JPH0563939U - 作業車の原動部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機体前部に浮遊塵の多く発生する作業車であ
っても、エンジンに対する供給エアーを清浄なものに維
持できる原動部構造を提供する。 【構成】 機体前部に運転部を設け、機体後部に原動部
３を配備するとともに、原動部ボンネット４内に配備し
たラジエータ８の冷却風を機体後方に向けて流動させる
よう構成してある作業車の原動部構造であって、前記原
動部ボンネット４の左右両側部下端部に幅広部４ａを形
成するとともに、前記ラジエータ８の冷却風案内用遮蔽
板１３を原動部ボンネット４の形状に沿わせて左右両側
部下端部に幅広部１３ａを形成し、エアークリーナ１８
を前記遮蔽板１３の前記幅広部４ａ内の機体後方側箇所
に外気吸入口１９を機体横外方に向けた状態で配設して
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、機体前部に運転部を設け、機体後部に原動部を配備するとともに、 原動部ボンネット内に配備したラジエータの冷却風を機体後方に向けて流動させ るよう構成してある作業車の原動部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

上記作業車の原動部構造において、従来では、例えば原動部を機体前部に設け たものとして、実開平３−８８８２７号公報に開示されるように、原動部ボンネ ット内において、ラジエータよりも冷却風流動経路上手側にエアークリーナを配 備し、その下方側箇所からエアーを吸入するよう構成したものがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、機体前部に浮遊塵を多く発生する、例えばモーア等の作業装置を連 結するような作業車に上記従来構造を適用すると、原動部ボンネットにおける前 部側の外気吸入部には浮遊塵が多く存在するので、清浄なエアーを吸入できない 欠点がある。又、エンジンはラジエータよりも冷却風流動経路下手側に位置する ので、エアークリーナからのエアー供給用パイプが長くなる欠点もあった。 本考案は上記不具合点を解消することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴構成は、冒頭に記載した作業車の原動部構造において、前記原動 部ボンネットの左右両側部下端部に幅広部を形成するとともに、前記ラジエータ の冷却風案内用遮蔽板を原動部ボンネットの形状に沿わせて左右両側部下端部に 幅広部を形成し、エアークリーナを前記遮蔽板の前記幅広部内の機体後方側箇所 に外気吸入口を機体横外方に向けた状態で配設してある点にある。

【０００５】

【作用】 原動部ボンネットの機体前部側における外気吸入部分に浮遊塵が存在し、ラジ エータ冷却風とともにボンネット内に吸入された場合であっても、この冷却風は ボンネットの上部側の幅狭部分において形成されるメイン風路を主に流動し、そ のまま後方に排出され、ボンネットの上記幅広部に配備されるエアークリーナは 清浄なエアーを吸入できることになる。しかも、エアークリーナは冷却風を効率 良く流動させるための遮蔽板の幅広部の後部に外気吸入口を外方に向けて設けら れるから、ボンネットの外方前方からの浮遊塵も吸入しにくい。

【０００６】

【考案の効果】

従って、原動部ボンネット及び遮蔽板の形状と、エアークリーナの配置を合理 的に構成することによって、機体前部に浮遊塵の多く発生する作業車であっても 、エンジンに対する供給エアーを清浄なものに維持できるものを提供できるに至 った。しかも、エンジンは一般にラジエータよりも冷却風流動経路下手側に配備 されるからエアークリーナからのエンジンに対するエアー供給パイプを短いもの にできる利点もある。

【０００７】

【実施例】

以下、実施例を図面に基いて説明する。 図４に作業車の一例としての乗用型芝刈機を示している。この芝刈機は、乗用 型走行機体の前部にモーア１を昇降自在に連結してあり、走行機体は、前部に運 転部２を配備するとともに、機体後部に原動部３を配設して構成してある。 図２に示すように、前記原動部３は原動部ボンネット４内において、左右一対 の機体フレーム５，５上に防振ゴム６を介してエンジン７を弾性支持して配備す るとともに、このエンジン７の機体前部側箇所にエンジン冷却用のラジエータ８ を設け、エンジン７の出力軸により回転駆動される冷却ファン９により、原動部 ボンネット４の機体前部側に形成された外気吸入部１０から外気を吸入してラジ エータ８を冷却させた後、原動部ボンネット４の後端部に形成した排出部１１か ら冷却排風を機体外方に排出される冷却風を生起するよう構成してある。 又、エンジン７の燃焼ガスの排出音を消音させるためのエンジンマフラー１２ は、原動部ボンネット４の後端部に形成される前記排出部１１の近くに臨ませて 配設され、上記したように後方側に向けて流動する冷却排風によりエンジンマフ ラー１２をも冷却させるよう構成してある。 前記ラジエータ８の近傍には前記冷却ファン９による冷却風を効率良くラジエ ータ８に通過流動させるために、原動部ボンネット４の内面とラジエータ８の周 枠との間隙を閉塞する遮蔽板１３を配設してあり、ラジエータ８と冷却ファン９ との間には、冷却風流動経路を形成するファンシュラウド１４を配備してある。 前記遮蔽板１３は機体フレーム５上に支持ブラケット１５を介して一体的に連結 固定され、ラジエータ８は前記支持ブラケット１５に防振ゴム１６を介して弾性 支持してある。そして、図３に示すように、前記ファンシュラウド１４は、左右 一対の連結部材１７，１７により遮蔽板１３に連結固定して、冷却ファン９とフ ァンシュラウド１４とが共に弾性振動することによる、これら接触のおそれを少 なくしながら、隙間を所定値以下に抑制して冷却性能が低下するのを抑制するよ うにしてある。 そして、図１に示すように、原動部ボンネット４の左右両側部下端部に幅広部 ４ａを形成するとともに、前記遮蔽板１３を原動部ボンネット４の形状に沿わせ て左右両側部下端部に幅広部１３ａを形成してある。そして、エンジン７に対し て清浄なエアーを供給するためのエアークリーナ１８を、前記遮蔽板１３の前記 幅広部４ａ内の機体後方側箇所に外気吸入口１９を機体横外方に向けた状態で配 設してある。しかも、外気吸入口１９は原動部ボンネット４の下端縁よりも少し 下方に突出する位置に配設して、原動部ボンネット４内の熱気を極力、吸入しな いようにしてある。 このように構成しておくと、作業走行に伴って機体前部において、モーア１に より発生する刈芝屑等の浮遊塵が多く存在する場合であっても、冷却ファン９に よるエンジン冷却風はボンネット上部の幅狭部分におけるメイン流動路を通過し て前記幅広部４ａにはあまり流れていかないので、エアークリーナ１８により高 温の排風が吸入されるおそれが少なく、しかも、機体外方側に浮遊する塵埃も機 体走行に伴うエアークリーナ１８の進行方向直上手に板状の遮蔽板１３が存在し て塵埃の吸入のおそれを少ないものに抑制することになる。

【０００８】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】原動部の後面図

【図２】原動部の側面図

【図３】ラジエータ配設部の平面図

【図４】芝刈機の全体側面図

【符号の説明】

３ 原動部 ４ 原動部ボンネット ４ａ 幅広部 ８ ラジエータ １３ 遮蔽板 １３ａ 幅広部 １８ エアークリーナ １９ 外気吸入口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体前部に運転部（２）を設け、機体後
   部に原動部（３）を配備するとともに、原動部ボンネッ
   ト（４）内に配備したラジエータ（８）の冷却風を機体
   後方に向けて流動させるよう構成してある作業車の原動
   部構造であって、前記原動部ボンネット（４）の左右両
   側部下端部に幅広部（４ａ）を形成するとともに、前記
   ラジエータ（８）の冷却風案内用遮蔽板（１３）を原動
   部ボンネット（４）の形状に沿わせて左右両側部下端部
   に幅広部（１３ａ）を形成し、エアークリーナ（１８）
   を前記遮蔽板（１３）の前記幅広部（４ａ）内の機体後
   方側箇所に外気吸入口（１９）を機体横外方に向けた状
   態で配設してある作業車の原動部構造。