JPH0561168B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、フアンの作動により張込んだ穀粒に
対し通気可能としてある穀粒タンクについての改
良に関する。

［従来の技術］ 穀粒乾燥機を用い火力により乾燥した穀粒を放
冷するため、および穀粒を貯蔵するための穀粒タ
ンクＡとして、従来から第１図に示している構成
のものがある。

この穀粒タンクＡは、屋根部１０に穀粒の投入
筒７を設けたタンク本体１の内腔に、略該タンク
本体１の内腔の上下の高さに対応する長さの排気
筒２を、それの軸線方向が上下方向となる姿勢で
配位して、適宜の支持部材３により該タンク本体
１に支架せしめ、その排気筒２の上端側を、吐出
口４０が排風ダクト５によりタンク本体１の外部
に通ずる吸引フアン４の吸引口４１に連通させ、
また、その排気筒２の下端側で、タンク本体１内
に張込まれて堆積する穀粒層Ｇに埋没する部位の
下半側の筒壁２０を、通気性の隔壁に形成してお
き、また、タンク本体１の内腔で、前記穀粒層Ｇ
のレベルの上方に形成される空間Ｗを外部に連通
させる通気口６を、タンク本体１の上部に設け、
タンク本体１の底部に穀粒の排出口１３を装設し
て構成した形態のものである。

そして、この穀粒タンクＡはタンク本体１内に
穀粒を張り込んだ状態において、吸引フアン４を
作動させることで、通気口６からタンク本体１内
に吸引される外気が、タンク本体１内に堆積して
いる穀粒の穀粒層Ｇを、二重線の矢印に示してい
る如く透過して排気筒２内に集められ、吸引フア
ン４の吐出口４０から排風ダクト５を経て機外に
排出されていくようになり、このタンク本体１内
の穀粒層Ｇを流過する外気により、穀粒の放冷ま
たは乾燥が行なわれるようにしたものである。

［発明が解決しようとする課題］ この形態の穀粒タンクＡには、それのタンク本
体１内に、該タンク本体１の屋根部１０を貫通す
る投入筒７から穀粒を所定の堆積高さに張込ん
で、吸引フアン４の作動により、放冷または貯蔵
するとき、外気の湿度が高い場合に、穀粒層Ｇを
透過する外気の水分で穀粒が加湿されるようにな
つて、穀粒乾燥機で乾し上げた穀粒の放冷の場合
には、乾燥の効果を減殺するようになり、また、
穀粒の貯蔵の場合には変質を生ぜしめるようにな
る問題がある。

また、タンク本体１の屋根部１０の内面に、タ
ンク本体１内に張込まれた穀粒層Ｇのレベルの上
方の空間Ｗの空気の水分が結露し、それが穀粒層
Ｇに滴下してくるようになることで、穀粒を局部
的に変質させる問題がある。

湿度の高い外気を取り込むことで、穀粒を加湿
させるようになる問題は、例えば外気を取り込む
通気口６に、湿度センサを設けておいて、取り込
む外気の湿度が一定の湿度となつたときに吸引フ
アン４のモーターの作動を停止させるよう制御す
ることで、防止できるようにはなるが、そのよう
にすると、タンク本体１内の温度が穀粒の熱で上
昇してくることで、屋根部１０の内面の結露が一
層甚しくなるので、結露の防止に、別の手段を施
さない限り採り得ない別の問題が出てくる。

［目的］ 本発明は、上述の形態の従前の穀粒タンクに生
じているこれらの問題を解消せしめるためになさ
れたものであつて、穀粒の放冷または通気が行な
えるようにしながら、外気の湿度が高い場合に、
取り込む外気の湿度で穀粒を加湿するようになる
現象の防止と、タンク本体１内の穀粒層Ｇの上方
の空間Ｗにおける空気中の水分の凝結により屋根
部１０の内面に生じてくる結露の防止との両者が
効果的に行なえるようにする新たな手段を提供す
ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ そして、本発明においては、この目的を達成す
るための手段として、タンク本体内に竪方向の排
気筒を配設して、その排気筒の上端側に吐出口が
前記タンク本体の外部に連通する吸引フアンの吸
引口を接続し、その排気筒の下半側で前記タンク
本体内に張込まれる穀粒層内に没入する部位の少
なくとも下半側の筒壁を通気性に形成し、その排
気筒の前記穀粒層の上方に突出する部位に前記タ
ンク本体内部の前記穀粒層の上方における空間に
対し連通する吸気口を開設し、その吸気口に前記
穀粒層の上方の空間に対する連通を遮断して排気
筒の下半側を吸引フアンの吸引口に連通させると
状態と吸気口を前記空間に連通させて吸引フアン
と吸引口と排気筒の下端側との連通を遮断する状
態とに切り換わる開閉弁を設け、前記タンク本体
には前記穀粒層の上方の空間を外部に連通さす通
気口を装設してなる穀粒タンクを提起するもので
ある。

［実施例］ 次に実施例を図面に従い詳述する。なお図面符
号は、同効の構成部材については従前手段のもの
と同一の符号を用いるものとする。

第２図は本発明を実施せる穀粒タンクＡの縦断
した正面図で、同図において、１はタンク本体、
２はタンク本体１内に配設した竪方向の排気筒、
４は排気筒２の上端側に吸引口を接続させた吸引
フアン、Ｇはタンク本体１内に張込んで堆積させ
た穀粒層、２０はその穀粒層Ｇ内に没入する前記
排気筒２の下端側に形成した通気性の隔壁よりな
る筒壁、８は前記排気筒２の前述穀粒層Ｇのレベ
ルから上方に突出する部位に前記穀粒層Ｇの上方
の空間ｗに連通するよう開設した吸気口、９はそ
の吸気口８を開閉するよう設けた開閉弁、６はタ
ンク本体１に前記穀粒層Ｇの上方の空間ｗを外部
に連通さすように設けた通気口を示す。

タンク本体１は、コーン状の屋根部１０とホツ
パー状の底部１１を具備する通常の鋼板製のもの
で、コーン状の屋根部１０には、内部に投入する
穀粒の投入口となる投入筒７が該屋根部１０を貫
通するように設けてあり、また、ホツパー状とし
た底部１１の下端には、開閉シヤツター１２によ
り閉塞された排出口１３が装設してある。また、
タンク本体１の胴周壁１４には、前記投入筒７か
ら張込む穀粒のレベルを看取する覗き窓１５が設
けてある。

タンク本体１内に配設した竪方向の排気筒２
は、略タンク本体１内腔の上下高さに対応する長
さに形成してあつて、タンク本体１内腔の中心部
位に配位して、チエーン状の支持部材３によりタ
ンク本体１内に吊下げ状態に支持せしめてある。
この排気筒２は、複数本並列させて設ける場合が
あり、また、上端側をタンク本体１の屋根部１０
に連結して一体的に支持せしめる場合がある。

排気筒２の上端側に吸引口４１を接続した吸引
フアン４は、通常のシロツコフアンで、排気筒２
の上端部に一体的に組付けることで、タンク本体
１内に装設してあり、それの吐出口４０に接続す
る排風ダクト５が、タンク本体１の屋根部１０を
貫通して外部に突出することで吐出口をタンク本
体１の外部に連通させている。

この吸引フアン４は、前記排気筒２の上端側
が、タンク本体１の屋根部１０を貫通して外部に
突出しているときは、タンク本体１の外部におい
て排気筒２に接続する。この場合には、吸引フア
ン４の吐出口４０に接続する排風ダクト５は省略
してよい。

また、排気筒２の下端側の通気性の隔壁よりな
る筒壁２０は、多孔板であり、排気筒２の下半側
で、タンク本体１内に穀粒を規定のレベルに達す
る穀粒層Ｇに堆積させて張込んだときの、その穀
粒層Ｇ内に埋没していく部位の略中間位置より下
方の部位に装設してあるが、吸引フアン４の吸引
圧との関係、また、第２図にて鎖線に示している
如く、穀粒層Ｇの上表面に接触する部位で排気筒
２のまわりを取り囲む部位に設ける鍔状の遮板ａ
との関係で、適宜の範囲に設けられる。

排気筒２の穀粒層Ｇの上表面よりも上方に突出
する部位に設ける吸気口８は、タンク本体１内に
規定量の穀粒を張込んだときの穀粒層Ｇのレベル
よりも幾分上方に寄せた位置で、前述の投入筒７
に対し反対側に向けて開口させてあり、また、投
入筒７から投入される穀粒の飛込みを防ぐフード
８０が設けてある。

吸気口８を開閉する開閉弁９は、回転軸９０中
心に回動して、第３図の如く排気筒２の下半側と
吸引フアン４との連通を遮断して吸気口８を開放
する状態と、第４図の如く、吸気口８を遮閉して
排気筒２の下半側と吸引フアン４とを連通させる
状態とに切換える切換弁状に形成してあり、その
回転軸９０を、伝導機構を介して遠隔操作する手
動レバーまたは、モーターの出力軸に伝導させる
ことで、手動による遠隔操作またはモーターの作
動の制御により回動させて、切換え作動さすよう
にしてある。

この開閉弁９の切換え作動は、吸気口８に吸引
されてくる空気の湿度を検出する湿度センサをフ
ード８０内または、タンク本体１に設ける通気口
６に設けておいて、それの検出作動で前述の回転
軸９０を駆動するモーターの回路を制御させ、湿
度が所望に設定しておく設定湿度以上になること
で、前述の第３図の状態になるよう作動し、また
設定湿度以下になることで第４図の状態に切換わ
るよう自動制御する場合がある。

タンク本体１に設ける前記通気口６は、タンク
本体１内に規定量の穀粒が堆積する穀粒層Ｇとし
て張込まれたときに、その穀粒層Ｇの上表面の上
方に形成されるタンク本体１内の空間ｗに対して
連通する位置に設けてあれば良いものであるが、
図示する例の如く、タンク本体１の屋根部１０に
寄せた部位に設けることが望ましい。

なお、通気口６は、タンク本体１内の穀粒層Ｇ
の上方の空間ｗに連通する通気口６の外に、第５
図、第６図、第７図に示している如く、タンク本
体１の底部に、補助通気口６ａを設けておいて、
吸引フアン４の作動により、排気筒２の下端側の
通気性の隔壁よりなる筒壁２０の部位に、外気が
穀粒層Ｇの下面側からもその穀粒層Ｇを透過して
流入していくようにすることで、排気筒２の穀粒
層Ｇに対する没入深さを浅くして、該排気筒２の
上下の長さを短くする場合がある。

このように構成する実施例装置は次のように作
用する。

タンク本体１内に穀粒を張り込んで、吸引フア
ン４の作動により放冷または貯蔵を行なう際、外
気の湿度が低いときには、開閉弁９を、第４図の
状態に切換えておく。

これにより、吸引フアン４を作動させると、通
気口６（補助通気口６ａを設けたときは、通気口
６および補助通気口６ａ）から外気がタンク本体
１内に吸引されて、穀粒層Ｇを透過して排気筒２
内に流入し、吸引フアン４の吐出口からタンク本
体１の外部に排出されていき、この穀粒層Ｇを透
過する外気により穀粒の放冷または通気が行なわ
れるようになる。

また、同時に、吸引フアン４の吸引圧が、タン
ク本体１内の上部の空間ｗの全体に作用すること
で、タンク本体１の屋根部１０の内側の空気が穀
粒層Ｇの上面に向けて降下し、通気口６から前記
空間ｗに流入する外気の一部が、屋根部１０の内
側に向かうようになるので、屋根部１０内側の空
気の換気が行なわれてこの屋根部１０内面に生ず
る結露を防止するようになる。

次に、外気の湿度が高いときには、前記開閉弁
９を第３図の状態に切換えておく。

これにより、吸引フアン４の作動で排気筒２内
に作用する吸引圧は、排気筒２の下端側に対して
遮断され、吸気口８を介して穀粒層Ｇの上方の空
間ｗにだけ作用するようになる。

従つて、補助通気口６ａから外気の流入はなく
なり、通気口６からだけ穀粒層Ｇの上方の空間ｗ
に外気が流入し、その外気が吸気口８から排気筒
２内に吸引されて吸引フアン４の吐出口からタン
ク本体１の外部に排出されていくようになつて、
穀粒層Ｇを透過する空気の流れが消失し、穀粒層
Ｇの上方の空間ｗの換気だけが行なわれる状態と
なり、穀粒に対する加湿を阻止して、屋根部１０
の内面に生ずる結露を有効に防止するようにな
る。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明による穀粒タンク
Ａは、タンク本体１内に竪方向の排気筒２を配設
して、その排気筒２の上端側に吐出口４０が前記
タンク本体１の外部に連通する吸引フアン４の吸
引口４１を接続し、その排気筒２の下半側で前記
タンク本体１内に張込まれる穀粒層Ｇ内に没入す
る部位の少なくとも下半側の筒壁２０を通気性に
形成し、その排気筒２の前記穀粒層Ｇの上方に突
出する部位に前記タンク本体１内部の前記穀粒層
Ｇの上方における空間Ｗに対し連通する吸気口８
を開設し、その吸気口８に前記穀粒層Ｇの上方の
空間Ｗに対する連通を開閉制御する開閉弁９を設
け、前記タンク本体１には前記穀粒層Ｇの上方の
空間Ｗを外部に連通さす通気口６を装設して構成
してあるのだから、外気の湿度が低い場合には、
開閉弁９を閉じて吸気口８と穀粒層Ｇの上方の空
間Ｗとの連通を遮断した状態で、吸引フアン４を
作動させることで、通気口６からタンク本体１内
に吸引される外気が穀粒層Ｇを透過して排気筒２
を介し外部に排出され、この間に、穀粒の放冷ま
たは通気が行なわれるようになり、同時に穀粒層
Ｇの上方の空間Ｗの空気が、穀粒層Ｇの上面に向
け下降して、屋根部１０の内側部位に通気口６か
ら流入してくる外気の一部が流れ込むようになつ
て、屋根部１０の内面への結露を防止するように
なる。

また、外気の湿度が高い場合には、開閉弁９
を、吸気口８が開放して排気筒２の下端側に対す
る連通が閉塞された状態に切換えて、吸引フアン
４を作動させることで、穀粒層Ｇを透過する空気
の流れを消失させて、穀粒層Ｇの上方の空間Ｗの
換気だけが行なわれるようになつて、穀粒に対す
る加湿を阻止して屋根部１０の内面に生ずる結露
を防止するようになる。

従つて、この開閉弁９の切換作動により、穀粒
放冷と通気が通常の如く行なわれるようにしなが
ら、外気の湿度が高い場合に、取り込む外気の湿
度で穀粒を加湿するようになる現象と屋根部１０
内面に結露が生じてくる現象との両者を、効果的
に防止し得るようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従前手段の説明図、第２図は本発明を
実施せる穀粒タンクの縦断正面図、第３図および
第４図は同上の要部の作用の説明図、第５図、第
６図、第７図はそれぞれ別の実施例の部分の縦断
正面図である。 図面符号の説明、Ａ……穀粒タンク、Ｇ……穀
粒層、ｗ……空間、ａ……遮板、１……タンク本
体、１０……屋根部、１１……底部、１２……開
閉シヤツター、１３……排出口、１４……胴周
壁、１５……覗き窓、２……排気筒、２０……筒
壁、３……支持部材、４……吸引フアン、４０…
…吐出口、４１……吸引口、５……排風ダクト、
６……通気口、６ａ……補助通気口、７……投入
筒、８……吸気口、８０……フード、９……開閉
弁、９０……回転軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ タンク本体１内に竪方向の排気筒２を配設し
   て、その排気筒２の上端側に吐出口４０が前記タ
   ンク本体１の外部に連通する吸引フアン４の吸引
   口４１を接続し、その排気筒２の下半側で前記タ
   ンク本体１内に張込まれる穀粒層Ｇ内に没入する
   部位の少なくとも下半側の筒壁２０を通気性に形
   成し、その排気筒２の前記穀粒層Ｇの上方に突出
   する部位に前記タンク本体１内部の前記穀粒層Ｇ
   の上方における空間Ｗに対し連通する吸気口８を
   開設し、その吸気口８に前記穀粒層Ｇの上方の空
   間Ｗに対する連通を遮断して排気筒２の下端側を
   吸引フアン４の吸引口４１に連通させる状態と吸
   気口８を前記空間Ｗに連通させて吸引フアン４の
   吸引口４１と排気筒２の下端側との連通を遮断す
   る状態とに切り換わる開閉弁９を設け、前記タン
   ク本体１には前記穀粒層Ｇの上方の空間Ｗを外部
   に連通さす通気口６を装設してなる穀粒タンク。