JP2004195091A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波診断装置において、表示条件に応じて最適な送受信条件が設定できるようにする。
【解決手段】表示深度演算部22は、超音波画像の画像エリアについて表示深度を演算し、周波数決定部24が表示深度に応じた最適な中心周波数を決定する。表示スケールファクタ演算部26は表示エリアについての表示スケールファクタ(拡大率)を演算し、帯域決定部28は表示スケールファクタに対応する最適な帯域を決定する。そのように決定された中心周波数及び帯域の情報は送受信部12に提供され、送受信部12はそれらの情報にしたがって送信信号の生成及び受信信号の処理を実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】表示深度演算部22は、超音波画像の画像エリアについて表示深度を演算し、周波数決定部24が表示深度に応じた最適な中心周波数を決定する。表示スケールファクタ演算部26は表示エリアについての表示スケールファクタ(拡大率)を演算し、帯域決定部28は表示スケールファクタに対応する最適な帯域を決定する。そのように決定された中心周波数及び帯域の情報は送受信部12に提供され、送受信部12はそれらの情報にしたがって送信信号の生成及び受信信号の処理を実行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置の送受信制御に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
超音波診断装置において、送受信部は、制御部により設定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行っている。従来、中心周波数及び周波数帯域は、プローブ種別などに応じて画一的に指定され、あるいはユーザーによってマニュアルで設定される。
【0003】
すなわち、従来においては、表示条件に応じて、中心周波数及び周波数帯域を最適化することは行われていない。例えば、原超音波画像上に拡大範囲を設定して、その拡大範囲に対応する拡大超音波画像を形成する場合においては、その拡大超音波画像の形成に当たって超音波の送受波が繰り返し行われるが、従来において、拡大時に中心周波数及び周波数帯域を切り替えることはなされていない。なお、特許文献1には、診断距離と表示ピクセル数とで定まるピクセルレートに応じて受信信号の処理条件を切り換えることが示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−000394号公報
【0005】
本発明の目的は、表示条件に応じて最適な送受信条件を設定できるようにすることにある。
【0006】
本発明の他の目的は、表示条件が変更された場合に中心周波数及び周波数帯域を最適化できるようにすることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、送受信条件の最適化により超音波画像の画質を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、超音波画像表示における表示深度及び表示スケールファクタに応じて、中心周波数及び周波数帯域を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、実際の表示スケールファクタ及び表示深度に応じて、中心周波数及び周波数帯域が適応的に決定され、その決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理がなされる。表示スケールファクタは、深さ方向の単位長さ当たりの表示ピクセル数に相当し、表示深度は画像における特定位置の深さである。表示スケールファクタ及び表示深度の組み合わせに基づいて、中心周波数及び周波数帯域の組み合わせが決定されるが、その場合に、表示深度から中心周波数を決定し、表示スケールファクタから周波数帯域を決定するようにしてもよい。また、送受信部において、送信処理では例えば中心周波数のみを考慮し、受信処理では例えば中心周波数及び周波数帯域の両者を考慮するようにしてもよい。もちろん、送信処理及び受信処理の双方において例えばバンドパスフィルタの動作設定にあたって、中心周波数及び周波数帯域を考慮するようにしてもよい。
【0010】
望ましくは、現在の表示エリアについての表示ピクセル数及び表示レンジに基づいて前記表示スケールファクタを演算するスケールファクタ演算手段を含む。表示ピクセル数は、表示エリアにおける深さ方向の画素数であり、表示レンジは表示エリアの深さ方向の範囲(距離)に相当する。いずれも装置側において容易に認識できるパラメータである。望ましくは、前記表示深度は表示エリアの中央深さに相当する。
【0011】
望ましくは、前記決定手段は、プローブ種別及び診断部位の少なくとも1つを更に考慮して、前記中心周波数及び前記周波数帯域の少なくとも1つを決定する。それらの情報を考慮すれば、より適切な送受信条件を設定できる。
【0012】
(2)また、本発明に係る超音波診断装置は、超音波画像表示における表示深度から中心周波数を決定する中心周波数決定テーブルと、前記超音波画像表示における表示スケールファクタから周波数帯域を決定する周波数帯域決定テーブルと、前記決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
望ましくは、原超音波画像上に拡大範囲を設定する設定手段と、前記拡大範囲に対応する拡大超音波画像を形成する形成手段と、を含み、前記拡大超音波画像を形成する場合に、前記拡大超音波画像についての表示深度及び表示スケールファクタに基づいて、前記中心周波数及び前記周波数帯域が決定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。
【0016】
プローブ10は超音波を送受波する超音波探触子である。プローブ10は、複数の振動素子からなるアレイ振動子を有しており、そのアレイ振動子によって超音波ビームが形成される。超音波ビームが例えば電子セクタ走査されると、扇状の走査面が形成される。その走査面上において得られたエコーデータに基づいて超音波画像(例えばBモード断層画像)が形成される。電子走査方式としては、電子リニア走査などをあげることもできる。
【0017】
送受信部12は、送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する。すなわち、演算制御部20によって設定された送受信条件にしたがって送受信部12が送信ビームの形成及び受信ビームの形成のための処理を実行する。送信時においては、複数の振動素子に対して送信信号が供給され、一方、受信時においては複数の振動素子からの受信信号が整相加算される。本実施形態においては、演算制御部が特に送受信処理にかかる中心周波数及び帯域(周波数帯域幅)を設定しており、送受信部12はそれらに基づいて送信信号の生成及び受信信号の処理を実行している。
【0018】
信号処理部14は各種の診断モードに応じて受信信号に対する信号処理を実行する。例えば、Bモードの場合には、検波、対数圧縮、などの処理が実行される。また、ドプラモードの場合には、直交検波、周波数解析あるいは自己相関演算などの処理が実行される。
【0019】
表示処理部16は例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)によって構成され、信号処理部14から出力されるデータに対する座標変換や補間処理などを実行している。この表示処理部16によって例えばBモード画像が形成され、その画像データが表示部18に表示される。表示部18における超音波画像の表示条件は演算制御部20によって設定されている。
【0020】
演算制御部20は本実施形態においてCPU及び演算制御プログラムなどによって構成され、その演算制御部20は、機能的に見て、表示深度演算部22、中心周波数決定部24、表示スケールファクタ演算部26及び帯域決定部28を有している。
【0021】
表示深度演算部22は、超音波画像あるいは画像エリアの中央の深さを表示深度として演算するユニットである。中心周波数決定部24は、第1テーブル24Aを有している。この第1テーブル24Aは後に図3を用いて説明するように、各表示深度ごとにそれに対応付けられた中心周波数の値を有するテーブルである。
【0022】
表示スケールファクタ演算部26は、表示画面上における表示スケールファクタを演算する。その表示スケールファクタは単位長さ当たりの表示ピクセル数として定義され、具体的には表示レンジと表示ピクセル数とから求めることができる。ちなみに、そのようなパラメータは演算制御部20自体が認識しているものである。帯域決定部28は第2テーブル28Aを有する。この第2テーブル28Aは後に図4を用いて説明するように、各表示スケールファクタごとにそれに対応付けられた帯域の値を有するテーブルである。
【0023】
したがって、演算制御部20は、表示条件が設定されると、それに応じた最適な中心周波数及び帯域を決定する。そのように決定された中心周波数及び帯域を示すデータは送受信部12及び必要なユニットへ供給される。したがって、表示条件を変更するごとに最適な送受信条件が設定できるため、常に最適な分解能及び感度で超音波診断を遂行できるという利点がある。
【0024】
演算制御部20には操作パネル30が接続されており、その操作パネル30は例えばキーボードやトラックボールなどによって構成される。操作パネル30を用いてユーザーによりプローブ種別を入力することが可能であり、また診断科目として診断部位などを入力することができる。ちなみにプローブ種別についてはプローブ10が接続された時点でその種別を自動的に認識するようにしてもよい。また診断部位については例えば患者カードからのデータが読み込まれた時点で、そのデータにしたがって特定するようにしてもよい。そのような入力データあるいは読み取りデータにしたがって、必要に応じて最適な第1テーブル24Aが選択され、また最適な第2テーブル28Aが選択される。すなわち第1テーブル24Aはプローブの種別ごと及び診断部位ごとに設けてもよく、これは第2テーブル28Aについても同様である。
【0025】
次に、図2を用いて図1に示した装置の動作例について説明する。表示画面30上には最初に電子セクタ走査によって形成されたBモード画像32が表示される。例えばそのBモード画像32をフリーズし、その画像32に対して拡大範囲36を設定する。すると、その拡大範囲36に対応する拡大された超音波画像が拡大画像34として表示される。その拡大画像34は静止画像あるいは動画像であり、少なくとも拡大範囲36の設定以降において新しく送受信された受信信号に基づいて生成される画像である。
【0026】
ここで、符号38は元の超音波画像における表示レンジを表しており、符号40は、拡大画像34についての表示レンジを表している。
【0027】
本実施形態においては、そのような拡大処理が実行された場合、表示深度演算部22が拡大画像34についての中央深さを表示深度として演算し、中心周波数決定部24が第1テーブル24Aの内容を参照することにより、表示深度から最適な中心周波数を決定している。また、表示スケールファクタ演算部26は拡大画像34についての表示レンジ40を参照することにより表示スケールファクタを演算し、帯域決定部28が第2テーブル28Aを参照することにより表示スケールファクタから帯域を決定している。そして、そのように決定された中心周波数及び帯域のデータが送受信部12に供給されると、送受信部12はそれらのパラメータにしたがって送信信号の生成及び受信信号の処理を実行する。
【0028】
したがって、拡大画像34の形成に当たっては、元画像32の送受信条件は維持されず、拡大画像34の表示条件に最適な送受信条件が設定されるため、分解能及び感度を最適化できるという利点がある。上記説明においては、拡大画像の表示時における送受信条件の変更について説明したが、もちろん元画像32の表示にあたっても上記同様の送受信制御が行われるのが望ましい。
【0029】
ちなみに、表示スケールファクタ26は、上記の拡大処理においては拡大率に相当するものであり、すなわち表示スケールファクタは実質的に表示画像上における表示分解能に相当する情報であってもよい。
【0030】
図3には、上述した第1テーブル24Aの一例が示されている。図示されるように各表示深度ごとに中心周波数が対応付けられている。このようなテーブルはプローブ種別などに応じて複数設けられてもよい。
【0031】
また、図4には図1に示した第2テーブル28Aの一例が示されている。上述したように、第2テーブル28Aにおいては表示スケールファクタごとに帯域が対応付けられている。もちろんこのようなテーブル28Aもプローブ種別などに応じて複数設けるのが望ましい。
【0032】
なお、本実施形態に係る超音波診断装置においては従来から行われているような送信多段フォーカスが行われていてもよいし、また受信信号の処理に当たってはいわゆる受信ダイナミックフィルタ技術が適用されてもよい。その場合においてはフィルタの中心周波数及び帯域の基準値が上述した2つのテーブル24A,28Aによって決定されることになる。
【0033】
参考として、上記の第1テーブル24Aの作成方法について説明する。超音波診断における感度は、表示しうる最小の信号レベルに相当する。より遠距離(大きな深度)からの反射波ほど減衰が大きい。このため、例えば、表示深度が浅い場合に不適切に高い周波数で送受信すると、必要な感度が得られない場合がある。また、不適切に低い周波数で送信すると、分解能が犠牲になる。したがって、使用するプローブの周波数特性(上限周波数と下限周波数)を考慮しつつ、表示深度に応じて最適な中心周波数を決定できるように、第1テーブル24Aを作成する。ここで、観測部位(対象臓器)によっても減衰が変わるので、そのような観測部位に応じて複数の第1テーブル24Aを選択使用するようにしてもよく、また使用するプローブの種類によって複数の第1テーブルを選択使用するようにするのが望ましい。ここで、観測部位は、装置に入力された診断科目から特定することができる。もちろん、表示深度、プローブ、観測部位などの複数のパラメータの組み合わせから、中心周波数を決定するようにしてもよい。
【0034】
また参考として、上記の第2テーブル28Aの作成方法について説明する。受信信号(エコー信号)x(t)は、例えば、中心周波数fとその包絡成分a(t)によって、以下のように表現される。
【0035】
x(t)=a(t)sin(2πf)
超音波診断装置における距離分解能は、2つの等しいエコー源からの反射エコーが近接して存在する場合に、包絡成分によるディップが−3dBとなる距離をいう。一方、表示画面上における垂直サンプリング周波数fsは、これと無関係に存在し、受信信号における1/2fs以上の包絡成分は、エイリアシング防止フィルタなどによってカットされる。したがって、送受信のRF信号についてはfs以上の帯域は不要であり、垂直サンプリング周波数に対応した帯域を選択するのが望ましい。よって、垂直サンプリング周波数(表示スケールファクタに対応)の値に応じた帯域を決定できるように、第2テーブル28Bを作成する。この場合にも、プローブ種別などのパラメータごとに、第2テーブル28Aを作成するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば超音波画像の画質を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】表示例を用いて動作例を説明するための図である。
【図3】第1テーブルの一例を示す図である。
【図4】第2テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プローブ、12 送受信部、14 信号処理部、16 表示処理部、18 表示部、20 演算制御部、22 表示深度演算部、24 中心周波数決定部、26 表示スケールファクタ演算部、28 帯域決定部、30 操作パネル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置の送受信制御に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
超音波診断装置において、送受信部は、制御部により設定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行っている。従来、中心周波数及び周波数帯域は、プローブ種別などに応じて画一的に指定され、あるいはユーザーによってマニュアルで設定される。
【0003】
すなわち、従来においては、表示条件に応じて、中心周波数及び周波数帯域を最適化することは行われていない。例えば、原超音波画像上に拡大範囲を設定して、その拡大範囲に対応する拡大超音波画像を形成する場合においては、その拡大超音波画像の形成に当たって超音波の送受波が繰り返し行われるが、従来において、拡大時に中心周波数及び周波数帯域を切り替えることはなされていない。なお、特許文献1には、診断距離と表示ピクセル数とで定まるピクセルレートに応じて受信信号の処理条件を切り換えることが示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−000394号公報
【0005】
本発明の目的は、表示条件に応じて最適な送受信条件を設定できるようにすることにある。
【0006】
本発明の他の目的は、表示条件が変更された場合に中心周波数及び周波数帯域を最適化できるようにすることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、送受信条件の最適化により超音波画像の画質を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る超音波診断装置は、超音波画像表示における表示深度及び表示スケールファクタに応じて、中心周波数及び周波数帯域を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、実際の表示スケールファクタ及び表示深度に応じて、中心周波数及び周波数帯域が適応的に決定され、その決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理がなされる。表示スケールファクタは、深さ方向の単位長さ当たりの表示ピクセル数に相当し、表示深度は画像における特定位置の深さである。表示スケールファクタ及び表示深度の組み合わせに基づいて、中心周波数及び周波数帯域の組み合わせが決定されるが、その場合に、表示深度から中心周波数を決定し、表示スケールファクタから周波数帯域を決定するようにしてもよい。また、送受信部において、送信処理では例えば中心周波数のみを考慮し、受信処理では例えば中心周波数及び周波数帯域の両者を考慮するようにしてもよい。もちろん、送信処理及び受信処理の双方において例えばバンドパスフィルタの動作設定にあたって、中心周波数及び周波数帯域を考慮するようにしてもよい。
【0010】
望ましくは、現在の表示エリアについての表示ピクセル数及び表示レンジに基づいて前記表示スケールファクタを演算するスケールファクタ演算手段を含む。表示ピクセル数は、表示エリアにおける深さ方向の画素数であり、表示レンジは表示エリアの深さ方向の範囲(距離)に相当する。いずれも装置側において容易に認識できるパラメータである。望ましくは、前記表示深度は表示エリアの中央深さに相当する。
【0011】
望ましくは、前記決定手段は、プローブ種別及び診断部位の少なくとも1つを更に考慮して、前記中心周波数及び前記周波数帯域の少なくとも1つを決定する。それらの情報を考慮すれば、より適切な送受信条件を設定できる。
【0012】
(2)また、本発明に係る超音波診断装置は、超音波画像表示における表示深度から中心周波数を決定する中心周波数決定テーブルと、前記超音波画像表示における表示スケールファクタから周波数帯域を決定する周波数帯域決定テーブルと、前記決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、を含むことを特徴とする。
【0013】
望ましくは、原超音波画像上に拡大範囲を設定する設定手段と、前記拡大範囲に対応する拡大超音波画像を形成する形成手段と、を含み、前記拡大超音波画像を形成する場合に、前記拡大超音波画像についての表示深度及び表示スケールファクタに基づいて、前記中心周波数及び前記周波数帯域が決定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。
【0016】
プローブ10は超音波を送受波する超音波探触子である。プローブ10は、複数の振動素子からなるアレイ振動子を有しており、そのアレイ振動子によって超音波ビームが形成される。超音波ビームが例えば電子セクタ走査されると、扇状の走査面が形成される。その走査面上において得られたエコーデータに基づいて超音波画像(例えばBモード断層画像)が形成される。電子走査方式としては、電子リニア走査などをあげることもできる。
【0017】
送受信部12は、送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する。すなわち、演算制御部20によって設定された送受信条件にしたがって送受信部12が送信ビームの形成及び受信ビームの形成のための処理を実行する。送信時においては、複数の振動素子に対して送信信号が供給され、一方、受信時においては複数の振動素子からの受信信号が整相加算される。本実施形態においては、演算制御部が特に送受信処理にかかる中心周波数及び帯域(周波数帯域幅)を設定しており、送受信部12はそれらに基づいて送信信号の生成及び受信信号の処理を実行している。
【0018】
信号処理部14は各種の診断モードに応じて受信信号に対する信号処理を実行する。例えば、Bモードの場合には、検波、対数圧縮、などの処理が実行される。また、ドプラモードの場合には、直交検波、周波数解析あるいは自己相関演算などの処理が実行される。
【0019】
表示処理部16は例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)によって構成され、信号処理部14から出力されるデータに対する座標変換や補間処理などを実行している。この表示処理部16によって例えばBモード画像が形成され、その画像データが表示部18に表示される。表示部18における超音波画像の表示条件は演算制御部20によって設定されている。
【0020】
演算制御部20は本実施形態においてCPU及び演算制御プログラムなどによって構成され、その演算制御部20は、機能的に見て、表示深度演算部22、中心周波数決定部24、表示スケールファクタ演算部26及び帯域決定部28を有している。
【0021】
表示深度演算部22は、超音波画像あるいは画像エリアの中央の深さを表示深度として演算するユニットである。中心周波数決定部24は、第1テーブル24Aを有している。この第1テーブル24Aは後に図3を用いて説明するように、各表示深度ごとにそれに対応付けられた中心周波数の値を有するテーブルである。
【0022】
表示スケールファクタ演算部26は、表示画面上における表示スケールファクタを演算する。その表示スケールファクタは単位長さ当たりの表示ピクセル数として定義され、具体的には表示レンジと表示ピクセル数とから求めることができる。ちなみに、そのようなパラメータは演算制御部20自体が認識しているものである。帯域決定部28は第2テーブル28Aを有する。この第2テーブル28Aは後に図4を用いて説明するように、各表示スケールファクタごとにそれに対応付けられた帯域の値を有するテーブルである。
【0023】
したがって、演算制御部20は、表示条件が設定されると、それに応じた最適な中心周波数及び帯域を決定する。そのように決定された中心周波数及び帯域を示すデータは送受信部12及び必要なユニットへ供給される。したがって、表示条件を変更するごとに最適な送受信条件が設定できるため、常に最適な分解能及び感度で超音波診断を遂行できるという利点がある。
【0024】
演算制御部20には操作パネル30が接続されており、その操作パネル30は例えばキーボードやトラックボールなどによって構成される。操作パネル30を用いてユーザーによりプローブ種別を入力することが可能であり、また診断科目として診断部位などを入力することができる。ちなみにプローブ種別についてはプローブ10が接続された時点でその種別を自動的に認識するようにしてもよい。また診断部位については例えば患者カードからのデータが読み込まれた時点で、そのデータにしたがって特定するようにしてもよい。そのような入力データあるいは読み取りデータにしたがって、必要に応じて最適な第1テーブル24Aが選択され、また最適な第2テーブル28Aが選択される。すなわち第1テーブル24Aはプローブの種別ごと及び診断部位ごとに設けてもよく、これは第2テーブル28Aについても同様である。
【0025】
次に、図2を用いて図1に示した装置の動作例について説明する。表示画面30上には最初に電子セクタ走査によって形成されたBモード画像32が表示される。例えばそのBモード画像32をフリーズし、その画像32に対して拡大範囲36を設定する。すると、その拡大範囲36に対応する拡大された超音波画像が拡大画像34として表示される。その拡大画像34は静止画像あるいは動画像であり、少なくとも拡大範囲36の設定以降において新しく送受信された受信信号に基づいて生成される画像である。
【0026】
ここで、符号38は元の超音波画像における表示レンジを表しており、符号40は、拡大画像34についての表示レンジを表している。
【0027】
本実施形態においては、そのような拡大処理が実行された場合、表示深度演算部22が拡大画像34についての中央深さを表示深度として演算し、中心周波数決定部24が第1テーブル24Aの内容を参照することにより、表示深度から最適な中心周波数を決定している。また、表示スケールファクタ演算部26は拡大画像34についての表示レンジ40を参照することにより表示スケールファクタを演算し、帯域決定部28が第2テーブル28Aを参照することにより表示スケールファクタから帯域を決定している。そして、そのように決定された中心周波数及び帯域のデータが送受信部12に供給されると、送受信部12はそれらのパラメータにしたがって送信信号の生成及び受信信号の処理を実行する。
【0028】
したがって、拡大画像34の形成に当たっては、元画像32の送受信条件は維持されず、拡大画像34の表示条件に最適な送受信条件が設定されるため、分解能及び感度を最適化できるという利点がある。上記説明においては、拡大画像の表示時における送受信条件の変更について説明したが、もちろん元画像32の表示にあたっても上記同様の送受信制御が行われるのが望ましい。
【0029】
ちなみに、表示スケールファクタ26は、上記の拡大処理においては拡大率に相当するものであり、すなわち表示スケールファクタは実質的に表示画像上における表示分解能に相当する情報であってもよい。
【0030】
図3には、上述した第1テーブル24Aの一例が示されている。図示されるように各表示深度ごとに中心周波数が対応付けられている。このようなテーブルはプローブ種別などに応じて複数設けられてもよい。
【0031】
また、図4には図1に示した第2テーブル28Aの一例が示されている。上述したように、第2テーブル28Aにおいては表示スケールファクタごとに帯域が対応付けられている。もちろんこのようなテーブル28Aもプローブ種別などに応じて複数設けるのが望ましい。
【0032】
なお、本実施形態に係る超音波診断装置においては従来から行われているような送信多段フォーカスが行われていてもよいし、また受信信号の処理に当たってはいわゆる受信ダイナミックフィルタ技術が適用されてもよい。その場合においてはフィルタの中心周波数及び帯域の基準値が上述した2つのテーブル24A,28Aによって決定されることになる。
【0033】
参考として、上記の第1テーブル24Aの作成方法について説明する。超音波診断における感度は、表示しうる最小の信号レベルに相当する。より遠距離(大きな深度)からの反射波ほど減衰が大きい。このため、例えば、表示深度が浅い場合に不適切に高い周波数で送受信すると、必要な感度が得られない場合がある。また、不適切に低い周波数で送信すると、分解能が犠牲になる。したがって、使用するプローブの周波数特性(上限周波数と下限周波数)を考慮しつつ、表示深度に応じて最適な中心周波数を決定できるように、第1テーブル24Aを作成する。ここで、観測部位(対象臓器)によっても減衰が変わるので、そのような観測部位に応じて複数の第1テーブル24Aを選択使用するようにしてもよく、また使用するプローブの種類によって複数の第1テーブルを選択使用するようにするのが望ましい。ここで、観測部位は、装置に入力された診断科目から特定することができる。もちろん、表示深度、プローブ、観測部位などの複数のパラメータの組み合わせから、中心周波数を決定するようにしてもよい。
【0034】
また参考として、上記の第2テーブル28Aの作成方法について説明する。受信信号(エコー信号)x(t)は、例えば、中心周波数fとその包絡成分a(t)によって、以下のように表現される。
【0035】
x(t)=a(t)sin(2πf)
超音波診断装置における距離分解能は、2つの等しいエコー源からの反射エコーが近接して存在する場合に、包絡成分によるディップが−3dBとなる距離をいう。一方、表示画面上における垂直サンプリング周波数fsは、これと無関係に存在し、受信信号における1/2fs以上の包絡成分は、エイリアシング防止フィルタなどによってカットされる。したがって、送受信のRF信号についてはfs以上の帯域は不要であり、垂直サンプリング周波数に対応した帯域を選択するのが望ましい。よって、垂直サンプリング周波数(表示スケールファクタに対応)の値に応じた帯域を決定できるように、第2テーブル28Bを作成する。この場合にも、プローブ種別などのパラメータごとに、第2テーブル28Aを作成するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば超音波画像の画質を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】表示例を用いて動作例を説明するための図である。
【図3】第1テーブルの一例を示す図である。
【図4】第2テーブルの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プローブ、12 送受信部、14 信号処理部、16 表示処理部、18 表示部、20 演算制御部、22 表示深度演算部、24 中心周波数決定部、26 表示スケールファクタ演算部、28 帯域決定部、30 操作パネル。
Claims (6)
- 超音波画像表示における表示深度及び表示スケールファクタに応じて、中心周波数及び周波数帯域を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
現在の表示エリアについての表示ピクセル数及び表示レンジに基づいて前記表示スケールファクタを演算する表示スケールファクタ演算手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記表示深度は表示エリアの中央深さに相当することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記決定手段は、プローブ種別、診断部位の少なくとも1つを更に考慮して前記中心周波数及び前記周波数帯域の少なくとも一方を決定することを特徴とする超音波診断装置。 - 超音波画像表示における表示深度から中心周波数を決定する中心周波数決定テーブルと、
前記超音波画像表示における表示スケールファクタから周波数帯域を決定する周波数帯域決定テーブルと、
前記決定された中心周波数及び周波数帯域に従って、送信信号の生成及び受信信号の処理を行う送受信部と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の装置において、
原超音波画像上に拡大範囲を設定する設定手段と、
前記拡大範囲に対応する拡大超音波画像を形成する形成手段と、
を含み、
前記拡大超音波画像を形成する場合に、前記拡大超音波画像についての表示深度及び表示スケールファクタに基づいて、前記中心周波数及び前記周波数帯域が決定されることを特徴とする超音波診断装置。
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