JPH0561477U - 密閉型電動圧縮機の保護回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寝込み起動時のパンピング圧力による軸受焼
付、消費電力の増大、異常音の発生を防止できる密閉型
電動圧縮機の保護回路を得る。 【構成】 ＮＴＣサーミスタ５を電動機１ａに埋め込
み、このＮＴＣサーミスタ５と電磁接触器の励磁コイル
２ａとを直列に接続するとともに、ＮＴＣサーミスタ５
と電磁接触器の励磁コイル２ａとの１次側に並列でヒー
タ６を接続した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、密閉型電動圧縮機の保護回路に関し、特に寝込み起動防止に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５は例えば実開昭６３ー１４３７７８号公報に示された従来の密閉型電動圧 縮機の保護回路を示す回路図であり、図において、１は冷媒を圧縮する密閉型電 動圧縮機、２は密閉型電動圧縮機１への電源供給を制御する電磁接触器、２ａは 励磁コイル、２ｂは接点、３は自己保持回路で、励磁コイル３ａ，ノーマルオー プン（正）接点３ｂおよびノーマルクロス（負）接点３ｃとによって構成される 。４は過電流継電器で、励磁コイル４ａ，４ｂと接点４ｃ，４ｄとによって構成 し、励磁コイル４ａ，４ｂは三相交流電源のＵ，Ｗ相との間に直列接続され、接 点４ｃ，４ｄは中間線４ｅを介して電磁接触器２における励磁コイル２ａの一端 と三相交流電源のＵ相との間に直列接続されている。

【０００３】 次に動作について説明する。密閉型電動圧縮機１に異常な負荷が加わると、三 相電源のＵ，Ｖ，Ｗの各相電流が上昇する。ここで、各相の電流が増加すると、 過電流継電器の励磁コイル４ａ，４ｂに流れる電流の増加にともなって吸引力が 増加することにから、接点４ｃ，４ｄが開放される。この結果、電磁接触器の励 磁コイル２ａは吸引力を失うことから、接点２ｂはバネ力によって押し上げられ て開放状態となり、密閉型電動圧縮機１への三相交流電源の供給が断たれて、異 常負荷時における電動機１ａの異常な温度上昇および破損が防止されることにな る。また、三相電源の内の一相が断線した状態で密閉型電動圧縮機１が欠相起動 されると、残りの二相に大きな電流が流れることから、過電流継電器の励磁コイ ル４ａ，４ｂの何れか一方、あるいはＶ相の欠相時には、励磁コイル４ａ，４ｂ の両方の吸引力が増加して、電磁接触器２が開放となることから、欠相起動によ る電動機１ａの焼損が防止されることになる。

【０００４】 また、図６は特公平３ー５０９５８号公報に示された従来の空気調和装置の冷 媒回路図で、密閉型電動圧縮機１の吐出側に備えられた油分離器７に電磁弁８を 介し、油戻しのバイパス路９をアキュムレータ１０へ設けてあり、密閉型電動圧 縮機１の停止時，起動時には、電磁弁を開き、油をアキュムレータ１０から密閉 型電動圧縮機１に戻すように構成されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の密閉型電動圧縮機の保護回路は以上のように構成されており、寝込み起 動時に発生する液圧縮によるパンピング圧力（急激な圧力変動）に対しては、電 流があまり上昇せず、保護回路が動作しないため、パンピング圧力による異常負 荷に起因する軸焼付や、消費電力の増大、異常音の発生などの問題点があった。

【０００６】 この考案は上記のような問題点を解消するためになされたもので、寝込み起動 時のパンピング圧力による軸受焼付、消費電力の増大、異常音の発生を防止でき る密閉型電動圧縮機の保護回路を得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る密閉型電動圧縮機の保護回路は、ＮＴＣサーミスタを電動機に 埋め込み、このＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとを直列に接続する とともに、ＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとの１次側に並列でヒー タを接続したものである。

【０００８】

【作用】

この考案における密閉型電動圧縮機の保護回路は、ＮＴＣサーミスタを電動機 に埋め込み、このＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとを直列に接続す るとともに、ＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとの１次側に並列でヒ ータを接続したことにより、密閉型電動圧縮機の内部の温度がＮＴＣサーミスタ により検知され、温度が低い時には電磁接触器の励磁コイルへ電流を流さず、ヒ ータだけに電流を流し、温度が上昇したときには電磁接触器の励磁コイルへ流れ るようにした。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１〜図４について説明する。図において、５は 密閉型圧縮機１に内蔵されたＮＴＣサーミスタで、その特性は図２に示すように サーミスタの温度がｔ₁ ℃以上であれば抵抗値は大きく、その比はＲ₁／Ｒ₂＞１ ０００の特性を持っている。６は密閉型電動圧縮機１のヒータで、その抵抗値Ｒ _H はＮＴＣサーミスタ５の抵抗値Ｒ₂よりやや大きい特性を有している。電磁接蝕 器の励磁コイル２ａはＮＴＣサーミスタ５と直列に接続され、ヒータ６はＮＴＣ サーミスタ５と電磁接触器の励磁コイル２ａとの１次側に並列で接続される。

【００１０】 次に動作について図３の密閉型電動圧縮機の保護回路の制御動作を示すフロー チャートにより説明する。ステップ１１においては、密閉型電動圧縮機１の起動 指令を出す。ステップ１２においてはＮＴＣサーミスタ５により密閉型電動圧縮 機１の内部温度を判定してｔ₁ ℃以上であれば、ステップ１５に移り密閉型電動 圧縮機１を起動する。また、内部温度がｔ₁ ℃以下であれば、ステップ１３に移 りヒータ６へ通電され、ステップ１４により内部温度がｔ₁ ℃以上か判断し、内 部温度がｔ₁ ℃以上あれば、ステップ１５に移り密閉型電動圧縮機１を起動する 。

【００１１】 また、上記実施例では電源に三相電源を使用したものを示したが、電源に単相 電源を使用して応用してもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、この考案によればＮＴＣサーミスタを電動機に埋め込み、この ＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとを直列に接続するとともに、ＮＴ Ｃサーミスタと電磁接触器の励磁コイルとの１次側に並列でヒータを接続したこ とにより、密閉型電動圧縮機の内部の温度がＮＴＣサーミスタにより検知され、 温度が低い時には電磁接触器の励磁コイルへ電流を流さず、ヒータだけに電流を 流し、温度が上昇したときには電磁接触器の励磁コイルへ流れるようにした構成 としたので、寝込み起動時のパンピング圧力による軸受焼付、消費電力の増大、 異常音の発生を防止できるものが得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による密閉型電動圧縮機の
保護回路を示す回路図である。

【図２】図１のＮＴＣサーミスタ及びヒータの特性を示
す説明図である。

【図３】この考案の密閉型電動圧縮機の保護回路の制御
動作を示すフローチャートである。

【図４】この考案の一実施例による密閉型電動圧縮機の
保護回路を示す構成図である。

【図５】従来の密閉型電動圧縮機の保護回路を示す回路
図である。

【図６】従来の他の空気調和装置の冷媒回路図である。

【符号の説明】

１ 密閉型電動圧縮機 １ａ 電動機 ２ 電磁接触器 ２ａ 励磁コイル ５ ＮＴＣサーミスタ ６ ヒータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷媒を圧縮する密閉型電動圧縮機と、密
   閉型電動圧縮機への電源供給を制御する電磁接触器と、
   密閉型電動圧縮機を加温するヒータとを備えた密閉型電
   動圧縮機において、ＮＴＣサーミスタを電動機に埋め込
   み、このＮＴＣサーミスタと電磁接触器の励磁コイルと
   を直列に接続するとともに、ＮＴＣサーミスタと電磁接
   触器の励磁コイルとの１次側に並列でヒータを接続した
   ことを特徴とする密閉型電動圧縮機の保護回路。