そのオゾンガスがオゾンガス管11dにより加湿器7aの水面上に案内され、放出されている。
【0045】
このために、オゾンガスは水槽7aの水面上において、水蒸気と通風路2cからの室内空気とに混合されて、オゾン混合ガス(空気)として吐出口2bから再び室内空間へ吐出される。このようなオゾン薫蒸運転が所要時間継続されると、やがて水蒸気を含んだオゾンガスが室内空間に充満する。
【0046】
このように水蒸気を含んだオゾンガスが室内空間内に充満されると、オゾンは水蒸気によりこの室内空気中の塵埃や臭気成分等の雑菌や有機物に効率よく付着され、この有機物を酸化分解して脱臭すると共に、室内空気中に浮遊しているカビ等の各種雑菌を殺菌してさらに脱臭し、室内空気を浄化する。
【0047】
そして、このようなオゾンガス薫蒸運転時には吸気ファン3の運転により下部空間2i内の空気が連通出口12bを介して吸気されると共に、エアポンプ11aの運転により下部空間2i内の空気が吸気されるので、下部空間1i内は負圧になる。このために、室内空気が底部2jの外気入口12aから下部空間2i内へ吸い込まれ、さらに、連通出口12bから下部通風路2e1へ吸入される通風が発生し、その通風が下部空間2i内の冷却用通風路12を通風するので、この通風によりオゾナイザ11a、高圧電源装置11b、エアポンプ11cを冷却することができる。
【0048】
そして、このようにオゾンガスが室内に充満した状態では人間等の生体には危険であるので、オゾン薫蒸運転は制御器により所定時間運転後停止され、オゾンの室内への放出は停止させられる。
【0049】
すなわち、オゾンは時間の経過と共に自然に減衰していくが、生体に安全な濃度までオゾンが自然減衰するには長時間を要するので、室内の残留オゾンを短持間で分解除去するために、次に制御器はオゾン分解除去運転を開始させる。
【0050】
すなわち、制御器は吸気ファン3を引き続き運転すると共に、左右一対の紫外線ランプ5a,5bを運転、すなわち点灯させると共に、オゾンフィルタ6を運転する一方、オゾン発生装置11と加湿器7の運転を停止させる。
【0051】
このために、残留オゾンとオゾン中間生成物を含んだ室内空気が吸気ファン3によりオゾン薫蒸装置1の吸込口2aからその内部の下通風路2e1内へ吸い込まれる。これにより、吸い込まれた室内空気はまず光触媒フィルタ4a,4bを通風する際に、その通風中のオゾンとその中間生成物が光触媒により酸化分解されて除去されると共に、通風中の塵埃が引き続き光触媒フィルタ4a,4bのエアフィルタにより捕捉除去される。さらに、この通風は左右一対の紫外線ランプ5a,5bの周囲を通風する際に、紫外線が照射され、特に254nmの紫外線照射により、通風中のオゾンが酸化分解されて除去されると共に雑菌が殺菌される。この後、さらに通風がオゾンフィルタ6を通風する際に、通風中のオゾンが再び分解除去され、上通風路2e2を経て吐出口2cから再び室内へ吐出される。これの繰返しにより室内空気中の残留オゾン濃度が安全値以下に低下したとき、または予め設定した所定時間経過後に、制御器はこのオゾン分解除去運転を停止させる。
【0052】
したがって、このオゾン薫蒸装置1によれば、そのオゾン薫蒸運転によりオゾンを無人の室内に充満させることができるので、このオゾンにより臭気成分の有機物や雑菌等を酸化分解して脱臭、殺菌し、室内を脱臭、浄化することができる。
【0053】
しかも、空気中の臭気成分の有機物や雑菌を光触媒フィルタ4a,4bの光触媒と、紫外線ランプ5a,5bの紫外線とにより2重、3重に酸化分解するので、室内空気の脱臭殺菌による脱臭ないし浄化を高効率で行なうことができる。
【0054】
また、オゾンにより有機物等を酸化分解する際に発生する中間生成物を光触媒フィルタ4a,4bの光触媒により酸化分解して除去することができるので、室内空気の浄化効率をさらに向上させることができる。
【0055】
さらに、オゾンガスに水蒸気を混合させて室内に吐出するので、水蒸気によりオゾンガスを室内空気中の塵埃や有機物に効率よく付着させることができるので、オゾンによる有機物の酸化分解効率を向上させ、ひいては室内空気の脱臭、浄化効率をさらに向上させることができる。
【0056】
また、光触媒フィルタ4a,4bに紫外線ランプ5a,5bの紫外線を照射するので、この光触媒フィルタ4a,4bの光触媒を活性化させ、光触媒による酸化分解能力を増大させることができる。
【0057】
さらにまた、紫外線ランプ5a,5bは空気中に紫外線を照射することにより空気を分解して微量のオゾンを発生させ、紫外線の殺菌線により有機物を酸化分解することができるうえに、この微量オゾンによっても有機物を酸化分解して脱臭、殺菌することができる。すなわち、オゾン分解除去運転によっても室内空気を脱臭することができ、しかも紫外線ランプ5a,5bで発生するオゾンは低濃度であるので、室内に人間等生体がいても危険性が無く運転できる。
【0058】
また、紫外線ランプ5a,5bは、その点,消灯により運転開始ないし停止を容易かつ迅速に制御することができるうえに、通風させないので、通風させるエアフィルタに比して通風の圧損を低減することができる。
【0059】
さらに、オゾン発生装置11のオゾナイザ11a、高圧電源装置11bおよびエアポンプ11cは運転時に発熱昇温し、過熱時にはオゾン発生能力を低減させるが、これらオゾン発生装置11を冷却用通風路12により冷却するので、高温昇温時のオゾン発生能力ないし効率の低下を未然に防止ないし低減することができる。
【0060】
図6は本発明の第2の実施形態に係るオゾン薫蒸装置1Aの縦断面図である。このオゾン薫蒸装置1Aは下通風路2e1に、オゾン発生装置11を吸気口2aに対して直線的に対向する位置にて配設し、図1等で示す下隔壁2gよりも下方の下部空間2iを含む下部を省略して小型軽量化を図った点に主な特徴を有し、これ以外は第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置1と同様に構成されている。
【0061】
すなわち、このオゾン薫蒸装置1Aは下通風路2e1に、オゾンフィルタ6よりも下流側においてオゾン発生装置11を配設し、このオゾン発生装置11を吸気口2aに対して直線的に対向させている。
【0062】
このために、吸気ファン3により吸気口2aから吸い込んだ空気をオゾン発生装置11に直線的に送風することができるので、この送風により、オゾン発生装置11のオゾナイザ11a、高圧電源装置11bおよびエアポンプ11cを空冷することができる。
【0063】
これにより、上記第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置1の冷却用通風路12を省略することができるので、この冷却用通風路12およびこの冷却用通風路12を形成する本体ケース2の下部空間2iを省略することができ、その分小型軽量化を図ることができる。
【0064】
図7は上記紫外線ランプ5a,5bのU字状ランプ5cの外表面のほぼ全面にオゾン抑制膜16を塗布した第2の紫外線ランプ5fを示しており、この第2の紫外線ランプ5fはオゾン抑制膜16をコーティングした以外は上記図5で示す紫外線ランプ5a,5bと同様の冷陰極紫外線ランプであるので、同一部分には同一符号を付している。
【0065】
このオゾン抑制膜16は例えばZrO2膜等からなり、185nmの紫外線を吸収する一方、254nmの紫外線を透過させるようになっている。
【0066】
すなわち、185nmの紫外線が空気に照射されると、オゾンを発生させるので、この185nmの紫外線をオゾン抑制膜16により吸収し、オゾンの発生を抑制することができる。一方、オゾンを分解する254nmの紫外線は上記第1の紫外線ランプ5a,5bとほぼ同量出力されるので、オゾン分解能力ないし効率の低減は防止できる。
【0067】
このために、オゾン薫蒸装置1,1Aのオゾン分解除去モードの運転時には、紫外線ランプ5a,5bが点灯されるが、この紫外線ランプ5fによるオゾンの発生は抑制されるので、オゾン分解除去モード運転時のオゾン分解除去効率を向上させることができ、オゾン分解除去運転時間を短縮できる。
【0068】
図8は第3の紫外線ランプ5gの正面図である。この第3の紫外線ランプ5dは図7で示す第2の紫外線ランプ5fのオゾン抑制膜16をU字状ランプ5cのほぼ全長ではなく、そのほぼ半分にコーティングしてオゾンの発生量を制御したものであり、オゾン抑制膜16のコーティング面積は必要に応じて適宜調整することができる。
【0069】
なお、図1に示すように、オゾン除去部のオゾンフィルタ6とオゾンガス供給部のオゾンガス管11dの放出端との間の通風路2eに、オゾン濃度を検出するオゾン濃度センサ16を配設し、このオゾン濃度センサ17により検出した検出値に基づいてオゾン薫蒸装置1の運転を制御するように制御器を構成してもよい。
【0070】
すなわち、オゾン薫蒸装置1のオゾン分解除去運転時に、室内空間から本体ケース2の通風路2e内に吸い込んだ空気のオゾン濃度が所定値以下に低減したことをオゾン濃度センサ17により検出したときに、このオゾン分解除去運転を停止させるように制御器を構成してもよい。これによれば、室内のオゾン濃度が所定の安定値以下に低減したことを確認してからオゾン分解除去運転を停止させるので、安全性を向上させることができる。
【0071】
また、このオゾン濃度センサ17は図6で示すオゾン薫蒸装置1にも設けてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態ではオゾン発生装置11と加湿器7とを同時に運転し、オゾンと水蒸気とを吐出口2cから室内へほぼ同時に放出させる場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばオゾン発生装置11を所定時間運転した後、加湿器7を所定時間運転するように制御器を構成してもよい。
【0073】
すなわち、オゾン発生装置11を運転することにより、まず、オゾンのみを吐出口2cから室内へ放出し、オゾンを室内に充満させた後に、オゾン発生装置11の運転を停止させる。その停止とほぼ同時、またはその後、加湿器7を運転して水蒸気を吐出口2cから室内へ放出させ、この水蒸気を、既に室内に充満しているオゾンに混合させ、室内を脱臭、浄化させてもよい。
【0074】
つまり、上記実施形態のようにオゾンと水蒸気をほぼ同時に室内へ放出する場合は、上述したように水蒸気にオゾンが吸着し、そのオゾンを含んだ水蒸気が臭いの分子に付着して臭い分子を酸化する。オゾン単体よりも水蒸気の方が極性を持っているため臭いの分子に吸着し易いため、水分とオゾンを混ぜるとより脱臭効果が高くなる効果がある。
【0075】
しかし、オゾンと水蒸気をほぼ同時に室内へ放出すると、オゾンが付着した水蒸気が凝集したり、回りの壁や天井に結露し易いため、室内の臭い成分との接触確率が減少する場合がある。そこで、まずオゾンを室内へ放出後、水蒸気を室内へ放出する場合は、まずオゾンが室内に広く拡散し、その後、水蒸気が広く拡散するため、オゾンの脱臭に作用する比率が、同時放出より高くなる。
【0076】
そのため同時放出より、オゾン放出後に加湿した方が高い効果が得られる場合もある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、オゾン薫蒸により室内空気中の浮遊菌等の臭気成分をオゾンにより酸化殺菌して脱臭、殺菌することができる。また、このオゾン薫蒸後はオゾン分解除去運転により室内空気中に残留しているオゾンやオゾンだけでは分解できずに残留している中間生成物と残留オゾンとを殺菌線により酸化分解して除去する一方、通風中の臭気成分の有機物を殺菌線により殺菌して脱臭すると共に、オゾン中間生成物を酸化分解して除去することができる。
【0078】
したがって、室内のオゾン薫蒸後、オゾンの自然減衰を待たずに、室内空気中の残留オゾンを強制的に分解して除去すると共に、オゾン中間生成物を除去するので、オゾン除去時間を短縮することができ、人間等生体への安全性を向上させることができる。
【0079】
そして、この発明によれば、オゾン発生装置の運転中には、オゾンを分解する紫外線を照射する光源の運転を停止することにより紫外線によるオゾンの分解を停止させるので、オゾンの発生ないし放出効率を向上させることができる。このために、室内空間等へ放出される単位時間当りのオゾン放出量を増加させることができるので、オゾン薫蒸時間を短縮することができる。
【0080】
また、光触媒はオゾンとの衝突によりオゾン触媒の機能を発揮して、光源からの紫外線を受けて臭気成分を分解して脱臭することができる。
【0081】
さらに、光触媒担持体は、その光触媒とオゾン触媒の両触媒機能によりオゾンを分解除去すると共に、オゾン分解中間生成物や有機物を酸化分解し、光触媒担持体自体では吸着しないので、光触媒担持体を交換する等のメンテナンスを行なう必要がない。このために、メンテナンスの軽減を図ることができる。このようにオゾン薫蒸運転後のオゾン分解除去運転には光源と光触媒担持体により空気中の臭気成分を脱臭することができるので、室内の有人時にはオゾン薫蒸装置を脱臭装置として使用することができる。
【0082】
請求項2に係る発明によれば、オゾン発生装置はその運転により発熱昇温し、過熱によりオゾン発生能力ないし効率を低下させるが、冷却用通風路の通風により冷却されるので、オゾン発生装置の過熱によるオゾン発生能力ないし効率の低下を防止ないし抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るオゾン薫蒸装置の縦断面図。
【図2】図1で示すオゾン薫蒸装置の上部斜視図。
【図3】図2の平面図。
【図4】(A)は図1で示すオゾン薫蒸装置の背面図、(B)は同正面図。
【図5】図1で示す紫外線ランプの一部切欠正面図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るオゾン薫蒸装置の縦断面図。
【図7】図5で示す紫外線ランプの第1変形例の一部切欠正面図。
【図8】図5で示す紫外線ランプの第2変形例の一部切欠正面図。
【符号の説明】
1 オゾン薫蒸装置
2 本体ケース
2a 吸気口
2b 頂端部
2c 吐出口
2d 吐出管
2e 通風路
2e1 下通風路
2e2 上通風路
2f 上隔壁
2g 下隔壁
2h 連通口
2i 下部空間
3 吸気ファン
4a,4b 一対の光触媒フィルタ
5a,5b 一対の紫外線ランプ
6 オゾンフィルタ
7 加湿器
7a 水槽
7b 超音波加湿ユニット
8 水
9 水タンク
9a 液面調整バルブ
11 オゾン発生装置
11a オゾナイザ
11b 高圧電源装置
11c エアポンプ
11d オゾンガス管
12 冷却用通風路
12a 外気入口
12b 連通出口
17 オゾン濃度センサ
Claims (2)
- 外部から空気を吸い込む吸気口、この吸気口から吸い込んだ空気を外部へ吐出する吐出口および通風ファンを備えた通風路を内部に形成した本体ケースと;
通風路にオゾンを供給するオゾン発生装置と;
通風路に通風自在に配設されて光触媒を担持体に担持させてなる光触媒担持体と;
通風路に配設されて、この通風路にオゾン発生装置の運転停止時に少なくとも254nmの波長の光を照射する光源と;
を具備していることを特徴とするオゾン薫蒸装置。 - 本体ケースは、その内部に、オゾン発生装置を空冷する冷却用通風路を形成していることを特徴とする請求項1記載のオゾン薫蒸装置。
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