JPH056027A - 感光性トナーおよび電子写真感光体 - Google Patents

感光性トナーおよび電子写真感光体

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JPH056027A
JPH056027A JP3158214A JP15821491A JPH056027A JP H056027 A JPH056027 A JP H056027A JP 3158214 A JP3158214 A JP 3158214A JP 15821491 A JP15821491 A JP 15821491A JP H056027 A JPH056027 A JP H056027A
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JP
Japan
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styrene
resin
toner
photosensitive
acrylic resin
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JP3158214A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Urano
彰良 浦野
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
Original Assignee
Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光感度に優れ、かつ良好な画像を形成するこ
とができる感光性トナーを提供する。 【構成】 結着樹脂、酸化亜鉛および増感色素を含有
し、この結着樹脂は、酸価が9以下であるスチレン−ア
クリル樹脂を主成分とする。結着樹脂として、酸価が9
以下であるスチレン−アクリル樹脂を使用することによ
り、光感度に優れた感光性トナーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性トナーおよび電
子写真感光体に関し、より詳しくは、光感度に優れた感
光性トナーおよび電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、シアン、マゼンタ、およびイエロ
ーの各色にそれぞれ着色された3種類の感光性トナー
(シアントナー、マゼンダトナー、イエロートナー)を
用いて、1回の露光および現像によりカラー画像を形成
する方法(ワンショットカラーシステムに)が注目され
ている。
【0003】また、感光性トナーを用いる画像形成シス
テムは、アナログ方式の画像形成装置に限らず、装置が
極めて小型化できるといった点から、近年においてはレ
ーザープリンターへの利用も検討されている。そして、
そのレーザープリンターの露光を行うレーザー用光源と
して、従来ではガスレーザーを用いていたが、レーザー
光の強度及び安定性に優れ、直接変調が可能で、低コス
トという多くの利点を有することから、半導体レーザー
(780nm)を用いることが多くなっている。
【0004】これらの感光性トナーは、一般に、結着樹
脂と、酸化亜鉛と、増感色素とを含有するもので作成さ
れる。
【0005】ところが、感光性トナーに使用される結着
樹脂として、従来から静電画像現像用トナーに使用され
ている樹脂、例えば、スチレン−アクリル系、ポリエス
テル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリル系、ポリウレ
タン系、エポキシ系の樹脂を使用すると、光感度の点で
十分であるとは言えない。
【0006】また電子写真感光体は、通常結着樹脂、感
光剤、電荷発生剤および電荷輸送剤等を溶剤に溶解し、
この塗布液を導電性基体上に塗布、乾燥することにより
作成される。このような感光体は、成膜性能がよく、ま
た塗布により生産できるため生産性が高いため幅広く検
討されている。
【0007】ところが、従来の電子写真感光体は、結着
樹脂として電気絶縁性樹脂が使用されているが、光感度
の点で十分であるとは言えず、鮮明な画像を得ることが
できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に着
目してなされたものであり、光感度が充分である感光性
トナーおよび電子写真感光体を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性トナー
は、結着樹脂、酸化亜鉛および増感色素を含有する感光
性トナーであって、該結着樹脂が、酸価が9以下である
スチレン−アクリル樹脂を主成分とすることを特徴と
し、そのことにより上記目的が達成される。
【0010】また、本発明の電子写真感光体は、上記結
着樹脂、酸化亜鉛および増感色素を含有する感光層を有
することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0011】次に本発明を詳しく説明する。
【0012】まず第1発明である感光性トナーについて
説明する。
【0013】本発明の感光性トナーは、電気絶縁性の結
着樹脂、感光材料として酸化亜鉛および増感色素を含有
するものである。
【0014】本発明に使用される結着樹脂は、酸価が9
以下であるスチレン−アクリル樹脂を主成分とする樹脂
であり、酸価が3以下であることが特に好ましい。スチ
レン−アクリル樹脂の酸価が9を超える場合、得られる
感光性トナーの光感度が不充分となる。ここで、酸価と
は、上記スチレン−アクリル樹脂1gを中和するのに要
するKOHのmg数をいう。
【0015】上記スチレン−アクリル樹脂のアクリル成
分は、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸ア
ミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、メタクリル酸アミド、メタクリロニトリル等
であり、スチレン成分は、スチレンまたはその誘導体で
ある。これらのアクリル成分及びスチレン成分を単独で
使用しても良いが、2種以上併用することもできる。上
記スチレン−アクリル樹脂のアクリル成分の含有量は、
40〜100重量%が好ましい。
【0016】上記スチレン−アクリル樹脂は、これらの
アクリル成分とスチレン成分とを共重合させて得ること
ができる。特にスチレン−アクリル樹脂はスチレンとア
クリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルとの共重合体
が好ましい。
【0017】上記スチレン−アクリル樹脂以外に他の電
気絶縁性樹脂を加えてもよく、このような樹脂として
は、従来より公知の電気絶縁性樹脂が挙げられ、例え
ば、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリ
アミド、ポリウレタン、アクリル変性ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
スルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、
ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル
樹脂、フェノール樹脂等、各種の重合体が挙げられる。
また、ポリビニルカルバゾール等の光導電性樹脂も、単
独であるいは電気絶縁性樹脂と組合せて使用することが
できる。
【0018】本発明に使用される増感色素は、酸化亜鉛
用の増感色素であり、例えば、トリフェニルメタン系、
シアニン系、キサンテン系等の従来より公知のものが用
いられる。これらの増感色素を選択することにより、例
えば、450nm〜650nmに光感度を有する感光性
トナーや、780nm付近に光感度を有するレーザープ
リンタ用の感光性トナーを得ることができる。
【0019】上記酸化亜鉛の添加量は、上記結着樹脂に
対して3〜600重量%が好ましく、5〜500重量%
が特に好ましい。酸化亜鉛の添加量が600重量%を超
える場合、電荷保持特性が低下する傾向にあり、一方酸
化亜鉛の添加量が3重量%未満の場合、画像の濃度や感
光性トナー感度が低下する傾向にある。
【0020】また、上記増感色素の添加量は、酸化亜鉛
に対して0.05〜10重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜3重量%である。増感色素の添加量が1
0重量%を超える場合、感光性トナーの帯電性が低下
し、また光感度がやや低下する傾向にあり、一方、増感
色素の添加量が0.05重量%未満の場合、増感効果が
小さい。
【0021】本発明の感光性トナーには、上述した成分
に、公知の染料、顔料等の着色剤、ワックス類等のオフ
セット防止剤、圧力定着性付与剤等の助剤を公知の処方
に従って配合してもよい。
【0022】本発明の感光性トナーは、上記結着樹脂、
酸化亜鉛および増感色素を溶媒中に分散または相溶させ
て噴霧するか、あるいは上記結着樹脂、酸化亜鉛および
増感色素を混練、分散および粉砕することにより作成さ
れる。
【0023】上記溶媒は、通常使用されるものが挙げら
れ、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトン
が好適に使用される。
【0024】本発明の感光性トナーの平均粒径は、8〜
10μmであることが好ましい。
【0025】なお、本発明で光感度がよいとは、帯電さ
れたトナー層の初期の表面電位(Vd)と露光後の表面
電位(Vl)を測定し、表面電位減衰率(%):(Vd
−Vl)/Vdの値が50%以上であること、またはプ
レストナー層の上に電極を蒸着し、一定の電圧を印加
し、露光前の電流値(Id、暗電流値)、露光後の電流
値(Il、光電流値)を測定し、Ilが2×10-7A以上
かつIl/Id(Gain)の値が1.0×102以上で
あることを意味する。
【0026】次に本第2発明について説明する。
【0027】本発明の電子写真感光体は、電気絶縁性の
結着樹脂、酸化亜鉛および増感色素を含有する感光層が
導電性支持体の表面に形成されているものである。
【0028】本発明に使用される結着樹脂は、第1発明
で使用した酸価が9以下であるスチレン−アクリル樹脂
を主成分とする樹脂であり、酸価が3以下であることが
特に好ましい。スチレン−アクリル樹脂の酸価が9を超
える場合、得られる感光性トナーの光感度が不充分とな
る。またアクリル成分およびスチレン成分は、第1発明
で記載したものが挙げられる。
【0029】上記スチレン−アクリル樹脂以外に他の電
気絶縁性樹脂を加えてもよく、このような樹脂として
は、従来より公知の電気絶縁性樹脂が挙げられ、例え
ば、第1発明で記載したものが挙げられる。
【0030】本発明に使用される増感色素は、酸化亜鉛
用の増感色素であり、例えば、第1発明で記載したもの
が挙げられる。これらの増感色素を選択することによ
り、例えば、450nm〜650nmに光感度を有する
感光体や、780nm付近に光感度を有するレーザープ
リンタ用の感光体を得ることができる。
【0031】上記酸化亜鉛の添加量は、上記結着樹脂に
対して3〜600重量%が好ましく、5〜500重量%
が特に好ましい。酸化亜鉛の添加量が600重量%を超
える場合、電荷保持特性が低下する傾向にあり、一方酸
化亜鉛の添加量が3重量%未満の場合、画像の濃度や感
光体の感度が低下する傾向にある。
【0032】また、上記増感色素の添加量は、酸化亜鉛
に対して0.05〜10重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜3重量%である。増感色素の添加量が1
0重量%を超える場合、感光体の帯電性が低下し、また
光感度がやや低下する傾向にあり、一方、増感色素の添
加量が0.05重量%未満の場合、増感効果が小さい。
【0033】本発明の感光体は、上記結着樹脂に酸化亜
鉛および上記増感色素を分散させた塗布液を導電性支持
体に塗布して感光層を形成することにより得られる。
【0034】上記溶媒は、通常使用されるものが挙げら
れ、例えば、第1発明で記載したものが用いられる。
【0035】上記導電性支持体は、例えば、アルミニウ
ム、銅、スズ等の金属単体、上記の金属が蒸着またはラ
ミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が挙げられる。上記導電性基体は、シート状、ドラム状
などのいずれの形状でもよい。支持体自体が導電性を有
するか、支持体表面が導電性を有していればよい。支持
体は使用に際して充分な機械的強度を有するものが好ま
しい。
【0036】本発明において、感光層の膜厚は、15〜
30μmであることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下に、本発明を比較例及び実施例を挙げて
具体的に説明する。
【0038】実施例1 スチレン−アクリル樹脂(MT5676 酸価0 積水
化学製)33重量部、酸化亜鉛(Grade#2 九州
白州化学製)100重量部、シアニン色素(NK342
5 日本感光色素製)0.1重量部およびトルエン10
00重量部を充分に分散混合した後、スプレードライ法
により平均粒径10μmの感光性トナーを得た。
【0039】実施例2 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4096 酸価0.2 三井東
圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒
径10μmの感光性トナーを得た。
【0040】実施例3 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5674 酸価2.2 積水化学
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0041】実施例4 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5587 酸価4 積水化学製)
を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径10
μmの感光性トナーを得た。
【0042】実施例5 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4000 酸価6.7 三井東
圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒
径10μmの感光性トナーを得た。
【0043】実施例6 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(PA525 酸価8.9 三井東圧
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0044】比較例1 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5588 酸価10 積水化学
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0045】比較例2 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4072 酸価24.2 三井
東圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均
粒径10μmの感光性トナーを得た。
【0046】実施例1〜6および比較例1〜2で得られ
たトナーを用いてプレス機によりペレット状のサンプル
を作成し、その表面にくし型電極を蒸着した。そして、
この電極に100Vの電圧を印加し、モノクロメーター
により取り出した単色光(780nm)を約0.5秒間
照射して、光照射前後の電流値をエレクトロメータによ
り測定した。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1より、実施例1〜6で得られたトナー
の光感度が良好であることがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光感度に優れたの感光性トナーおよび電子写
真感光体が得られ、良好な画像を形成することができ
る。特に、増感色素を選択することにより、近赤外〜赤
外の波長領域でも優れた光感度を有するレーザープリン
ター用の感光性トナーおよび電子写真感光体を提供する
ことができる。
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 感光性トナー
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性トナーに関し、
より詳しくは、光感度に優れ、かつ良好な画像を形成す
ることができる、感光性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、シアン、マゼンタおよびイエロー
の各色にそれぞれ着色された3種類の感光性トナー(シ
アントナー、マゼンタトナー、イエロートナー)を用い
て、1回の露光および現像によりカラー画像を形成する
方法(ワンショットカラーシステムに)が注目されてい
る。
【0003】また、感光性トナーを用いる画像形成シス
テムは、アナログ方式の画像形成装置に限らず、装置が
極めて小型化できるといった点から、近年においてはレ
ーザープリンターへの利用も検討されている。そして、
そのレーザープリンターの露光を行うレーザー用光源と
して、従来ではガスレーザーを用いていたが、レーザー
光の強度及び安定性に優れ、直接変調が可能で、低コス
トという多くの利点を有することから、半導体レーザー
(波長領域:780nm付近)を用いることが多くなっ
ている。
【0004】これらの感光性トナーは、一般に、結着樹
脂と、酸化亜鉛と、増感色素とを含有するもので作成さ
れる。
【0005】ところが、感光性トナーに使用される結着
樹脂として、従来から静電画像現像用トナーに使用され
ている樹脂、例えば、スチレン−アクリル系、ポリエス
テル系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリル系、ポリウレ
タン系、エポキシ系の樹脂を使用すると、光感度の点で
十分であるとは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に着
目してなされたものであり、光感度が充分で、良好な画
像を形成することができる感光性トナーを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性トナー
は、選択された特定の結着樹脂、酸化亜鉛および増感色
素を含有する感光性トナーであって、該結着樹脂が、酸
価が9以下であるスチレン−アクリル樹脂を主成分とす
ることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0008】
【作用】本発明の感光性トナーは、酸価が9以下のスチ
レン−アクリル樹脂を主成分とする結着性樹脂と、感光
材料として酸化亜鉛および増感色素とを含有するもので
ある。このような構成の感光性トナーにおいては、酸化
亜鉛粒子の表面に増感色素が吸着しているために、その
増感色素の光吸収作用を利用することで、酸化亜鉛単体
を含む場合に比べて効率よく光エネルギーを吸収してト
ナーの感度を高めることができる。
【0009】すなわち、感光性トナーを作成する場合に
は必ずバインダーとしての結着樹脂が必要である。そし
て感光性トナーとして所定の力学的な強度を保持させる
ためには、酸化亜鉛との親和力が高く、かつ酸化亜鉛を
樹脂中に均一的に分散させ得る樹脂を選択する必要があ
り、このため、スチレン−アクリル系の樹脂が従来より
多用されている。
【0010】しかし、このスチレン−アクリル系の樹脂
はカルボキシル基等の親水性官能基が封鎖されずに残っ
ているため、この基の存在量によっては上記増感色素と
酸化亜鉛との親和力よりも樹脂と酸化亜鉛との親和力の
方が強くなりすぎ、結果として、酸化亜鉛の表面に吸着
させた増感色素を脱離させることになってしまう。
【0011】そこで、本発明では、酸価が9以下のスチ
レン−アクリル系樹脂を主成分とする結着性樹脂を使用
することにより、該樹脂と酸化亜鉛との親和力をコント
ロールし、トナーとしての強度を保持すると共に、増感
色素の酸化亜鉛への吸着を阻害させないことでトナーの
感度の向上を達成している。
【0012】次に本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明の感光性トナーは、電気絶縁性の結
着樹脂、感光材料として酸化亜鉛および増感色素を含有
するものである。
【0014】本発明に使用される結着樹脂は、酸価が9
以下であるスチレン−アクリル樹脂を主成分とする樹脂
であり、酸価が3以下であることが特に好ましい。スチ
レン−アクリル樹脂の酸価が9を超える場合、得られる
感光性トナーの光感度が不充分となる。ここで、酸価と
は、上記スチレン−アクリル樹脂1gを中和するのに要
するKOHのmg数をいう。
【0015】上記スチレン−アクリル樹脂のアクリル成
分は、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸ア
ミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、メタクリル酸アミド、メタクリロニトリル等
であり、スチレン成分は、スチレンまたはその誘導体で
ある。これらのアクリル成分及びスチレン成分を単独で
使用しても良いが、2種以上併用することもできる。上
記スチレン−アクリル樹脂のアクリル成分の含有量は、
40〜100重量%が好ましい。
【0016】上記スチレン−アクリル樹脂は、これらの
アクリル成分とスチレン成分とを共重合させて得ること
ができる。特にスチレン−アクリル樹脂はスチレンとア
クリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルとの共重合体
が好ましい。
【0017】上記スチレン−アクリル樹脂以外に他の電
気絶縁性樹脂を加えてもよく、このような樹脂として
は、従来より公知の電気絶縁性樹脂が挙げられ、例え
ば、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリ
アミド、ポリウレタン、アクリル変性ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
スルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、
ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル
樹脂、フェノール樹脂等、各種の重合体が挙げられる。
また、ポリビニルカルバゾール等の光導電性樹脂も、単
独であるいは電気絶縁性樹脂と組合せて使用することが
できる。
【0018】本発明に使用される増感色素は、酸化亜鉛
用の増感色素であり、例えば、トリフェニルメタン系、
シアニン系、キサンテン系等の従来より公知のものが用
いられる。これらの増感色素を選択することにより、例
えば、450nm〜650nmに光感度を有する感光性
トナーや、780nm付近に光感度を有するレーザープ
リンタ用の感光性トナーを得ることができる。
【0019】上記酸化亜鉛の添加量は、上記結着樹脂に
対して3〜600重量%が好ましく、5〜500重量%
が特に好ましい。酸化亜鉛の添加量が600重量%を超
える場合、電荷保持特性が低下する傾向にあり、一方酸
化亜鉛の添加量が3重量%未満の場合、画像の濃度や感
光性トナー感度が低下する傾向にある。
【0020】また、上記増感色素の添加量は、酸化亜鉛
に対して0.05〜10重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜3重量%である。増感色素の添加量が1
0重量%を超える場合、感光性トナーの帯電性が低下
し、また光感度がやや低下する傾向にあり、一方、増感
色素の添加量が0.05重量%未満の場合、増感効果が
小さい。
【0021】本発明の感光性トナーには、上述した成分
の他に、公知の染料、顔料等の着色剤、ワックス類等の
オフセット防止剤、圧力定着性付与剤等の助剤を公知の
処方に従って配合してもよい。例えばシアンの顔料とし
ては、KET Blue 104(大日本インキ)、NEOPEN Blue 80
8(BASF)、CYANINE Blue KRO(山陽色素)等が、
マゼンタの顔料としては、KET Red 307(大日本イン
キ)、FANAL Pink D 4830(BASF)、PIGMENT Red 4
BS(山陽色素)等が、イエローの顔料としては、KET Ye
llow 403(大日本インキ)、NEOPEN Yellow 075(BA
SF)、PIGMENT Yellow TRV(山陽色素)等が挙げられ
る。
【0022】本発明の感光性トナーは、上記結着樹脂、
酸化亜鉛および増感色素を溶媒中に分散または相溶さ
せて噴霧するか、あるいは上記結着樹脂、酸化亜鉛およ
び増感色素を混練、分散および粉砕することにより作
成される。
【0023】上記溶媒は、通常使用されるものが挙げら
れ、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトン
が好適に使用される。
【0024】本発明の感光性トナーの平均粒径は、8〜
10μmであることが好ましい。
【0025】なお、本発明で光感度がよいとは、帯電さ
れたトナー層の初期の表面電位(Vd)と露光後の表面
電位(Vl)を測定し、表面電位減衰率(%):(Vd
−Vl)/Vdの値が50%以上であること、またはプ
レストナー層の上に電極を蒸着し、一定の電圧を印加
し、露光前の電流値(Id、暗電流値)、露光後の電流
値(Il、光電流値)を測定し、Ilが2×10-7A以上
かつIl/Id(Gain)の値が1.0×102以上で
あることを意味する。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を比較例及び実施例を挙げて
具体的に説明する。
【0027】実施例1 スチレン−アクリル樹脂(MT5676 酸価0 積水
化学製)33重量部、酸化亜鉛(Grade#2 九州
白水化学製)100重量部、シアニン色素(NK342
5 日本感光色素製)0.1重量部およびトルエン10
00重量部を充分に分散混合した後、スプレードライ法
により平均粒径10μmの感光性トナーを得た。
【0028】実施例2 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4096 酸価0.2 三井東
圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒
径10μmの感光性トナーを得た。
【0029】実施例3 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5674 酸価2.2 積水化学
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0030】実施例4 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5587 酸価4 積水化学製)
を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径10
μmの感光性トナーを得た。
【0031】実施例5 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4000 酸価6.7 三井東
圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒
径10μmの感光性トナーを得た。
【0032】実施例6 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(PA525 酸価8.9 三井東圧
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0033】比較例1 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(MT5588 酸価10 積水化学
製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均粒径
10μmの感光性トナーを得た。
【0034】比較例2 実施例1のスチレン−アクリル樹脂の代わりにスチレン
−アクリル樹脂(XPA4072 酸価24.2 三井
東圧製)を使用した以外は、実施例1と同様にして平均
粒径10μmの感光性トナーを得た。
【0035】実施例1〜6および比較例1〜2で得られ
たトナーを用いてプレス機によりペレット状のサンプル
を作成し、その表面にくし型電極を蒸着した。そして、
この電極に100Vの電圧を印加し、モノクロメーター
により取り出した単色光(780nm)を約0.5秒間
照射して、光照射前後の電流値をエレクトロメータによ
り測定した。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】さらに、実施例1〜6および比較例1〜2
で得られたトナーを用いて形成された画像を以下の方法
で評価した。すなわち、紙上の一部に両面テープを張り
付け、この紙を用いてそれ自体公知の方法、すなわち特
開平3−246564号公報開示の光導電性トナーを使
用した画像形成方法に従って画像出しを行った。両面テ
ープ上にはアルミ素管ドラム上に現像されたトナーのほ
ぼ100%が付着された。次にこの紙上の両面テープ
と、ベタ部とに付着されたトナーの網点面積率を画像解
析装置により測定し、下記式により転写率(%)を求め
た。
【0038】
【数1】
【0039】上記評価による結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表1より、実施例1〜6で得られたトナー
の光感度が良好であることがわかる。
【0042】また、表2から、本発明にかかる感光性ト
ナーが転写率においても優れていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、光感度に優れた感光性トナーが得られ、良好
な画像を形成することができる。特に、増感色素を選択
することにより、近赤外〜赤外の波長領域でも優れた光
感度を有するレーザープリンター用の感光性トナーを提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7144−2H G03G 9/08 361 7144−2H 368

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂、酸化亜鉛および増感色素を含有
    する感光性トナーであって、該結着樹脂が、酸価が9以
    下であるスチレン−アクリル樹脂を主成分とする感光性
    トナー。
  2. 【請求項2】請求項1記載の結着樹脂、酸化亜鉛および
    増感色素を含有する感光層を有する電子写真感光体。
JP3158214A 1991-06-28 1991-06-28 感光性トナーおよび電子写真感光体 Withdrawn JPH056027A (ja)

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