JPH0563509U - 受波ディジタルビームフォーマ - Google Patents

受波ディジタルビームフォーマ

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JPH0563509U
JPH0563509U JP004725U JP472592U JPH0563509U JP H0563509 U JPH0563509 U JP H0563509U JP 004725 U JP004725 U JP 004725U JP 472592 U JP472592 U JP 472592U JP H0563509 U JPH0563509 U JP H0563509U
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data
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JP004725U
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康人 竹内
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横河メディカルシステム株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 計算量が少なく装置構成が簡易であって、医
用超音波装置に用いることのできる位相の微調整可能な
受波ディジタルビームフォーマを実現することである。 【構成】 受波信号をディジタル信号に変換し、フーリ
エ変換後信号処理し、逆フーリエ変換して時間領域のデ
ータに戻す処理を行うディジタルビームフォーマにおい
て、FFT14の出力の周波数領域のデータに位相ひね
りを与え、その出力を加算器17に加算させる位相補正
回路16と、周波数領域にある加算器17の出力の時間
領域において折り返しを生ずるデータを切り捨てるため
のIFFT19の前段に設けられた耳切り回路18とを
具備している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は医用超音波装置に用いる受波ディジタルビームフォーマに関し、特に バーニヤコントロール機能を持たせたディジタル信号処理技術を用いた受波ディ ジタルビームフォーマに関する。
【0002】
【従来の技術】
医用超音波装置は超音波探触子から超音波信号を被検体内に照射して、被検体 内の組織や病変部から反射されてくる信号を超音波探触子で受波し、その反射信 号により形成される断層像をCRTに表示して診断の用に供する装置である。
【0003】 上記のような超音波装置において、送受波超音波ビームを絞り、目的の性状の ビームを形成することをビームフォーミングといい、ビームフォーミングを行う 道具がビームフォーマである。この受信ビームを形成するために用いられている 従来のビームフォーマを図4に示す。図において、1は超音波探触子のエレメン トで、1A〜1KのK個のエレメントで構成されている。2は振幅の重み付けを 行うための2A〜2KのK個から成る可変減衰器である。3は3A〜3KのK個 の素子から成る遅延線、4は遅延線3の出力を全部加算する加算器である。
【0004】 この受波ビームフォーマにおいて、エレメント1の出力が可変減衰器2に入力 されて重み付けが行われ、遅延線3でK個の各信号の伝播遅延が補償され、加算 器4で加算されて、整相加算された信号が出力される。
【0005】 このように従来のビームフォーマでは伝播遅延を補償するために高精度の遅延 線があり、又干渉波除去などの機能を付加すると構成が複雑で高価になるなどの 問題点があった。
【0006】 このため、これらの問題点を解決する方法として受波ビームフォーマをディジ タル信号処理技術を用いることにより、複雑な機能を持つにも拘わらず、容易に 且つ高精度に、しかも経済的に実現し得るディジタルビームフォーマを用いるこ とが行われている。
【0007】 このディジタルビームフォーマは、各エレメントからの入力信号をディジタル 信号に変換し、N次のフーリエ変換を行って周波数領域のデータとし、予め用意 したテーブルから伝達関数を読み出して乗算し、得られた各エレメントの信号を 加算した後、逆フーリエ変換して元の時間領域の信号とした後出力して、整相加 算された信号を得るものである。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、この手法による受波ビームフォーマにおいては、ソーナーのように 広い空間で用いられる場合、このAD変換におけるサンプリング間隔によるビー ムフォーミングで充分に間に合うが、医用超音波装置の対象とする空間は極めて 小さく、上記のようなサンプリングでは実用するには大ざっぱすぎるという問題 がある。
【0009】 即ち、1波長以内の位相若しくは遅延量の補間に関して、AD変換器において ナイキストレートでサンプリングしたとすると、1サンプル区間は90°である 。医用超音波装置では望ましい品位の指向性合成のためには、このサンプル区間 は6°程度が必要と考えられ、これを充足させるために90°のサンプル区間を 補間によって補おうとする場合、直線補間をしたのでは、正しい結果との差が大 きすぎるためにノイズを多く出してしまい、又、ビームプロファイルの裾が上が ってくる。2次補間,3次補間等の高次の補間を行うと状況は良くなるが、計算 量が増えてくる。
【0010】 CORDECという複素数の位相を回転するソフトウェア及びハードウェアを 用いて行う手法があるが、各エレメント又は各チャネル毎にそのハードウェアが 必要であるという問題点がある。
【0011】 即ち、従来は、各エレメントの波形の位相を合わせる厳密な形として、時間を 合わせるべきものであるとして装置を構成してきており、これをディジタル化し ようとすると、データ列の精密な番地シフト,補間,加算という手数のかかる作 業が必要となり、専用の装置を作ろうとすると、ハードウェア上大変な装置とな る。
【0012】 本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、計算量が少なく装置 構成が簡易で、医用超音波装置に用いることのできる位相の微調整可能な受波デ ィジタルビームフォーマを実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本考案は、多チャネルの超音波探触子のエレメントから の入力信号をディジタル信号に変換するAD変換器と、該AD変換器の出力のデ ィジタル信号を循環的に記憶するメモリと、該メモリから信号を読み出してフー リエ変換するFFTと、該FFTの出力の周波数領域のデータに位相ひねりを与 える位相補正回路と、各チャネルの前記位相補正回路の出力を加算する加算器と 、周波数領域にある前記加算器の出力の時間領域のデータに変換した場合に折り 返しを生ずる部分のデータを切り捨てるための耳切り回路と、該耳切り回路の出 力を逆フーリエ変換して時間領域のデータに復元するIFFTとで構成されるこ とを特徴とするものである。
【0014】 又、第2の考案は、位相補正回路は周波数領域におけるデータの最も大きなエ ネルギーのビンの一群のものの平均位相を求めて、そのビンを平均位相の位置に 回して合致させることによりPAC処理を行うものであることを特徴とするもの である。
【0015】
【作用】
AD変換器でディジタル信号に変換された受波信号をFFTでフーリエ変換し 、位相補正回路において周波数領域のデータの位相ひねりを行って位相シフトを 行う。各チャネルの位相補正回路の出力が加算器で加算され、その出力は時間領 域で折り返しを生ずる部分のデータを切り捨てられ、IFFTで逆フーリエ変換 されて、時間領域のデータとして出力される。
【0016】
【実施例】
以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。
【0017】 図1は本考案の一実施例の装置のブロック図である。この図では受信部のみを 示してある。図において、図4と同一の部分には同一の符号を付してある。図中 、11はエレメント1を構成するエレメント1A〜1Kにそれぞれ接続されて、 受波信号を増幅するプリアンプ、12はプリアンプ11の出力を各エレメント1 1A〜11K毎にディジタル信号に変換するAD変換器である。この出力は13 A〜13KのK個から成るメモリ13に格納される。
【0018】 14はメモリ13から読み出した各エレメント1A〜1Kの受波信号をそれぞ れ高速にフーリエ変換するFFTで14A〜14Kで構成されている。この出力 は15A〜15Kから成るメモリ15にそれぞれ格納される。
【0019】 16は時間領域のデータが周波数領域のデータに変換された各エレメント1A 〜1Kの受波信号の位相を変化させる位相補正回路で、位相補正を行うことによ り、原受波データの遅延時間の補正を行う。又、位相補正に先立って振幅の小さ いデータは足切りを行って除いておく。位相補正回路16の全出力は加算器17 で加算される。
【0020】 18は加算器17の出力の周波数領域における受波信号の耳切りを行う耳切り 回路で、耳切り動作については後に詳しく説明する。
【0021】 19は耳切り回路18の出力信号を逆フーリエ変換して、時間領域のデータに 復元させるIFFTである。この出力は、Bモード信号として用いられる場合は 、対数圧縮回路20に入力されて、ダイナミックレンジの広い受波信号をCRT 等のダイナミックレンジに合わせるためにレベル圧縮されて後段の回路に出力さ れる。
【0022】 ドプラモード信号として用いる場合は、ドプラ検出回路21に入力されて、直 交検波され、後段の回路に出力される。
【0023】 次に、実施例の回路の動作を説明する前に本実施例の装置の動作の原理を説明 する。
【0024】 ディジタルビームフォーマにおける整相加算において、データをAD変換する 場合のサンプリング時間は、ナイキストで決まる1サンプル時間よりもずっと細 かい時間単位でサンプリングを行うためにバーニャ操作をしなければ、医用超音 波装置としては用いられないので、サンプル時間毎にFFT−IFFT方式でブ ロック毎に補間しようとするものである。
【0025】 先ず、各信号の中庸長の区間を切り出してそれをFFTで周波数領域に移行し 、この周波数領域でバーニヤ操作をし、それをIFFTにより元の時間軸波形に 戻す。ここで行う整相加算は、IFFTにかける前に各エレメントのスペクトル を移相し、すべてを加算した後にIFFTにかける。その結果の信号は整相加算 されたRFエコー信号のディジタル表現信号となる。従って、その後対数圧縮や 検波の用に供せられ、又、リニヤに扱ってドプラシフトの検出等の用に供するこ とができる。
【0026】 上記の周波数領域のバーニヤ操作において、時間軸上のシフトに相当するのが 位相にテーパーをつけることである。つまり、周波数領域における信号の各ビン の複素数値にそのビンのアドレスに比例した位相回転を与えてゆくと、一定の遅 延に相当する効果がIFFTの結果において得られる。この際、回転させてバー ニヤコントロールに貢献させるビンは十分パワーのあるビンのみでよいので、或 る程度以下のパワーの小さなビンは無視して0パワーと見做す処理を行い、周波 数領域でレベル上の足切りを行っておく。従って、FFTの出力側の全ビンを回 転させなければならないわけではなく、必要な計算量は原信号のサンプル列をシ フト、補間するよりは遥かに少ない量ですむ。
【0027】 図1に戻り、実施例の装置の動作を説明する。動作の説明は先ず1つのチャネ ルについて行う。エレメント1Aで受波した信号は、プリアンプ11Aで増幅さ れAD変換器12Aでディジタル信号に変換され、メモリ13Aに格納される。
【0028】 メモリ13Aから読み出されたデータはFFT14Aにおいてフーリエ変換さ れ、周波数領域のデータとしてメモリ15に格納される。
【0029】 このデータは複素数で表現されており、これをグラフで表すと、図2のように なる。図は横軸に周波数、縦軸に位相を取った場合のグラフで、直線A,B,C はそれぞれFFT14の出力(FFT14A〜FFT14Kの全出力に基づく) の複素数データから得られる直線である。例えば直線Aの角度αはこのデータの 遅延量を示しており、従って、直線Aの示す直線位相は歪みのない遅延量と等価 である。この直線は例えば次式で表される。
【0030】
【数1】 位相補正回路16はFFT14で得られたデータの位相ひねりを行う。これは 図2の直線A,B,Cをそれぞれ矢印に示すように回転させる動作であり、(1 )式の成分nωΔtが位相ひねりに相当する。即ち、時間のΔtの変化は図2の 直線の位相の変化に相当することが分る。位相補正回路16は位相ひねりを行う 前に或る程度のパワーの小さなビンを無視してゼロパワーとする足切りを行って おく。これによりノイズが除去されるという効果もある。
【0031】 位相補正回路16A〜16Kの出力は加算器17で加算され、耳切り回路18 に入力されて耳切りが行われる。
【0032】 図3は耳切り回路18の動作の説明図である。図において、(イ)図は円環状 の時間領域における元の信号の図、(ロ)図はFFTにかけて周波数領域の信号 とした複素スペクトラムの図、(ハ)図はFFT14の出力に位相ひねりを加え て、位相テーパーをつける加工をした複素スペクトラムの図、(ニ)図は(ハ) 図の信号を逆フーリエ変換にかけて時間領域に戻した信号の図である。
【0033】 (イ)図において、受波信号のt=0である原点をPとすると、その終点はt =max におけるP点である。即ち、原点と終点は処理手続上は同一点とみなす。 これをFFTにかけて周波数領域における複素スペクトラムとし(ロ図)、これ に(1)式のnωΔtに相当する位相ひねりを加えて、(ハ)図の位相テーパー をつける加工をした複素スペクトラムを得る。
【0034】 (ハ)図の複素スペクトラムに逆フーリエ変換を施すと、(ニ)図の時間領域 におけるデータが得られる。このデータは周波数領域における位相ひねりにより nΔtの時間シフト区間dにおける時間のシフトnΔtが発生して、t=0にお ける元の原点Pは新しい原点Qに移り、従って、時間シフト区間dの時間分のデ ータが折り返しとなって重なるため、IFFTを行う前に各チャネルのデータを 加算して、耳切り回路18において折り返しを生ずる部分を切り棄てる。
【0035】 IFFT19は耳切り回路18の出力を逆フーリエ変換して折り返し部分の除 去された図3の(ニ)図に示す時間領域のデータを出力する。
【0036】 Bモード回路では、上記IFFT19の出力を対数圧縮回路20でレベル圧縮 を行ってCRTのダイナミックレンジに適合させ、後段の信号処理回路に送り出 す。
【0037】 ドプラモード回路では、IFFT19の出力をドプラ検出回路で直交検波を行 ってドプラ成分を含む複素信号を後段の回路に出力する。
【0038】 尚、PAC(Phase Aberration Correction)処理を行うには、IFFT19の 前の段階で、最もエネルギーの大きなビンの一群のものが構成元である各チャネ ルのFFTにかけた結果において、位相分布しているのを回し戻して直してやれ ばよく、それには各チャネルのそのビンの大きさのみを足した値にそのビンの全 体の平均位相だけ回してやれば、PACが行われる。この時、大きく位相が狂っ ているチャネルは切り捨てることでも十分である。
【0039】 以上説明したように本実施例によれば、容易にAD変換のためのサンプリング 間隔を狹めて、必要な間隔のデータを得ることができるようになる。
【0040】 尚、本考案は上記実施例に限定されるものではない。トランスデューサの各エ レメントを例えば2個ずつまとめて予備整相加算して、ディジタルビームフォー マに入力する方式でもよく、又加算器17で区域毎に数チャネルずつに分割した データを加算し、耳切り回路18、IFFT19を同一の数量に分割し、最終的 に各分割したIFFT19の出力を加算するようにしてもよい。
【0041】 又、FFT−IFFTから成る系列をFHT(Fast Hartley Transform)−I FHT系列に置き換えることもできる。
【0042】
【考案の効果】
以上詳細に説明したように本考案によれば、計算量が少なく装置構成が簡単で 位相の微調整が可能な医用超音波装置に用いることのできる受波ディジタルビー ムフォーマが実現できて、実用上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の装置のブロック図である。
【図2】受波信号の周波数領域における各チャネルのデ
ータのグラフである。
【図3】耳切り回路の動作の説明図である。
【図4】従来のアナログ形の受波ビームフォーマのブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 エレメント 12 AD変換器 13,15 メモリ 14 FFT 16 位相補正回路 17 加算器 18 耳切り回路 19 IFFT

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多チャネルの超音波探触子のエレメント
    (1)からの入力信号をディジタル信号に変換するAD
    変換器(12)と、 該AD変換器(12)の出力のディジタル信号を循環的
    に記憶するメモリ(13)と、 該メモリ(13)から信号を読み出してフーリエ変換す
    るFFT(14)と、 該FFT(14)の出力の周波数領域のデータに位相ひ
    ねりを与える位相補正回路(16)と、 各チャネルの前記位相補正回路(16)の出力を加算す
    る加算器(17)と、 周波数領域にある前記加算器(17)の出力の時間領域
    のデータに変換した場合に折り返しを生ずる部分のデー
    タを切り捨てるための耳切り回路(18)と、 該耳切り回路(18)の出力を逆フーリエ変換して時間
    領域のデータに復元するIFFT(19)とで構成され
    ることを特徴とする受波ディジタルビームフォーマ。
  2. 【請求項2】 位相補正回路(16)は周波数領域にお
    けるデータの最も大きなエネルギーのビンの一群のもの
    の平均位相を求めて、そのビンを平均位相の位置に回し
    て合致させることによりPAC処理を行うものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の受波ディジタルビームフ
    ォーマ。
JP004725U 1992-02-07 1992-02-07 受波ディジタルビームフォーマ Pending JPH0563509U (ja)

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