JPH056132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子式卓上計算機（以下、電卓と称
す）、電子タイプライタ、日本語ワードプロセツ
サ等に適用される印字装置に関するものである。

〔従来の技術および考案が解決しようとする問題
点〕 近時、電子事務機の普及は目覚しく、パーソナ
ルユース化が進むにつれ、機器の小型軽量化が進
んでいる。それらの電子事務機の大部分は印字装
置を有する機器であり、前記電子事務機の小型化
にともない、印字装置も小型化が進んでいる。特
に印字装置付電卓の小型化は顕著であるが、小型
化による寸法的制約等により、操作性が劣る印字
装置、あるいは印字装置付電卓が出現している。

まず従来例について説明する。

第１図乃至第２図は従来の印字装置及び印字装
置付電卓を示す。第１図は従来の電卓用印字装置
を示す斜視図であり、プリンタベース１には様々
の部品が固定される。２はモータ、３はソレノイ
ドを示す。モータ２の回転は歯車列を介して駆動
側プーリ４に伝えられ、前記駆動側プーリ４と従
動側プーリ５の間には活字ベルト６が装着されて
いる。前記活字ベルト６の外周面には、数字、記
号等の活字（図示せず）が一体成形されている。
７はハンマー（図示せず）を内蔵するキヤリツジ
であり、前記キヤリツジ７はキヤリツジ軸８に沿
つて摺動可能に装着されている。９はキヤリツジ
リターン用のコイルスプリングであり、１４はイ
ンクローラを示す。すなわち、モータ２により回
転する駆動側プーリ４により、活字ベルト６が回
転し、所望の活字が、キヤリツジ７に内蔵された
ハンマーに対応する位置に達した時にソレノイド
３に通電することにより、活字ベルト６を一端停
止させてハンマーにより活字の裏面を叩打し、プ
ラテン１２と前記活字ベルト６との間に装填され
ている印字用紙（図示せず）に印字される。

前述の印字動作の完了に同期して桁上動作が行
なわれ、前記キヤリツジ７は上位桁方向（図面右
方向）に１桁分桁上げされると共に活字ベルト６
の回転を再開する。以上の動作を所望の桁数分繰
返した後、コイルスプリング６により、前記キヤ
リツジ７はホームポジシヨンに引き戻され、キヤ
リツジリターン動作に同期して紙送り動作が行な
われる。ピンチローラ１０はピンチローラ軸１１
によつて回転可能に支持され、フイードローラ
（図示せず）との間に印字用紙を挾持し、前記フ
イードローラの回転により、紙送りを行なう。前
記プリンタベース１と前記プラテン１２により、
紙挿入口１３が形成されている。なお紙送り機
構、桁上機構は従来周知の構成を適用しえる。上
述した如く、モータ、ソレノイド等の動力源を極
力減らし、コストダウンとともに小型化を実現し
ている為、紙送り力が小さく、従つて印字用紙を
印字装置内で大きく方向を変えると、紙の腰によ
り、紙を送れない問題点等があり、紙挿入口を印
字装置上面に設けることが出来ない。従つて小型
の印字装置においては、第１図に示す如く、背面
に紙挿入口１３が設けてあるのが一般的である。

第２図は、第１図で示した従来の印字装置を実
装した電卓を示す。上ケース１５と下ケース１６
によつて種々の機能部品を内蔵する。１７はキー
ボード部、１８は表示部を示す。アクリル樹脂等
の透明部材で成形されたペーパーカツター２０は
プリンタ蓋１９に固着され、前記プリンタ蓋１９
は前記上ケース１５に着脱可能に装着されてい
る。前記プリンタ蓋１９はインクローラ（図示せ
ず）の交換時、あるいは紙出口２４付近での紙ジ
ヤムを直す時に開けられる。２１はロール紙ホル
ダ、２２はロール紙であり、２３は紙入口であ
る。すなわち、印字用紙はロール２２から紙入口
２３に挿入され、第１図で示した印字装置の紙挿
入口１３を通り、ピンチローラ１０とフイードロ
ーラの間を通つて、前記フイードローラにより第
２図における紙出口２４へ送り出される。ところ
が紙入口２３がロール紙２２の極近傍にある為、
手指により印字用紙先端を操作するスペースもな
く、また紙先端を印字装置のフイードローラ部ま
で押込まなければ紙送りしない為、非常に紙を入
れ難いという問題があつた。

本考案は、上記従来の問題点を解消して、操作
性の良好な印字装置を提供するものである。

〔実施例〕

第３図乃至第６図により本考案の一実施例を説
明する。なお以下述べる実施例は、フイードロー
ラとピンチローラを有し、前記ローラのいずれか
一方をプラテンに回転可能に取り付けるととも
に、前記プラテンがベース部材に回動可能に支持
されている印字装置である。また、前記回動可能
なプラテンに、外装ケースとの連結部を設け、前
記プラテンの回動に連動して、前記外装ケースを
回動させる印字装置である。さらに、前記ベース
部材とプラテンとの係止部を有し、前記係止部を
解除することによりプラテンが回動する印字装置
である。第３図は本考案による印字装置を示す斜
視図である。プリンタベース２５には可撓性を有
するレバー２５ｂが一体に設けてあり、前記レバ
ー２５ｂは爪２５ａを有する。プラテン２６は、
前記プリンタベース２５のプラテン支持部２５ｃ
と軸２７により回動可能に支持されている。前記
プラテン２６は捩りコイルバネ２８によつて常に
時計方向に付勢されており、第３図は前記プラテ
ン２６が開いた状態を示している。

またピンチローラ２９はピンチローラ軸３０に
よつて回転可能に前記プラテン２６に支持されて
いる。前記プラテン２６を前記捩りコイルバネ２
８の力に抗して矢印Ａ方向に回転させ、透孔２６
ａを前記爪２５ａに嵌合させることにより印字可
能な状態となる。２５ｄ，２６ｂは捩りコイルバ
ネの各々の先端を引掛る為の突起を示し、２６ｃ
はプラテン２６に設けられた長穴である。紙通路
面２５ｅの切欠部にはフイードローラ３１が設け
られており、前記紙通路面２５ｅ上に印字用紙
（図示せず）を載せて前記プラテンをセツトする
ことにより、印字用紙は前記フイドローラ３１及
びピンチローラ２９の間に挟まれる。

第４図は第３図に示した印字装置を組込んだ電
卓を示す斜視図である。上ケース３２と下ケース
３３によつて種々の機能部品を内蔵する、プリン
タ蓋３４はペーパーカツター３５が一体に固定さ
れ、前期プリンタ蓋３４はインクローラの交換等
の際に上ケース３２から取り外すことができる。
プラテンカバー３６は下ケース３３に回動可能に
連結されており、前記レバー２５ｂを押下するこ
とによりプラテンとともに時計方向に回転し、前
記紙通路面を露程させる。ロール紙３８をロール
紙ホルダ３７に装着し、前記ローラ紙３８の一端
を前記紙通路面に載せて、前記プラテンカバー３
６を反時計方向に回してセツトすることにより印
字可能な状態となる。紙入口３９は下ケース３３
とプラテンカバー３６とで形成され、紙出口４０
はペーパーカツター３５とプラテンカバー３６で
形成されている。

第５図は第４図の電卓のプラテンカバー開閉機
構を示す図である。プリンタベース２５は下ケー
ス３３に固定されている。プラテンカバー３６は
軸４１を中心に回動可能に前記下ケース３３に支
持されている。前記プラテンカバー３６は、紙面
垂直方向の丸軸３６ａを有し、前記丸軸３６ａは
プラテン２６に設けられ長穴２６ｃに摺動自在に
嵌合されている。レバー２５ｂは矢印Ｂ方向に押
し下げることにより、ツメ２５ａがプラテンから
外れ、ネジリコイルバネ２８により時計方向に回
転する。３５はペパーカツターである。

第６図はプラテン２６に連動してプラテンカバ
ー３６が開いた状態を示す。この状態で紙通路面
２５ｅに印字用紙（図示せず）を載せて、その後
第５図の状態に戻すことにより印字用紙は敏速か
つ正確に装填される。

〔考案の効果〕

以上述べてきたように、本考案によれば従来の
問題点であつて紙挿入の困難さを解消し、使い易
い電子機器を提供できる。尚本考案は上述の実施
例に限ることなく、種々応用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の印字装置の斜視図、第２図は従
来の印字装置付電子機器の斜視図、第３図は本考
案による印字装置の一実施例の斜視図、第４図は
本考案による印字装置付電子機器の一実施例の斜
視図、第５図・第６図は本考案による印字装置付
電子機器の機構を示す側面図である。 図において、２５……プリンタベース、２５ａ
……爪、２５ｂ……レバー、２６……プラテン、
２８……捩りバネ、２９……ピンチローラ、３１
……フイードローラ、３８……ロール紙、３９…
…紙挿入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字用紙に印字を行うため、ロール状の印字用
   紙を装着するホルダーが装置本体の背後に備えら
   れるとともに、前記ホルダーに装着されるロール
   状の印字用紙に近接して印字用紙挿入口を装置本
   体の後部に配した小型印字装置において、前記印
   字用紙に記録を行う印字手段と前記印字用紙挿入
   口から前記印字手段に至る紙通路面とを設けると
   ともに、前記印字手段に対向する面及び前記紙通
   路面に対向する面を有するプラテンを前記印字用
   紙の幅方向の一端側を軸として前記紙通路面との
   間に前記印字用紙挿入口から前記印字手段に紙通
   路を形成する位置と該紙通路を解放させ前記紙通
   路面を露出させる位置との間で回動可能となるよ
   うに設けたことを特徴とする印字装置。