JPH0563262B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は同時に２種類以上の鋳片を鋳造し得る
ようにした無限軌道式連鋳機に関するものであ
る。

［従来の技術］ 無限軌道式連鋳機を第５図により説明する。

多数のブロツク鋳型１を無限軌道状に連結して
鋳型２を形成し、該鋳型２を上下に組合せて相対
向部に鋳型空間３を形成し、該鋳型空間３上流の
開口部にタンデイツシユ４下部前方に突出させた
タンデイツシユノズル５を挿入し、タンデイツシ
ユ４に注入された溶湯６をタンデイツシユノズル
５から駆動ロール７とアイドルロール８により移
動している上下の鋳型２間に形成された鋳型空間
３に供給すると、溶湯６は鋳型空間３で冷却・凝
固され、鋳片９となつて鋳型空間３下流の開口部
から取出される。

［発明が解決しようとする課題］ 近年になつて板幅が異なる鋳片９を少量ずつ生
産することが要求されるようになり、このような
需要に応じるため鋳片９を多品種少量生産できる
ようにすることが検討されているが、上記の無限
軌道式連鋳機では、上下の鋳型２，２間に形成さ
れる鋳型空間３にそのまま溶湯６を供給していた
ため一度に鋳片９を１ロツドずつしか製造するこ
とができず、多品種少量生産に対応させることが
できなかつた。

本発明は上述の実情に鑑み、一度に数ロツドの
鋳片を製造できるようにして、多品種少量生産を
可能にした無限軌道式連鋳機を提供することを目
的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、多数のブロツク鋳型を無限軌道状に
連結して鋳型を形成し、該鋳型を上下に組合せる
と共に、多数のサイドダムブロツクを無限軌状に
連結してサイドダムを形成し、該サイドダムを前
記鋳型の両側部に配置して、鋳型とサイドダムの
間に鋳型空間を形成すると共に、多数の分割ダム
ブロツクを無限軌道状に連結して中間ダムを形成
し、該中間ダムを、ブロツク鋳型に形成したイン
ローに嵌合させることにより前記鋳型空間内に配
設して鋳型空間を幅方向に仕切り、且つ、前記サ
イドダムを前記鋳型の幅方向に対して移動可能な
台車で支持すると共に、前記中間ダムを、インロ
ーの位置の異なるブロツク鋳型と交換することに
より前記鋳型空間の幅方向に対して移動可能とし
たことを特徴とする無限軌道式連鋳機にかかるも
のである。

［作用］ 従つて本発明では、中間ダムで仕切られた鋳型
空間に溶湯を供給すると、同時に数ロツドの鋳片
が鋳造される。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明
する。

第１図〜第４図は本発明の一実施例である。

多数のブロツク鋳型１を無限軌道状に連結して
鋳型２を形成し、該鋳型２を上下に組合せて相対
向部に鋳型空間３を形成すると共に該鋳型空間３
の下流に傾斜冷却ゾーン１０及び水平冷却ゾーン
１１を形成して、傾斜冷却ゾーン１０及び水平冷
却ゾーン１１に夫々ミストクーラント装置１２及
びクーラントチャンバー１３等の冷却装置を配設
する（第１図参照）。

前記各ブロツク鋳型１は幅方向に複数分割して
熱膨張による上下方向の反り量を小さく抑え幅方
向の寸法を大きく取れるようにする。各ブロツク
鋳型１を分割したブロツク片１４をフレーム１５
に対して上下方向には移動不能で幅方向には移動
可能に取付け、各フレーム１５の両幅端部にブロ
ツク片１４を両幅端部から幅中央に向けて付勢す
る弾撥体１６を備えた押付装置１７を取付けて各
ブロツク片１４を相互に密着せしめ、フレーム１
５の各ブロツク片１４に当接する面に夫々キー溝
１８を設けると共に上下に対応するブロツク片１
４のうちの一組の前記フレーム１５に当接する面
に前記キー溝１８に対応するキー溝１９を設けキ
ー溝１８，１９間にキー２０を嵌入して１組のブ
ロツク片１４のみ幅方向の位置を固定し、前記フ
レーム１５を車輪２１を介してレール２２に沿つ
て移動し得るようにする（第２図参照）。

鋳型２の幅方向両側部に流体圧シリンダ２３に
より幅方向に移動し得るようにした台車２４を配
設し、該台車２４上に水平無限軌道２５を設けた
フレーム２６を配設し、多数のサイドダムブロツ
ク２７を連結すると共に、各サイドダムブロツク
２７に取付けた竪ローラ２８が水平無限軌道２５
を転動するようフレーム２６に沿つて連結したサ
イドダムブロツク２７を巻付け水平無限軌道状の
サイドダム２９を形成し、前記台車２４の上面に
水平支持ロール３０を配設してサイドダム２９を
移動自在に支持する（第３図、第４図参照）。

多数の分割ダムブロツク３１を連結して垂直無
限軌道状の中間ダム３２を形成し、該中間ダム３
２を前記ブロツク鋳型１のフレーム１５に対し前
記キー２０にて幅方向に固定した上下のブロツク
片１４，１４の鋳型空間３型の面に形成したイン
ロー３３間に配設して鋳型空間３を幅方向に対し
て２つに仕切つて鋳型空間３′，３″を形成し、
又、中間ダム３２をころ３４或はシユーにて形成
した軌道に沿つて移動し得るようにする（第１
図、第２図参照）。

尚、７は駆動ロール、８はアイドルロールであ
る。

上記無限軌道式連鋳機は第５図と同様にして鋳
片の鋳造を行う。

この際、駆動ロール７を駆動して鋳型２を移動
すると、サイドダム２９及び中間ダム３２は鋳型
２との摩擦により駆動される。

又、鋳型空間３，３′上流の開口部から供給さ
れた溶湯は中間ダム３２の左右に形成される２つ
の鋳型空間３′，３″の夫々に入つて板幅の異なる
２ロツドの鋳片となつて取出される。

このように、鋳型空間３を中間ダム３２により
仕切つて２つの鋳型空間３″，３′を形成すること
により、同時に板幅の異なる２ロツドの鋳片を鋳
造することが可能になり、鋳片の他品種少量生産
を行うことができるようになる。

又、製造する鋳片の板幅を変更するにはインロ
ー３３を設けたブロツク片ごと中間ダムの鋳型空
間３幅方向の位置を変更すれば良く、同一板幅或
いは板幅の異なる任意の組合せの２ロツドの鋳片
を同時に鋳造することができる。

尚、本発明の無限軌道式連鋳機は、上述の実施
例にのみ限定されるものではなく、中間ダムを２
基以上設けて同時に３ロツド以上の鋳片を鋳造し
得るようにできること、又、中間ダム及びサイド
ダムの駆動は摩擦駆動に限らず独自の駆動装置を
設けるようにできること、その他本発明の要旨を
逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の無限軌道式連鋳
機によれば、鋳型空間を幅方向に仕切る中間ダム
を設けたので、同時に数ロツドの鋳片を鋳造する
ことが可能となり、鋳片の多品種少量生産が可能
になり、且つサイドダムを鋳型の幅方向に対して
移動可能な台車で支持すると共に、中間ダムを、
インローの位置の異なるブロツク鋳型と交換する
ことにより鋳型空間の幅方向に対して移動可能と
したので、鋳型空間の幅寸法を変更したり、各鋳
片の幅寸法を変更したり、これらを組合せて鋳造
することが自在となつて、所望の幅寸法の鋳片を
容易に得ることができる等の優れた効果を奏し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の説明図、第２図は
第１図の−矢視図、第３図は第１図のサイド
ダムの説明図、第４図は第３図の−矢視図、
第５図は従来例の説明図である。 図中１はブロツク鋳型、２は鋳型、３，３′，
３″は鋳型空間、９は鋳片、２９はサイドダム、
３１は分割ダムブロツク、３２は中間ダム、３３
はインロー、３４はころを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のブロツク鋳型を無限軌道状に連結して
   鋳型を形成し、該鋳型を上下に組合せると共に、
   多数のサイドダムブロツクを無限軌道状に連結し
   てサイドダムを形成し、該サイドダムを前記鋳型
   の両側部に配置して、鋳型とサイドダムの間に鋳
   型空間を形成すると共に、多数の分割ダムブロツ
   クを無限軌道状に連結して中間ダムを形成し、該
   中間ダムを、ブロツク鋳型に形成したインローに
   嵌合させることにより前記鋳型空間内に配設して
   鋳型空間を幅方向に仕切り、且つ、前記サイドダ
   ムを前記鋳型の幅方向に対して移動可能な台車で
   支持すると共に、前記中間ダムを、インローの位
   置の異なるブロツク鋳型と交換することにより前
   記鋳型空間の幅方向に対して移動可能としたこと
   を特徴とする無限軌道式連鋳機。