JP2011179896A - ビーム合成装置、ビーム合成方法及び円筒アレイ受信システム - Google Patents

ビーム合成装置、ビーム合成方法及び円筒アレイ受信システム Download PDF

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Abstract

【課題】広帯域信号に対するビーム合成を可及的に少ないハイドロフォン数で実現しつつ、高い周波数におけるグレーティングローブを低減させる。
【解決手段】受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォン1(1)〜1(n)からなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析するFFT2(1)〜2(n)と、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段3(1)〜3(k)と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段4とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数のハイドロフォン出力にもとづいてビーム形成を行うビーム合成装置、ビーム合成方法及び円筒アレイ受信システムに関する。
複数のハイドロフォン出力にもとづいてビーム形成を行うビーム合成装置が知られている。
例えば、特許文献1、2には、複数のハイドロフォンを直線状に配列したラインアレイを備えるとともに、ラインアレイを構成する各ハイドロフォンの出力にもとづいて所定方位の感度が強調されたビーム形成を行うビーム合成装置(指向性合成処理装置)が開示されている。
特開平08−271605号公報 特開2002−341008号公報
しかしながら、上記のようなビーム合成装置では、下記に示すような問題点があった。
第1の問題点は、広帯域信号に対するビーム合成を可及的に少ないハイドロフォン数で実現する場合、広帯域信号の高い周波数で、意図してビームを形成した方位以外にもビーム極大値であるグレーティングローブが発生し、受信信号の方位特定が困難になるという問題である。
その理由は、複数のハイドロフォンからなるアレイでビーム合成を実施する場合、ハイドロフォンの空間的な配列間隔を、受信信号の一番高い周波数fhighの波長λhighの1/2以下であるλhigh/2以下にしないと、グレーティングローブが発生してしまうからである。
一方、アレイの開口長は、受信信号の一番低い周波数flowの波長λlowに対し十分な長さを確保しないと、ビーム幅が広く(太く)なってしまう。1オクターブ以上の広帯域信号を受信する場合、一番低い周波数flowにで所望のビーム幅を形成できる開口長のアレイにおいて、ハイドロフォンをλhigh/2以下の間隔で配列すると、ハイドロフォンの数が多くなってしまう。
また、ハイドロフォンの物理的寸法は、受信帯域の低い方の周波数で決まることから、λhigh/2以下の間隔でハイドロフォンを配列できない場合もあり、結果的に受信信号の高い周波数でグレーティンブローブが発生し、受信信号の方位特定が困難なる可能性がある。
第2の問題点は、広帯域信号を受信する場合、同一アレイ寸法でビームを形成すると、高い周波数でビーム数が狭く(細く)なるので、全周にビームを形成するために必要なビーム数が多くなり、ハードウェア規模が大きくなるという問題である。
その理由は、ビーム幅は対象とする周波数の波長λとビーム形成に使用するアレイ開口長の比率で決定するからであり、1オクターブ以上の広帯域信号を受信する場合、受信信号の一番低い周波数flowで所望のビーム幅を形成する開口長のアレイとした場合、一番高い周波数fhighのビーム形成を行うとビームが狭く(細く)なり、全周に隙間無くビームを形成しようとするとfhighのビーム幅毎にビーム形成を行う必要があり、ビーム形成回路やビーム形成計算数が多くなり、ハードウェア規模が大きくなってしまう。
また、受信周波数の低い周波数と高い周波数で異なるアレイ配列としたり、周波数毎に使用するハイドロフォン数を変化させた部分アレイで形成したビームを組み合わせる方式もあるが、アレイ配列が複雑になったり、受信回路が複雑になるという欠点がある。
本発明の目的は、上述した課題である、広帯域信号に対するビーム合成を可及的に少ないハイドロフォン数で実現するとともに、高い周波数におけるグレーティングローブを低減することで、ハードウェア規模の増大を回避しつつ、受信信号の方位特定が可能なビームを形成することができるビーム合成装置、ビーム合成方法及び円筒アレイ受信システムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明のビーム合成装置は、受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手段と、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段と、を備える構成としてある。
また、本発明のビーム合成方法は、受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手順と、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手順と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手順と、を備える方法としてある。
また、本発明の円筒アレイ受信システムは、受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手段と、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段と、を備え、前記アレイが、複数のハイドロフォンを円筒状に配列した円筒アレイであり、前記整相処理手段が、各周波数分析手段の出力を入力し、各周波数分析手段の出力毎に重み付けを行うシェーディング処理手段と、所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成し得る位相量を各周波数分析手段の出力毎に入力し、位相シフトを行うフェージング処理手段と、各フェージング処理手段の出力を加算する加算処理手段と、を備え、前記位相量が、受信周波数帯域の一番低い周波数の波長λlowで所定のビーム幅φを形成するために必要な開口長L(L=(λlow・sinφ)/2)に対し、所定の分解能kで分割された周波数毎に、波長λlowと波長λk(分解能kで分割された周波数fkに対応する波長)の波長比で算出される開口長L´k(L´k=L・λk/λlow)上にハイドロフォンを仮想的に配置し、実際のハイドロフォン位置から仮想のハイドロフォン位置に投射した距離Rnに対応する位相量Φk,n(Φk,n=πRn/λk)としてある。
本発明によれば、広帯域信号に対するビーム合成を可及的に少ないハイドロフォン数で実現するとともに、高い周波数におけるグレーティングローブを低減することにより、ハードウェア規模の増大を回避しつつ、受信信号の方位特定が可能なビームを形成することができる。
本発明の実施形態に係るビーム合成装置のハイドロフォンとビーム形成方位との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るビーム合成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るビーム合成装置の整相手段を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るビーム合成装置のビーム合成方式を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るビーム合成装置の位相量を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るビーム合成装置のビーム合成結果を示すビームパターン図である。 一般的なビーム合成装置のビーム合成結果を示すビームパターン図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置のハイドロフォンとビーム形成方位との関係を示す説明図、図2は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置の構成を示すブロック図、図3は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置の整相手段を示すブロック図である。
これらの図に示すように、本発明の実施形態に係るビーム合成装置(円筒アレイ受信システム)は、複数のハイドロフォン1(1)〜1(m)からなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能kで周波数分析するFFT(高速フーリエ変換:周波数分析手段)2(1)〜2(m)と、所定の分解能kで分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段3(1)〜3(k)と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段4とを備える。
本実施形態のアレイは、複数のハイドロフォン1(1)〜1(m)を円筒状に配列した円筒アレイであり(図4参照)、各ハイドロフォン1(1)〜1(m)は、受信周波数帯域の一番高い周波数の波長λhighよりも低い周波数の波長λの1/2の間隔(λhigh/2よりも長い間隔)で配列される。
例えば、受信周波数帯域の中心周波数fcent(fcent=(flow+fhigh)/2)の波長λの1/2の間隔で各ハイドロフォン1(1)〜1(m)を配列する。
図2は、m個のハイドロフォン1(1)〜1(m)の内、ハイドロフォン1(1)〜1(n)を使用し、方位θiにビームを形成する場合の構成例を示している。
n個のハイドロフォン1(1)〜1(n)からなる配列長さ(開口長)は、受信周波数帯域の内、一番低い周波数の波長λlowでビーム幅Φを実現するために必要な開口長となるように設定されている。
図2において、FFT2(1)〜2(n)は、ハイドロフォン1(1)〜1(n)で受信された信号の周波数分析を行うものである。周波数分析分解能は、受信周波数帯域を周波数毎に実施する整相処理数kで分割した分解能である。
整相処理手段3(1)は、各ハイドロフォン1(1)〜1(n)で受信した信号の内、周波数F1成分について整相を行う処理手段である。
合成処理手段4は、周波数成分毎に形成されたビームを合成し、受信信号帯域幅全体のビームを形成する処理手段である。
次に、整相処理手段について、図3を参照して説明をする。
図3は、F=fkの周波数成分に対するビーム形成を行う整相処理手段3(k)を示しており、整相処理手段3(k)は、シェーディング処理手段31(1)〜31(n)と、フェージング処理手段32(1)〜32(n)と、加算処理手段33とを備える。
シェーディング処理手段31(1)〜31(n)は、FFT2(1)〜2(n)の出力を入力し、各FFT2(1)〜2(n)の出力毎に振幅の重み付けを行う処理であり、一般的にビームのサイドローブを抑圧するために使用される処理手段である。
フェージング処理手段32(1)〜32(n)は、図4に示すように円筒アレイに配列されたハイドロフォン1(1)〜1(n)を使用してビーム形成方位θiにビームを形成する場合に、ビーム形成方位θiから入射される平面波に対し、各ハイドロフォン出力が同位相となるような仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)上に配置するために、実際のハイドロフォン1(1)〜1(n)の配列位置と、仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)との間の距離に相当する量だけ位相シフトする処理手段である。
加算処理手段33は、シェーディング処理及びフェージング処理がなされた各ハイドロフォンFFT出力を加算することで、ビームを形成する処理手段であり、加算処理手段33の出力をVoutとすると、
Vout=ΣShading(i)・Vin(i)・exp(-jωt+Phasing(i))
となる。
次に、本発明の実施形態に係るビーム合成装置の動作及び具体的な処理内容について、図1〜図7を参照して説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置のビーム合成方式を示す説明図、図5は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置の位相量を示す説明図、図6は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置のビーム合成結果を示すビームパターン図、図7は、一般的なビーム合成装置のビーム合成結果を示すビームパターン図である。
図1のハイドロフォン1(1)〜1(m)は、それぞれ音波を受信し、電気信号に変換してFFT2(1)〜2(m)に出力する。
m個のハイドロフォン出力の内、任意の方位のビーム形成に使用するハイドロフォン数をnとする。
図1で方位θ1のビームを形成するために使用されるハイドロフォンは、ハイドロフォン1(1)〜1(n)となる。以下、方位θ1のビームを形成する場合について説明する。
FFT2(1)〜FFT2(n)は、対応する各ハイドロフォン1(1)〜1(n)の信号を分解能kで周波数分析し、k分割された周波数毎の信号(f=F1〜f=Fk)を整相処理手段3(1)〜3(k)にそれぞれ出力する。
整相処理手段3(1)は、ハイドロフォン1(1)〜1(n)からそれぞれ周波数成分f=F1の信号を入力し、整相処理を行って合成処理手段4に出力する。同様に、周波数成分f=F2〜f=Fkについても整相処理手段3(2)〜3(k)で整相処理を行い、合成処理手段4に出力する。
合成処理手段4は、各周波数成分の整相処理出力を入力して加算し、受信全帯域のビームθ1として出力する。
次に、図3を参照して、具体的な整相処理を説明する。
図3は、周波数成分f=Fkのビーム形成を行う整相処理であり、まず、各ハイドロフォン出力の振幅には、ハイドロフォン出力毎に入力されるシェーディング係数(1)〜シェーディング係数(n)が乗じられる。
シェーディング係数としては、テイラーシェーディング等、種々の係数がある。
ここで、シェーディング係数の種類は問わないが、本実施形態では、テイラーシェーディングを使用する。そして、シェーディング処理手段31(1)〜31(n)でシェーディング処理された信号は、フェージング処理手段32(1)〜32(n)に入力される。
フェージング処理手段32(1)〜32(n)は、図4に示すように円筒アレイに配列されたハイドロフォン1(1)〜1(n)を使用してビーム形成方位θiにビームを形成するにあたり、ビーム形成方位θiから入射される平面波に対し、各ハイドロフォン出力が同位相となるような仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)上に配置するために、実際のハイドロフォン1(1)〜1(n)の配列位置と、仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)との間の距離に相当する位相量分だけ各ハイドロフォン出力を位相シフトする。
加算処理手段33は、シェーディング処理及びフェージング処理がなされた各ハイドロフォンFFT出力を加算することで、ビームを形成する。加算処理手段33の出力をVoutとすると、
Vout=ΣShading(i)・Vin(i)・exp(-jωt+Phasing(i))
となる。
次に、図4及び図5を参照して、フェージング処理手段32(1)〜32(n)に入力される位相量(k,n)について説明する。
図4に示すように、本実施形態では、ハイドロフォン1(1)〜1(n)が円筒状に配列されている。
通常、ビーム形成方位θiにビームを形成する場合、図4の左側の図のようにθiから入射する平面波に対し各ハイドロフォン出力が同相となるよう、ビーム形成方位θiが法線ベクトルとなる面に各ハイドロフォン位置から垂直に降ろした線が交わる位置に仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)を配列する。そして、各ハイドロフォンFFT出力の位相量は、実際のハイドロフォン1(1)〜1(n)の各位置と仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)との距離に相当する位相量とする。
上記の位相量は、ハイドロフォン1(n)の場合、円筒アレイの半径をr、ビーム形成方位θiとハイドロフォン1(n)とのなす角度をθnとすると、実際のハイドロフォン1(n)と仮想的なハイドロフォン位置5(n)との間隔は、rcosθnとなり、周波数fk、音速cとした場合、位相量(k,n)は、2πfk・rcos(θn)/cとなる。
本発明の実施形態に係る位相量(k,n)は、図4の右側の図のように、ビーム形成方位θiから入射する平面波に対し各ハイドロフォン出力が同相となるよう、ビーム形成方位θiが法線ベクトルとなる面上で、かつ、対象とする周波数でビーム幅Φを形成するのに必要な開口長L´上に比例配分された位置に仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)を配列する。そして、各ハイドロフォンFFT出力の位相量は、実際のハイドロフォン1(1)〜1(n)の各位置と仮想的なハイドロフォン位置5(1)〜5(n)との距離に相当する位相量とする。
すなわち、本発明の実施形態に係る位相量(k,n)は、図5に示すハイドロフォン1(n)の場合、円筒アレイの半径をr、ビーム形成方位θiとハイドロフォン1(n)とのなす角度をθnとすると、実際のハイドロフォン1(n)と仮想的なハイドロフォン位置5(n)との間隔Rnは、
Rn=√((1−λk/λlow)r2sin2θi+rcos2θn)
となり、
周波数fk、音速cとした場合の位相量(k,n)は、
2πRnfk/c
となる。
ここで、λkは周波数fkの波長であり、
λk=c/fk
となる。
また、λlowは、受信信号の一番低い周波数flowの波長であり、
λlow=c/flow
となる。
図6は、本発明の実施形態に係るビーム合成装置で形成したビームパターンであり、図7は一般的なビーム合成方式で形成したビームパターンである。
図7のfhighビームパターンでは、100°方向に極大値であるグレーティングローブが発生しているのに対し、図6のfhighビームパターンでは、グレーティングローブが抑圧されていることがわかる。
このようにすると、広帯域受信に対し、受信信号の一番高い周波数の波長λhighよりも低い周波数の波長λの1/2で配列されたアレイでも、グレーティングローブを低減することにより、ハイドロフォン数を増大させずに受信信号の方位特定が可能なビームを形成することが可能になる。
また、広帯域受信に対し、受信信号(帯域)の一番高い周波数でも、低い周波数のビーム幅Φに相当したビーム数で全周にビームを形成することにより、ビーム形成に必要なハードウェア規模を小さくすることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォン1(1)〜1(n)からなるアレイと、各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析するFFT2(1)〜2(n)と、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段3(1)〜3(k)と、周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段4とを備えるので、広帯域信号に対するビーム合成を可及的に少ないハイドロフォン数で実現するだけでなく、高い周波数におけるグレーティングローブを低減することにより、ハードウェア規模の増大を回避しつつ、受信信号の方位特定が可能なビームを形成することができる。
その理由は、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔でハイドロフォン1(1)〜1(n)を配列することによってハイドロフォン数を抑えつつ、所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行うことによって高い周波数におけるグレーティングローブを低減させることが可能だからである。
また、整相処理手段3(1)〜3(k)は、各FFT2(1)〜2(n)の出力を入力し、各FFT2(1)〜2(n)の出力毎に重み付けを行うシェーディング処理手段31(1)〜31(n)と、所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成し得る位相量を各FFT2(1)〜2(n)の出力毎に入力し、位相シフトを行うフェージング処理手段32(1)〜32(n)と、各フェージング処理手段32(1)〜32(n)の出力を加算する加算処理手段33と、を備えるので、フェージング処理手段32(1)〜32(n)のフェージング処理により、所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成することが可能になる。
また、前記位相量は、受信周波数帯域の一番低い周波数の波長λlowで所定のビーム幅φを形成するために必要な開口長L(L=(λlow・sinφ)/2)に対し、所定の分解能kで分割された周波数毎に、波長λlowと波長λk(分解能kで分割された周波数fkに対応する波長)の波長比で算出される開口長L´k(L´k=L・λk/λlow)上にハイドロフォン1(1)〜1(n)を仮想的に配置し、実際のハイドロフォン1(1)〜1(n)の各位置から仮想のハイドロフォン位置5(1)〜5(n)に投射した距離Rnに対応する位相量Φk,n(Φk,n=πRn/λk)としてあるので、所定の分解能kで分割された周波数毎に、適正な量の位相シフトを行い、所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成することができる。
また、本実施形態のアレイは、複数のハイドロフォン1(1)〜1(n)を円筒状に配列した円筒アレイとしたので、円筒アレイ受信システムにおいて、本発明の実施が可能となる。
また、円筒アレイの半径をr、ビーム形成方位θiとn番目ハイドロフォン1(n)とのなす角度をθn、受信周波数帯域の一番低い周波数flowの波長をλlow、分割された周波数fkの波長をλkとすると、実際のn番目ハイドロフォン1(n)の位置と仮想的なn番目ハイドロフォン位置5(n)との間隔Rnが、
Rn=√((1−λk/λlow)r2sin2θi+rcos2θn)
であり、
音速をcとしたとき、分割された周波数fkにおけるn番目ハイドロフォン1(n)の位相量(k,n)が、
2πRnfk/c
としたので、円筒アレイ受信システムにおいても、所定の分解能kで分割された周波数毎に、適正な量の位相シフトを行い、所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成することができる。
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
たとえば、前記実施形態では、周波数分析手段としてFFT(高速フーリエ変換)を使用しているが、その他の処理要素を用いて周波数分析を行うようにしてもよい。
本発明は、複数のハイドロフォン出力にもとづいてビーム形成を行うビーム合成装置、ビーム合成方法及び円筒アレイ受信システムに適用される。
1 ハイドロフォン
2 FFT(周波数分析手段)
3 整相処理手段
4 合成処理手段
5 仮想的なハイドロフォン位置
31 シェーディング処理手段
32 フェージング処理手段
33 加算処理手段

Claims (9)

  1. 受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、
    各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手段と、
    所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段と、
    周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段と、を備えることを特徴とするビーム合成装置。
  2. 前記整相処理手段が、
    各周波数分析手段の出力を入力し、各周波数分析手段の出力毎に重み付けを行うシェーディング処理手段と、
    所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成し得る位相量を各周波数分析手段の出力毎に入力し、位相シフトを行うフェージング処理手段と、
    各フェージング処理手段の出力を加算する加算処理手段と、を備える請求項1記載のビーム合成装置。
  3. 前記位相量が、受信周波数帯域の一番低い周波数の波長λlowで所定のビーム幅φを形成するために必要な開口長L(L=(λlow・sinφ)/2)に対し、所定の分解能kで分割された周波数毎に、波長λlowと波長λk(分解能kで分割された周波数fkに対応する波長)の波長比で算出される開口長L´k(L´k=L・λk/λlow)上にハイドロフォンを仮想的に配置し、実際のハイドロフォン位置から仮想のハイドロフォン位置に投射した距離Rnに対応する位相量Φk,n(Φk,n=πRn/λk)である請求項2記載のビーム合成装置。
  4. 前記アレイが、複数のハイドロフォンを円筒状に配列した円筒アレイである請求項1〜3のいずれか一項に記載のビーム合成装置。
  5. 前記円筒アレイの半径をr、ビーム形成方位θiとn番目ハイドロフォンとのなす角度をθn、受信周波数帯域の一番低い周波数flowの波長をλlow、分割された周波数fkの波長をλkとすると、実際のn番目ハイドロフォン位置と仮想的なn番目ハイドロフォン位置との間隔Rnが、
    Rn=√((1−λk/λlow)r2sin2θi+rcos2θn)
    であり、
    音速をcとしたとき、分割された周波数fkにおけるn番目ハイドロフォンの位相量(k,n)が、
    2πRnfk/c
    である請求項4記載のビーム合成装置。
  6. 受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、
    各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手順と、
    所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手順と、
    周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手順と、を備えることを特徴とするビーム合成方法。
  7. 前記整相処理手順が、
    各周波数分析手順の出力を入力し、各周波数分析手順の出力毎に重み付けを行うシェーディング処理手順と、
    所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成し得る位相量を各周波数分析手順の出力毎に入力し、位相シフトを行うフェージング処理手順と、
    各フェージング処理手順の出力を加算する加算処理手順と、を備える請求項6記載のビーム合成方法。
  8. 受信周波数帯域の一番低い周波数にて所定のビーム幅を得る開口長で、かつ、受信周波数帯域の一番高い周波数よりも低い周波数の1/2波長の間隔で配列された複数のハイドロフォンからなるアレイと、
    各ハイドロフォン出力を所定の分解能で周波数分析する周波数分析手段と、
    所定の分解能で分割された周波数毎にビーム形成を行う整相処理手段と、
    周波数毎に形成されたビームを合成する合成処理手段と、を備え、
    前記アレイが、
    複数のハイドロフォンを円筒状に配列した円筒アレイであり、
    前記整相処理手段が、
    各周波数分析手段の出力を入力し、各周波数分析手段の出力毎に重み付けを行うシェーディング処理手段と、
    所定の方位にグレーティングローブが削減された所定幅のビームを形成し得る位相量を各周波数分析手段の出力毎に入力し、位相シフトを行うフェージング処理手段と、
    各フェージング処理手段の出力を加算する加算処理手段と、を備え、
    前記位相量が、
    受信周波数帯域の一番低い周波数の波長λlowで所定のビーム幅φを形成するために必要な開口長L(L=(λlow・sinφ)/2)に対し、所定の分解能kで分割された周波数毎に、波長λlowと波長λk(分解能kで分割された周波数fkに対応する波長)の波長比で算出される開口長L´k(L´k=L・λk/λlow)上にハイドロフォンを仮想的に配置し、実際のハイドロフォン位置から仮想のハイドロフォン位置に投射した距離Rnに対応する位相量Φk,n(Φk,n=πRn/λk)であることを特徴とする円筒アレイ受信システム。
  9. 前記円筒アレイの半径をr、ビーム形成方位θiとn番目ハイドロフォンとのなす角度をθn、受信周波数帯域の一番低い周波数flowの波長をλlow、分割された周波数fkの波長をλkとすると、実際のn番目ハイドロフォン位置と仮想的なn番目ハイドロフォン位置との間隔Rnが、
    Rn=√((1−λk/λlow)r2sin2θi+rcos2θn)
    であり、
    音速をcとしたとき、分割された周波数fkにおけるn番目ハイドロフォンの位相量(k,n)が、
    2πRnfk/c
    である請求項8記載の円筒アレイ受信システム。
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