JP2729516B2 - 塩素イオン選択性電極 - Google Patents
塩素イオン選択性電極Info
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- electrode
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に主体液中の塩素イオン分析に使用する
上で好適な高分子支持膜形の塩素イオン選択性電極に関
する。
上で好適な高分子支持膜形の塩素イオン選択性電極に関
する。
従来、生体液中の陰イオン、特に塩素イオンの分析に
使用される塩素イオン選択性電極としては、塩化銀と硫
化銀からなる固体膜形電極またはポリ塩化ビニルのごと
き高分子物質中にイオン感応物質としてイオン交換体を
分散させた高分子支持膜形電極などが用いられてきた。
使用される塩素イオン選択性電極としては、塩化銀と硫
化銀からなる固体膜形電極またはポリ塩化ビニルのごと
き高分子物質中にイオン感応物質としてイオン交換体を
分散させた高分子支持膜形電極などが用いられてきた。
塩素イオン選択性電極の選択性や測定精度の改善、更
には耐久性の向上のためにさまざまな方法が試みられて
きた。例えば、特開昭56−63246号公報や特開昭59−137
851号公報に記載されている方法によれば、イオン感応
物質として炭素数が10〜16の長鎖アルキル基を3本含む
メチルトリアルキルアンモニウム塩、あるいはジメチル
ジアルキルアンモニウム塩を用い、可塑剤であるアルコ
ール系化合物などと共に高分子物質中に分散させて塩素
イオン選択性電極用感応膜を形成している。また、特開
昭62−12846号公報によれば、特定の化合物群からなる
第4級アンモニウム塩の混合物をイオン感応物質として
用いている。
には耐久性の向上のためにさまざまな方法が試みられて
きた。例えば、特開昭56−63246号公報や特開昭59−137
851号公報に記載されている方法によれば、イオン感応
物質として炭素数が10〜16の長鎖アルキル基を3本含む
メチルトリアルキルアンモニウム塩、あるいはジメチル
ジアルキルアンモニウム塩を用い、可塑剤であるアルコ
ール系化合物などと共に高分子物質中に分散させて塩素
イオン選択性電極用感応膜を形成している。また、特開
昭62−12846号公報によれば、特定の化合物群からなる
第4級アンモニウム塩の混合物をイオン感応物質として
用いている。
しかし、上述した従来技術による塩素イオン選択性電
極は、そのいずれにおいても長期的な安定性、親水性あ
るいは親油性陰イオンのいずれか一方に対する選択性改
善などはなされたが、両者の陰イオンに対する選択性改
善は十分ではなかった。
極は、そのいずれにおいても長期的な安定性、親水性あ
るいは親油性陰イオンのいずれか一方に対する選択性改
善などはなされたが、両者の陰イオンに対する選択性改
善は十分ではなかった。
このため、実試料(血清等)測定時の電極特性、特に
測定精度などに問題があった。
測定精度などに問題があった。
それ故、本発明の目的は、選択性や測定精度などの電
極特性に優れ、その長期安定化を図れる塩素イオン選択
性電極を提供することにある。
極特性に優れ、その長期安定化を図れる塩素イオン選択
性電極を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、基本的
には、高分子物質を含む支持膜中に、塩素イオン感応物
質としてテトラアルキルアンモニウム塩を、第1可塑剤
として炭素数が10以上の直鎖の脂肪族アルコールを、及
び第2可塑剤として第1可塑剤より誘電率が高くベンゼ
ン環を有するエーテル又はケトン化合物を含む感応膜を
具備した塩素イオン選択性電極において、テトラアルキ
ルアンモニウム塩は、炭素数が10〜24の同じ種類のアル
キル基を3個有し、かつ炭素数が前記3個のアルキル基
よりも少なくその炭素数が9以上であるアルキル基を1
個有する第4級アンモニウム塩であることを特徴とす
る。
には、高分子物質を含む支持膜中に、塩素イオン感応物
質としてテトラアルキルアンモニウム塩を、第1可塑剤
として炭素数が10以上の直鎖の脂肪族アルコールを、及
び第2可塑剤として第1可塑剤より誘電率が高くベンゼ
ン環を有するエーテル又はケトン化合物を含む感応膜を
具備した塩素イオン選択性電極において、テトラアルキ
ルアンモニウム塩は、炭素数が10〜24の同じ種類のアル
キル基を3個有し、かつ炭素数が前記3個のアルキル基
よりも少なくその炭素数が9以上であるアルキル基を1
個有する第4級アンモニウム塩であることを特徴とす
る。
通常、高分子支持膜形イオン選択性電極に用いられる
感応膜はイオン感応物質、可塑剤およびマトリックス材
料である高分子物質から構成される。塩素イオン感応物
質としてイオン交換体形化合物である第4級アンモニウ
ム塩を用いた場合について述べる。なお、この場合、第
4級ホスホニウム塩の場合についても同様である。
感応膜はイオン感応物質、可塑剤およびマトリックス材
料である高分子物質から構成される。塩素イオン感応物
質としてイオン交換体形化合物である第4級アンモニウ
ム塩を用いた場合について述べる。なお、この場合、第
4級ホスホニウム塩の場合についても同様である。
第4級アンモニウム塩はその分子構造とイオンとの結
合性に着目すると、窒素原子にかさだかいアルキル基が
結合しているとイオン半径の大きいイオンほど中心の窒
素原子に近づきにくくなり、静電的な相互作用が弱くな
る。このことは、各種イオンとの結合性、即ち各種イオ
ンに対する選択性に影響を及ぼす。第4級アンモニウム
塩にはメチルトリアルキル、ジメチルジアルキル、トリ
メチルアルキル及びテトラアルキルアンモニウム塩の4
種のタイプがあるが、かさだかいアルキル基による立体
排除効果はテトラアルキルアンモニウム塩の場合が最も
大きい。
合性に着目すると、窒素原子にかさだかいアルキル基が
結合しているとイオン半径の大きいイオンほど中心の窒
素原子に近づきにくくなり、静電的な相互作用が弱くな
る。このことは、各種イオンとの結合性、即ち各種イオ
ンに対する選択性に影響を及ぼす。第4級アンモニウム
塩にはメチルトリアルキル、ジメチルジアルキル、トリ
メチルアルキル及びテトラアルキルアンモニウム塩の4
種のタイプがあるが、かさだかいアルキル基による立体
排除効果はテトラアルキルアンモニウム塩の場合が最も
大きい。
一方、第4級アンモニウム塩はその分子構造と溶解性
の関係に注目すると、窒素原子に結合しているアルキル
基の炭素数が増加したり、4本のアルキル基による分子
の対称性が増すと、逆に各種溶媒に対する溶解性が低下
する。
の関係に注目すると、窒素原子に結合しているアルキル
基の炭素数が増加したり、4本のアルキル基による分子
の対称性が増すと、逆に各種溶媒に対する溶解性が低下
する。
感応膜内で第4級アンモニウム塩は溶媒となる可塑剤
に溶解し、高分子物質中に分散している。
に溶解し、高分子物質中に分散している。
上述した(1)式に示した構造の第4級アンモニウム
塩は、R1〜R4の炭素数が同じテトラアルキルアンモニウ
ム塩よりも分子構造の対称性がくずれ、その結果各種溶
媒に対する溶解性はテトラアルキルアンモニウム塩より
も増大する。従って、前記(1)式に示した第4級アン
モニウム塩は各種イオンに対する優れた立体排除効果を
得ることができると共に、可塑剤への溶解性が増大する
ため電極性能の長期安定化を図ることができる。
塩は、R1〜R4の炭素数が同じテトラアルキルアンモニウ
ム塩よりも分子構造の対称性がくずれ、その結果各種溶
媒に対する溶解性はテトラアルキルアンモニウム塩より
も増大する。従って、前記(1)式に示した第4級アン
モニウム塩は各種イオンに対する優れた立体排除効果を
得ることができると共に、可塑剤への溶解性が増大する
ため電極性能の長期安定化を図ることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。第1図は本発明が
適用される塩素イオン選択性感応膜を用いた電極の構成
断面図の一例である。この場合、電極形状はこれに限る
ものではなく、塩素イオン選択性感応膜を用いたもので
あればどのような形状のものでも良いことはいうまでも
ない。同図において、電極筒1には10mmol/の塩化ナ
トリウムを含む内部溶液2が収容されており、この内部
溶液2内に銀/塩化銀からなる内部電極3が浸漬されて
いる。前記電極筒1の端部には感応膜4が形成されてい
る。この感応膜4にはポリ塩化ビニルなどの高分子物質
がマトリックス材料として含まれ、イオン感応物質およ
び可塑剤と共にそれぞれが適当な重量濃度となるように
分散されている。
適用される塩素イオン選択性感応膜を用いた電極の構成
断面図の一例である。この場合、電極形状はこれに限る
ものではなく、塩素イオン選択性感応膜を用いたもので
あればどのような形状のものでも良いことはいうまでも
ない。同図において、電極筒1には10mmol/の塩化ナ
トリウムを含む内部溶液2が収容されており、この内部
溶液2内に銀/塩化銀からなる内部電極3が浸漬されて
いる。前記電極筒1の端部には感応膜4が形成されてい
る。この感応膜4にはポリ塩化ビニルなどの高分子物質
がマトリックス材料として含まれ、イオン感応物質およ
び可塑剤と共にそれぞれが適当な重量濃度となるように
分散されている。
ここで、塩素イオン感応物質となる第4級アンモニウ
ム塩として、ヘキサデシルトリオクタデシルアンモニウ
ム塩、テトラデシルトリオクタデシルアンモニウム塩、
ドデシルトリヘキサデシルアンモニウム塩、テトラデシ
ルトリヘキサデシルアンモニウム塩、ドデシルトリテト
ラデシルアンモニウム塩などの炭素数が10〜24のアルキ
ル基3本と炭素数が9以上でありかつ前記アルキル基よ
りも炭素数が少なくとも1少ないアルキル基1本を含む
第4級アンモニウム塩が適用される。これらの第4級ア
ンモニウム塩に含まれるアルキル基と同様なアルキル基
を含む第4級ホスホニウム塩もイオン交換体としての性
質を有するので、本発明に適用することが可能となる。
ただし、ここに示した化合物は例示であり、これらのみ
に限られるものではない。
ム塩として、ヘキサデシルトリオクタデシルアンモニウ
ム塩、テトラデシルトリオクタデシルアンモニウム塩、
ドデシルトリヘキサデシルアンモニウム塩、テトラデシ
ルトリヘキサデシルアンモニウム塩、ドデシルトリテト
ラデシルアンモニウム塩などの炭素数が10〜24のアルキ
ル基3本と炭素数が9以上でありかつ前記アルキル基よ
りも炭素数が少なくとも1少ないアルキル基1本を含む
第4級アンモニウム塩が適用される。これらの第4級ア
ンモニウム塩に含まれるアルキル基と同様なアルキル基
を含む第4級ホスホニウム塩もイオン交換体としての性
質を有するので、本発明に適用することが可能となる。
ただし、ここに示した化合物は例示であり、これらのみ
に限られるものではない。
以下、具体的にいくつかの実施例を挙げて説明する。
第1実施例 塩素イオン感応物質としてヘキサデシルトリオクタデ
シルアンモニウム塩を用いた。上記イオン感応物質を15
重量%、第1群の可塑剤としてノルマルテトラデシルア
ルコールを30重量%、第2群の可塑剤としてオルトニト
ロフェニルオクチルエーテルを10重量%、高分子物質と
してポリ塩化ビニルを45重量%となるように秤量し、一
定量の溶媒(テトラヒドロフラン)を加えて溶解し、そ
の後溶媒を蒸発除去して感応膜4を得た。ここで、ヘキ
サデシルトリオクタデシルアンモニウム塩の含有量が少
ないと膜インピーダンスが高く、電極にした場合の応答
性が悪いという問題を有する。一方、含有量が多いと不
経済であると共に感応膜内での分散性が悪くなり、電極
性能の再現性に欠けるという問題を有する。そこで、こ
のような理由から、感応膜内での濃度は5〜30重量%が
望ましい。
シルアンモニウム塩を用いた。上記イオン感応物質を15
重量%、第1群の可塑剤としてノルマルテトラデシルア
ルコールを30重量%、第2群の可塑剤としてオルトニト
ロフェニルオクチルエーテルを10重量%、高分子物質と
してポリ塩化ビニルを45重量%となるように秤量し、一
定量の溶媒(テトラヒドロフラン)を加えて溶解し、そ
の後溶媒を蒸発除去して感応膜4を得た。ここで、ヘキ
サデシルトリオクタデシルアンモニウム塩の含有量が少
ないと膜インピーダンスが高く、電極にした場合の応答
性が悪いという問題を有する。一方、含有量が多いと不
経済であると共に感応膜内での分散性が悪くなり、電極
性能の再現性に欠けるという問題を有する。そこで、こ
のような理由から、感応膜内での濃度は5〜30重量%が
望ましい。
上述した実施例では第1群の可塑剤として直鎖の脂肪
族アルコールの一つであり、誘電率の比較的低い化合物
であるノルマルテトラデシルアルコール(誘電率:約
4)を用いたが、これに限るものではない。しかし、脂
肪族アルコールの感応膜からの溶出や感応膜内での均一
な分散性の良否が電極性能に影響することから、脂肪族
アルコールの炭素数は10〜24が好ましい。また、感応膜
内での含有量は5〜40重量%が適切である。第2群の可
塑剤として、上記脂肪族アルコールよりも誘電率の高い
有機化合物であるオルトニトロフェニルオクチルエーテ
ル(誘電率:約24)を感応膜に加えた。これはイオン感
応物質として用いた第4級アンモニウム塩の感応膜内で
の解離を促進し、塩素イオン選択性電極の応答性を改善
するためである。感応膜内での含有量は電極にしたとき
の応答性や選択性などの点から3〜20重量%が適当であ
る。
族アルコールの一つであり、誘電率の比較的低い化合物
であるノルマルテトラデシルアルコール(誘電率:約
4)を用いたが、これに限るものではない。しかし、脂
肪族アルコールの感応膜からの溶出や感応膜内での均一
な分散性の良否が電極性能に影響することから、脂肪族
アルコールの炭素数は10〜24が好ましい。また、感応膜
内での含有量は5〜40重量%が適切である。第2群の可
塑剤として、上記脂肪族アルコールよりも誘電率の高い
有機化合物であるオルトニトロフェニルオクチルエーテ
ル(誘電率:約24)を感応膜に加えた。これはイオン感
応物質として用いた第4級アンモニウム塩の感応膜内で
の解離を促進し、塩素イオン選択性電極の応答性を改善
するためである。感応膜内での含有量は電極にしたとき
の応答性や選択性などの点から3〜20重量%が適当であ
る。
感応膜のマトリックス材料として用いられる高分子物
質としてはポリ塩化ビニル(PVC)が膜形成の容易性、
耐水性などから最も広く利用されている。その他の高分
子物質として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化
ビニル系重合体、ポリカーボネート、シリコンゴム、エ
ポキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンなどが挙
げられる。ここで、感応膜中での高分子物質の含有量が
少ないと膜強度が弱くなり、一方、含有量が多くなると
膜インピーダンスが高くなり実用面で安定した電極性能
が得にくいという問題を有する。そこでこのような点か
ら、感応膜内での高分子物質の含有量は25〜60重量%が
最適である。
質としてはポリ塩化ビニル(PVC)が膜形成の容易性、
耐水性などから最も広く利用されている。その他の高分
子物質として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化
ビニル系重合体、ポリカーボネート、シリコンゴム、エ
ポキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリスチレンなどが挙
げられる。ここで、感応膜中での高分子物質の含有量が
少ないと膜強度が弱くなり、一方、含有量が多くなると
膜インピーダンスが高くなり実用面で安定した電極性能
が得にくいという問題を有する。そこでこのような点か
ら、感応膜内での高分子物質の含有量は25〜60重量%が
最適である。
第2実施例 イオン感応物質として第1の実施例と同じヘキサデシ
ルトリオクタデシルアンモニウム塩を用いたが、ノルマ
ルテトラデシルアルコールを第1の脂肪族アルコール、
ノルマルトリデシルアルコールを第2の脂肪族アルコー
ルとし、それぞれの混合物を第1群の可塑剤として用い
た。それぞれの脂肪族アルコールの含有量は25重量%と
5重量%とした。ノルマルトリデシルアルコールは、ノ
ルマルテトラデシルアルコールよりも融点が低いのでイ
オン感応物質の溶解性を高めて電極インピーダンスを低
減すると共に、応答性を高めるために用いられる。各種
イオンに対する選択性や感応膜の安定性などの点から、
第1の脂肪族アルコールと第2の脂肪族アルコールはそ
れぞれの炭素数が1違うだけが最も好ましい。
ルトリオクタデシルアンモニウム塩を用いたが、ノルマ
ルテトラデシルアルコールを第1の脂肪族アルコール、
ノルマルトリデシルアルコールを第2の脂肪族アルコー
ルとし、それぞれの混合物を第1群の可塑剤として用い
た。それぞれの脂肪族アルコールの含有量は25重量%と
5重量%とした。ノルマルトリデシルアルコールは、ノ
ルマルテトラデシルアルコールよりも融点が低いのでイ
オン感応物質の溶解性を高めて電極インピーダンスを低
減すると共に、応答性を高めるために用いられる。各種
イオンに対する選択性や感応膜の安定性などの点から、
第1の脂肪族アルコールと第2の脂肪族アルコールはそ
れぞれの炭素数が1違うだけが最も好ましい。
また、2種類の脂肪族アルコールを用いる場合は選択
性などの関点から、第1の脂肪族アルコールと第2の脂
肪族アルコールの感応膜内での含有量は合計で5〜40重
量%、うち第2の脂肪族アルコールは1〜20重量%が好
ましい。
性などの関点から、第1の脂肪族アルコールと第2の脂
肪族アルコールの感応膜内での含有量は合計で5〜40重
量%、うち第2の脂肪族アルコールは1〜20重量%が好
ましい。
第3実施例 イオン感応物質としてヘキサデシルトリオクタデシル
アンモニウム塩を、第1群の可塑剤としてノルマルテト
ラデシルアルコールを、第2群の可塑剤として誘電率が
約50の2−フロロ−2′−ニトロジフェニルエーテルを
用いた。感応膜内での含有率はそれぞれ15重量%、30重
量%および10重量%とした。残りはマトリックス材料で
あるポリ塩化ビニルが45重量%である。第2の可塑剤に
用いた上記有機化合物はオルトニトロフェニルオクチル
エーテル(誘電率:約24)よりも誘電率が高いため、イ
オン感応物質の感応膜内での解離をより促進する。従っ
て、第1群の脂肪族アルコールは1種類だけでも充分で
ある。オルトニトロフェニルエーテルの誘導体である上
記化合物以外にニトロベンゼンおよびその誘導体(オル
ト、メタおよびパラニトロトルエンなど)やアセトフェ
ノンなども使用することができるが、誘電率が20以上の
有機化合物、特に、分子内にベンゼン環及びベンゼン環
に官能基が結合したものを含むエーテル及びケトン化合
物が好都合である。
アンモニウム塩を、第1群の可塑剤としてノルマルテト
ラデシルアルコールを、第2群の可塑剤として誘電率が
約50の2−フロロ−2′−ニトロジフェニルエーテルを
用いた。感応膜内での含有率はそれぞれ15重量%、30重
量%および10重量%とした。残りはマトリックス材料で
あるポリ塩化ビニルが45重量%である。第2の可塑剤に
用いた上記有機化合物はオルトニトロフェニルオクチル
エーテル(誘電率:約24)よりも誘電率が高いため、イ
オン感応物質の感応膜内での解離をより促進する。従っ
て、第1群の脂肪族アルコールは1種類だけでも充分で
ある。オルトニトロフェニルエーテルの誘導体である上
記化合物以外にニトロベンゼンおよびその誘導体(オル
ト、メタおよびパラニトロトルエンなど)やアセトフェ
ノンなども使用することができるが、誘電率が20以上の
有機化合物、特に、分子内にベンゼン環及びベンゼン環
に官能基が結合したものを含むエーテル及びケトン化合
物が好都合である。
第4実施例 イオン感応物質にドデシルトリテトラデシルアンモニ
ウム塩を用い、その含有量を15重量%とした。この化合
物は第1、第2および第3の実施例に用いたヘキサデシ
ルトリオクタデシルアンモニウム塩よりもアルキル基の
炭素数が少ないため、この化合物自体の溶解性は高い。
そこで、感応膜には第1群の可塑剤として1種類の脂肪
族アルコールだけを用いた。即ち、第2実施例に用いた
ノルマルトリデシルアルコールは添加せず、ノルマルテ
トラデシルアルコールを30重量%含有しただけでも膜イ
ンピーダンスは低い。その他の膜材料及びその含有量は
第1実施例と同じである。
ウム塩を用い、その含有量を15重量%とした。この化合
物は第1、第2および第3の実施例に用いたヘキサデシ
ルトリオクタデシルアンモニウム塩よりもアルキル基の
炭素数が少ないため、この化合物自体の溶解性は高い。
そこで、感応膜には第1群の可塑剤として1種類の脂肪
族アルコールだけを用いた。即ち、第2実施例に用いた
ノルマルトリデシルアルコールは添加せず、ノルマルテ
トラデシルアルコールを30重量%含有しただけでも膜イ
ンピーダンスは低い。その他の膜材料及びその含有量は
第1実施例と同じである。
第5実施例 塩素イオン選択性感応膜を用いて電界効果トランジス
タに形成した。即ち、n形のソースおよびドレインをシ
リコン基板上に形成し、その上をSiO2膜およびSi3N4絶
縁膜で被覆する。その後、実施例2に基づく感応膜をSi
3N4絶縁膜上に形成して塩素イオン選択性電界効果トラ
ンジスタを製作した。本実施例では第2の実施例に基づ
く感応膜を用いたが、本発明に沿ったその他の組成に基
づく感応膜を用いても差し障りはない。
タに形成した。即ち、n形のソースおよびドレインをシ
リコン基板上に形成し、その上をSiO2膜およびSi3N4絶
縁膜で被覆する。その後、実施例2に基づく感応膜をSi
3N4絶縁膜上に形成して塩素イオン選択性電界効果トラ
ンジスタを製作した。本実施例では第2の実施例に基づ
く感応膜を用いたが、本発明に沿ったその他の組成に基
づく感応膜を用いても差し障りはない。
次に、本発明に基づく実施例の効果について説明す
る。本実施例との対比のため以下に2例の従来例を示
す。第1の従来例は上述した特開昭56−63246号公報に
記載された塩素イオン選択電極であり、イオン感応物質
としてメチルトリドデシルアンモニウム塩を15重量%、
可塑剤としてノルマルテトラデシルアルコールを40重量
%、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45重量%含む。
第2の従来例は上述した特開昭59−137851号公報に記載
された塩素イオン選択性電極であり、イオン感応物質と
してジメチルジオクタデシルアンモニウム塩を15重量
%、可塑剤としてノルマルテトラデシルアルコールを30
重量%とオルトニトロフェニルオクチルエーテルを10重
量%、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45重量%含
む。
る。本実施例との対比のため以下に2例の従来例を示
す。第1の従来例は上述した特開昭56−63246号公報に
記載された塩素イオン選択電極であり、イオン感応物質
としてメチルトリドデシルアンモニウム塩を15重量%、
可塑剤としてノルマルテトラデシルアルコールを40重量
%、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45重量%含む。
第2の従来例は上述した特開昭59−137851号公報に記載
された塩素イオン選択性電極であり、イオン感応物質と
してジメチルジオクタデシルアンモニウム塩を15重量
%、可塑剤としてノルマルテトラデシルアルコールを30
重量%とオルトニトロフェニルオクチルエーテルを10重
量%、高分子物質としてポリ塩化ビニルを45重量%含
む。
第2実施例による塩素イオン選択性電極(A)と第1
の従来例(B)及び第2の従来例(C)による塩素イオ
ン選択性電極の選択係数を測定した結果を第2図に示
す。この図から第2実施例は2つの従来例よりも親油性
及び親水性イオンに対する選択性が優れていることが明
らかになる。実際に市販管理血清を測定したときの実用
基準法(電量滴定法)との相関におけるSyx(誤差分
散:測定精度の良否を表わし、この値が小さい程精度が
高いことを意味する)を調べたところ、第3図及び第4
図に示したように第2実施例が1.1mmol/であり、第2
の従来例が2.1mmol/であった。血清を10万検体測定し
た後のスロープ感度は第2実施例及び第2の従来例共に
50〜52mV/dec.と有意差はなかった。しかし、市販管理
血清を測定したところ実用基準法との相関におけるSyx
は第2実施例が1.7mmol/であり、第2の従来例は6.8m
mol/であった。第2従来例による塩素イオン選択性電
極の測定精度が悪いのは第3図に示したように選択性が
第2実施例よりも劣り、しかも選択性が変化するためで
ある。これらの結果から、本実施例の塩素イオン選択性
電極によれば精度の高い測定が可能となる。
の従来例(B)及び第2の従来例(C)による塩素イオ
ン選択性電極の選択係数を測定した結果を第2図に示
す。この図から第2実施例は2つの従来例よりも親油性
及び親水性イオンに対する選択性が優れていることが明
らかになる。実際に市販管理血清を測定したときの実用
基準法(電量滴定法)との相関におけるSyx(誤差分
散:測定精度の良否を表わし、この値が小さい程精度が
高いことを意味する)を調べたところ、第3図及び第4
図に示したように第2実施例が1.1mmol/であり、第2
の従来例が2.1mmol/であった。血清を10万検体測定し
た後のスロープ感度は第2実施例及び第2の従来例共に
50〜52mV/dec.と有意差はなかった。しかし、市販管理
血清を測定したところ実用基準法との相関におけるSyx
は第2実施例が1.7mmol/であり、第2の従来例は6.8m
mol/であった。第2従来例による塩素イオン選択性電
極の測定精度が悪いのは第3図に示したように選択性が
第2実施例よりも劣り、しかも選択性が変化するためで
ある。これらの結果から、本実施例の塩素イオン選択性
電極によれば精度の高い測定が可能となる。
次に、第5図に第2実施例による塩素イオン選択性電
極(D)と第1の従来例による塩素イオン選択性電極
(E)を水溶液に浸漬したときの電極のスロープ感度変
化を示す。第2実施例は第1の従来例と比較すると、初
期のスロープ感度は同等であるが、浸漬するに従い差違
が認められた。これから明らかとなるように安定性の点
でも、第2実施例は第1の従来例よりもすぐれているこ
とがわかる。
極(D)と第1の従来例による塩素イオン選択性電極
(E)を水溶液に浸漬したときの電極のスロープ感度変
化を示す。第2実施例は第1の従来例と比較すると、初
期のスロープ感度は同等であるが、浸漬するに従い差違
が認められた。これから明らかとなるように安定性の点
でも、第2実施例は第1の従来例よりもすぐれているこ
とがわかる。
以上のように本実施例による塩素イオン選択性電極は
選択性や精度などの電極特性に優れ、しかも安定とな
る。
選択性や精度などの電極特性に優れ、しかも安定とな
る。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれ
ば、塩素イオン選択性電極としての特性、特に選択性や
安定性の向上に寄与するので、長期にわたって信頼性の
高い生体液中の塩素イオン分析が可能になるという効果
を奏す。また、本発明によれば、塩素イオン選択性電極
は寿命が長いので測定装置に組み入れたときの保守性の
点でも大きな効果を奏す。
ば、塩素イオン選択性電極としての特性、特に選択性や
安定性の向上に寄与するので、長期にわたって信頼性の
高い生体液中の塩素イオン分析が可能になるという効果
を奏す。また、本発明によれば、塩素イオン選択性電極
は寿命が長いので測定装置に組み入れたときの保守性の
点でも大きな効果を奏す。
第1図は本発明が適用された塩素イオン選択性電極の構
成断面図、第2図は本発明による実施例と従来例に基づ
く塩素イオン選択性電極の各種陰イオンに対する選択係
数を示したグラフ、第3図及び第4図は本発明による実
施例と従来例に基づく塩素イオン選択性電極を用いて市
販の管理血清を測定したときの実用基準法との相関を示
すグラフ、第5図は本発明による塩素イオン選択性電極
の安定性を示したグラフである。 1……電極筒、2……内部溶液、3……内部電極、 4……感応膜。
成断面図、第2図は本発明による実施例と従来例に基づ
く塩素イオン選択性電極の各種陰イオンに対する選択係
数を示したグラフ、第3図及び第4図は本発明による実
施例と従来例に基づく塩素イオン選択性電極を用いて市
販の管理血清を測定したときの実用基準法との相関を示
すグラフ、第5図は本発明による塩素イオン選択性電極
の安定性を示したグラフである。 1……電極筒、2……内部溶液、3……内部電極、 4……感応膜。
Claims (1)
- 【請求項1】高分子物質を含む支持膜中に、塩素イオン
感応物質としてテトラアルキルアンモニウム塩を、第1
可塑剤として炭素数が10以上の直鎖の脂肪族アルコール
を、及び第2可塑剤として前記第1可塑剤より誘電率が
高くベンゼン環を有するエーテル又はケトン化合物を含
む感応膜を具備した塩素イオン選択性電極において、 前記テトラアルキルアンモニウム塩は、炭素数が10〜24
の同じ種類のアルキル基を3個有し、かつ炭素数が前記
3個のアルキル基よりも少なくその炭素数が9以上であ
るアルキル基を1個有する第4級アンモニウム塩である
ことを特徴とする塩素イオン選択性電極。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188201A JP2729516B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 塩素イオン選択性電極 |
US07/504,605 US5116481A (en) | 1989-04-07 | 1990-04-05 | Anion-selective, sensitive film, electrode containing the same and the use thereof |
CH1183/90A CH679526A5 (ja) | 1989-04-07 | 1990-04-06 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1188201A JP2729516B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 塩素イオン選択性電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0353153A JPH0353153A (ja) | 1991-03-07 |
JP2729516B2 true JP2729516B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=16219546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1188201A Expired - Lifetime JP2729516B2 (ja) | 1989-04-07 | 1989-07-20 | 塩素イオン選択性電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2729516B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59137851A (ja) * | 1983-01-28 | 1984-08-08 | Hitachi Ltd | 液膜形陰イオン選択性電極 |
JPS6212846A (ja) * | 1985-07-10 | 1987-01-21 | Olympus Optical Co Ltd | 塩素イオン選択性電極 |
JPS6423151A (en) * | 1987-07-20 | 1989-01-25 | Hitachi Ltd | Chlorine ion selective electrode |
-
1989
- 1989-07-20 JP JP1188201A patent/JP2729516B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0353153A (ja) | 1991-03-07 |
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