JPH0564712B2 - - Google Patents
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- JPH0564712B2 JPH0564712B2 JP62308426A JP30842687A JPH0564712B2 JP H0564712 B2 JPH0564712 B2 JP H0564712B2 JP 62308426 A JP62308426 A JP 62308426A JP 30842687 A JP30842687 A JP 30842687A JP H0564712 B2 JPH0564712 B2 JP H0564712B2
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Description
(技術分野)
この発明は、真空蒸着装置に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、熱分解を受け
やすい物質、低融点物質を蒸着する場合にも有効
に用いることのできる新しい真空蒸着装置に関す
るものである。 (背景技術) 無機化合物、有機化合物を問わず分子を基板表
面上に規則正しく配列させ積層した薄膜は、非線
形光学効果や光メモリー、光−電流変換機能等の
バルクの純粋な結晶では見られない新しい機能を
発現するために新たなエレクトロニクス素材とし
て注目されている。これらの薄膜は、主に真空容
器内に被蒸着基板と共にセツトしたヒーター上に
噴出セルに装填した蒸着物質を載せ、このヒータ
ーを加熱し蒸着物質を気化させ基板に蒸着させる
真空蒸着法(例えば、稲岡紀子生ら、表面、24
巻、61〜75ページ、1986年)や超高真空容器中に
被蒸着基板と蒸着物質を装填した噴出セルをセツ
トし、噴出セルを加熱し蒸着物質の分子線流を発
生させ、この分子線流を被蒸着基板に蒸着する分
子線エピタキシー法(MBE法)(例えば、原正
彦、第8回光フアイバー研究会講演会予稿集、13
〜16ページ、1987年7月23日)などにより作製さ
れている。 しかし、これらの公知の真空蒸着装置では被蒸
着基板と蒸着物質を装填した噴出セルが実質的に
同一の真空容器内にある。そのため、蒸着操作に
先立ち、真空容器器壁に吸着した空気や水分など
の不純物を取り除くために不可欠な蒸着装置全体
を高温に加熱しながら長時間真空排気するベーキ
ング操作を、噴出セルなどに蒸着物質を装填した
状態で行わざるを得ない。このためにベーキング
操作中に蒸着物質の一部が熱分解などにより変質
して混入する現象が生じる(例えば、UICHI
ITOH、et al.、Thin Solid Films、Vol.121、
7〜16(1984)、雀部 博之、フイジクス、8巻、
2号、100〜104ページ)。この熱分解により生じ
た不純物が蒸着物質と同時に気化し、被蒸着基板
へ同時に積層することにより分子配列が乱れ、形
成される薄膜の純度や薄膜特有の機能が低下する
問題点があつた。 また、熱分解が生じない物質であつても、公知
の真空蒸着装置に於いては、融点がベーキング温
度以下の物質はベーキング操作中に噴出セル内で
激しく沸騰し、気化しない微粒子状態の物質を伴
いながら蒸着装置内一面に飛散して噴出セル内が
からになるため、融点が低い物質の蒸着が実質的
に不可能になる問題点もあつた。 さらに、公知の真空蒸着装置では噴出セルへ蒸
着物質を補充するために、装置全体の真空を破り
真空容器内に空気もしくは窒素、アルゴン、ヘリ
ウムなどの気体を導入しなければならない。この
ため噴出セルへ蒸着物質を補充する都度、上述し
た問題点を含むベーキング操作を新たにやり直す
必要があつた。 (発明の目的) この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされ
たものであり、従来の真空蒸着装置の欠点を改善
し、蒸着物質のベーキング操作による熱分解を防
止し、あわせてベーキング温度以下の融点を持つ
物質の蒸着をも可能とする新しい真空蒸着装置を
提供することを目的としている。 (発明の開示) この発明の真空蒸着装置は、上記の目的を実現
するために、1枚もしくは2枚以上の被蒸着基板
が配置され、真空排気系に接続された本体真空容
器と、1種もしくは2種以上の蒸着物質が装填さ
れる噴出セルが収納配置され、真空排気系とガス
導入系に接続されるとともに、前記本体真空容器
よりも充分に小さい容積を有する1個もしくは2
個以上の真空容器とを有し、かつこれらの真空容
器の間に1個もしくは2個以上の分離機構を設け
てなり、被蒸着基板を配置した本体真空容器内の
真空状態を保持したまま、噴出セルに蒸着物質を
実質的に大気圧下で装填可能としたことを特徴と
している。 すなわち、この発明の発明者は、真空蒸着装置
に於いて前記の問題点を生じている原因は、被蒸
着基板と蒸着物質を装填した噴出セルが実質的に
同一の真空容器内にあるためと考えた。従つて、
種々実験検討した結果、蒸着物質を装填した噴出
セルを被蒸着基板を収納した装置本体の真空容器
とは別個の真空容器に収納し、蒸着物質が噴出セ
ルにセツトされた状態ではベーキング操作時の熱
が噴出セルが入つた真空容器に伝わらないような
構造にすれば解決できることが判明した。また、
装置本体の真空容器と前述の噴出セルを収納した
真空容器との間に真空バルブなどの分離機構を設
置し、被蒸着基板が収納された真空容器の真空を
保持した状態で噴出セルの入つた真空容器のみを
大気圧に開放して蒸着物質を補充し、補充後この
部分を再び真空に排気し、再び被蒸着基板が収納
された真空容器に結合することにより装置全体の
真空を破らずに蒸着物質を噴出セルに補充できる
ことが判明した。この時、噴出セルが入つた真空
容器の体積を被蒸着基板を収納した真空容器の容
積より充分小さくしておくことにより噴出セルが
入つた真空容器内に吸着した空気や水分等の影響
を無視できることが判つた。従つてこれにより被
蒸着基板を収納した真空蒸着装置本体の真空容器
の再度のベーキング操作を実質的に不要にできる
ことも判明した。 この発明は、以上の通りの知見に基づいてなさ
れたものである。 添付した図面に沿つて次にこの発明の真空蒸着
装置について詳しく説明する。 まず第3図に示した公知の真空蒸着装置では予
め装置の真空容器10内に空気もしくは窒素、ア
ルゴン、ヘリウムなどの気体を導入して大気圧に
しておき、取り付けフランジ4を外して噴出セル
3を装置の真空容器10の外に取出し、蒸着物質
を噴出セル3に装填する。その後、再び噴出セル
3を装置の真空容器10に取り付け、その後、装
置の真空容器内を真空排気しながら高温に加熱す
るベーキング操作を行う。この時に蒸着物質の一
部が熱分解し不純物として混入する。次いで所定
の条件で噴出セル3を加熱し真空蒸着を行うため
に被蒸着基板上に形成される蒸着膜に熱分解生成
物が不純物として混入する。 これに対して、第1図に示したこの発明の一実
施例においては、噴出セル3に蒸着物質を装填す
る前に予め真空蒸着装置全体10,11を高温に
加熱し真空排気するベーキング操作を施し、その
後で真空分離バルブ5を閉じ、装置本体の真空容
器10を真空に保持した状態でリークバルブ6を
開き噴出セル3が入つた真空容器11内にのみ空
気もしくは窒素、アルゴン、ヘリウムなどの気体
を導入して大気圧とした後、噴出セル取り付けフ
ランジ4を外して噴出セル3を真空容器11の外
に取出す。次いで、蒸着物質を噴出セル3に装填
し真空容器11に再び取り付ける。引続きリーク
バルブ6を閉じ、次に真空バルブ9を開き噴出セ
ルの入つた真空容器11内を排気し真空する。次
に真空分離バルブ5を開き噴出セル3を所定の条
件で加熱し、被蒸着基板に対して蒸着を行う。 第2図は、この場合の噴出セル部の実施例を示
したものである。 以上の例から明らかなように、この発明の真空
蒸着装置においては、上に述べた操作により蒸着
物質をベーキング操作時の高温に全くさらすこと
なく真空蒸着を行うことができるので、熱分解を
受け易い物質やベーキング温度より低い融点の物
質の真空蒸着に好適であり、特に有機化合物の真
空蒸着に適している。 次にこの発明の真空蒸着装置を用いて行つた蒸
着の実施例を示し、さらに詳しくこの発明につい
て説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例
によつて限定されるものではない。 例 1 第1図および第2図に示した装置を用い、噴出
セル内に蒸着物質として下記の表1に示した化合
物(1)〜(3)をそれぞれ0.2グラム入れ、ベーキング
操作前後の融点を測定した。なおベーキング操作
は約10-8Torr、250℃、8時間の条件で実施し
た。また、各化合物の融点はガラス製毛細管に封
入した試料をシリコーン油浴に入れシリコーン油
浴を加熱しながら水銀温度計が示す値を目視で読
み取つた値である。その結果を表2に示す。
る。さらに詳しくは、この発明は、熱分解を受け
やすい物質、低融点物質を蒸着する場合にも有効
に用いることのできる新しい真空蒸着装置に関す
るものである。 (背景技術) 無機化合物、有機化合物を問わず分子を基板表
面上に規則正しく配列させ積層した薄膜は、非線
形光学効果や光メモリー、光−電流変換機能等の
バルクの純粋な結晶では見られない新しい機能を
発現するために新たなエレクトロニクス素材とし
て注目されている。これらの薄膜は、主に真空容
器内に被蒸着基板と共にセツトしたヒーター上に
噴出セルに装填した蒸着物質を載せ、このヒータ
ーを加熱し蒸着物質を気化させ基板に蒸着させる
真空蒸着法(例えば、稲岡紀子生ら、表面、24
巻、61〜75ページ、1986年)や超高真空容器中に
被蒸着基板と蒸着物質を装填した噴出セルをセツ
トし、噴出セルを加熱し蒸着物質の分子線流を発
生させ、この分子線流を被蒸着基板に蒸着する分
子線エピタキシー法(MBE法)(例えば、原正
彦、第8回光フアイバー研究会講演会予稿集、13
〜16ページ、1987年7月23日)などにより作製さ
れている。 しかし、これらの公知の真空蒸着装置では被蒸
着基板と蒸着物質を装填した噴出セルが実質的に
同一の真空容器内にある。そのため、蒸着操作に
先立ち、真空容器器壁に吸着した空気や水分など
の不純物を取り除くために不可欠な蒸着装置全体
を高温に加熱しながら長時間真空排気するベーキ
ング操作を、噴出セルなどに蒸着物質を装填した
状態で行わざるを得ない。このためにベーキング
操作中に蒸着物質の一部が熱分解などにより変質
して混入する現象が生じる(例えば、UICHI
ITOH、et al.、Thin Solid Films、Vol.121、
7〜16(1984)、雀部 博之、フイジクス、8巻、
2号、100〜104ページ)。この熱分解により生じ
た不純物が蒸着物質と同時に気化し、被蒸着基板
へ同時に積層することにより分子配列が乱れ、形
成される薄膜の純度や薄膜特有の機能が低下する
問題点があつた。 また、熱分解が生じない物質であつても、公知
の真空蒸着装置に於いては、融点がベーキング温
度以下の物質はベーキング操作中に噴出セル内で
激しく沸騰し、気化しない微粒子状態の物質を伴
いながら蒸着装置内一面に飛散して噴出セル内が
からになるため、融点が低い物質の蒸着が実質的
に不可能になる問題点もあつた。 さらに、公知の真空蒸着装置では噴出セルへ蒸
着物質を補充するために、装置全体の真空を破り
真空容器内に空気もしくは窒素、アルゴン、ヘリ
ウムなどの気体を導入しなければならない。この
ため噴出セルへ蒸着物質を補充する都度、上述し
た問題点を含むベーキング操作を新たにやり直す
必要があつた。 (発明の目的) この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされ
たものであり、従来の真空蒸着装置の欠点を改善
し、蒸着物質のベーキング操作による熱分解を防
止し、あわせてベーキング温度以下の融点を持つ
物質の蒸着をも可能とする新しい真空蒸着装置を
提供することを目的としている。 (発明の開示) この発明の真空蒸着装置は、上記の目的を実現
するために、1枚もしくは2枚以上の被蒸着基板
が配置され、真空排気系に接続された本体真空容
器と、1種もしくは2種以上の蒸着物質が装填さ
れる噴出セルが収納配置され、真空排気系とガス
導入系に接続されるとともに、前記本体真空容器
よりも充分に小さい容積を有する1個もしくは2
個以上の真空容器とを有し、かつこれらの真空容
器の間に1個もしくは2個以上の分離機構を設け
てなり、被蒸着基板を配置した本体真空容器内の
真空状態を保持したまま、噴出セルに蒸着物質を
実質的に大気圧下で装填可能としたことを特徴と
している。 すなわち、この発明の発明者は、真空蒸着装置
に於いて前記の問題点を生じている原因は、被蒸
着基板と蒸着物質を装填した噴出セルが実質的に
同一の真空容器内にあるためと考えた。従つて、
種々実験検討した結果、蒸着物質を装填した噴出
セルを被蒸着基板を収納した装置本体の真空容器
とは別個の真空容器に収納し、蒸着物質が噴出セ
ルにセツトされた状態ではベーキング操作時の熱
が噴出セルが入つた真空容器に伝わらないような
構造にすれば解決できることが判明した。また、
装置本体の真空容器と前述の噴出セルを収納した
真空容器との間に真空バルブなどの分離機構を設
置し、被蒸着基板が収納された真空容器の真空を
保持した状態で噴出セルの入つた真空容器のみを
大気圧に開放して蒸着物質を補充し、補充後この
部分を再び真空に排気し、再び被蒸着基板が収納
された真空容器に結合することにより装置全体の
真空を破らずに蒸着物質を噴出セルに補充できる
ことが判明した。この時、噴出セルが入つた真空
容器の体積を被蒸着基板を収納した真空容器の容
積より充分小さくしておくことにより噴出セルが
入つた真空容器内に吸着した空気や水分等の影響
を無視できることが判つた。従つてこれにより被
蒸着基板を収納した真空蒸着装置本体の真空容器
の再度のベーキング操作を実質的に不要にできる
ことも判明した。 この発明は、以上の通りの知見に基づいてなさ
れたものである。 添付した図面に沿つて次にこの発明の真空蒸着
装置について詳しく説明する。 まず第3図に示した公知の真空蒸着装置では予
め装置の真空容器10内に空気もしくは窒素、ア
ルゴン、ヘリウムなどの気体を導入して大気圧に
しておき、取り付けフランジ4を外して噴出セル
3を装置の真空容器10の外に取出し、蒸着物質
を噴出セル3に装填する。その後、再び噴出セル
3を装置の真空容器10に取り付け、その後、装
置の真空容器内を真空排気しながら高温に加熱す
るベーキング操作を行う。この時に蒸着物質の一
部が熱分解し不純物として混入する。次いで所定
の条件で噴出セル3を加熱し真空蒸着を行うため
に被蒸着基板上に形成される蒸着膜に熱分解生成
物が不純物として混入する。 これに対して、第1図に示したこの発明の一実
施例においては、噴出セル3に蒸着物質を装填す
る前に予め真空蒸着装置全体10,11を高温に
加熱し真空排気するベーキング操作を施し、その
後で真空分離バルブ5を閉じ、装置本体の真空容
器10を真空に保持した状態でリークバルブ6を
開き噴出セル3が入つた真空容器11内にのみ空
気もしくは窒素、アルゴン、ヘリウムなどの気体
を導入して大気圧とした後、噴出セル取り付けフ
ランジ4を外して噴出セル3を真空容器11の外
に取出す。次いで、蒸着物質を噴出セル3に装填
し真空容器11に再び取り付ける。引続きリーク
バルブ6を閉じ、次に真空バルブ9を開き噴出セ
ルの入つた真空容器11内を排気し真空する。次
に真空分離バルブ5を開き噴出セル3を所定の条
件で加熱し、被蒸着基板に対して蒸着を行う。 第2図は、この場合の噴出セル部の実施例を示
したものである。 以上の例から明らかなように、この発明の真空
蒸着装置においては、上に述べた操作により蒸着
物質をベーキング操作時の高温に全くさらすこと
なく真空蒸着を行うことができるので、熱分解を
受け易い物質やベーキング温度より低い融点の物
質の真空蒸着に好適であり、特に有機化合物の真
空蒸着に適している。 次にこの発明の真空蒸着装置を用いて行つた蒸
着の実施例を示し、さらに詳しくこの発明につい
て説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例
によつて限定されるものではない。 例 1 第1図および第2図に示した装置を用い、噴出
セル内に蒸着物質として下記の表1に示した化合
物(1)〜(3)をそれぞれ0.2グラム入れ、ベーキング
操作前後の融点を測定した。なおベーキング操作
は約10-8Torr、250℃、8時間の条件で実施し
た。また、各化合物の融点はガラス製毛細管に封
入した試料をシリコーン油浴に入れシリコーン油
浴を加熱しながら水銀温度計が示す値を目視で読
み取つた値である。その結果を表2に示す。
【表】
【表】
比較例 1
公知の真空蒸着装置を用いて、噴出セル内に蒸
着物質として上記化合物(1)〜(3)をそれぞれ0.2グ
ラム入れ、ベーキング操作前後の融点を測定し
た。なおベーキング操作条件は例1と同じ約
10-8Torr、250℃、8時間の条件である。また、
各化合物の融点も例1と同じく、ガラス製毛細管
に封入した試料をシリコーン油浴に入れシリコー
ン油浴を加熱しながら水銀温度計が示す値を目視
で読み取つた値である。その結果を表3に示す。
着物質として上記化合物(1)〜(3)をそれぞれ0.2グ
ラム入れ、ベーキング操作前後の融点を測定し
た。なおベーキング操作条件は例1と同じ約
10-8Torr、250℃、8時間の条件である。また、
各化合物の融点も例1と同じく、ガラス製毛細管
に封入した試料をシリコーン油浴に入れシリコー
ン油浴を加熱しながら水銀温度計が示す値を目視
で読み取つた値である。その結果を表3に示す。
【表】
この場合には被蒸着物質の熱分解生成物が混入
しているために融点の低下を生じている。 例 2 噴出セル内に蒸着物質として下記化合物(4)〜(6)
をそれぞれ0.2グラム入れ、ベーキング操作前後
の融点を測定した。なおベーキング操作は約
10-8Torr、250℃、8時間の条件で実施した。ま
た、各化合物の融点は例1と同様にして行つた。
その結果を表5に示す。
しているために融点の低下を生じている。 例 2 噴出セル内に蒸着物質として下記化合物(4)〜(6)
をそれぞれ0.2グラム入れ、ベーキング操作前後
の融点を測定した。なおベーキング操作は約
10-8Torr、250℃、8時間の条件で実施した。ま
た、各化合物の融点は例1と同様にして行つた。
その結果を表5に示す。
【表】
【表】
【表】
比較例 2
公知の真空蒸着装置を用いて、噴出セル内に蒸
着物質として上記化合物(4)〜(6)をそれぞれ0.2グ
ラム入れ、ベーキング操作を施した。なおベーキ
ング操作条件は例2と同じ約10-8Torr、250℃、
8時間の条件である。この条件下では噴出セル内
の蒸着物質が揮発し、全く残存していなかつた。 (発明の効果) 以上に示したようにこの発明によれば、真空蒸
着装置の噴出セルに入れた蒸着物質がベーキング
操作時の高熱の影響を受けないため、熱分解を受
け易い物質やベーキング温度より低い融点の物質
を容易に真空蒸着できる。
着物質として上記化合物(4)〜(6)をそれぞれ0.2グ
ラム入れ、ベーキング操作を施した。なおベーキ
ング操作条件は例2と同じ約10-8Torr、250℃、
8時間の条件である。この条件下では噴出セル内
の蒸着物質が揮発し、全く残存していなかつた。 (発明の効果) 以上に示したようにこの発明によれば、真空蒸
着装置の噴出セルに入れた蒸着物質がベーキング
操作時の高熱の影響を受けないため、熱分解を受
け易い物質やベーキング温度より低い融点の物質
を容易に真空蒸着できる。
第1図は、この発明による真空蒸着装置の1実
施例を示した断面図である。第2図は、この発明
の真空蒸着装置の噴出セル部分の1実施例を示し
た断面図である。第3図は公知の真空蒸着装置の
1例を示した断面図である。 1……被蒸着基板、2……基板ホルダー、3…
…噴出セル、4……噴出セル取り付けフランジ、
5……真空分離バルブ、6……リークバルブ、7
……膜厚計、8……真空ポンプ、9……真空バル
ブ、10……真空容器、11……真空容器、12
……じやま板、13……液体窒素溜、14……覗
き窓、15……噴出セル加熱ヒーター電極、16
……噴出セル温度制御熱電対電極、17……真空
排気管取り付けフランジ、18……真空バルブ。
施例を示した断面図である。第2図は、この発明
の真空蒸着装置の噴出セル部分の1実施例を示し
た断面図である。第3図は公知の真空蒸着装置の
1例を示した断面図である。 1……被蒸着基板、2……基板ホルダー、3…
…噴出セル、4……噴出セル取り付けフランジ、
5……真空分離バルブ、6……リークバルブ、7
……膜厚計、8……真空ポンプ、9……真空バル
ブ、10……真空容器、11……真空容器、12
……じやま板、13……液体窒素溜、14……覗
き窓、15……噴出セル加熱ヒーター電極、16
……噴出セル温度制御熱電対電極、17……真空
排気管取り付けフランジ、18……真空バルブ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 1枚もしくは2枚以上の被蒸着基板が配置さ
れ、真空排気系に接続された本体真空容器と、1
種もしくは2種以上の蒸着物質が装填される噴出
セルが収納配置され、真空排気系とガス導入系に
接続されるとともに、前記本体真空容器よりも充
分に小さい容積を有する1個もしくは2個以上の
真空容器とを有し、かつこれらの真空容器の間に
1個もしくは2個以上の分離機構を設けてなり、
被蒸着基板を配置した本体真空容器内の真空状態
を保持したまま、噴出セルに蒸着物質を実質的に
大気圧下で装填可能としたことを特徴とする真空
蒸着装置。 2 分離機構の1個もしくは2個以上が真空バル
ブである特許請求の範囲第1項記載の真空蒸着装
置。 3 蒸着物質が噴出セルから被蒸着基板に向けて
分子線流を形成する特許請求の範囲第1項または
第2項記載の真空蒸着装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30842687A JPH0266161A (ja) | 1987-12-04 | 1987-12-04 | 真空蒸着装置 |
EP88311500A EP0319347B1 (en) | 1987-12-04 | 1988-12-05 | Vacuum depositing apparatus |
DE3850941T DE3850941T2 (de) | 1987-12-04 | 1988-12-05 | Vakuumbeschichtungsanlage. |
US07/280,152 US5007372A (en) | 1987-12-04 | 1988-12-05 | Vacuum depositing apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30842687A JPH0266161A (ja) | 1987-12-04 | 1987-12-04 | 真空蒸着装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0266161A JPH0266161A (ja) | 1990-03-06 |
JPH0564712B2 true JPH0564712B2 (ja) | 1993-09-16 |
Family
ID=17980911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30842687A Granted JPH0266161A (ja) | 1987-12-04 | 1987-12-04 | 真空蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0266161A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4013859B2 (ja) * | 2003-07-17 | 2007-11-28 | 富士電機ホールディングス株式会社 | 有機薄膜の製造装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61261322A (ja) * | 1985-05-15 | 1986-11-19 | Ulvac Corp | 合成樹脂被膜の形成方法 |
JPS6230873A (ja) * | 1985-07-31 | 1987-02-09 | Ulvac Corp | バツチ式真空蒸着装置用蒸発源収納装置 |
JPH01147056A (ja) * | 1987-11-30 | 1989-06-08 | Eiko Eng:Kk | 真空薄膜形成装置 |
-
1987
- 1987-12-04 JP JP30842687A patent/JPH0266161A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61261322A (ja) * | 1985-05-15 | 1986-11-19 | Ulvac Corp | 合成樹脂被膜の形成方法 |
JPS6230873A (ja) * | 1985-07-31 | 1987-02-09 | Ulvac Corp | バツチ式真空蒸着装置用蒸発源収納装置 |
JPH01147056A (ja) * | 1987-11-30 | 1989-06-08 | Eiko Eng:Kk | 真空薄膜形成装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0266161A (ja) | 1990-03-06 |
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