JPH0560807U - セメントモルタル成形用プレス金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型シートの背面に負圧を作用させる必要
がなく、離型剤を使用せずにセメントモルタル成形品が
製造できる。 【構成】 成形品の表面側を形成する金型２の成形面
１５側に、通水性を有するシート材１０が配設されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、セメントモルタル成形品を成形する際に用いられるセメントモルタ ル成形用プレス金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

セメントモルタル成形品を成形する際に用いられるセメントモルタル成形用プ レス金型は、成形時にセメントモルタルの搾水を行う金型と、成形品の表面側を 形成する金型とからなり、成形された成形品を金型から離型するために金型には 離型剤が塗布されていた。

【０００３】 ところで成形品の表面側は、仕上げを良くするため離型後に仕上げ剤を塗布し なければならないことがある。しかし上記のように離型剤が金型に塗布されてい ると成形時にこの離型剤が成形品側に転写され塗膜密着性が悪くなり、この面に 仕上げ剤を塗布することは不可能であった。また完全に不可能ではないにしても 仕上げ面が良好に仕上がらず、粗悪品が製造されるに過ぎなかった。

【０００４】 この問題を解決する一手段として、離型剤を使用しないでセメントモルタル成 形品を製造できるセメントモルタル成形品のプレス成形方法と装置が、特公昭６ ０−３９６８号公報に開示されている。

【０００５】 このセメントモルタル成形品のプレス成形方法と装置は、通気性がないか極め て少ない可撓性シート材からなり、不使用時に材料の可撓性によって金型成形面 より離れている離型シートを、圧縮成形時或いは成形後の成形品搬送時にその背 面に負圧を作用させて、搾水を行う金型と反対の金型に密着させ、搬送された成 形品を受板に引渡す際に、離型シートの背面に及ぼす負圧を解除することを特徴 とするものであり、また金型の一方に通気性がないか極めて少ない可撓性シート 材からなる離型シートを、不使用時に材料の可撓性によって金型成形面から離れ るように取付け、金型の該離型シート背面に通じる場所に複数の開口を設け、該 開口を真空吸引装置に連通したことを特徴とするものである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上記のセメントモルタル成形品のプレス成形方法と装置では、通気性が ないか極めて少ない可撓性シート材からなる離型シートを使うために、可撓性に よって金型成形面より離れている離型シートを金型に密着させるために、離型シ ートの背面に負圧を作用させる必要があった。

【０００７】 本考案は、上記の点に鑑み、離型シートの背面に負圧を作用させる必要がなく 、離型剤を使用せずにセメントモルタル成形品が製造できるセメントモルタル成 形用プレス金型を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案のセメントモルタル成形用プレス金型は、成形品の表面側を形成する金 型の成形面側に、通水性を有するシート材が配設されていることを特徴とするも のである。

【０００９】 通水性を有するシート材としては目の細かな布等を好適に用いることができる 。

【００１０】

【作用】

成形品の表面側を形成する成形面が、通水性を有するシート材により覆われ、 成形品の表面が脱水され粘着性を失うため、成形面に離型剤を塗布する必要がな くなる。従ってセメントモルタル成形品の表面側に離型剤が転写されずこの面の 塗膜接着性がよくなり、セメントモルタル成形品の表面側に仕上げ剤等を塗布す ることができるようにな る。

【００１１】 通水性を有するシート材はその背面に負圧を作用させずに成形時の成形圧力に より金型面に密着される。

【００１２】

【実施例】

以下実施例を図面を用いて説明する。 図１は本考案の一実施例の断面図である。

【００１３】 １は成形時にセメントモルタルの搾水を行う上型であり、２は成形品の表面側 を形成する下型である。上型１には水切鉄板３とポリプロピレン製濾布４と成形 時の真空搾水の際用いられる真空搾水管２１とが取付けられ、上型１は上下動可 能な枠５により上下動自在とされている。また上型１と水切鉄板３とには複数の 開孔２０が設けられ、この複数の開孔２０は真空搾水管２１を介して真空源に連 通されている。

【００１４】 成形品の表面側を形成する下型２の上面には目の細かな布からなる通水性を有 するシート材１０が固定具１１により取付けられている。なお下型２の成形面１ ５は平板状の形状をしている。

【００１５】 セメントモルタル成形品は、下型２の通水性を有するシート材１０上に原材料 のセメントモルタルが載置された後、上型１が下降されて成形される。このとき セメントモルタルは真空源に連通された開孔２０，真空搾水管２１を介して真空 搾水される。成形後セメントモルタル成形品は上型に吸着されたままで上方に引 き上げられ離型される。

【００１６】 セメントモルタル成形品の離型は、下型２の成形面１５上の通水性を有するシ ート材１０により下型２の成形面１５に離型剤を塗布せずに行われる。なお通水 性を有するシート材１０は成形時の圧力により下型２の成形面１５に密着される 。

【００１７】 なお成形品の表面側を形成する型を上型、成形時にセメントモルタルの搾水を 行う型を下型としてもよく、成形品の表面側を形成する型からも搾水を行なえる ようにしてもよい。

【００１８】 図２は本考案の他の実施例の断面図であり、金型の成形面が複雑な凹状をして いる場合の例である。 前記した実施例と同様に上型６には水切鉄板８とポリプロピレン製濾布４と成 形時の真空搾水の際用いられる真空搾水管２３とが取付けられ、上型６は上下動 可能な枠５により上下動自在とされている。また上型６と水切鉄板８とには複数 の開孔２２が設けられ、この複数の開孔２２は真空搾水管２３を介して真空源に 連通されている。

【００１９】 成形品の表面側を形成する下型７の上面に目の細かな伸縮性布からなる通水性 を有するシート材１２が固定具１１により取付けられている。下型７の成形面１ ６は上方に向けて開口した凹状の形状をしている。

【００２０】 伸縮性布はナイロンとポリウレタンの混紡（日本合成繊維社、商品名ロイカ、 伸長率：荷重２．２５ｋｇ時に経方向２６０％、緯方向２１６％、密度１０８ｃ ／インチ（１インチ当たりのナイロンのループ数））が用いられている。

【００２１】 セメントモルタル成形品は前記した実施例と同様に成形されるが、通水性を有 するシート材１２が目の細かな伸縮性布からなるために成形時に通水性を有する シート材１２が凹状の複雑な形状をしている下型７の成形面１６に沿って伸張し 、成形面１６に密着する。

【００２２】 このように凹状等の複雑な形状をしている金型の成形面にも離型剤を塗布せず に通水性を有するシート材によりセメントモルタル成形品を離型することができ る。

【００２３】

【考案の効果】 通水性を有するシート材により成形品の表面側を形成する成形面が離型される ので、成形面に離型剤を塗布する必要がなくなる。従ってセメントモルタル成形 品の表面側に離型剤が転写されずこの面の塗膜接着性がよくなる。このためこの 面に仕上げ剤等を塗布することか可能となり、セメントモルタル成形品の表面側 の仕上げを向上させることができる。

【００２４】 通水性を有するシート材は成形時の成形圧力により金型面に密着されるので、 その背面に負圧を作用させなくてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の断面図である。

【図２】本考案の他の実施例の断面図である。

【符号の説明】

１，６ 上型 ２，７ 下型 ３，８ 水切鉄板 ４ 濾布 ５ 枠 １０，１２ 通水性を有するシート材 １１ 固定具 １５，１６ 成形面 ２０，２２ 開孔 ２１，２３ 真空搾水管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形品の表面側を形成する金型の成形
   面側に、通水性を有するシート材が配設されていること
   を特徴とするセメントモルタル成形用プレス金型。