JPH0560724A - 塩化物イオン選択性電極用応答膜 - Google Patents

塩化物イオン選択性電極用応答膜

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JPH0560724A
JPH0560724A JP3246549A JP24654991A JPH0560724A JP H0560724 A JPH0560724 A JP H0560724A JP 3246549 A JP3246549 A JP 3246549A JP 24654991 A JP24654991 A JP 24654991A JP H0560724 A JPH0560724 A JP H0560724A
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JP
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ion
chloride
epoxy resin
ions
quaternary ammonium
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JP3246549A
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Inventor
Eiji Akiyama
英時 秋山
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Jokoh Co Ltd
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Jokoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線性、応答性、イオン選択性を犠牲にする
ことなく、機械的強度に優れ、タンパク等の生体物質の
付着にも汚れにも強い塩化物イオン選択性電極用応答膜
を提供することを目的とする。 【構成】 塩化物イオン選択性感応物質を、ポリチオー
ル系エポキシ樹脂とポリアミド系エポキシ樹脂との混合
物からなる支持体に保持させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化物イオン選択性感
応物質を高分子物質からなる支持体に保持させたプラス
チック膜型の塩化物イオン選択性電極用応答膜に関する
ものである。
【0002】
【技術的背景】溶液中の塩化物イオン(Cl- )の分析
に使用する塩化物イオン選択性電極用応答膜としては、
以下のものが知られている。 (a) 塩化銀を主体とした固体成形膜によって応答膜を形
成したもの(固体膜型の応答膜) このタイプの応答膜は堅牢で機械的強度があり、また直
線応答性に優れている。しかし試料溶液中に臭素やヨウ
素等の他のハロゲンイオン、あるいは、イオウイオン、
シアンイオン、チオシアン酸イオンなどが共存している
と、応答膜表面が非可逆的化学変化を受け、その結果電
位が安定しなくなる。また種々の生体試料に含まれるタ
ンパク等によっても悪影響を受け、これらの試料では電
位が安定しないという欠点がある。
【0003】(b) 感応物質を適当な有機溶媒に溶かし、
これをセラミック等の多孔質の支持体に保持させたもの
(いわゆる液膜型の応答膜) 感応物質としてメチルトリカプリルアンモニウムイオン
等の4級アンモニウム塩が、溶媒としては1−デカノー
ルなどが用いられている。このタイプの応答膜は、(a)
のタイプのものと異なり、ハロゲンイオン等による非可
逆的化学変化を受ける塩化銀を感応物質として使用して
いない。感応物質である4級アンモニウム塩は、これら
妨害イオンによって電位測定時に多少の悪影響は受ける
ものの、これら妨害イオンがなくなれば本来の電位応答
能力を回復する。またタンパク等の影響を受けにくいこ
とから(a) の固体膜型タイプよりも有用であるといわれ
ている。しかしながら、このタイプの応答膜は感応物質
を含む有機層が応答膜から絶えず流出するため寿命が短
い。有機層の補充により繰り返し使用することもできる
が、有機層の入れ換え作業が難しくトラブルが発生しや
すい。また応答の直線範囲が10-1MCl- 〜10-4
Cl- 程度で感度が悪く、さらに機械的強度がなく振動
に弱いという欠点がある。
【0004】(c) 感応物質を適当な有機溶媒に溶かし、
これを塩化ビニル樹脂等の高分子重合体の支持体に保持
させたもの(いわゆる高分子液膜型の応答膜) 感応物質としてはテトラセチルアンモニウムクロライド
等の4級アンモニウム塩が、溶媒としては1−テトラデ
シルアルコール、o−ニトロフェニルエーテルなどが用
いられる(特開昭64−23151)。このタイプの応
答膜は、(b)の液膜型応答膜の改良型であって、多孔質
支持体の代わりに高分子支持体で感応物質を含む有機層
を保持することによって、感応物質の流出を少なくした
ものである。特に可塑剤としてフタル酸n−ジオクチル
等のエステルを添加すると、感応物質を含んだ有機層の
流出は殆どなくなる。しかしながら、このタイプの応答
膜は(b) の液膜型応答膜と同様、直線応答性の範囲が狭
い。また重炭酸イオンや酢酸イオン等のいわゆる親水性
妨害イオンに対する選択性が劣るという難点がある。特
に可塑剤としてフタル酸n−ジオクチルを用いた場合に
は、臭化物イオンや硝酸イオン等のいわゆる親油性妨害
イオンに対する選択性も悪化する。また種々の生体試料
の測定では、タンパク等の影響を受け電位が安定しない
欠点がある。
【0005】(d) 4級アンモニウム陽イオンに代表され
る感応物質と高分子重合体陰イオンからなるイオン会合
体を支持体とし(陽イオン>陰イオン)、さらに感応物
質である4級アンモニウム陽イオンに含まれるアルキル
鎖を配向させたもの(いわゆる分子配向膜型の応答膜)
(特開昭63−265154) 感応物質としてはジメチルジステアリルアンモニウムイ
オン等のR4+ 型で、2つのR基が他の2つのR基よ
りも長いアルキル鎖を有する4級アンモニウム塩が、ま
た陰イオン性高分子重合体にはポリスチレンスルホン酸
イオンが用いられる。このタイプの応答膜は(おそらく
応答膜の表面が堅いため)タンパク等の影響を受けにく
く、直線性、応答性にも優れている。しかし、生体試料
の多くに含まれている重炭酸イオンによる妨害を受けや
すく選択性に難がある。また機械的強度も低いという欠
点がある。
【0006】(e) 感応物質をジベンジルソルビトールで
ゲル化し、これをポリアミド系エポキシ樹脂に内蔵させ
て固化したもの(いわゆる高分子固体膜型の応答膜) このタイプの応答膜は機械的強度が大きく取扱いが簡便
であり、直線応答範囲も1MCl- 〜10-5MCl-
広い。しかし応答速度が極端に遅く1MCl-〜10-5
MCl- に変化させた時、応答に60分もかかってしま
う。
【0007】(f) (e)の感応物質の支持体をポリアミド
系エポキシ樹脂と塩化ビニル樹脂の混合物に代えた応答
膜(特公平2−40184) 感応物質としてはトリドデシルメチルアンモニウムクロ
ライド等のR4 NCl(4級アンモニウム塩のクロライ
ド型)が、また溶媒(塩化ビニル樹脂の可塑剤)として
はフタル酸n−ジオクチル等のフタル酸エステルが用い
られる。エポキシ樹脂としてはビスフェノールタイプの
ものが、またエポキシ樹脂硬化剤としてはアミンタイプ
のものが用いられている。このタイプの応答膜は、(e)
の応答膜の改良型であって、比較的堅牢であり、直線応
答範囲も10-1MCl- 〜10-4MCl- と優れてい
る。しかし(e) の応答膜より改良されたとはいえ、まだ
応答速度が遅く、10-1MCl- 〜10-5Mに変化させ
た時、応答に約15分もかかる。またヨウ化物イオンな
どのハロゲンイオン及びや硝酸イオン等によって妨害を
受けやすい。
【0008】(g) 感応物質を、融点が室温以上でかつ分
子内に水酸基を少なくとも1つ有する化合物に融かし込
んだもの(いわゆる無支持体型の応答膜)(特願平1−
342943、同2−245177) 感応物質としてはエチルトリドデシルトルアンモニウム
クロライドや1−ヒドロキシエチルトリドデシルアンモ
ニウムクロライド等の4級アンモニウム塩)が、また感
応物質の賦形材として1−テトラデカノールまたはコレ
ステロールなどが用いられる。このタイプの応答膜は、
直線応答性の範囲が10-1MCl- 〜10-4MCl-
優れ、また臭化物イオンや硝酸イオン等(いわゆる親油
性妨害イオン)や重炭酸イオンや酢酸イオン等(親水性
妨害イオン)の影響を受け難く、イオン選択性の点で優
れている。しかし有機化合物そのものを賦形材としてい
るため、機械的強度は小さい。また賦形材の骨格が親油
性であるため、タンパクや脂質成分等の影響を受けやす
いという欠点がある。
【0009】以上のように従来の塩化物イオン選択性電
極はそれぞれ一長一短であった。即ち、直線性(測定可
能濃度範囲)、応答性(感度)、イオン選択性等を重視
したものは機械的強度に優れず、一方、機械的強度を確
保するため樹脂を支持体として用いたものでは、感度や
イオン選択性の点で難があった。
【0010】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、直線性、応答性、イオン選択性を犠牲にす
ることなく、機械的強度に優れ、タンパク等の生体物質
の付着にも、汚れにも強い塩化物イオン選択性電極用応
答膜を提供することを目的とする。
【0011】
【発明の構成】このような本発明の目的は、塩化物イオ
ン選択性感応物質を、ポリチオール系エポキシ樹脂とポ
リアミド系エポキシ樹脂との混合物からなる支持体に保
持させたことを特徴とする塩化物イオン選択性電極用応
答膜、により達成された。すなわち、本発明は、塩化物
イオン選択性感応物質を保持する支持体の化学環境に着
目して、親水性の比較的高いポリチオール系エポキシ樹
脂と、親油性の比較的高いポリアミド系エポキシ樹脂と
を組み合わせ支持体としたものである。これによって感
応物質の親水性、親油性だけでなく、支持体の親水性、
親油性を制御することが可能となり、その結果樹脂の支
持体を用いた場合にでも、優れたイオン選択性、直線
性、応答性の確保を可能にしたものである。またエポキ
シ樹脂自体は機械的強度に優れ堅牢であるから、例えタ
ンパクなどが付着しても、容易に拭き取ることができ
る。感応物質が流出することもないからその寿命も長い
ものとなる。また、感応物質として、a)1分子当たり複
数の窒素原子を有する環状4級アンモニウム塩と、b)環
状4級アンモニウム陽イオンと高分子重合体陰イオンと
のイオン会合体、との混合物を使用することにより、よ
り優れたイオン選択性を達成することができる。
【0012】
【発明の構成の詳細な説明】支持体に使用するエポキシ
樹脂は、主剤としてビスフェノールタイプのものを用
い、その硬化剤としてチオールタイプのものを用いたポ
リチオール系エポキシ樹脂と、同じくビスフェノールタ
イプの主剤にアミンタイプの硬化剤を用いたポリアミド
系エポキシ樹脂との混合物を使用する。これらのエポキ
シ樹脂は、2液型エポキシ系接着剤を使用してもよい。
ポリチオール系エポキシ樹脂は塩化ビニル樹脂に比べる
と親水性がかなり高く、一方ポリアミド系エポキシ樹脂
はそれよりは親油性が高い。イオン選択性電極用応答膜
のイオン選択性は、その中に含有される感応物質に依存
するのは勿論だが、その他の電極応答膜内の構成成分
(具体的には各種溶媒、強度を増す目的で添加されるガ
ラス繊維、さらに支持体など)の性質にも影響される。
その影響の目安となるのが、対象物質の親水性あるいは
親油性の程度である。例えば感応物質(イオン交換体)
が親油性の性質をもっていれば、下記ホフマイスター系
列の左側にある陰イオンに対してより強く応答し、右側
にある陰イオンに対する応答は弱くなる。 (親油性) ClO4 - >SCN->I- >NO3 ->N3 - >NO2 ->Cl- >HCO3 - > CH3COO- =SO4 2- >F- >HPO4 2- (親水性)
【0013】従って、このような親油性大の感応物質を
用いた場合には、塩化物イオン(Cl- )よりも親油性の
夾雑イオンに多く感応することになり、測定の妨害とな
る。一方、親水性イオンによる妨害は少ない。この親油
性感応物質をやはり親油性の支持体に保持すれば、その
ように作製された電極用応答膜では、もともとの感応物
質の性質が増長されるであろうし、また支持体の親油性
が感応物資のそれと同程度であれば、できた応答膜の性
質は元の感応物質のそれと同程度となろう。逆に親水性
支持体を用いれば、その支持体の親水性の度合いに従っ
て、電極の性質も親油性イオンに妨害されにくくなる一
方、親水性イオンには妨害されやすい方向に移っていく
ことになる。
【0014】一般に生体試料液には、塩化物イオン(Cl
- )よりも親油性大であるイオン(ClO4 -, SCN-,I-, B
r-, NO3 -等)よりも、親水性が大であるHCO3 - ,HPO4 2-
イオン等の量がはるかに多いことから、これら親水性イ
オンに対する選択性が重要視されている。しかし、親油
性イオン(特にBr- )は薬物のカウンターイオンとして
使用されることが多いので、薬物を投与されたまたは服
用している患者の血清、血液中の塩化物イオン濃度測定
では、これら親油性イオンに対する選択性(排除性)も
要求される。結局これら親水性イオンと親油性イオンの
双方の妨害を排除することが要求される。本発明は、イ
オン選択性を制御するため、支持体を含めた化学環境を
制御することにより、これら親水性イオンと親油性イオ
ンとの双方の妨害を排除することが可能にしたものであ
る。また親水性、親油性の異なる2つのエポキシ樹脂を
用いるものであるから、感応物質の性質(親水性、親油
性の程度)に応じて、その混合比を適宜代えることによ
り、好ましいイオン選択性を確保することができる。
【0015】本発明における塩化物イオン選択性感応物
質としては、従来より感応物質として広く用いられてい
る4級アンモニウム塩のイオン交換体を使用することが
できる。4級アンモニウム塩のアルキル基が長鎖なもの
ほど親油性が大となり、親水性イオンを排除する。すな
わち親水性妨害イオンに対するイオン選択性は高くな
る。一方、アルキル基が短鎖になれば、親水性が大とな
るので親油性イオンに対するイオン性が高くなる。従っ
て、本発明で使用される感応物質は、支持体に使用した
ポリチオール系及びポリアミド系エポキシ樹脂による化
学環境に応じて適宜のものを選ぶ。本発明ではより好ま
しい感応物質として、a)1分子当たり複数の窒素原子を
有する環状4級アンモニウム塩と、b)環状4級アンモニ
ウム陽イオンと高分子重合体陰イオンとのイオン会合
体、との混合物を使用することができる。
【0016】4級アンモニウム塩中で、マイナス荷電の
陰イオンを引きつけるのは、窒素原子上のプラス荷電で
ある。従って、感応物質1分子当たり電荷を多く持つも
のほど陰イオンを強く引き寄せることが出来、感度が上
昇する(静電効果)。この観点から、本発明では、1分
子当たり複数の窒素原子を有する環状4級アンモニウム
塩を感応物質の一つとして使用する。
【0017】一方、このような電荷の多い感応物質は、
塩化物イオンだけでなく、他の陰イオンも強く引きつけ
ることになるから、他の陰イオン(すなわち妨害イオ
ン)を排除する必要がある。妨害イオンの排除は、前記
したようにアンモニウム塩のアリキル鎖の長さを調整し
て、その親油性、親水性を調節することにより対処でき
る。また長鎖アルキル基を有するものであれば、その長
鎖が立体障害がとなって、SO4 2- のような大きな陰イ
オンの接近を妨げ、これら大きな妨害イオンに寄る電位
応答は弱くなると思われる。本発明では、このような立
体障害の観点から、環状4級アンモニウム陽イオンと高
分子重合体陰イオンとのイオン会合体を併せて使用して
いる。
【0018】1分子当たり複数の窒素原子を有する環状
4級アンモニウム塩としては、たとえば、下記構造式に
示す1,14−ジステアリルビシクロ[2,2,2]オ
クタ−1,14−ジアンモニウムクロライド(以下、D
SBODA2+・2Cl- と略記する)がある。
【0019】
【化1】
【0020】環状4級アンモニウム陽イオンと高分子重
合体陰イオンとのイオン会合体としては、たとえば、下
記構造式に示す(8S,9R)−ベンジルシンコニジニ
ウム陽イオン(以下、BC+ )とポリスチレンスルホン
酸陰イオン(以下、PSS-)とのイオン会合体(BC+
−PSS- )がある。
【0021】
【化2】
【0022】このイオン会合体では、環状4級アンモニ
ウムイオン(BC+ )の対イオンとなるポリスチレンス
ルホン酸陰イオン(PSS- )が高分子であるため、立
体排除効果が高められる。PSS- の重合度は約300
〜約3000のものが好ましい。またBC+ とPSS-
との会合比は1、ないしは、若干BC+ が多めになる位
が好ましい。このイオン会合体は高分子鎖が絡み合った
状態にあり、その絡み合い構造の中に、前述のDSBO
DA2+・2Cl- が捉えられていれば、DSBODA2+
・2Cl-の静電効果とイオン会合体による立体効果と
が共に強力に発揮されることになる。特に本発明では、
これらを2種のエポキシ樹脂で化学環境を整えた支持体
中に埋め込むことになるので、親油・親水効果も最大限
に利用でき、イオン選択性も優れたものとなる。
【0023】
【実施例1】(1) 感応物質(1,14−ジステアリルビシクロ[2,
2,2]オクタ−1,14−ジアンモニウムクロライ
ド:DSBODA2+・2Cl- )の合成 1,14−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(和
光純薬工業製)10gに、ジメチルホルムアミド20m
l、次いでエチルアルコール200mlを注ぎ、加熱溶
解した。この溶液に、1−ヨードオクタデカン(東京化
成工業製)25gを150mlのジメチルエーテルで溶
解したものを、撹拌しながら滴下した。このとき液温が
70℃を上回らないようにした。滴下混合終了後、約4
時間還流した。冷却後、内容物(DSBODA2+・2I
)を濾別し、乾燥後、室温保存した。得られた粗成
DSBODA2+・2I の5gに、約500mlのエ
チルアルコールを加えて加温し、沸騰を始めた後に20
0mlの濃塩酸を注ぎ入れ撹拌した。しばらく放置後、
液上に浮かび上がってきた粗成目的物(DSBODA2+
・2Cl- )を採取し、エチルアルコールで再結晶後、
乾燥し室温保存した。
【0024】(2) イオン会合体(BC+ −PSS- )の
調製 2gの(8S,9R)−(−)−ベンジルシンコニジニ
ウムクロライド(アルドリッチ社製)に純水10mlを
加えた後、5mlのエチルアルコールを加えて溶解し
た。このアルコール溶液上に、ポリスチレンスルホン酸
ナトリウム(カネボウエスエスシー社製)1gを50m
lの純水で溶解したものを、パスツールピペットで静か
に重層した。容器に蓋をして、上下に数回激しく振盪
し、目的のイオン会合体を析出させた。析出した沈澱物
を集め、ステンレス篩(メッシュ115程度)を敷いた
ブフナーロートで減圧・吸引しながら、純水でよく洗浄
した。洗浄したイオン会合体をシャーレに移し、キムワ
イプ等で水気を拭い取った後、乾燥した。これを、めの
うまたはセラミック乳鉢で25メッシュ程度まですり潰
し、室温保存した。
【0025】(3) 応答膜の作製 10mgのイオン会合体(BC+ −PSS- )と2mg
の感応物質(DSBODA2+・2Cl- )とを乳鉢でよ
くすり潰した。これにポリチオール系エポキシ樹脂の硬
化剤50mgと、ポリアミド系エポキシ樹脂の硬化剤1
00mgとを加え、さらに練り混ぜた。この後、ポリチ
オール系エポキシ樹脂の主剤50mgと、ポリアミド系
エポキシ樹脂の主剤100mgとを加え、素早くよく練
り混ぜた。乳鉢の内容物をテフロンシールに挟んで、厚
さ0.2mm程度の膜厚となるように押し潰した。この
テフロンシールに挟まれたエポキシ樹脂をそのまま、予
め80℃に加熱しておいたホットプレートに載せた。約
5分後、硬化したエポキシ樹脂をテフロンからはがし、
予めホットプレートに載せて加熱しておいたガラス板上
に載せ、引き続いて加温した。約20分後、エポキシ樹
脂膜をガラス板からはがし、室温下徐冷した。得られた
電極膜(応答膜)を適当な大きさに切り、電極セル先端
に両面テープまたは2液型エポキシ系接着剤で貼り付け
た。
【0026】
【比較例1〜8】実施例との比較を行なうため、実施例
1のエポキシ樹脂をポリチオール系エポキシ樹脂のみと
したもの又はポリアミド系エポキシ樹脂のみとしたも
の、あるいは、感応物質を1種のみとしたもの等を実施
例1の(3) と同様に作製した。各比較例における各組成
物の重量比を下記表1に示す。
【0027】
【表1】 ──────────────────────────────────── エポキシ樹脂 感応物質 ──────────────────────────────────── ポリアミド系 ポリチオール系 DSBODA2+・2Cl BC+−PSS- 主剤 硬化剤 主剤 硬化剤 イオン会合体 ──────────────────────────────────── 実施例1 100mg 100mg 50mg 50mg 2mg 10mg ──────────────────────────────────── 比較例1 − − 100 100 3 − 比較例2 100 100 − − 3 − 比較例3 − − 100 100 − 20 比較例4 100 100 − − − 20 比較例5 − − 100 100 2 10 比較例6 100 100 − − 2 10 比較例7 100 100 50 50 2 − 比較例8 100 100 50 50 10 ────────────────────────────────────
【0028】
【比較例9】感応物質支持体としてポリ塩化ビニルを使
用したものを作製した。ポリ塩化ビニル(重合度102
0;半井化学工業製)200mgに、6mlのテトラヒ
ドロフランを入れ溶解した後、特願平1−342943
に従って合成したエチルトリドデシルアンモニウムクロ
ライド130mgを加え、一晩撹拌を続けた。フラット
シャーレに溶解液を移し、ホットプレート(30℃)上
で一晩乾燥した。翌日でき上がった応答膜を電極セルの
形状にくりぬき、シクロヘキサノンを用いて電極セル先
端に貼り付け室温で約半日乾燥した。
【0029】
【比較例10】比較例9に可塑剤を含有させた応答膜を
作製した。すなわち、360mgのフタル酸n−ジオク
チル(和光純薬製)を、比較例9の溶解液に加え、以下
同様にして電極セルを作製した。
【0030】
【比較例11】特願平1−342943の方法に従っ
て、1−テトラデカノール(重量比;80)とエチルト
リドデシルアンモニウムクロライド(重量比;20)を
応答剤とする電極セルを作製した(いわゆる無支持体型
の応答膜)。
【0031】
【比較例12】コロジオン(ナカライテスク社製)6m
lに、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロラ
イド100mgと1−ナフタレンエタノール100mg
を加え、溶解後これをフラットシャーレに移して室温で
乾燥した。べとつきがなくなったところで、ホットプレ
ート(80℃)で一晩乾燥し、できた電極膜を適当な大
きさに切り、電極セル先端に両面テープで貼り付けた。
この応答膜は、いわゆる高分子液膜型の1種である。
【0032】
【実験例】実施例1、比較例1〜12の電極を用いて、
10-4Mから10-1MまでのKCl水溶液を試料にし
て、比較電極との電位差を測定した。電極セルの構成を
図1に示す。円筒状の電極ケース10の下端に実施例1
の応答膜12が取りつけられ、その内部には10-2MK
Cl溶液14が満たされ、その中にAg/AgClから
なる内部電極16が浸漬されている。この構成は、各比
較例1〜12でも、それぞれ応答膜が異なるのみで他は
同様である。これら各電極を使用して各濃度のKCl 溶液
に一定濃度の妨害イオン(濃度[X])を添加し、電位差
のずれが18mV(2価イオンの場合は9mV )となる塩化物
イオン濃度[Cl]を求め、各イオンに対する選択係数=lo
g ([Cl]/[X])を求めた。なお、それぞれの直線性は10
-4Mから10-1MのKCl濃度範囲で良好であり、応答
性も満足のいく値(2〜6秒)であった。
【0033】図2に示すように、実施例1と比較例1〜
8を比較すると、明らかに、2種類の応答物質とエポキ
シ樹脂混合支持体を用いた実施例1の方が、全体として
イオン選択性に優れていることがわかる。応答物質が同
じものである場合(たとえば比較例1と2、比較例3と
4、比較例5と6の各組)には、支持体がポリチオール
系エポキシ樹脂よりもより親油性のポリアミド系エポキ
シ樹脂を用いた方が、親油性イオン(Br- 、NO3 -
に対する選択性が低下する一方、親水性イオンに対する
選択性が向上している。このことは、電極のイオン選択
性に対し、感応(応答)物質がおかれる支持体による化
学環境が影響を与えていることを示している。また、S
4 2-、H2 PO4 -イオンに着目して見ると、比較例5
と6に示されるように、より親油性の高いポリアミド系
エポキシ樹脂支持体を用いた比較例6の方が、2種の応
答物質混合の効果が大きい。しかし、その混合効果も、
実施例1のように、2種のエポキシ樹脂支持体を用いる
ことにより最大となっている。
【0034】比較例9、10は、現在最も一般的に用い
られている形式の応答膜を用いた電極であり、これと比
較すると本実施例では、HCO3 -、CH3 COO- イオ
ンで遜色がなく、SO4 2- 、H2 PO4 -イオンで選択性
に優れる。特に親油性イオンであるBr- 、NO3 -イオ
ンでの選択性は、これら従来の比較例9、10よりも格
段に優れ、1桁(10倍)以上となるものもある。いわ
ゆる無支持体型の応答膜を用いた比較例11は、電極の
基本性能としては、実施例1よりも優れているが、その
構成上機械的強度が乏しく、タンパク等の生体物質が付
着しすると、これを取り除くのが困難であり、その悪影
響を除去できない。比較例12はコロジオンを用いた高
分子液膜型の応答膜を用いた電極であり、親水性イオン
に対する選択性には優れていたが、親油性イオンに対す
る選択性では、実施例1のほうが優っていた。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明は、塩化物イオン選
択性感応物質を保持する支持体として親水性・親油性の
異なる2種類のエポキシ樹脂、すなわちポリチオール系
エポキシ樹脂とポリアミド系エポキシ樹脂とを組み合わ
せて使用したので、優れたイオン選択性、直線性、応答
性の確保が可能となる。またエポキシ樹脂自体は機械的
強度に優れ堅牢であるから、例えタンパクなどが付着し
ても、容易に拭き取ること、次亜塩素酸で洗浄すること
ができ、また血清中でもその影響を受けにくい。感応物
質が流出することもないからその寿命も長いものとな
る。また、感応物質として、1分子当たり複数の窒素原
子を有する環状4級アンモニウム塩と、環状4級アンモ
ニウム陽イオンと高分子重合体陰イオンとのイオン会合
体、との混合物を使用することにより、より優れたイオ
ン選択性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塩化物イオン選択性電極の一実施態様
の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例と比較例における各種イオンに
対する選択係数を示す図である。
【符号の説明】
10 電極ケース 12 応答膜 14 内部液 16 内部電極
【手続補正書】
【提出日】平成3年10月22日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 (f)(e)の感応物質の支持体をポリ
アミド系エポキシ樹脂と塩化ビニル樹脂の混合物に代え
た応答膜(特公平2−40184) 感応物質としてはメチルトリドデシルアンモニウムクロ
ライド等のRNC1(4級アンモニウム塩のクロライ
ド型)が、また溶媒(塩化ビニル樹脂の可塑剤)として
はフタル酸n−ジオクチル等のフタル酸エステルが用い
られる。エポキシ樹脂としてはビスフェノールタイプの
ものが、またエポキシ樹脂硬化剤としてはアミンタイプ
のものが用いられている。このタイプの応答膜は、
(e)の応答膜の改良型であって、比較的堅牢であり、
直線応答範囲も10−1lMC1〜10−4MC1
と優れている。しかし(e)の応答膜より改良されたと
はいえ、まだ応答速度が遅く、10−1MC1〜10
−5MC1に変化させた時、応答に約15分もかか
る。またヨウ化物イオンなどのハロゲンイオン及び硝酸
イオン等によって妨害を受けやすい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 (g)感応物質を、融点が室温以上でか
つ分子内に水酸基を少なくとも1つ有する化合物に融か
し込んだもの(いわゆる無支持体型の応答膜)(特願平
1−342943、同2−245177) 感応物質としてはエチルトリドデシルアンモニウムクロ
ライドや1−ヒドロキシエチルトリドデシルアンモニウ
ムクロライド等の4級アンモニウム塩)が、また感応物
質の賦形材として1−テトラデカノールまたはコレステ
ロールなどが用いられる。このタイプの応答膜は、直線
応答性の範囲が10−1MC1〜10−4MC1
優れ、また臭化物イオンや硝酸イオン等(いわゆる親油
性妨害イオン)や重炭酸イオンや酢酸イオン等(親水性
妨害イオン)の影響を受け難く、イオン選択性の点で優
れている。しかし有機化合物そのものを賦形材としてい
るため、機械的強度は小さい。また賦形材の骨格が親油
性であるため、タンパクや脂質成分等の影響を受けやす
いという欠点がある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 一般に生体試料液には、塩化物イオン
(C1)よりも親油性大であるイオン(C10−,
SCN,Br,N0 等)よりも、親水性が
大であるHCO ,HPO 2−イオン等の量がはる
かに多いことから、これら親水性イオンに対する選択性
が重要視されている。しかし、親油性イオン(特にBr
)は薬物のカウンターイオンとして使用されることが
多いので、薬物を投与されたまたは服用している患者の
血清、血液中の塩化物イオン濃度測定では、これら親油
性イオンに対する選択性(排除性)も要求される。結局
これら親水性イオンと親油性イオンの双方の妨害を排除
することが要求される。本発明は、イオン選択性を制御
するため、支持体を含めた化学環境を制御することによ
り、これら親水性イオンと親油性イオンとの双方の妨害
を排除すること可能にしたものである。また親水性、
親油性の異なる2つのエポキシ樹脂を用いるものである
から、感応物質の性質(親水性、親油性の程度)に応じ
て、その混合比を適宜代えることにより、好ましいイオ
ン選択性を確保することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 本発明における塩化物イオン選択性感応
物質としては、従来より感応物質として広く用いられて
いる4級アンモニウム塩のイオン交換体を使用すること
ができる。4級アンモニウム塩のアルキル基が長鎖なも
のほど親油性が大となり、親水性イオンを排除する。す
なわち親水性妨害イオンに対するイオン選択性は高くな
る。一方、アルキル基が短鎖になれば、親水性が大とな
るので親油性イオンに対するイオン性が高くなる。従っ
て、本発明で使用される感応物質は、支持体に使用した
ポリチオール系及びポリアミド系エポキシ樹脂による化
学環境に応じて適宜のものを選ぶ。また逆に、選んだ感
応物質に応じて2種類のエポキシ樹脂の配合率を変える
こともできる。 本発明ではより好ましい感応物質とし
て、a)1分子当たり複数の窒素原子を有する環状4級
アンモニウム塩と、b)環状4級アンモニウム陽イオン
と高分子重合体陰イオンとのイオン会合体、との混合物
を使用することができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】 一方、このような電荷の多い感応物質
は、塩化物イオンだけでなく、他の陰イオンも強く引き
つけることになるから、他の陰イオン(すなわち妨害イ
オン)を排除する必要がある。妨害イオンの排除は、前
記したようにアンモニウム塩のアリキル鎖の長さを調整
して、その親油性、親水性を調節することにより対処で
きる。また長鎖アルキル基を有するものであれば、その
長鎖が立体障害がとなって、SO 2−、HPO
のような大きな陰イオンの接近を妨げ、これら大きな妨
害イオンに寄る電位応答は弱くなると思われる。本発明
では、このような立体障害の観点から、環状4級アンモ
ニウム陽イオンと高分子重合体陰イオンとのイオン会合
体を併せて使用している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【実施例1】(1)感応物質(1,14−ジステアリルビシクロ
[2,2,2]オクター1,14−ジアンモニウムクロ
ライド:DSBODA2+・2C1)の合成 1,14−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(和
光純薬工業製)10gに、ジメチルホルムアミド20m
1、次いでエチルアルコール200mlを注ぎ、加熱溶
解した。この溶液に、1−ヨードオクタデカン(東京化
成工業製)25gを150mlのジチルエーテルで溶
解したものを、攪拌しながら滴下した。このとき液温が
70℃を上回らないようにした。滴下混合終了後、約4
時間還流した。冷却後、内容物(DSBODA2+・2
)を濾別し、乾燥後、室温保存した。得られた粗成
DSBODA2+・2Iの5gに、約500mlのエ
チルアルコールを加えて加温し、沸騰を始めた後に20
0mlの濃塩酸を注ぎ入れ撹拌した。しばらく放置後、
液上に浮かび上がってきた粗成目的物(DSB0DA
2+・2C1)を採取し、エチルアルコールで再結晶
後、乾燥し室温保存した。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】(2)イオン会合体(BC−PSS
の調製 2gの(8S,9R)−(−)−ベンジルシンコニジニ
ウムクロライド(アルドリッチ社製)に純水10mlを
加えた後、5m1のエチルアルコールを加えて溶解し
た。このアルコール溶液、ポリスチレンスルホン酸ナ
トリウム(カネボウエスエスシー社製)1gを50ml
の純水で溶解したものの上に、パスツールピペットで静
かに重層した。容器に蓋をして、上下に数回激しく振盪
し、目的のイオン会合体を析出させた。析出した沈澱物
を集め、ステンレス篩(メッシュ115程度)を敷いた
ブフナーロートで減圧・吸引しながら、純水でよく洗浄
した。洗浄したイオン会合体をシャーレに移し、キムワ
イプ等で水気を拭い取った後、乾燥した。これを、めの
うまたはセラミック乳鉢で25メッシュ程度まですり潰
し、室温保存した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【比較例10】比較例9と対応させるために可塑剤を含
有させた応答膜を作製した。すなわち、360mgのフ
タル酸n−ジオクチル(和光純薬製)を、ポリ塩化ビニ
ル200mg、エチルトリドデシルアンモニウムクロラ
イド40mgが溶解している6m1のテトラヒドロフラ
ン溶液に加え、以下同様にして電極セルを作製した。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【実験例】実施例1、比較例1〜12の電極を用いて、
10−4Mから10−1MまでのKC1水溶液を試料に
して、比較電極との電位差を測定した。電極セルの構成
を図1に示す。円筒状の電極ケース10の下端に実施例
1の応答膜12が取りつけられ、その内部には10−2
MKCl溶液14が満たされ、その中にAg/AgC1
からなる内部電極16が浸漬されている。この構成は、
各比較例1〜12でも、それぞれ応答膜が異なるのみで
他は同様である。これら各電極を使用して各濃度のKC
l溶液に一定濃度の妨害イオン(濃度[X])を添加
し、電位差のずれが18mV(2価イオンの場合は9m
V)となる塩化物イオン濃度[Cl]を求め、各イオン
に対する選択係数=log([Cl]/[X])を求め
(混合溶液法)。なお、それぞれの直線性は10−4
Mから10−1MのKC1濃度範囲で良好であり、応答
性も満足のいく値(2〜6秒)であった。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】 比較例9、10は、現在最も一般的に用
いられている形式の応答膜を用いた電極であり、これと
比較すると本実施例では、HCO−、CHCOO
イオンで遜色がなく、SO 2−、HPO−イオン
で選択性に優れる。特に親油性イオンであるBr、N
−イオンでの選択性は、これら従来の比較例9、1
0よりも格段に優れ、1桁(10倍)以上となるものも
ある。いわゆる無支持体型の応答膜を用いた比較例11
は、電極の基本性能としては、実施例1よりも優れてい
るが、その構成上機械的強度が乏しく、タンパク等の生
体物質が付着すると、これを取り除くのが困難であり、
その悪影響を除去できない。比較例12はコロジオンを
用いた高分子液膜型の応答膜を用いた電極であり、親水
性イオンに対する選択性には優れていたが、親油性イオ
ンに対する選択性では、実施例1のほうが優っていた。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】本発明の実施例と比較例における各種イオンに
対する選択係数(混合溶液法)を示す図である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化物イオン選択性感応物質を、ポリチ
    オール系エポキシ樹脂とポリアミド系エポキシ樹脂との
    混合物からなる支持体に保持させたことを特徴とする塩
    化物イオン選択性電極用応答膜。
  2. 【請求項2】 前記塩化物イオン選択性感応物質が、 a)1分子当たり複数の窒素原子を有する環状4級アンモ
    ニウム塩と、 b)環状4級アンモニウム陽イオンと高分子重合体陰イオ
    ンとのイオン会合体との混合物であることを特徴とする
    請求項1記載の塩化物イオン選択性電極用応答膜。
  3. 【請求項3】 前記環状4級アンモニウム塩が、1,1
    4−ジステアリルビシクロ[2,2,2]オクタ−1,
    14−ジアンモニウムクロライドであることを特徴とす
    る請求項2記載の塩化物イオン選択性電極用応答膜。
  4. 【請求項4】 前記イオン会合体が、(8S,9R)−
    ベンジルシンコニジニウム陽イオンとポリスチレンスル
    ホン酸陰イオンとのイオン会合体であることを特徴とす
    る請求項2記載の塩化物イオン選択性電極用応答膜。
JP3246549A 1991-09-02 1991-09-02 塩化物イオン選択性電極用応答膜 Pending JPH0560724A (ja)

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