JPH0562094U - 小型電子機器のシールドケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋の周囲に形成した爪部の一部が切除されて
もケース本体への嵌着力が均一で、アース特性等の電気
的特性を向上してなる小型電子機器のシールドケースを
得るにある。 【構成】 ケース本体１内に各種電子部品や素子等を組
込んだプリント基板２を組付け、このケース本体１に蓋
４を嵌着するシールドケースであって、上記ケース本体
１に、外方に向けて一体的に折曲げられた突起爪１１を
設け、上記ケース本体１に蓋４を嵌着したとき、上記ケ
ース本体１の突起爪１１が蓋４の爪部４ａの側面に係止
されるよう構成したことを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、小型電子機器のシールドケースに関し、特に、ＡＶ（オーディオ・ ビジュアル）信号用分配変調器等に用いられるものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種ＡＶ信号用分配変調器（以下ＲＦモジュレータと称す）は、図３ 及び図４に示すように、ケース本体１内に各種電子部品や素子等を組込んだプリ ント基板２が組付けられ、このケース本体１の上面および下面より上蓋３、下蓋 ４を嵌着したシールド構造になっている。また、ケース本体１の一側面にはアン テナ用ソケット５が取付けられており、上蓋３にはＴＶ（テレビジョン）への出 力用ソケット６及びＶＴＲ（ビデオテープレコーダ）からの入力用ソケット７等 が取付けられている。そして、上記ＲＦモジュレータのケース本体１に上蓋３及 び下蓋４を嵌着する場合は、上蓋３及び下蓋４の周囲に折り曲げ形成されたバネ 力を有する爪部３ａ及び４ａが、ケース本体１の全周側面の上下部に形成した係 合突起１ａに弾持されている。

【０００３】 さらに、上記ケース本体１の前方側面には、プリント基板２の突出部２ａが臨 む開口窓部１ｃが形成され、これより突き出たプリント基板２の突出部２ａには 、各種信号を導く複数本の入・出力端子８が設けられており、ケース本体１の両 側面を一体に延ばした延長部１ｂにより保護されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ケース本体１の下面に嵌着される下蓋４の内、ケース本体１の 開口窓部１ｃに相当する下蓋４の爪部４ａの一部が切除されているので、ケース 本体１に下蓋４を嵌着した場合、ケース本体１の周囲における下蓋４の弾持力に 差異が生じて、下蓋４が捩れたり、爪部４ａの弾持力が強い方向へ引っ張られて しまい、下蓋４の嵌着力の強さが不均一になってしまうという問題があった。こ のために、下蓋４の取付穴４ｂとプリント基板２の中程に設けられたアース端子 ９との係合位置がずれたり、ケース本体１と下蓋４の爪部４ａとの間の接触力が 小さくなり、ケース本体１と下蓋４とのアース性能が低下して、信号エラーやノ イズの発生を引き起こす等、電気的特性が悪化するという問題があった。

【０００５】 本考案の目的は、上記従来構造の課題を解決するためになされたものであり、 下蓋の周囲に形成した爪部の一部が切除されてもケース本体への嵌着力が均一で 電気的特性を向上してなる小型電子機器のシールドケースを得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案は、ケース本体内に各種電子部品や素子等 を組込んだプリント基板を組付け、このケース本体蓋を嵌着するシールドケース であって、上記ケース本体に、外方に向けて一体的に折曲げられた突起爪を設け 、上記ケース本体に蓋を嵌着したとき、上記ケース本体の突起爪が蓋の爪部側面 に係止されるよう構成した小型電子機器のシールドケースを提供するものである 。

【０００７】

【作用】

このような構成に基づいて、本考案によれば、ケース本体にプリント基板を組 付けて蓋を嵌着した場合、ケース本体の外方に向けて折曲げた突起爪に、蓋の爪 部側面が係止されるために、ケース本体と蓋との位置決めが確実に行われる。従 って、ケース本体に蓋を嵌着したとき、蓋体が捩れたりすることなく、蓋体周囲 の嵌着力が均一になり、ケース本体と蓋とのアース性能等、電気的特性を向上さ せることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００９】 図１は本考案の実施例である下蓋の取外し状態を示す斜視図、図２は図１の下 蓋を嵌着した状態を示す斜視図であり、図中、従来構造と対応する同一部品には 同じ符号を付して説明する。

【００１０】 ケース本体１内に、プリント基板２が組付けられ、このケース本体１の上面お よび下面には上蓋３及び下蓋４が嵌着されたシールド構造になっている。また、 ケース本体１の一側面にはアンテナ用ソケット５が取付けられており、上蓋３に はＴＶへの出力用ソケット６およびＶＴＲからの入力用ソケット７が取付けられ ている。また、ケース本体１の全周側面の上下部には、適正間隔ごとに外方にわ ずかに突き出た係合突起１ａが形成されており、上記ケース本体１に嵌着される 上蓋３及び下蓋４の周囲には、バネ力を有する複数個の爪部３ａ及び４ａが折り 曲げ形成されている。そして、上記ケース本体１に上蓋３及び下蓋４を嵌着する 場合は、上蓋３及び下蓋４の周囲の爪部３ａ及び４ａが、ケース本体１の係合突 起１ａに係合して弾持されるようになっている。

【００１１】 一方、上記ケース本体１の前方側面の片側寄りには、下側より組付けされるプ リント基板２の突出部２ａが臨むように、下方が開口した開口窓部１ｃが形成さ れると共に、ケース本体１の両側面の下部には、図示しないが、連続して成形さ れたプリント基板母材より個別のプリント基板２を切断する場合の切断部に相当 する切欠窓部１０ａ，１０ｂが形成されている。

【００１２】 上記ケース本体１の側面に形成した切欠窓部１０ａ，１０ｂの内、少なくとも いずれか一方の側壁面には、外方に向けて一体的に折曲げられた突起爪１１が設 けられている。この突起爪１１は、ケース本体１の下側より下蓋４を嵌着したと きに、下蓋４の爪部４ａの側面が係止されて、下蓋４が捩じれたり、下蓋４が爪 部４ａの弾持力の強い後方向へ引っ張られたりするのを防止している。このため には、上記ケース本体１の開口窓部１ｃに近い側面に形成された切欠窓１０ａま たは１０ｂの側壁面に突起爪１１を設けるのが望ましい。

【００１３】 このように構成された本考案の実施例によれば、ケース本体１に下蓋４を嵌着 したとき、ケース本体１の側壁面に突設した突起爪１１に、下蓋４の爪部４ａの 側面が係止されるために、ケース本体１と下蓋４との位置決めが確実に行われ、 下蓋４が捩れたりすることなく、蓋体周囲の嵌着力が均一になる。

【００１４】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案の小型電子機器のシールドケースは、ケー ス本体にプリント基板を組付けて蓋を嵌着する場合、ケース本体から突設した突 起爪に、蓋の爪部の側面が係止されるために、ケース本体と蓋との位置決めが確 実に行われる。従って、ケース本体に蓋を嵌着したとき、蓋体が捩れたりするこ となく、蓋体周囲の嵌着力が均一になり、ケース本体と蓋とのアース性能等、電 気特性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である下蓋の取り外し状態を示
す斜視図である

【図２】図１の下蓋を嵌着した状態を示す斜視図である

【図３】従来構造のＡＶ信号用分配変調器を示す斜視図
である

【図４】図３の下蓋を取外した状態を示す底面からの斜
視図である

【符号の説明】

１ ケース本体 ２ プリント基板 ３ 上蓋 ４ 下蓋 ４ａ 爪部 １０ａ，１０ｂ 切欠窓 １１ 突起爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケース本体内に各種電子部品や素子等を
   組込んだプリント基板を組付け、このケース本体に蓋を
   嵌着するシールドケースであって、上記ケース本体に、
   外方に向けて一体的に折曲げられた突起爪を設け、上記
   ケース本体に蓋を嵌着したとき、上記ケース本体の突起
   爪が蓋の爪部側面に係止されるよう構成したことを特徴
   とする小型電子機器のシールドケース。