JPH0564357U - 洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レータンスの清掃を効率的に行う。 【構成】 複数の車輪を有してコンクリート面より所定
の上方位置を移動可能となした機枠の下面の二重の同心
円周上位置に、複数個の洗浄水ノズルを、夫々その噴射
方向をコンクリート面に向けると共に同心円周の中心方
向に向けて配設し、上記機枠の下面の中央部位には吸引
ホースの吸引口を下方に向けて開口してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主にコンクリート打継面をグリーンカットした後のレイタンスの回 収および床面の洗浄を行うレイタンス洗浄に適した洗浄装置の改良に関するもの である。

【０００２】

【従来の技術】

従来、いまだ充分に硬化していないコンクリートの上面を高圧水噴射等で薄く 削り取り、レイタンスを取り除いて接着性のよいコンクリート継ぎ目施工を行う には、まず、グリーンカット装置でグリーンカットを先行し、次いでグリーンカ ットで生じた汚濁物（本願では、グリーンカットされたレイタンスと、一部剥離 したコンクリートと、グリーンカットに使用された噴射水とをすべて含めて、単 に「レイタンス」という）を噴射水で洗い流して所定の集積場所に集め、この集 積場所にて該レイタンスをバキューム装置で回収している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

したがって、上記従来法でレイタンスを回収するには、第一に、コンクリート 面洗浄およびレイタンスの集積に使用される噴射水ホースを作業員が人力にて支 持、移動する必要性を有する。第二に、集積されたレイタンスを回収する際には 、バキューム装置の吸込み部作業員が人力にて支持、移動する必要性を有する。 第三に、レイタンスの集積・回収に長時間かかるため、一度剥離したレイタンス が再度床面に生成付着することがある等の課題を有していた。

【０００４】 そこで本考案は上記課題を解決すべくなされたもので、レイタンスを効率よく 集積・回収することのできる洗浄装置を提供することを目的としたものである。 なお、本考案洗浄装置は、レイタンスの洗浄のみにとどまらず、飛行場の滑走路 面、船倉等の洗浄にも利用可能であるが、以下はレイタンスの洗浄を例に説明す るものとする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的に沿い、先述実用新案登録請求の範囲を要旨とする本考案の構成は 前述課題を解決するために、複数の車輪２を有して床面Ｆより所定の上方位置を 移動可能となした機枠１の下面の多重円周上位置に、複数個の洗浄水ノズル３を 、夫々その噴射方向を床面Ｆに向けると共に円周の中心方向に向けて配設し、上 記機枠１の下面の中央部位には吸引ホース４の吸引口５を下方に向けて開口して なる技術的手段を講じたものである。

【０００６】

【作用】

それ故、本考案洗浄装置は、各洗浄水ノズル３に別途用意した高圧水供送装置 の吐き出し口を、吸引ホース４に同じく別途用意したバキューム装置の吸引口を 連通し、該高圧水供送装置とバキューム装置とを運転しながら、グリンカットし たコンクリートの床面Ｆ上を車輪２によって自走または他走させる。

【０００７】 すると、各洗浄水ノズル３は、その噴射方向を床面Ｆに向けると共に同心円周 の中心方向に向けて配設してあるので、レイタンスはこの洗浄水ノズル３より噴 射される洗浄水によって中心側に寄せ集められる作用を呈する。

【０００８】 そして、中心側に寄せ集められたレイタンスは、吸引ホース４の吸引口５より 吸引されバキューム装置に捕集される作用を呈するものである。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を添附図面に従って説明すれば以下の通りである。 図中、１が機枠で複数の車輪２を有して床面Ｆより所定の上方位置を移動可能 となしてある。

【００１０】 上記機枠１は、図示例では下方開口箱上のものを使用しているが、その形状は 特に限定されるものではない。また、上記車輪２は通常「図３」に示されるごと きキャスタを機枠１の四隅に配設し、該機枠１が左右前後いずれの方向にも移動 可能となしてある。なお、本実施例では、「図５」に示すごとくバックホウ３０ によって他走する方式を採用しているので車輪２をキャスタとなしたが、自走さ せる場合はモータ等で駆動する駆動輪を使用してもよいことは無論である。

【００１１】 そして、上記機枠１の下面の多重（図では二重）の円周上位置に、複数個の洗 浄水ノズル３を、夫々その噴射方向を床面Ｆに向けると共に円周の中心方向に向 けて配設してある。

【００１２】 上記洗浄水ノズル３はグリーンカットされたレイタンスを機枠１の中心部位に 寄せ集めるためのもので、円周上の周方向に所定間隔で設けられ円周の中央に向 けて斜め下方に洗浄水を噴射するようになしてあるが、さらに詳しくは、内側の 洗浄水ノズル３ａと外側の洗浄水ノズル３ｂとでは多少その使用目的をことにし ている。まず、外側の洗浄水ノズル３ｂは広い範囲からレイタンスを中央側に寄 せ集め、中央側まで該洗浄水ノズル３ｂの噴射力が及ばないのを、内側の洗浄水 ノズル３ａで補うことになるが、この内側の洗浄水ノズル３ａはその傾斜角度を 外側のものより垂直に近い角度に設定してある。そして、この傾斜角度の相違は 第一に、外側の洗浄水ノズル３ｂでの噴射により何かの物体の陰となる部分にも 洗浄水を噴射するためであり、第二には、大きな塊の物体をこの物体に近い噴射 口より強い力で洗浄水を噴射して転動させ、後述バキューム装置で確実に吸引す るためである。

【００１３】 また、外側の洗浄水ノズル３ｂは円周方向に等間隔に配設してあるが、内側の 洗浄水ノズル３ａは「図４」左側と右側とに５個宛対設してある。このように内 側の洗浄水ノズル３ａを偏らせて配置した理由は、本実施例では機枠１をバック ホウ３０で「図４」略左右方向に移動させることを前提としたためで、同図左側 に移動する場合は主に右側の内側洗浄水ノズル３ａ群が大きな物体を転動させ、 逆に移動する場合は主に左側の内側洗浄水ノズル３ａ群が大きな物体を転動させ るもので、実用に際してはこれらの内側洗浄水ノズル３ａ群に切り換え弁を介し て移動方向検出センサーで該切り換え弁を作動させてもよいものである。

【００１４】 なお、本実施例では、洗浄水ノズル３を二重の同心円周上に設けたが、さらに 多重の円周上に設けてもよく、また、必ずしも同心円周上とせず、円周の中心を ずらしてもよいものである。また、本実施例では洗浄水ノズル３ａ，３ｂは１０ ｋｇｆ／ｃｍ² 程度の高圧水を洗浄水として使用しているので、洗浄、レイタン スの集積のみしか期待できないが、２０ｋｇｆ／ｃｍ² 程度以上の高圧水を使用 すればグリーンカットを同時に行うことも可能である。

【００１５】 そして、上記機枠１の下面の中央部位には吸引ホース４の吸引口５を下方に向 けて開口してなる。

【００１６】 上記吸引ホース４の一端は図示しないバキューム装置（具体的には、現在使用 されているバキュームカー等を使用すればよい。）の吸引口に連結されることは 無論である。

【００１７】 また、図示実施例では、前述もしたごとく、バックホウ３０等による他走式を 採用したため、機枠１に直接バックホウ３０を連結すると床面の凹凸等で該機枠 １の移動が困難となることがあるため、機枠１の昇降・傾斜を可能となしてある 。以下、この機枠１の昇降・傾斜のための構成を説明する。

【００１８】 機枠１の上方には四隅下面に車輪２を設けた上方機枠６を設けている。そして 、機枠１より立設した複数本の距離調整ボルト７はこの上方機枠６を遊挿し、該 上方機枠６の上方に貫出した部位には吊下げナット８が螺合され、この吊下げナ ット８の螺進退位置で機枠１を吊下げ位置調整可能に吊下げている。

【００１９】 また、前記吸引ホース４は吸引口５側一定距離を鋼管等の硬質材管４ａで構成 しその上端に耐圧フレキシブルパイプ４ｂを連結してあり、硬質材管４ａの上部 には締着バンド９等を介して水平基台１０が固着されている。なお、この締着バ ンド９の締着位置を上下することで、吸引口５と床面Ｆとの距離が変更できるよ うにっている。

【００２０】 そして、上記機枠１はこの硬質材管４ａにユニバーサルジョイント１５を介し て連結し、該機枠１は硬質材管４ａを垂直に保持しても傾斜角度を自由に変更す ることができるようになしてある。

【００２１】 また、上記水平基台１０よりは複数本の案内棒１１が立設され、さらに、該水 平基台１０の上方には保持機枠１２を配設してある。

【００２１】 上記水平基台１０より立設した案内棒１１は夫々保持機枠１２を遊挿し、案内 棒１１の保持機枠１２より上方に貫出した上端には吊下用フランジ部１３を連設 し、保持機枠１２を「図２」より上方に引き上げると、該フランジ部１３が保持 機枠１２に引っ掛かって案内棒１１・水平基台１０を共に引きあげるようになし 、該水平基台１０が引き上げられると、ユニバーサルジョイント１５を介して機 枠１も引き上げられるが、保持機枠１２を「図２」より下方に下降させると、該 保持機枠１２のみが案内棒１１に案内されて下降するようになしてある。

【００２２】 そして、上記保持機枠１２には保持アーム１４，１４が突設され、この保持ア ーム１４，１４にバックホウ３０が連結され、通常は「図５」に示されるごとく 保持機枠１２を多少下降させ、案内棒１１の上部は該持機枠１２より多少突出し ている状態で使用される。

【００２３】 したがって、機枠１はユニバーサルジョイント１５を介して水平基台１０に連 結してあるので、傾斜角度は床面Ｆに追従して自由に変更でき、保持アーム１４ ，１４乃至保持機枠１２を所定の高さに保持しても機枠１は一定の範囲で昇降が 可能となるものである。なお、図中、１６は回転止め係止部、１７が係止爪、１ ８が点検立掛用足片、１９が昇降連結体を示すものである。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は上記のごときであるので、レイタンスの集積・回収が半自動的に行え 、省力的で、作業効率のよい洗浄装置を提供することができるものである。

【００２５】 特に、本考案はレイタンスの収集を洗浄水ノズル３によって、ある限定された 範囲で中央に集積し、中央に集積されたレイタンスを順次吸引回収するという一 連の工程で、順次場所を移動して行うので、レイタンスが思わぬ方向に飛散して 集積効率を低下することがなく、短時間での清掃が可能となるためグリーンカッ ト後に再度レイタンスが生成堆積することが防止され、付着性のよいコンクリー ト継ぎ目施工に顕著な効果を有する洗浄装置を提供することができるものである 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案洗浄装置の一実施例を示す平面図であ
る。

【図２】縦断面図を示すものである。

【図３】Ａ−Ａ線断面図を示すものである。

【図４】洗浄水噴射ノズルの取付け位置を示す平面図で
ある。

【図５】使用状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ 機枠 ２ 車輪 ３ 洗浄水ノズル ４ 吸引ホース ５ 吸引口 Ｆ 床面

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１１月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 大橋 健司 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)考案者 中村 明男 東京都多摩市愛宕２−２−８−305

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の車輪（２）を有して床面（Ｆ）よ
   り所定の上方位置を移動可能となした機枠（１）の下面
   の多重円周上位置に、複数個の洗浄水ノズル（３）を、
   夫々その噴射方向を床面（Ｆ）に向けると共に円周の中
   心方向に向けて配設し、上記機枠（１）の下面の中央部
   位には吸引ホース（４）の吸引口（５）を下方に向けて
   開口してなる洗浄装置。