JPH0563502A - 弾性表面波素子 - Google Patents

弾性表面波素子

Info

Publication number
JPH0563502A
JPH0563502A JP3217432A JP21743291A JPH0563502A JP H0563502 A JPH0563502 A JP H0563502A JP 3217432 A JP3217432 A JP 3217432A JP 21743291 A JP21743291 A JP 21743291A JP H0563502 A JPH0563502 A JP H0563502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
comb
electrode
surface acoustic
acoustic wave
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3217432A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Sato
良夫 佐藤
Osamu Igata
理 伊形
Tsutomu Miyashita
勉 宮下
Takashi Matsuda
隆志 松田
Mitsuo Takamatsu
光夫 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP3217432A priority Critical patent/JPH0563502A/ja
Priority to CA002062463A priority patent/CA2062463C/en
Priority to EP92302041A priority patent/EP0506249B1/en
Priority to DE69215727T priority patent/DE69215727T2/de
Priority to US07/850,835 priority patent/US5300902A/en
Priority to KR1019920005267A priority patent/KR960005384B1/ko
Publication of JPH0563502A publication Critical patent/JPH0563502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動体無線のバンドパスフィルタ等として使
用する弾性表面波素子に関し、リップルを抑えて広い帯
域に渡り一定の通過特性を有する弾性表面波素子を提供
することを目的とする。 【構成】 圧電体基板上に設けた複数の第1の櫛形電極
A:1A〜6A;1A'〜6A' と、該第1の櫛形電極に対して交
互に入り組ませて配列した第2の櫛形電極B:1B〜7B;1
B'〜7B' とを具備し、各櫛形電極の櫛歯の周期をλ, 任
意の整数をn, βを0.17〜0.25として、前記第1の櫛形
電極と第2の櫛形電極と中心間距離dを、d=(n+
β)・λとした多電極構成の弾性表面波素子を鏡映対称
的に2組配置した弾性表面波素子であって、櫛形電極列
の最外側にある前記第2の櫛形電極7B,7B'のさらに外側
に、櫛形電極の中心間距離d' として、d' =n・λも
しくは(n+1/2)・λの長さだけ離した位置に、少なく
とも1つ以上の弾性表面波を反射する反射器C:1C,1
C';2C,2C' を設けるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波素子に関し、
特に、移動体無線のバンドパスフィルタ等として使用す
る弾性表面波素子に関する。弾性表面波素子は、圧電体
基板と、該圧電体基板上に設けられ、電圧を弾性表面波
に変換または逆変換する櫛形電極とから構成されてい
る。この弾性表面波素子は、櫛形電極を用いることによ
り、高周波電圧を波長が10-5倍程度の弾性表面波に変換
し、圧電体基板の表面を伝播させた後、再び櫛形電極を
用いて該弾性表面波を電圧に変換するようになってい
る。
【0002】弾性表面波素子は、この2回の変換の際に
おいて、櫛形電極の形状による周波数選択が可能であ
り、フィルターとしての機能を有することになる。ここ
で、弾性表面波素子における櫛形電極を複数並べるか、
若しくは櫛形電極の両側に弾性表面波の反射器を設ける
ことにより、弾性表面波を共振させることができるた
め、弾性表面波素子に共振子としての機能を持たせるこ
ともできる。さらに、弾性表面波素子は、使用する圧電
材料により伝播速度を電磁波の10-5倍程度に遅くするこ
とできるため遅延素子として使用することもできる。
【0003】そして、弾性表面波素子は、上述した様々
な機能を利用して小型且つ安価で調整が不要なフィルタ
ー、共振子、および、遅延線等への応用が実用化されて
いる。例えば、中間周波数フィルタ(IFフィルタ)、
発振器用の共振子、電圧制御発振器(VCO)等に利用
されている。近年、弾性表面波素子は、高周波化が進め
られ、小形且つ安価である特徴を活かして、自動車電話
や携帯電話等の移動体無線のバンドパスフィルタ等とし
て利用されるようになり、広い帯域に渡って一定の通過
特性を有する弾性表面波素子が要望されている。
【0004】
【従来の技術】従来、弾性表面波素子において、低損失
で且つ高い阻止域減衰量を得る方法として特願平3-661
19号が提案されている。しかし、特願平3-66119号にお
いては、帯域内のリップルの低減に関してはまだ十分と
はいえなかった。図5は従来の弾性表面波素子の一例を
概略的に示す図であり、図6は図5の弾性表面波素子に
おける1つのユニットの構成を示す図である。
【0005】弾性表面波素子(フィルタ)は、図6に示
されるように、圧電材料であるリチウムタンタレート(L
iTO3) 結晶上にアルミニウム・銅(Al-Cu) のスパッタ膜
(例えば、厚さ: 1000Å)で櫛形パターンを形成して構
成される。ここで、図6に示すユニットを図5における
ユニット10とすると、上方の入出力櫛形電極1Aは入力に
接続され、また、下方の櫛形電極は接地されることにな
る。
【0006】図5に示されるように、弾性表面波素子
は、入出力櫛形電極A(1A〜6A,1A'〜6A')が6段ずつ設
けられ(ここで、櫛形電極の対数は、例えば、22
対)、また、接続電極B(1B-1B'〜7B-7B') が7段ずつ
設けられ(ここで、櫛形電極の対数は、例えば、30
対)て構成されている。また、両側の接続電極(1B-1B',
7B-7B') の外側には、弾性表面波を反射するための反射
器C(1C,1C',2C,2C')が合計4つ設けられている。さら
に、図5から明らかなように、櫛形電極1A〜6A, 接続電
極1B〜7B, 反射器1C,2C と、櫛形電極 1A'〜6A',接続電
極 1B'〜7B',反射器1C',2C' とは、直線Lに対して鏡映
対称となるように構成されている。
【0007】ここで、図5に示されるように、入出力用
櫛形電極Aと接続電極Bの中心間距離、例えば、入出力
用櫛形電極6A(6A') と接続電極7B(7B') の中心間距離d
は、d=(30+1/4)λ= 30.25λの長さだけ隔てられてい
る。また、接続電極Bと反射器Cとの中心間距離、例え
ば、接続電極7B(7B') と反射器2C(2C') の中心間距離
は、入出力用櫛形電極Aと接続電極Bの中心間距離dと
同じ長さとされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7は図5の弾性表面
波素子におけるフィルタの通過特性を示す図である。同
図に示すフィルタ(弾性表面波素子)の通過特性おいて
は、リップルの状況がよくわかるようにインピーダンス
整合を取っていない場合が示されている。図7に示され
るように、図5の弾性表面波素子(フィルタ)の通過特
性では、通過帯域において約2.5dB のリップルを有する
ことがわかる。このように、フィルタの通過特性に大き
なリップルが存在していると、例えば、移動体無線の使
用帯域において、各チャネル毎に利得が異なることにな
り、好ましくない。
【0009】本発明は、上述した従来の弾性表面波素子
が有する課題に鑑み、リップルを抑えて広い帯域に渡り
一定の通過特性を有する弾性表面波素子を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電体
基板上に設けた複数の第1の櫛形電極A:1A〜6A;1A'〜
6A' と、該第1の櫛形電極に対して交互に入り組ませて
配列した第2の櫛形電極B:1B〜7B;1B'〜7B' とを具備
し、各櫛形電極の櫛歯の周期をλ, 任意の整数をn, β
を0.17〜0.25として、前記第1の櫛形電極と第2の櫛形
電極と中心間距離dを、d=(n+β)・λとした多電
極構成の弾性表面波素子を鏡映対称的に2組配置した弾
性表面波素子であって、前記2組の相対応する前記第2
の櫛形電極間をそれぞれ接続して接続電極1B-1B'〜7B-7
B'を構成し、前記一方の組の第1の櫛形電極1A〜6Aを入
力端とし、前記他方の組の第1の櫛形電極 1A'〜6A' を
出力端として構成し、前記各組の第1の櫛形電極の電極
段数NA が前記各組の第2の櫛形電極の電極段数NB
同数か、或いは、1つ少ない構成の弾性表面波素子にお
いて、櫛形電極列の最外側にある前記第2の櫛形電極7
B,7B'のさらに外側に、櫛形電極の中心間距離d' とし
て、d' =n・λもしくは(n+1/2)・λの長さだけ離
した位置に、少なくとも1つ以上の弾性表面波を反射す
る反射器C:1C,1C';2C,2C' を設けたことを特徴とする
弾性表面波素子が提供される。
【0011】
【作用】本発明の弾性表面波素子によれば、櫛形電極列
の最外側にある第2の櫛形電極7B,7B'のさらに外側に、
櫛形電極の中心間距離d'として、d' =n・λもしく
は(n+1/2)・λの長さだけ離した位置に、少なくとも
1つ以上の弾性表面波を反射する反射器C:1C,1C';2C,
2C' が設けられる。これにより、該反射器に伝えられた
表面波の位相を同相として反射することができる。ここ
で、反射器C:1C,1C';2C,2C' は、主応答波に対しては
影響を与えずに、遅れ波(第1次遅れ波)の位相を同相
として反射することになる。これによって、リップルを
抑えて広い帯域に渡り一定の通過特性を持たせることが
できる。
【0012】
【実施例】本発明の弾性表面波素子の実施例を説明する
前に、弾性表面波素子(フィルタ)において、リップル
が生じる原因を図8〜図12を参照して説明する。ま
ず、帯域内にリップルが発生する理由は、例えば、特願
平2-69121号にも開示されているように、遅れ波(エコ
ー波)の存在にある。一般に、本発明で対象とする多電
極構成のフィルタ(弾性表面波素子)では、主応答波の
後から幾次かの遅れ波を次々と受信される。
【0013】図8は弾性表面波素子におけるインパルス
応答を示す波形図であり、図9は弾性表面波素子におけ
るインパルス応答を説明するための図である。図8に示
されるように、図9に示す弾性表面波素子の出力端子に
は、主応答(波)W0 に対して、時間τ1 だけ遅れて第
1次遅れ波W1,時間τ2 だけ遅れて第2次遅れ波W2,時
間τ3だけ遅れて第3次遅れ波W3,……がエコー波とし
て現出する。このエコー波は、図9に示す構成を有する
弾性表面波素子の入力端子にインパルス状の電圧を印可
した時に出力端子に現れる電気的応答でインパルス応答
と呼ばれるものである。
【0014】このようなエコー波W1,W2,W3,……が現
れる原因は、図9に示されるように、櫛形電極間での弾
性表面波の多重反射や透過にある。例えば、入力の櫛形
電極2Aから発生した弾性表面波は左右へ伝播して行く
が、そのうち右側のみに着目すると、経路P1を経て接続
電極3Bに到り、ここで一旦電気信号に変換され、さら
に、接続線による経路P2を経て、再び接続電極3B' から
弾性表面波が発生される(実際には、この時も両側へ発
生する)。そして、経路P3を経て最終的に出力の櫛形電
極2A' に到り電気信号として出力端子に現出する。これ
は、インパルスに対する最短の応答で主応答波W0 に対
応する。主応答(波)の経路は、上述した経路の他にも
多数あり、この主応答が最も振幅が大きく、その結果、
図8に示されるような主応答波W0 となる。
【0015】また、第1次遅れ波W1 についても多くの
経路が考えられるが、いくつかの例を示すと、図9に示
すように、経路P4→P2→P3(櫛形電極2Aと接続電極3B
との間での多重反射),経路P5→P2→P3(接続電極3Bの
透過波が櫛形電極3Aで反射され接続電極3Bへ戻り、接続
電極3B' から櫛形電極2A' に伝わったもの),経路P7
P8→P9(接続電極3Bおよび櫛形電極3Aを透過し接続電極
4Bで受信した後、接続電極4B' から櫛形電極3A' へ伝わ
ったもの)等が考えられ、これらはすべて同じ時間遅れ
(例えば、τ1 )となる。また、1組目のフィルタを最
短経路(時間)で通過し、2組目のフィルタで多重反射
や透過した波も同じ時間遅れの遅れ波となる。そして、
これらの様々な波が重なりあって、第1次遅れ波W1
なる。ここで、第1次遅れ波W1 の振幅は、反射や透過
を経るために、その振幅は主応答に比べて小さくなる。
また、時間遅れτ1 は次式から求められる。
【0016】 τ1 =2・d/V =2・(n+β)・λ/V=2・(n+β)・τ0 …… (1) ここで、dは櫛形電極の中心間距離, Vはdでの平均音
速, nは整数, βは1以下の実数, そして, τ0 は櫛形
電極の1周期を伝播する時間で共振周波数f0 の逆数を
示している。
【0017】同様に、第2次遅れ波W2 に関しても多く
の経路が考えられるが、その振幅はさらに小さくなり、
且つ、時間遅れτ2 はτ1 の2倍となる。以下、第3次
以降の遅れ波(W3,……)がτ1 の間隔をおいて、順次
現れることになる。通常、この遅れ波は、通過帯域内に
リップルを生ずるため不要波として扱われており、如何
にこの不要波を抑制するかに注意が払われてきた。しか
し、これをうまく利用すると帯域を広げることができる
ことが特願平2-69121号に開示されている。
【0018】図10は弾性表面波素子における主応答波
と遅れ波との位相関係を示す図であり、図11は図10
に示すインパルス応答をフーリェ変換した通過特性を示
す図である。図10(a) に示される波形(図8のインパ
ルス応答を示す波形図に対応)は、図10(b) および
(c) に示されるように、第1, 第3, …の奇数次の遅れ
波W1,W3,…の位相を主応答波W0 の位相と逆になるよ
うに構成(図10(b) 参照)し、且つ、偶数次の遅れ波
2,W4,…の位相を主応答波W0 の位相と同じになるよ
うに構成(図10(c) 参照)することで、図11に示さ
れるような、通過帯域が平らな特性のフィルタ(弾性表
面波素子)を得ることができる。
【0019】図12は図10に示すインパルス応答にお
いて、第1次遅れ波の位相が主応答波と同相の場合の通
過特性を示す図である。以上において、もし、奇数次の
遅れ波W1,W3,…も主応答波W0 と同相になった場合
は、図12に示されるように、通過帯域が山状になり、
平らな通過特性が得られない。従って、良好な通過帯域
を得るには、奇数次の遅れ波W1,W3,…を主応答波W0
と逆相にすることが必須だが、これを具体的に実現する
手段が櫛形電極間の距離dを(n+β)・λ(β:0.17
〜0.25の値)とすることである。これにより、前記 (1)
式よりτ1 に2βの項が現れるため、βが1/4(=0.25)の
時 1/2(=0.5 τ0) の項が加わって奇数次の遅れ波W1,
3,…が主応答波W0 と逆相になるわけであるが、実際
にはβが0.17〜0.25の範囲で効果が見られることが実験
的に確かめられている。
【0020】ところが、図11に示すように、遅れ波の
振幅が適度な強さ(第1次遅れ波の電力が主応答電力の
約1/10程度)と適度な時間遅れ(τ1 の逆数が必要
な帯域幅程度)の場合には、通過帯域が平らになるが、
遅れ波の振幅が必要以上に大きい場合には、平らな通過
帯域に不要なリップルが現れることになる。そこで、何
らかの方法で第1次遅れ波W1 の振幅を適当な強さに制
御してやる手段が必要となる。ここで、遅れ波(エコー
波)の中では、第1次遅れ波W1 が最も振幅が大きく通
過帯域に与える影響も大きいため、この第1次遅れ波W
1 を制御することで帯域におけるリップルを実用上問題
とならない程度に低減することができる。
【0021】そのためには、逆相の遅れ波に同相の遅れ
波を少し加えることで第1次遅れ波W1 の大きさ(振
幅)を調整する。この時、注意すべき点は、第1次遅れ
波W1 の大きさの調整によって、主応答波W0 の振幅を
弱めてはならないということである。すなわち、主応答
波W0 の振幅が弱まると通過帯域の挿入損そのものが劣
化してしまうためである。
【0022】ところで、図9に示す弾性表面波素子にお
ける入出力電極A,A’と接続電極B,B’間の中心距
離dを1部変更し、 d’=n・λ または d’=(n+1/2)・λ …… (2) とする方法が考えられるが、この方法は主応答(主応答
波W0)の一部に 0.5λずれた応答が加わり、主応答その
ものが弱まってしまうため不適当である。そこで主応答
には直接関与しない方法を考える必要がある。
【0023】以下、本発明に弾性表面波素子の実施例を
図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明に係る弾
性表面波素子の一実施例を概略的に示す図である。同図
に示されるように、本実施例の弾性表面波素子は、入出
力櫛形電極A(1A〜6A,1A'〜6A')が6段ずつ設けられ
(ここで、櫛形電極の対数は、例えば、22対)、ま
た、接続電極B (1B-1B'〜7B-7B') が7段ずつ設けられ
(ここで、櫛形電極の対数は、例えば、30対)で構成
されている。また、両側の接続電極(1B-1B',7B-7B') の
外側には、弾性表面波を反射するための反射器C(1C,1
C',2C,2C') が合計4つ設けられている。さらに、図1
から明らかなように、櫛形電極1A〜6A, 接続電極1B〜7
B, 反射器1C,2C と、櫛形電極 1A'〜6A',接続電極 1B'
〜7B',反射器1C',2C' とは、直線Lに対して鏡映対称と
なるように構成されている。この弾性表面波素子の構成
は、基本的には、図5に示す従来の弾性表面波素子と同
様のものである。ここで、反射器は、両側の接続電極1B
-1B',7B-7B' の外側の4ヵ所全てに設ける必要はなく、
例えば、接続電極1Bおよび7Bの外側にだけ反射器1Cおよ
び2Cを設けるように構成しても本実施例の効果を得るこ
とができる。
【0024】ここで、弾性表面波素子(フィルタ)を構
成する各ユニットは、前述した図6と同様に、圧電材料
であるリチウムタンタレート(LiTO3) 結晶上にアルミニ
ウム・銅(Al-Cu) のスパッタ膜(例えば、厚さ: 1000
Å)で櫛形パターンを形成して構成される。また、反射
器C(1C,1C',2C,2C') は、櫛形電極またはストリップ電
極で構成されている。尚、ストリップ電極は、複数の直
線状の電極パターンで構成されており、櫛形電極とは櫛
歯の根元部が共通に接続されていない点で異なってい
る。また、櫛形電極の対数は、入出力用櫛形電極A(1A
〜6A,1A'〜6A')の対数と同一にする必要はない。
【0025】以上において、図1に示されるように、入
出力用櫛形電極Aと接続電極Bの中心間距離、例えば、
入出力用櫛形電極6A(6A') と接続電極7B(7B') の中心間
距離dは、d= (30+1/4)・λ= 30.25λの長さだけ隔
てられている。しかし、本実施例の弾性表面波素子にお
いては、接続電極Bと反射器Cとの中心間距離は、例え
ば、接続電極7B(7B') と反射器2C(2C') の中心間距離
d’は、d’=30λとなっている。このように、最外
側の反射器C(1C,1C',2C,2C') のみを、隣接する櫛形電
極B(1B,1B',7B,7B') との距離d’を、d' =n・λも
しくは(n+1/2)・λの長さとして、主応答波に対して
は影響を与えずに、遅れ波(第1次遅れ波)の位相を同
相として反射するようになっている。尚、これはすべて
の反射器で行う必要はなく、多電極の構成段数と仕様に
応じて適宜調整することはいうまでもない。
【0026】ここで、図1の弾性表面波素子において、
外側の接続電極1B-1B'および7B-7B'を取り除き、代わり
に反射器1C,1C'2C,2C'の少なくとも1つ以上をd’=n
・λまたはd’=n/2・λの位置に設けた場合でも本
実施例の効果を同様に得ることができる。図2は本発明
に係る弾性表面波素子の他の実施例を概略的に示す図で
ある。同図に示されるように、本実施例の弾性表面波素
子は、図1に示す弾性表面波素子における反射器C(1C,
1C',2C,2C') の代わりに、接続電極D(1D-1D',2D-2D')
を設けたものである。ここで、接続電極D(1D-1D',2D-2
D') は、対数16対の櫛形電極とされ、該接続電極1D-1
D'(2D-2D')と最外側の接続電極1B-1B'(7B-7B')との中心
間距離d’は、d’=30λとなっている。これによ
り、図2に示されるように、主応答の経路 P11→ P13
P15に対して、第1次遅れ波を経路 P11→ P12→ P14
P16→ P15に沿って発生させることができる。従って、
距離d’を、d' =n・λもしくは(n+1/2)・λの長
さとすることにより、主応答波に対しては影響を与え
ず、遅れ波(第1次遅れ波)の位相を同相とすることが
できる。尚、この場合、接続電極D(1D-1D',2D-2D')
は、全ての段の両側部に設ける必要はなく、適宜調整す
ることができる。
【0027】図3は本発明および従来の弾性表面波素子
におけるフィルタの通過特性を比較して示す図であり、
同図(a) は従来例の通過特性を示し、同図(b) は本実施
例の通過特性を示している。ここで、両者共にリップル
が比較し易いようインピーダンス整合は特別にとってい
ない。また、図3(b) の通過特性は、上述した図1およ
び図2に示す2つの実施例に共通のものである。
【0028】図3(a) および(b) の比較から明らかなよ
うに、従来例では、2.5dB あったリップルが、本実施例
によれば、1.5dB へと約1dB改善されたことが示され
る。この効果をさらに確認するため、それぞれの逆フー
リエ変換をとり、時間軸上の応答(インパルス応答)を
求めた結果が図4に示される。図4は本発明および従来
の弾性表面波素子におけるフィルタ特性のインパルス応
答を比較して示す図であり、同図(a) は従来例のインパ
ルス特性を示し、同図(b) は本実施例のインパルス特性
を示している。ここで、両者共に応答振幅は、波のパワ
ー(振幅の二乗)の常用対数値で求めている。
【0029】図4(a) および(b) の比較から明らかなよ
うに、従来例では、−8dBあった主応答(主応答波W0)
に対する第1次遅れ波(W1)の電力は、本実施例によれ
ば、−9.5dB とより小さく抑えられていることが示され
る。上述したように、本実施例によれば、主応答に対す
る第1次遅れ波の電力を調整することが可能であり、そ
の結果、適切な大きさの逆相波が第1次遅れ波として得
ることができる。その結果、通過帯域のリップルを低く
抑えて、しかも平坦な通過特性を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の弾性表
面波素子によれば、最外側の接続電極と該接続電極のさ
らに外側に設けた反射器との中心間距離d’を、d’=
30λとすることによって、リップルを抑えて広い帯域
に渡り一定の通過特性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波素子の一実施例を概略
的に示す図である。
【図2】本発明に係る弾性表面波素子の他の実施例を概
略的に示す図である。
【図3】本発明および従来の弾性表面波素子におけるフ
ィルタの通過特性を比較して示す図である。
【図4】本発明および従来の弾性表面波素子におけるフ
ィルタ特性のインパルス応答を比較して示す図である。
【図5】従来の弾性表面波素子の一例を概略的に示す図
である。
【図6】図5の弾性表面波素子における1つのユニット
の構成を示す図である。
【図7】図5の弾性表面波素子におけるフィルタの通過
特性を示す図である。
【図8】弾性表面波素子におけるインパルス応答を示す
波形図である。
【図9】弾性表面波素子におけるインパルス応答を説明
するための図である。
【図10】弾性表面波素子における主応答波と遅れ波と
の位相関係を示す図である。
【図11】図10に示すインパルス応答をフーリェ変換
した通過特性を示す図である。
【図12】図10に示すインパルス応答において、第1
次遅れ波の位相が主応答波と同相の場合の通過特性を示
す図である。
【符号の説明】
A:1A〜6A;1A'〜6A' …第1の櫛形電極 B:1B〜7B;1B'〜7B'(1B-1B'〜7B-7B') …第2の櫛形電
極(接続電極) C:1C,1C';2C,2C' …反射器 D:1D,1D';2D,2D'(1D-1D';2D-2D')…第3の櫛形電極
(接続電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 隆志 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 高松 光夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体基板上に設けた複数の第1の櫛形
    電極(A:1A〜6A;1A'〜6A')と、該第1の櫛形電極に対
    して交互に入り組ませて配列した第2の櫛形電極(B:
    1B〜7B;1B'〜7B')とを具備し、各櫛形電極の櫛歯の周期
    をλ, 任意の整数をn, βを0.17〜0.25として、前記第
    1の櫛形電極と第2の櫛形電極と中心間距離dを、d=
    (n+β)・λとした多電極構成の弾性表面波素子を鏡
    映対称的に2組配置した弾性表面波素子であって、 前記2組の相対応する前記第2の櫛形電極間をそれぞれ
    接続して接続電極(1B-1B'〜7B-7B') を構成し、前記一
    方の組の第1の櫛形電極(1A〜6A)を入力端とし、前記
    他方の組の第1の櫛形電極(1A'〜6A')を出力端として構
    成し、前記各組の第1の櫛形電極の電極段数(NA )が
    前記各組の第2の櫛形電極の電極段数(NB )と同数
    か、或いは、1つ少ない構成の弾性表面波素子におい
    て、 櫛形電極列の最外側にある前記第2の櫛形電極(7B,7
    B') のさらに外側に、櫛形電極の中心間距離d' とし
    て、d' =n・λもしくは(n+1/2)・λの長さだけ離
    した位置に、少なくとも1つ以上の弾性表面波を反射す
    る反射器(C:1C,1C';2C,2C')を設けたことを特徴とす
    る弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記反射器は、櫛形電極またはストリッ
    プ電極で構成されていることを特徴とする請求項1の弾
    性表面波素子。
  3. 【請求項3】 圧電体基板上に設けた複数の第1の櫛形
    電極(A:1A〜6A;1A'〜6A')と、該第1の櫛形電極に対
    して交互に入り組ませて配列した第2の櫛形電極(B:
    1B〜7B;1B'〜7B')とを具備し、各櫛形電極の櫛歯の周期
    をλ, 任意の整数をn, βを0.17〜0.25として、前記第
    1の櫛形電極と第2の櫛形電極と中心間距離dを、d=
    (n+β)・λとした多電極構成の弾性表面波素子を鏡
    映対称的に2組配置した弾性表面波素子であって、 前記2組の相対応する前記第2の櫛形電極間をそれぞれ
    接続して接続電極(1B-1B'〜7B-7B') を構成し、前記一
    方の組の第1の櫛形電極(1A〜6A)を入力端とし、前記
    他方の組の第1の櫛形電極(1A'〜6A')を出力端として構
    成し、前記各組の第1の櫛形電極の電極段数(NA )が
    前記各組の第2の櫛形電極の電極段数(NB )と同数
    か、或いは、1つ少ない構成の弾性表面波素子におい
    て、 櫛形電極列の最外側にある前記第2の櫛形電極(7B,7
    B') のさらに外側に、櫛形電極の中心間距離d' とし
    て、d' =n・λもしくは(n+1/2)・λの長さだけ離
    した位置に、第3の櫛形電極(D:1D,1D';2D,2D')を設
    け、該2組の相対応する該第3の櫛形電極間をそれぞれ
    接続して接続電極(1D-1D';2D-2D')を構成したことを特
    徴とする弾性表面波素子。
JP3217432A 1991-03-29 1991-08-28 弾性表面波素子 Pending JPH0563502A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3217432A JPH0563502A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 弾性表面波素子
CA002062463A CA2062463C (en) 1991-03-29 1992-03-06 Surface acoustic wave device for band-pass filter having small insertion loss and predetermined pass-band characteristics for broad band
EP92302041A EP0506249B1 (en) 1991-03-29 1992-03-10 Surface acoustic wave device for band-pass filter having small insertion loss and predetermined pass-band characteristics for broad band
DE69215727T DE69215727T2 (de) 1991-03-29 1992-03-10 Akustische Oberflächenwellenanordnung für Bandpassfilter mit geringer Einfügungsdämpfung und vorbestimmter Bandpasskennlinie für Breitbandigkeit
US07/850,835 US5300902A (en) 1991-03-29 1992-03-13 Surface acoustic wave device for band-pass filter having small insertion loss and predetermined pass-band characteristics for broad band
KR1019920005267A KR960005384B1 (ko) 1991-03-29 1992-03-30 넓은 대역에 대한 소정 통과대역 특성과 적은 삽입손실을 갖는 대역 필터용 표면 탄성파 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3217432A JPH0563502A (ja) 1991-08-28 1991-08-28 弾性表面波素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0563502A true JPH0563502A (ja) 1993-03-12

Family

ID=16704132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3217432A Pending JPH0563502A (ja) 1991-03-29 1991-08-28 弾性表面波素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0563502A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6091710A (ja) * 1983-10-25 1985-05-23 Nec Corp 弾性表面波フイルタ
JPS60105310A (ja) * 1983-11-14 1985-06-10 Oki Electric Ind Co Ltd 表面弾性波フイルタ
JPH0391311A (ja) * 1989-09-04 1991-04-16 Japan Radio Co Ltd 弾性表面波フィルタ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6091710A (ja) * 1983-10-25 1985-05-23 Nec Corp 弾性表面波フイルタ
JPS60105310A (ja) * 1983-11-14 1985-06-10 Oki Electric Ind Co Ltd 表面弾性波フイルタ
JPH0391311A (ja) * 1989-09-04 1991-04-16 Japan Radio Co Ltd 弾性表面波フィルタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100346805B1 (ko) 탄성표면파장치
JP3746194B2 (ja) 少なくとも2つの表面波構造体を備えた表面波装置
JP4090250B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JP4430228B2 (ja) 改善されたエッジ急峻特性付きの表面弾性波フィルタ
KR100280609B1 (ko) 탄성표면파필터
US5646584A (en) Saw filter including electrodes of opposing polarity
KR100383876B1 (ko) 탄성 표면파 필터, 듀플렉서 및 통신 장치
JPH07283682A (ja) 弾性表面波共振子フィルタ
JPH06334476A (ja) 弾性表面波フィルタ
EP1104952B1 (en) Surface acoustic wave device
KR100379601B1 (ko) 통과대역의 편평도를 향상시키는 탄성 표면파 필터 및이의 제조 방법
US5426339A (en) Surface acoustic wave devices with mode changing characteristics
JP3695353B2 (ja) トランスバーサル型弾性表面波フィルタ
JP3341709B2 (ja) 表面波装置及びそれを用いた通信装置
KR960005384B1 (ko) 넓은 대역에 대한 소정 통과대역 특성과 적은 삽입손실을 갖는 대역 필터용 표면 탄성파 장치
KR100308220B1 (ko) 이중 반사 격자를 갖는 음향파 공진기 및 필터
JPH11234085A (ja) 弾性表面波フィルタ
US5175711A (en) Surface acoustic wave apparatus and method of productivity and adjustment of the same
JP4251409B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JPH053169B2 (ja)
JPH10261935A (ja) 弾性表面波素子
JPH0563502A (ja) 弾性表面波素子
JP4155104B2 (ja) 弾性表面波装置
KR0185516B1 (ko) 표면파 공진자
JPH08265099A (ja) 共振器型弾性表面波フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19981117