JPH0563289B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は射出成形機に応用できる金型パーテイ
ング面変位による射出制御方法に関するものであ
る。

（従来技術） 一般的な従来の射出制御方法について説明する
と、第６図は回路図、第７図は制御変数グラフを
示す。第６図において、原料樹脂は図示しないホ
ツパからシリンダ５内のスクリユ６の右側部に供
給され、図示しないヒータによる加熱と、油圧モ
ータ１０で駆動されるスクリユ６の回転により溶
融可塑化され、スクリユ６の前方へ送られて溶融
樹脂４として貯えられる。

一方油圧流入源１４から比例電磁流量制御弁１
１３を経て、圧力油を射出シリンダ８の図示の側
へ送ることにより、軸受箱９を介してスクリユ６
を図の左方へ前進させ、同スクリユ６の先端の溶
融樹脂４を成形品キヤビテイ２０へ射出する。な
お、図中３はノズル、１０１は固定側金型、１０
２は可動側金型、１１１はコントローラである。

次に第７図において、Poは射出シリンダ８の
射出油圧で油圧センサ１６の検出値である。V₁
はスクリユ６の前進速度で一般に射出速度と呼ば
れている。ｔは時間で、、、、は射出区
間を示す。通常〜のように射出速度V₁を変
化させて成形不良を防ぎ、品質を向上させる。ま
たの区間は、射出保持で成形品キヤビテイ２０
の溶融樹脂が冷却収縮する分を補うため、一定の
射出油圧を作用させる。なお、、、の区間
は、時間ｔの代りにスクリユ位置センサ１５で検
出されるスクリユ位置により設定することもある 第７図で実線グラフのように目標制御される。
点線グラフは、従属変数値を示す。Pmaxは電磁
リリーフ弁１１２の設定値である。また〜の
各区間では図示のようなV₁（一定値部分）となる
よう、第６図の比例電磁流量制御弁１１３で射出
油量を制御し、の区間では図のようなPo（一定
値）となるよう、第６図の電磁リリーフ弁１１２
で射出油圧を制御する。

しかしこの従来例の場合では、第７図の矢印Ａ
で示すような射出油圧のオーバシユートを生じた
り、区間の射出保持油圧Poが一定でも油温、
機械温度、金型温度、樹脂温度などが一定でない
ため、肝心の金型キヤビテイ内の樹脂圧力がばら
ついていたりする。また条件変動や条件設定ミス
などにより、キヤビテイ内樹脂圧力が型締力に打
ち勝つて金型を押し開き、開かれた隙間へ溶融樹
脂がはみ出してバリを生じたりもする。射出成形
では１度バリが出るとくせになり易く、また金型
を痛めてしまう。上述のように従来例では、バリ
と直接結びつく変量を検出、制御していないの
で、確実にバリを防止することができなかつた。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、確実なバリ防止が可能な方法を得
ることを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） このため本発明は、射出時固定金型と可動金型
のパーテイング面が密着状態での少なくとも一方
の金型のパーテイング面に垂直方向の歪みに基づ
く変位量を検出し、同変位量を制御変数として射
出圧力を制御するようにしてなるもので、これを
課題解決のための手段とするものである。

（作用） 本発明は、射出時固定金型と可動金型のパーテ
イング面が密着状態での少なくとも一方の金型の
パーテイング面に垂直方向の歪みに基づく変位量
を検出し、同変位置を制御変数として射出圧力を
制御するものである。バリは金型パーテイング面
が開いた時の〓間に樹脂が流れ出て生じるため、
本発明では金型パーテイング面が全く開かないよ
うに制御することにより、確実にバリの発生を防
止できる。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面について説明する
と、第１図に本発明の実施例を示す。また第１図
のＢ部にはパーテイング面変位検出装置が組込ま
れている。Ｂ部詳細を第２図に示す。さて第１図
において、１は固定側金型、２は可動側金型、２
４は成形品キヤビテイ、７はパーテイング面変位
検出装置で、成形品のバリの出易い所に設けられ
ている。また１１はコントローラ、１２はリリー
フ弁、１３はサーボ弁であり、その他の符合３〜
６、８〜１０、１４〜１６は第１図と同じである
ので、ここではこれらの説明は省略する。

次に第１図のＢ部、即ちパーテイング面変位検
出装置７の詳細を示す第２図において、１Ｐは固
定側金型のパーテイング面、２Ｐは可動側金型の
パーテイング面、２１は変位センサで取付スリー
ブ２２にはめ込まれている。取付スリーブ２２は
一端を固定側金型１に固定され、他端にゴムパツ
ド２３が取付スリーブ２２の抜け防止のために貼
付けられており、図のように金型が閉じた状態で
はゴムパツド２３が少し圧縮される寸法関係にな
つている。

２４は止めねじで、変位センサ２１が取付スリ
ーブ２２から抜けないようにするためのものであ
る。２１ａは変位センサ２１のリード線で、金型
の外部へ導かれ、第１図のコントローラ１１へつ
ながつている。取付スリーブ２２は、例えば固定
側金型１に圧入されており、取付スリーブ２２の
肩２２ａは金型１にしつかりと密着している。し
かし使用中にこの肩部の密着がゆるむと、ギヤツ
プ測定の誤差となるので、これを防止するため、
金型が閉鎖される時、常に取付スリーブ２２は、
ゴムパツド２３で押圧される様にしている。

次に以上の如く構成された実施例について作用
を説明すると、第１図において油圧流入源１４か
らサーボ弁１３を経て、圧力油を射出シリンダ８
の図示の側へ送ることにより、軸受箱９を介して
スクリユ６を図の左側へ前進させ、同スクリユ６
の先端の溶融樹脂４を成形品キヤビテイ２０へ射
出する。なお、リリーフ弁１２は油圧が上がりす
ぎた時、リリーフさせる安全弁である。

またパーテイング面変位検出装置７は、第２図
における〓間δ（一方の金型のパーテイング面と
基準面との距離を示し、以下パーテイング面変位
と云い、文意により変位量をも示すものとする。）
を検出するものである。即ち、第２図において、
変位センサ２１は隙間δに比例した出力（電圧ま
たは電流）を、リード線２１ａを通して発生させ
る。なお、このような変位センサ２１は、一般に
ギヤツプセンサと云われて市販されているもの
で、これには静電容量形、うず電流形等色々あ
る。

さて第１図においてパーテイング面変位検出装
置７により検出された変位（第２図の隙間δ）
は、コントローラ１１へ送られ、コントローラ１
１ではパーテイング面変位が第３図、第４図に示
すように初期の変位δsまで戻らないよう射出制御
する。ここでδsは金型１が閉じた直後で、型締力
が作用しない状態のパーテイング面変位である。

第３図において型締昇圧区間ａでは、パーテイ
ング面受圧力増加に伴う金型の圧縮変形のため、
第２図の隙間δで表わされるパーテイング面変位
は減少し、最小値δAに達する。続いて射出充填
区間ｆにおいて、成形品キヤビテイ２０の樹脂圧
力が金型を開く向きに作用するため、前記圧縮変
形が減少し、従つてパーテイング面変位が増え始
め、射出保持圧区間ｈへ切替わる点ｃで最大変位
δcになる。前記区間ｈではキヤビテイ内樹脂の冷
却につれて樹脂圧力が下がつてくるため、前記圧
縮変形が再び増加し、従つてパーテイング面変位
（隙間δ）は再び減少する。パーテイング面変位
（隙間δ）が初期変位δsより小さい間は、パーテ
イング面は開いていないから、キヤビテイ内の溶
融樹脂がパーテイング面に流れ出ることはなく、
バリが発生しない。従つて最大変位δcが初期変位
δsより大きくならないようにすればよい。

具体的には、初期変位δs以下の値を設定し、パ
ーテイング面変位がその値まで上つて来た時、射
出充填区間から射出保持圧区間へ切替え、射出圧
力を落とす。第３図では点ｃでこの切替えを行な
つている。但し、射出充填区間とは、金型キヤビ
テイ内へ溶融樹脂を充満させるまでの区間で、射
出保持圧区間とは、キヤビテイ内樹脂の冷却に伴
う収縮を補うため、射出圧を保つ区間である。

第３図においては、パーテイング面変位の増え
方が緩やかであるので、最上昇点ｃで射出保持圧
への切替えを行なえばよいが、成形品によつては
第４図のように、パーテイング面変位の増え方が
急なものもある。第４図の場合は、最上昇点ｃで
射出保持圧へ切替えようとしても、時間遅れのた
めさらに変位が増えてしまう。従つて最上昇点ｃ
よりも前の点Ｄの変位δDで射出保持圧へ切替え
る。

次に第５図に示す第２実施例について説明する
と、この場合の射出制御の回路図は第１図と同じ
である。この場合は第１図のコントローラ１１で
の制御方法が下記のようになり、第１実施例と異
なる。

さて第１実施例では、パーテイング面変位があ
る設定値まで増加して来た時、射出充填区間から
射出保持圧区間に切替える。これに対し第２実施
例では、パーテイング面変位がある設定値まで増
加して来た時、その時点以降パーテイング面変位
が所望の変化をするよう連続したフイードバツク
制御をする。第５図はパーテイング面変位の変化
図の１例であるが、パーテイング面変位のフイー
ドバツク制御を開始する面変位δoと、δoの点を
時間基準として各ポイント（t₁，δ1）〜（t₆、
δ6）を設定し、パーテイング面変位をδo以降各
ポイントを結んだように変化させる。即ち、第１
図において、金型パーテイング面変位は、パーテ
イング面変位検出装置７で検出されてコントロー
ラ１１へ送られ、コントローラ１１ではパーテイ
ング面変位が第５図のδo以降の変化をするよう、
サーボ弁１３に信号を送り、サーボ弁１３が射出
シリンダ８の油量を変化させる。第５図のδo以
降の変化は、各成形品に適したものに設定されて
いる。なお、本例の場合は第５図のδo以降も射
出充填が続くこともあり、また特に射出保持圧区
間を区別しなくてもよい。

この第２実施例は、第１実施例よりももつと積
極的に、パーテイング面変位を所望通り変化させ
ようとするものである。即ち、第１実施例に比べ
もつと早い時点（第５図のδoの点）から、パー
テイング面変位を連続フイードバツク制御するの
で、射出中のパーテイング面変位が切期変位まで
戻らないよう、確実に射出制御でき、バリを防止
できる。一方第５図のδo以降は、作動油、機械
の温度変化による射出動作抵抗のばらつきに影響
されないで、金型パーテイング面変位を連続フイ
ードバツク制御するので、より安定した成形品質
が得られる。

（発明の効果） 以上詳細に説明した如く本発明は構成されてお
り、パーテイング面が開かない限り、成形品には
バリは発生しない。即ち、従来のように金型が開
いてしまつてから射出制御したのでは、バリ防止
には手遅れである。本発明は射出時固定金型と可
動金型のパーテイング面が密着状態での少なくと
も一方の金型のパーテイング面に垂直方向の歪み
に基づく変位量を検出し、同変位量を制御変数と
して射出圧力を制御することにより、確実にバリ
の発生を防止できる。また成形品キヤビテイ内の
溶融樹脂流動状況を反映するパーテイング面変位
により、射出保持圧へ切替えるので、溶融樹脂流
動状況と関係の薄い変量（時間、スクリユ位置
等）で射出保持圧切替えを行なう従来方法に比
べ、安定した成形品質が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す射出成形機の回
路図、第２図は第１図のＢ部詳細図、第３図、第
４図及び第５図は夫々本発明における時間とパー
テイング面変位との関係を示す線図、第６図は従
来の射出成形機の回路図、第７図は従来における
制御変数を示す線図である。 図の主要部分の説明 １……固定側金型、１Ｐ
……固定側金型のパーテイング面、２……可動側
金型、２Ｐ……可動側金型のパーテイング面、７
……パーテイング面変位検出装置、２１……変位
センサ、２２……取付スリーブ、２３……ゴムパ
ツド、δ……隙間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 射出時固定金型と可動金型のパーテイング面
   が密着状態での少なくとも一方の金型のパーテイ
   ング面に垂直方向の歪みに基づく変位量を検出
   し、同変位量を制御変数として射出圧力を制御す
   ることを特徴とする射出制御方法。