JP3233608B2 - 射出成形機 - Google Patents

射出成形機

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JP3233608B2 JP11864598A JP11864598A JP3233608B2 JP 3233608 B2 JP3233608 B2 JP 3233608B2 JP 11864598 A JP11864598 A JP 11864598A JP 11864598 A JP11864598 A JP 11864598A JP 3233608 B2 JP3233608 B2 JP 3233608B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出シリンダ(油
圧シリンダ)を射出用アクチュエータとする射出成形機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】該種油圧駆動式の射出成形機において
は、型締シリンダ(油圧シリンダ)によって型締を行な
い、この後の適宜射出タイミングで、射出シリンダ(油
圧シリンダ)によって溶融樹脂を型締された金型内の成
形空間(キャビティ)ヘ射出・充填するようにしてい
る。
【0003】図3は、斯る従来の射出成形機の射出シリ
ンダ系統の油圧回路を示す図で、同図において、1は油
圧ポンプ、2は圧力制御弁(電磁比例リリーフ弁)、3
は流量制御弁、4は方向切替弁、5は射出シリンダ(油
圧シリンダ)である。上記射出シリンダ5のピストンロ
ッド5aには、インラインスクリュータイプの射出成形
機においては図示していないが公知のように、加熱シリ
ンダ内に配設されたスクリューの根本部分が適宜連結手
段を介して連結されている。
【0004】図3の構成において、型締完了後の所定秒
時をおいたタイミングで、前記方向切替弁4が中立位置
から左位置に切替えられて、前記油圧ポンプ1からの圧
油が射出シリンダ5の前進用油室に供給され、これによ
って、前記ピストンロッド5aと共に図示せぬスクリュ
ーが一体となって前進し、溶融樹脂が同じく図示せぬ加
熱シリンダ先端のノズルから型締された金型間のキャビ
ティ(成形空間)に射出・充填される。そして、このス
クリュー前進による射出・充填行程(1次射出行程)に
よってキャビティ内に溶融樹脂を充填し終わると、公知
の保圧行程(2次射出行程)に切替えられて、スクリュ
ーの押圧力によってキャビティの溶融樹脂に所定の保圧
圧力をかけ、樹脂の冷却固化に伴う収縮等を補うように
される。
【0005】ところで、上記した射出・充填行程(1次
射出行程)期間中は、従来、射出速度を重視することが
多く、このため、射出・充填行程期間は、スクリュー
(射出シリンダ5のピストンロッド5a)の前進位置
(ストローク)に応じて設定された設定速度に従うよう
に、射出速度を前記流量制御弁3によってコントロール
するようにしていた。また、前記保圧行程は圧力制御を
重視するため、公知の保圧切替え点以降は、時間による
圧力制御を前記圧力制御弁2によって行うようにしてい
る。
【0006】図4は、図3の構成によって射出を行った
際の射出速度と負荷圧(射出シリンダ5の前進用油室の
圧力)との関係を示すグラフ図である。同図に示すよう
に、射出・充填行程期間においては速度制御を行ってい
るため、速度の実測データは同図の実線に示すように各
ゾーンA’,B’,C’毎に設定された設定速度値にほ
ぼ倣った特性カーブを示す。一方、このように射出・充
填行程期間においては速度を優先した制御を行っている
ため、換言するなら負荷圧にかかわりなく位置による速
度制御を行っているので、負荷圧を正確にはコントロー
ルできない。また、流量制御弁3の上流側圧力を下流側
圧力よりも相当大きくする(所謂差圧を大きくする)
と、充填途上中には負荷圧は射出・充填行程時の最適充
填圧を超えないが、キャビティ内に樹脂が行きわたった
(つまった)充填完了の手前からは負荷反力(樹脂圧
力)が高まるため、負荷圧は急速に大きくなって射出・
充填行程時の最適充填圧を上回ってしまうことが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いては、射出・充填行程(1次射出行程)時には速度を
優先した制御を行っているので、射出速度を重視する成
形品、換言するならレンズ、家電製品等のように寸法精
度や外観(ウエルドライン,フローマーク,シルバー
等)を重視する成形品の製造には好適である。
【0008】しかしながら、射出・充填行程期間中には
負荷圧を正確にはコントロールできないので負荷圧が安
定せず、従って成形品密度がバラツキ易く、充填圧力
(負荷圧)を重視する成形品、換言するならCD、薄肉
製品等のように重量精度や変形(ソリ等)防止を重視す
る製品には適さないという問題があった。
【0009】また、射出・充填行程(1次射出行程)時
に速度を優先した制御を行っているので、保圧切替え点
近傍では負荷圧が最適充填圧を大きく上回る傾向があ
り、充填圧が過剰となって成形品にバリが発生し易く、
且つ、キャビティ内のゲートに近い部分の密度が過剰と
なるためソリも発生し易く、斯様なバリ、ソリ等による
成形品不良が発生し易いという問題もあった。さらに、
保圧切替え点近傍では負荷圧が最適充填圧を大きく上回
っているため、保圧行程に入ってから負荷圧が保圧設定
値に落着くまでの時間T2 が比較的大きく且つ安定しな
いため、この点でも薄肉成形品の品質に悪影響を与える
という問題があった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、重量精度や変形(ソリ等)防
止を重視する成形品のための充填圧力(負荷圧)制御を
優先した射出・充填(1次射出)を可能とし、さらに、
この圧力優先制御の際に、1次射出行程の実測射出速度
が概略所望の特性線を描いて、射出速度も安定したもの
となり得る、動作信頼性の高い且つ良品成形が達成可能
な射出成形機を提供することにある
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、油圧ポンプもしくはアキュームレータか
らの圧油を、流量制御弁を介して射出シリンダに供給し
て射出を行う射出成形機において、油圧ポンプもしくは
アキュームレータと流量制御弁との間の油路に第1の電
磁比例リリーフ弁を設けると共に、流量制御弁と射出シ
リンダとの間の油路に第2の電磁比例リリーフ弁を設
け、キャビティ内に溶融樹脂を射出・充填する1次射出
行程を、射出シリンダのピストンロッドの前進位置に応
じて設定された設定負荷圧特性線に一致するように、
1の電磁比例リリーフ弁を最大圧力に、流量制御弁を最
大流量にそれぞれ設定した状態において、第2の電磁比
例リリーフ弁を制御することによる圧力優先制御によっ
て実行するようにし、前記設定負荷圧特性線は、1次射
出行程の実測射出速度が負荷圧に依存する形で間接的に
コントロールされることにより、この1次射出行程の実
測射出速度が概略所望の特性線を描くように設定され、
1次射出行程に引き続く保圧行程を、時間に応じて設定
された設定負荷圧特性線に一致するように、第1の電磁
比例リリーフ弁を最大圧力に、流量制御弁を最大流量に
それぞれ設定した状態において、第2の電磁比例リリー
フ弁を制御することによる圧力優先制御によって実行す
るように、構成される。
【0012】本発明では、射出シリンダの前進用油室に
供給する油圧をコントロールする電磁比例リリーフ弁よ
りなる負荷圧制御弁を設け、充填圧力(負荷圧)を重視
する成形品を製造する際には流量制御弁を開放状態にし
て、1次射出行程(射出・充填行程)を、負荷圧制御弁
によって、速度にかかわりなく、油圧シリンダのピスト
ンロッドの前進位置に応じて設定された各設定負荷圧に
基づく圧力制御によって実行する。これによって、1次
射出行程区間においては、射出シリンダへ供給される油
圧(負荷圧)が、設定された負荷圧に一致するような圧
力制御に基づく射出・充填が行われ、射出速度は負荷圧
に依存する形で間接的にコントロールされる。この結
果、1次射出行程(射出・充填行程)中における射出速
度の正確な制御は行えないが、負荷圧は設定負荷圧にほ
ぼ倣う形で1次射出行程(射出・充填行程)の全区間
中、常時良好なものに安定し、従って充填圧が安定して
(金型内樹脂圧が安定して)成形品密度のバラツキがな
くなって製品重量精度が向上し、且つソリ等の変形の発
生も可及的に抑止可能となる。すなわち、薄肉製品等を
高品質で歩留まり良く製造可能となる。また、キャビテ
ィ内に樹脂が行きわたった(つまった)充填完了の手前
から負荷反力(樹脂圧力)が高まっても、射出シリンダ
へ供給される油圧(負荷圧)が設定負荷圧を超えること
がなく(過剰充填圧となることがなく)、さらに保圧行
程に入ってから保圧設定値に落着くまでの時間も安定す
るので、バリやソリの発生もなく、総じて、成形品密度
が安定して薄肉成形品等の品質が向上する。
【0013】一方、射出速度を重視する成形品を製造す
る際には、負荷圧制御弁の上限規制値を最大に設定し
て、1次射出行程(射出・充填行程)を、流量制御弁に
よって、負荷圧にかかわりなく、油圧シリンダのピスト
ンロッドの前進位置に応じて設定された各設定速度に基
づく速度制御によって実行する。これによって、1次射
出行程区間においては、射出シリンダのピストンロッド
の前進速度が、設定された射出速度に一致するような速
度制御に基づく射出・充填が行われる。この結果、1次
射出行程(射出・充填行程)中における負荷圧の正確な
制御は行えないが、射出速度は設定速度にほぼ倣う形で
1次射出行程(射出・充填行程)の全区間中、常時良好
なものに安定し、従って最後まで射出速度が安定して
(金型内での溶融樹脂の流動挙動が安定して)、寸法精
度が安定し、且つ、ウェルドラインやフローマーク等の
外観不良の発生も可及的に抑止可能となる。すなわち、
家電製品等の寸法精度と外観とを重視する成形品を歩留
まり良く製造可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施形態を図1
および図2によって説明する。図1は本実施形態に係る
射出成形機の射出シリンダ系統の油圧回路を示す説明図
であり、図2は射出・充填行程時の負荷圧(射出シリン
ダ5の前進用油室の圧力)と射出速度との関係を示すグ
ラフ図である。
【0015】図1において、1,2,3,4,5,5a
は、前記図3の構成とそれぞれ均等な油圧ポンプ,圧力
制御弁(電磁比例リリーフ弁),流量制御弁,方向切替
弁,射出シリンダ(油圧シリンダ),ピストンロッドで
あり、6は、流量制御弁3と射出シリンダ5の前進用油
室との間の油路(流量制御弁3から見た下流側の油路)
に設置された電磁比例リリーフ弁よりなる負荷圧制御弁
であり、また、7は、ピストンロッド5aの位置を検出
する射出ストローク検出センサ(例えばエンコーダ)で
ある。
【0016】上記した電磁制御弁群2,3,4,6は、
マシン全体の制御を司る図示せぬマイクロコンピュータ
(マイコン)によって、それぞれ適宜ドライバ回路を介
して独立してコントロールされるようになっており、マ
イコンの指令に応じて、流量制御弁3よる速度(速度に
対応する流量)や圧力制御弁2,6による油圧上限規制
値を可変設定できるようになっており、また、方向切替
弁4の切替え位置が選択できるようになっている。な
お、前記射出ストローク検出センサ7による計測データ
は、上記したマイコンに取り込まれ射出ストローク(位
置)が認知されるようになっている。
【0017】ここで、本実施形態においては、負荷圧制
御弁6が、流量制御弁3よりも下流側の油路で射出シリ
ンダ5の前進用油室と直結する形で付加・設置されてい
るので、流量制御弁3による速度を優先した射出・充填
制御を行わない時には、圧力制御弁2を最大圧力、流量
制御弁3を最大流量に設定することにより、負荷圧制御
弁6で可変設定される油圧上限規制値に従った油圧(負
荷圧)を優先した射出・充填(1次射出)制御を行うこ
とが可能になっている。また、負荷圧制御弁6による圧
力を優先した射出・充填制御を行わない時には、負荷圧
制御弁6を最大圧力に設定することにより、流量制御弁
3で可変制御される流量値に従った射出速度を優先した
射出・充填(1次射出)制御を行うことが可能になって
いる。次に、上記構成に基づく1次射出(射出・充填)
動作を説明する。
【0018】〈圧力(負荷圧)制御を優先した1次射出
動作〉圧力(負荷圧)制御を優先した1次射出を行う際
には、少なくとも1次射出期間中は、前記したマイコン
によって、圧力制御弁2は最大圧力、流量制御弁3は最
大流量に設定される。
【0019】いま、型締完了後の所定秒時をおいたタイ
ミングで、前記方向切替弁4が中立位置から左位置に切
替えられて、前記油圧ポンプ1からの圧油が射出シリン
ダ5の前進用油室に供給され、これによって、前記ピス
トンロッド5aと共に図示せぬスクリューが一体となっ
て前進し、溶融樹脂が同じく図示せぬ加熱シリンダ先端
のノズルから型締された金型間のキャビティ(成形空
間)に射出・充填され始める。この射出・充填行程(1
次射出行程)時には、図2に示すように射出・充填区間
(射出ストローク)を任意に分割した各ゾーンA,B,
C,Dごとで予め設定された設定負荷圧と、前記射出ス
トローク検出センサ7による前進位置検出情報とに基づ
き、前記したマイコンの指令で負荷圧制御弁6による上
限規制値が可変制御され、これによって負荷圧(射出圧
力たる充填圧)を制御することによる射出・充填行程が
実行される。すなわち、図2に示すように射出・充填行
程(1次射出行程)区間では、射出速度にかかわりな
く、設定負荷圧にほぼ倣うような圧力制御によって射出
・充填行程を実行させ、これにより射出・充填行程(1
次射出行程)中には、負荷圧を設定負荷圧に一致させて
安定した充填圧を維持するようになっている。
【0020】なお、設定された負荷圧に一致するような
圧力制御に基づく射出・充填を行うと、射出速度は負荷
圧に依存する形で間接的にコントロールされる。よっ
て、設定負荷圧を任意の特性線に設定することによっ
て、正確ではないが或る程度所望の射出速度カーブを得
ることができる。例えば、図2に示す如く、1次射出行
程の実測射出速度が概略所望の特性線を描くように、設
定負荷圧の特性線を折れ線によって設定することで、射
出速度は負荷圧に依存する形で間接的にコントロールさ
れて、実測射出速度は概略所望の特性線を描くようにな
る。したがって、圧力優先制御の際に、1次射出行程の
実測射出速度が概略所望の特性線を描くようになって、
射出速度も安定したものとなり、動作信頼性の高い且つ
良品成形が達成可能となる。
【0021】そして、前記ピストンロッド5aが射出・
充填行程区間の終端位置に至ったこと(保圧切替え点に
至ったこと)が、前記射出ストローク検出センサ7によ
って検知されると、前記マイコンは、時間による圧力制
御を行う保圧行程に入り、負荷圧制御弁6の上限制限値
を保圧設定値に制御して所定時間の保圧行程が実行され
る。この際、保圧切替え点での負荷圧は各ショット毎で
常に、射出・充填行程区間の終端位置の設定負荷圧にほ
ぼ一致した値で一定しているので、保圧行程に入ってか
ら負荷圧が保圧設定値に落着くまでの時間T1 は、従来
に比して安定し且つ短いものとなる。
【0022】このように、射出・充填(1次射出)行程
を負荷圧優先制御で行うと、射出・充填行程中の充填圧
が安定して、且つ充填完了に近づいても充填圧が適正値
を超えることがなく、また、保圧行程に入ってから保圧
設定値に落着くまでの時間が安定する。従って、成形品
密度が安定し、ソリ、バリのない良好な成形品を製造す
ることが可能となり、以って、重量精度や変形(ソリ
等)防止を重視する薄肉製品等を、高品質で歩留まり良
く製造可能となる。また、1次射出行程(射出・充填行
程)とこれに続く2次射出行程(保圧行程)を共に圧力
制御で行っているので(1次射出行程終端の負荷圧が一
定しているので)、1次射出行程から2次射出行程への
切替え点の設定にさほど厳密な値を必要とせず、1次射
出行程から2次射出行程への切替え点の設定が至って簡
単・容易となる。
【0023】〈射出速度制御を優先した1次射出動作〉
射出速度制御を優先した1次射出を行う際には、1次射
出期間中は、前記したマイコンによって負荷圧制御弁6
の上限値は最大圧力に設定され、この間負荷圧制御弁6
は管路の破損を防止する単なる安全弁としてのみ機能す
るようにされる。
【0024】そして、この際も同様に型締完了後の所定
秒時をおいたタイミングで、前記方向切替弁4が中立位
置から左位置に切替えられて、前記油圧ポンプ1からの
圧油が射出シリンダ5の前進用油室に供給され、これに
よって、前記ピストンロッド5aと共に図示せぬスクリ
ューが一体となって前進し、溶融樹脂が同じく図示せぬ
加熱シリンダ先端のノズルから型締された金型間のキャ
ビティ(成形空間)に射出・充填され始める。この射出
・充填行程(1次射出行程)時には、前記図4に示すよ
うに射出・充填区間(射出ストローク)を任意に分割し
た例えばゾーンA’,B’,C’ごとで予め設定された
設定速度と、前記射出ストローク検出センサ7による前
進位置検出情報とに基づき、前記したマイコンの指令で
流量制御弁3による流量規制値が可変制御され、これに
よって射出速度を制御することによる射出・充填行程が
実行される。すなわち、図4に示すように射出・充填行
程(1次射出行程)区間では、負荷圧にかかわりなく、
設定射出速度にほぼ倣うような速度制御によって射出・
充填行程を実行させ、これにより射出・充填行程(1次
射出行程)中には最後まで、射出速度を設定速度に一致
させて安定した射出速度を維持するようになっている。
【0025】この後、前記ピストンロッド5aが射出・
充填行程区間の終端位置に至ったこと(保圧切替え点に
至ったこと)が、前記射出ストローク検出センサ7によ
って検知されると、同様に前記マイコンは、時間による
圧力制御を行う保圧行程に入り、負荷圧制御弁6の上限
制限値を保圧設定値に制御して所定時間の保圧行程が実
行される。
【0026】このように、射出・充填(1次射出)行程
を速度優先制御で行うと、射出速度は設定速度にほぼ倣
う形で1次射出行程(射出・充填行程)の全区間中、常
時良好なものに安定し、従って最後まで射出速度が安定
する。このため、金型内での溶融樹脂の流動挙動が安定
して、以って寸法精度が安定し、且つ、ウェルドライン
やフローマーク等の外観不良の発生も可及的に抑止可能
となる。すなわち、家電製品等の寸法精度と外観とを重
視する成形品を歩留まり良く製造可能できる。
【0027】なお、上記した実施例においては、射出用
の圧油供給源として油圧ポンプを用いているが、これを
射出専用の圧油供給源としてのアキュームレータに代替
可能であること当業者には自明である。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、重量精度
や変形(ソリ等)防止を重視する成形品のための充填圧
力(負荷圧)制御を優先した射出・充填(1次射出)を
可能とし、さらに、この圧力優先制御の際に、1次射出
行程の実測射出速度が概略所望の特性線を描いて、射出
速度も安定したものとなり得、また、充填完了の手前か
ら負荷反力(樹脂圧力)が高まっても、射出シリンダへ
供給される油圧(負荷圧)が設定負荷圧を超えることが
なく(過剰充填圧となることがなく)、動作信頼性の高
い且つ良品成形が達成可能な射出成形機を提供すること
ができる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係る射出成形機の射出シ
リンダ系統の油圧回路を示す説明図である。
【図2】本発明の1実施形態による充填圧力(負荷圧)
制御を優先した場合の1次射出行程時の負荷圧と射出速
度を示すグラフ図である。
【図3】従来例に係る射出成形機の射出シリンダ系統の
油圧回路を示す説明図である。
【図4】従来の射出・充填行程時の射出速度と負荷圧を
示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 油圧ポンプ 2 圧力制御弁 3 流量制御弁 4 方向切替弁 5 射出シリンダ 5a ピストンロッド 6 負荷圧制御弁 7 射出ストローク検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/46 - 45/57 B29C 45/76 - 45/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプもしくはアキュームレータか
    らの圧油を、流量制御弁を介して射出シリンダに供給し
    て射出を行う射出成形機において、前記油圧ポンプもしくは前記アキュームレータと前記流
    量制御弁との間の油路に第1の電磁比例リリーフ弁を設
    けると共に、 前記流量制御弁と前記射出シリンダとの間
    の油路に第2の電磁比例リリーフ弁を設け、キャビティ
    内に溶融樹脂を射出・充填する1次射出行程を、前記射
    出シリンダのピストンロッドの前進位置に応じて設定さ
    れた設定負荷圧特性線に一致するように、前記第1の電
    磁比例リリーフ弁を最大圧力に、前記流量制御弁を最大
    流量にそれぞれ設定した状態において、前記第2の電磁
    比例リリーフ弁を制御することによる圧力優先制御によ
    って実行するようにし、前記設定負荷圧特性線は、1次
    射出行程の実測射出速度が負荷圧に依存する形で間接的
    にコントロールされることにより、この1次射出行程の
    実測射出速度が概略所望の特性線を描くように設定さ
    れ、1次射出行程に引き続く保圧行程を、時間に応じて設定
    された設定負荷圧特性線に一致するように、前記第1の
    電磁比例リリーフ弁を最大圧力に、前記流量制御弁を最
    大流量にそれぞれ設定した状態において、前記第2の電
    磁比例リリーフ弁を制御することによる圧力優先制御に
    よって実行するようにした ことを特徴とする射出成形
    機。
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US6496323B1 (en) 1998-01-19 2002-12-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Information recording/reproducing apparatus and method

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