JP2656796B2 - フタロシアニン分散電子写真用感光体 - Google Patents

フタロシアニン分散電子写真用感光体

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JP2656796B2 JP14360488A JP14360488A JP2656796B2 JP 2656796 B2 JP2656796 B2 JP 2656796B2 JP 14360488 A JP14360488 A JP 14360488A JP 14360488 A JP14360488 A JP 14360488A JP 2656796 B2 JP2656796 B2 JP 2656796B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、電子写真用感光体に関し、詳しくは半導体
レーザ波長までの感光性を有する、塩素化アルミニウム
フタロシアニンをキヤリア発生剤として含む層を有する
電子写真用感光体に関する。
<従来の技術> 従来、電子写真用感光体は、複写機用途として白色光
に感度を持つ感光体が実用化され、最近、半導体レーザ
ーの波長領域で感度を持つ、感光体が開発され、半導体
レーザープリンタ及びLED(発光ダイオード)プリンタ
ー等の光プリンター用途として実用化されてきた。
また、感光体自身も、従来のようなSe系合金を使う無
機系のものから、有機系の材料を使用し巾広い材料設計
が出来るという特徴を生かした、積層型の機能分離型構
造をもつ、高性能な有機系感光体が実用化に供されつつ
ある。半導体レーザープリンター等の光プリンター用途
の感光体として、要求される性能としては、当然、レー
ザー光の波長で感度を持つ事のみならず、複写機用途と
異なる要求性能がある。
それは、複写機と光プリンターでは、採用される現像
方式が異なるため、それに伴い感光体で解決すべき課題
が出てくるためである。一般に、複写機では、いわゆ
る、正転現像方式、即ち、感光体表面に電荷が存在する
部分、いいかえれば、表面電位の高い部分に、現像剤と
してのトナーが、付着する方式である。これは、露光方
式との関連で、原稿の白い部分からは、光が反射され、
感光体に露光されるため、感光体の表面電位が下がり反
対に字の部分では光が吸収され、感光体に露光されない
ため、表面電位が下がらないためである。それに比べ
て、光プリンターの場合は、一般的に反転現像方式が採
用されている。即ち、反転現像方式は、光によつて露光
され、感光体の表面の電荷が消去された部分、いいかえ
れば、表面電位の低い部分に、現像剤としてのトナーを
付着させる方式である。これは、光プリンターの場合、
原稿は存在せず、電気信号としての情報を光に変換して
露光するためであり、一般的に字に相当する部分で光源
を発光させる、反転露光方式である。
そのため、反転現像方式では、正転現像方式に比べ、
電位の低い部分にトナーが付着するため、白ベタ地の黒
点、及びカブリという画像欠陥が一般的に顕著に発生し
やすく、この画像欠陥を改善する事が一つの大きな課題
となつている。
即ち、未露光の感光体表面で局所的に表面電位が低い
部分があるという感光体の欠陥は、反転現像方式の場
合、トナーの付着及び定着による溶融により印字紙上で
の面積の拡大となり、白ベタ地の黒点、カブリとして増
巾される。一方、複写機の場合は、正転現像方式のた
め、この感光体の同じ欠陥は、黒ベタ地の白点となる
が、定着時に白点のまわりのトナーが溶融して、面積が
拡大されるため印字紙上では、白点の面積が減少し、目
立たなくなるという減衰効果となる。このため、この印
字時の画像欠陥を皆無とするため、プリンター装置自身
の電子写真としての設定条件からの改善及び感光体その
ものからの改善の2つが行われているのが現状である。
感光体からの改善として、従来、色々試みられてお
り、特に積層構成及び組材の検討がおこなわれている。
例えば、感光体の構成として機能分離型積層構成の場
合、基本的には、電極としてのAlドラムの上に、光によ
り電荷を発生する電荷発生層とその発生した電荷を移動
させる電荷移動層の二層構成でよいわけであるが、実際
には、別の層を付加している。
例えば、Alドラムの上に下地層としてある抵抗を持つ
た10〜20μmの膜厚の導電層を設け、その上に、電極か
らの電荷の注入を阻止するためのバリア層を設け、その
上に上記の電荷発生層、電荷移動層を設ける4層構成の
例。または、下地層を省略し、バリア層、電荷発生層、
電荷輸送層を設ける3層構成がとられている。
即ち、その欠陥の原因をそれぞれ想定して、Alドラ
ム、又電荷発生層、又は電荷移動層の改善、及び、他の
層の付加による対策を行つているのが現状である。
更に、課題として重要なのは、このような画像欠陥が
通常の常温、常湿という環境で解決されているのみなら
ず、低温低湿(例えば10℃、25%)及び高温高湿(例え
ば35℃、80%)という環境下においても問題とならない
かという事である。更にその基本となる電気性能の環境
特性も問題とならないかという事である。何故ならば、
電荷発生層、及び電荷移動層の2層からなる場合その2
層の環境に対する電気特性を最適化するように、膜厚・
組成を設計すれば良いが、画像欠陥改善を一つの目的と
して、バリア層の付加による3層構成、更に下地層を付
加した4層構成とした場合、新たにそれらの層の環境特
性も含めて考慮する必要があり、白ベタ地の黒点、及ひ
カブリ等の画像欠陥の皆無化と環境特性の最適化を同時
に満足する事が非常に困難であるのが現状である。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、主として半導体レーザーの発光波長で高感
度であり、電気性能及び反転現像時の白ベタ印字での黒
点、カブリ等の画像性能の環境特性が良好な電子写真感
光体が得られないという問題点を解決しようとするもの
である。
我々は、特定の結晶構造をもつた塩素化アルミニウム
フタロシアニンを使用する事により、半導体レーザーの
発光波長で高感度な電子写真感光体を得る事は出来るの
であるが、実際、電気性能、及び画像性能の環境特性が
非常に大きくバラ付きその特性がなかなか一定しないの
が実情であつた。そのため、実用性のある電子写真用感
光体として供するには、この特性のバラ付き要因を特定
し、その要因を制御する事が解決すべき問題点であつ
た。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、上記の欠点を改良するため、鋭意検討
した結果、電荷発生剤として特定の結晶構造を持つた塩
素化アルミニウムフタロシアニンの平均粒径を特定の範
囲とする事により、再現性の良い電子写真感光体を得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至つた。
即ち、本発明は、 導電性基板上に電荷発生層および電荷移動層を主とし
て積層した積層型電子写真用感光体において、電荷発生
剤が塩素化アルミニウムフタロシアニン〔AlClxPcCly
(塩素化度:X+Y=1.0〜2.0,Pc:フタロシアニン環)〕
で a) X線回折スペクトルにおいてブラツグ角(2θ±
0.2度)が、6.7度、11.2度、16.7度、25.6度に強い回折
ピークを有し b) 透過吸収スペクトルにおいて750nmから850nmの間
に極大吸収を有し、 c) 平均粒径が0.05μm〜0.03μmである事を特徴と
する電子写真用感光体である。
本発明に用いられる塩素化アルミニウムフタロシアニ
ンは、フタロジニトリルと塩化アルミニウムを無溶媒で
加熱下に縮合反応を起こさせることにより、容易に合成
される。これにより得られた塩素化アルミニウムフタロ
シアニンは、有機溶剤及び水により洗浄をくり返し、不
純物を除去し、更に昇華精製による微量不純物の除去を
行う事による純度の高いものが得られる。
本発明における、塩素化アルミニウムフタロシアニン
を電子写真用感光体の電荷発生層として使用するには、
昇華精製された塩素化アルミニウムフタロシアニンを特
定の水分量を含有する有機溶媒と一緒に湿式粉砕・分散
処理をし、結晶型を変化させ粒径を制御する事により得
られる。
ここで用いられる有機溶媒は、塩素化アルミニウムフ
タロシアニンに対して親和性はあるが、溶解度があまり
高くない溶媒、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチ
ル、ジクロルメタン、クロロホルム、クロルブロムメタ
ン、ニトロエタン等が良く溶解度が高いメタノール、エ
タノール、テトロヒドロフラン等は、塩素化アルミニウ
ムフタロシアニンが溶解し、有効な結晶型とならないた
め好ましくない。さらに、有機溶媒中に溶解した状態で
含ませる水分量は、フタロシアニン1分子に対し水が2
分子以上となる様に調整する必要がある。このような水
分を含んだ有機溶媒と一緒に、塩素化アルミニウムフタ
ロシアニンを湿式粉砕分散処理を行うと、その結晶型
は、X線回折図で見ると第1図の(b)に示すように、
2θ±0.2度が6.7度、11.2度、16.7度、25.6度に強い回
折ピークが見られるものとなつている。昇華精製後のフ
タロシアニンの結晶型のX線回折図は第1図の(a)に
示すように2θ±0.2度が27.0度に強い回折ピークが見
られるものであるため、湿式粉砕分散処理の過程で、粒
径が小さくなると同時に、結晶型の変化が起こつている
ことがわかる。また、その透過吸収スペクトルも、第2
図に示すように昇華精製したのみで、処理を施さない場
合に比べ特定の水分量を含有させた有機溶媒と一緒に湿
式粉砕分散処理をすると長波長側(750nm〜850nmの間)
に極大吸収はシフトする。そのため、半導体レーザーの
発光波長領域(770nm〜830nm)で、非常に高感度な電子
写真感光体の電荷発生剤となる。
後で述べるやり方に従い、これによつて得られた電荷
発生剤を使つて電荷発生層を形成し、電子写真感光体を
作製すると、前で述べた様に非常に高い感度を示すが、
電気性能、画像性能の特に環境特性が一定せず、良好な
ものも得られるが再現性に問題が残つた。
そのため、電子写真感光体の各層の組成、膜厚積層構
造の構成等を種々検討した結果、電荷発生層を形成する
塩素化アルミニウムフタロシアニンの平均粒径が、電気
性能及び黒点、カブリ等の画像性能の環境特性に大きく
影響を与える事を見い出した。即ち、分散機及び分散条
件を変えて種々の平均粒度を持つた、電荷発生剤を作成
し、性能との相関を評価した所、平均粒径が小さくなる
に従つて、常温常湿での暗減衰率が小さくなり、またカ
ブリが減少する事、また低温低湿(例えば10℃、30%)
及び高温高湿(例えば35℃、80%)にした時の常温常湿
に比べての電気性能の変化が少なくなる事、またそれら
の環境におけるカブリの発生が少ない事が明確となつ
た。特にフタロシアニンの粒径が大きい場合、高温高湿
での暗減衰率が大きく、そのため、無露光時の表面電位
Voも常温に比べ、大きく低下し、そのため、白ベタ時の
カブリも大きいことである。このような事から、塩素化
アルミニウムフタロシアニンの平均粒径が0.05μm以下
である事が良好な性能を得るには望ましい。このような
粒径を得るためには、粉砕分散能力の高い分散機の選定
分散時間の最適化により、実現しうる。
また、平均粒径の小さい方の限度は、粉砕分散能力の
観点から、0.03μmが望ましい。すなわち上に述べた特
定の水分量を含有する有機溶媒と一緒に湿式粉砕処理を
して、結晶型を変化させると同時に、平均粒径を最適な
範囲に制御する事により、従来の問題点を解決する事が
出来るわけである。
ここでいう平均粒径とは、英国Joyce−Loebl社製の高
速遠心沈降連続式粒度分布測定システムDCF−4で測定
されるものをいう。フタロシアニン等の分散粒子の粒径
の測定方法としては一般的に種々の方法がある。英国Jo
yce−Loebl社製の高速遠心沈降連続式粒度分布測定シス
テムDCF−4は、0.1μm以下の粒径が精度良く測定出来
る評価システムである。この測定法は原理的にはストー
クスの遠心沈降式に基くものである。但し、微小粒径を
精度良く測定するために高速回転(10000rpm)を行うと
ともに、大きな粒子から順に安定した沈降を開始させる
ため、被測定分散液を、スピン液及びバツフア液と呼ば
れるものの中に注入する工夫がなされている。実際には
フタロシアニンの分散液0.2mlをサンプルとした。ま
た、スピン液はニトロエタン/クロロブタモメタンの混
合溶媒(1/0.31wt%)10mlを使用した。バツフア液はニ
トロエタン2mlを使用した。これによつて得られた。フ
タロシアニンの粒度分布より、統計処理がなされて、本
特許でいう平均粒径が得られる。
本発明の塩素化アルミニウムフタロシアニンを電荷発
生層として用いるには、導電性基板上に電荷発生層を設
けるが、導電性基板としては、アルミニウム、銅、ニツ
ケル、亜鉛、金、インジウム等の導電性の金属を用いる
事が出来る。ドラムとしての形態をとる場合、アルミニ
ウムが望ましい。また、耐メモリー性、及び、導電性基
板からの影響による画像欠陥を改善する目的で、導電性
基板上にポリビニルアルコールを結合剤とした酸化亜鉛
層またはアルコール可溶性ポリアミドを1μm以下の厚
さで設けてもよい。
また、アルミニウムの場合、表面をアルマイト処理を
し、0.1μm〜10μmのアルマイト層を形成させても良
い。
電荷発生層としての塩素化アルミニウムフタロシアニ
ンは、昇華精製したものを、湿式粉砕分散機を用い、上
で述べた有機溶媒中で粉砕する事により得られ、そのま
まか、または、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アルキツ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカー
ボネート樹脂などの結着剤を溶剤と共に導電性基板上に
溶液塗布して、電荷発生層とすることができる。この際
の結着剤の使用量は、特に制限はないが、塩素化アルミ
ニウムフタロシアニン100重量部に対し、20重量部ない
し、300重量部で使用する。そして、この際の電荷発生
層の厚さは、溶液塗布の場合、乾燥厚みが0.02μm〜5
μmとなるように塗布するのが望ましい。
次に、上記のように作成した塩素化アルミニウムフタ
ロシアニン電荷発生層の上に、電荷移動層を積層して感
光体とするが、積層する電荷移動層は、電荷発生層で発
生した電荷を感光体表面へ移動させる層であつて、電荷
発生層の感光波長領域の光に対して透過性であることが
必要であり、さらに、最適な感光体を得るには、電荷移
動層、電荷発生層間のエネルギーレベル(イオン化ポテ
ンシヤル、電子親和力など)を適切に適合させる必要が
あり、電荷移動剤単体またはこれを結合剤樹脂中に溶
解、分散させた形で用いられる。
単独の移動剤としては、2,6−ジメトキシ−9,10−ジ
ヒドロキシアントラセンとジカルボン酸から得られたポ
リエステル、2,6−ジメトキシ−9,10−ジヒドロキシア
ントラセンとジハロゲン化合物から得られたポリエーテ
ル、ポリビニルカルバゾールが使用できる。
結合剤樹脂中に分散して用いる移動剤としては2,6,9,
10−テトライソプロポキシアントラセンのようなアント
ラセン誘導体、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフエニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾー
ル類、1−フエニル−3−(P−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)−ピラゾリ
ン等のピラゾリン誘導体、4−(ジエチルアミノ)スチ
リル−2−アントラセン等のスチリル化合物、P−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−(ジフエニルヒドラゾ
ン)等のヒドラゾン系化合物を用いることができる。
また、移動剤の結合剤樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタン、エポキ
シ樹脂、ポリエーテルケトン等が挙げられる。結合剤樹
脂の量は、移動剤100重量部に対し60〜200重量部で使用
する。そして、この際の電荷移動層の厚さは特に制限は
ないが、受容電位との関係から10〜25μmが適当であ
る。
<実施例> 以下実施例により、本発明を更に詳細に説明するとと
もに、比較例を掲げる。
実施例1 昇華精製して得られた塩素化アルミニウムフタロシア
ニン(Clの分析値より塩素化度:X+Y=1.4)5重量部
を純水0.38重量部がクロルブロムメタン120重量部及び
ニトロエタン60重量部の混合有機溶媒中に溶解している
液とともにサンドミル分散機に仕込み、室温で6時間及
び9時間湿式粉砕分散した。湿式粉砕分散を6時間及び
9時間行つたものの、フタロシアニン粒子の平均粒径
は、それぞれ、0.05μm、0.03μmであつた。フタロシ
アニン粒子の粒径測定は、英国JOYCE LOEBL社製高速遠
心沈降連続粒度分布測定システムDCF−4を使用して行
つた。
また、フタロシアニンの結晶状態をX線回折装置によ
つて評価した。X線回折スペクトルにおいて、CuK α線
を線源とした時、ブラツグ角(2θ±0.2度)で6.7度、
11.2度、16.7度、25.6度に強い回折ピークを示した。ま
た、この塗液をガラス上で乾燥させたものは透過吸収ス
ペクトルで、830nmに透過吸収極大を示した。更にアク
リル樹脂(メタクリル酸n−ブチル/メタクリル酸i−
ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル=45/45/10
の共重合体)0.6重量部を純水0.16重量部がクロルブロ
ムメタン180重量部とニトロエタン90重量部の混合有機
溶媒中に溶解している液に溶解させて作成した液を、分
散によつて得られた分散液60重量部に投入し、希釈し、
塗工液を得た。電子写真感光体を得るために、アルミド
ラム上に共重合ナイロン(東レ製 CM8000)80重量部、
スチレン/マレイン酸ハーフエステル共重合体樹脂(BA
SF製 スプラパールAP−20)20重量部を混合し、2重量
%となるように、メタノールに溶解し、乾燥厚みが0.8
μmの塗膜を作製しバリア層とした。その上に先に得ら
れた電荷発生剤を含む塗液を浸漬塗工し、100℃、1時
間乾燥し乾燥膜厚が0.1μmの電荷発生層とした。この
上にポリエーテルケトン10重量部、P−ジエチルアミノ
ベンズアルデヒド−(ジフエニルヒドラゾン)10重量
部、1,2−ジクロルエタン100重量部からなる溶液を浸漬
塗工し、80℃、1時間乾燥し、乾燥膜厚15μmの電荷移
動層を形成し電子写真感光体とした。電気性能評価及び
画像性能評価は、市販の半導体レーザープリンターを使
用して行つた。帯電として、負帯電で、グリツド電圧83
0Vのスコロトロンチヤージヤーを使用し、帯電条件とし
ては、感光層がぬられていないアルミニウムドラムに対
して、単位長さ当たり4.3μA/cmの流れ込み電流が流れ
る様に設定した。また、ドラム回転速度は90mm/secでイ
レーサ光のエネルギーとしては、赤色光20μJ/cm2とし
た。レーザー露光のない時の表面電位をVoとし、また、
レーザー露光量2.1μJ/cm2の露光(発光波長780nm)を
行つて、イメージ電位Viを測定した。また、暗減衰は、
無露光時の5秒間の電位低下率として測定した。また、
画像性能評価は、反転2成分現像方式により印字を行い
印字サンプルの目視評価で行つた。評価の結果を比較例
と共に第1表に示す。電気性能、画像性能の環境特性は
共に良好で有る。
比較例1 実施例1において、サンドミル分散機での分散時間を
1時間とする以外は、同一の条件で行い、分散塗液を得
た。平均粒径は0.06μmであり、X線回折スペクトル及
び、吸収スペクトルは実施例1と変わらなかつた。実施
例1と同様の条件で電子写真感光体を得て、その特性を
評価した。評価の結果は第1表に示す通りで、電気性
能、画像性能の環境特性は共に、実施例1に比べ悪い。
比較例2 実施例1においてサンドミル分散機の替わりにボール
ミル分散機を用い、室温で120時間粉砕を行う以外は実
施例1と同様に行い、分散塗液を得た。平均粒径は0.07
μmでありX線回折スペクトル及び、吸収スペクトルは
実施例1と変わらなかつた。実施例1と同様の条件で電
子写真感光体を得て、その特性を評価した。評価の結果
は第1表に示す通りで、電気性能、画像性能の環境特性
は共に、実施例1に比べ悪い。
実施例2 実施例1と同一組成の材料をサンドミル分散機に仕込
み、内液温度が−20℃となる温度条件で6時間及び、9
時間、湿式粉砕分散を行つた。フタロシアニンの平均粒
径を実施例1と同様の測定方法で測定した所、分散時間
6時間、9時間行つたものの平均粒径は、それぞれ、0.
05μm、0.03μmであつた。X線回折スペクトル及び、
吸収スペクトルは、実施例1と同じであつた。一方、可
溶性ポリエステル(東洋紡製、バイロン200)1.6重量
部、純水0.16重量部をクロムブロムメタン180重量部と
ニトロエタン90重量部よりなる混合有機溶媒中に溶解さ
せて作製した液を、上で得られた分散液60重量部に投入
し、希釈することにより、塗工液を得た。電子写真感光
体を得るために、アルミドラム上に共重合ナイロン(東
レ製、CM4001)80重量部、スチレン/マレイン酸ハーフ
エステル共重合体樹脂(BASF製、スプラパールAP−20)
20重量部を混合し、2重量%となるように、メタノール
に溶解した塗液を塗布することにより、乾燥厚みが0.07
μmの塗膜を形成しバリア層とした。その上に、先に得
られた電荷発生材を含む塗液を浸漬塗工するとにより、
乾燥膜厚が0.1μmの電荷発生層を得た。この上にポリ
マーボネイト樹脂(三菱ガス化学製、Z−200)10重量
部、P−ジエチルアミノベンズアルデヒド−(ジフエニ
ルヒドラゾン)10重量部、1,2−ジクロルエタン100重量
部からなる塗液を浸漬塗布し、80℃、1時間乾燥するこ
とにより、乾燥膜厚20μmの電荷移動層を形成し、電子
写真感光体とした。その特性を評価した結果は第2表に
示す通りで電気性能、画像性能の環境特性は共に良好で
ある。
比較例3 実施例2において、サンドミル分散機での分散時間を
1時間とする以外は、同一の条件で行い、分散塗液を得
た。平均粒径は0.06μmであり、X線回折スペクトル及
び、吸収スペクトルは実施例2と変わらなかつた。実施
例2と同様の条件で電子写真感光体を得て、その特性を
評価した。評価の結果は第2表に示す通りで、電気性
能、画像性能の環境特性は共に実施例2にくらべ悪い。
比較例4 実施例2において、サンドミル分散機の替わりにポー
ルミル分散機を用い、液温−15℃で120時間粉砕を行う
以外は実施例2と同様に行い、分散塗液を得た。平均粒
径は0.07μmであり、X線回折スペクトル及び、吸収ス
ペクトルは実施例2とかわらなかつた。実施例2と同様
の条件で電子写真感光体を得て、その特性を評価した。
評価の結果は第2表に示す通りで、電気性能、画像性能
の環境特性は共に実施例2にくらべ悪い。
実施例3 実施例2と同一の材料及び分散条件で湿式粉砕分散を
行つた。得られたフタロシアニンの平均粒径、X線回折
スペクトル及び、吸収スペクトルは実施例2と変わらな
かつた。塗工液を得るに際し可溶性ポリエステルを使用
する替わりに、アクリル樹脂(大日本インキ製、アクリ
デイツク A−808)を使う以外は、実施例2と同一の
条件で電子写真感光体を得た。得られた感光体の特性を
評価した結果は第3表に示す通りで、電気性能、画像性
能の環境特性は共に良好である。
比較例5 実施例3において、湿式粉砕分散を行うに際し比較例
3と同一の材料及び分散条件で行つた。得られたフタロ
シアニンの平均粒径、X線回折スペクトル及び、吸収ス
ペクトルは、比較例3と変わらなかつた。この分散塗液
を得る以外は実施例3と同様の条件で電子写真感光体を
得て、その性能を評価した。評価の結果は第3表に示す
通りで、電気性能、画像性能の環境特性は共に、実施例
3にくらべ悪い。
比較例6 実施例3において、湿式粉砕分散を行うに際し比較例
4と同一の材料及び分散条件で行つた。得られたフタロ
シアニンの平均粒径、X線回折スペクトル及び、吸収ス
ペクトルは、比較例4と変わらなかつた。この分散塗液
を得る以外は実施例3と同様の条件で電子写真感光体を
得て、その性能を評価した。評価の結果は第3表に示す
通りで、電気性能、画像性能の環境特性は共に、実施例
3にくらべ悪い。
<発明の効果> 本発明の塩素化アルミニウムフタロシアニンを電荷発
生剤として電荷発生層の主成分とする電子写真感光体
は、半導体レーザーの発光波長で高感度を示し、且つ、
電気性能及びカブリを主とする画像性能の環境特性が極
めて秀れており、半導体レーザープリンタ用の実用感光
体に適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は塩素化アルミニウムフタロシアニンのCuK α線
を線源として用いた時のX線回折スペクトル。第2図は
透過吸収スペクトルで図中、 (a)は昇華精製した場合で、湿式粉砕分散前。 (b)は特定量の水を含んだ有機溶媒と伴に湿式粉砕分
散した後の場合を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基盤上に電荷発生層および電荷移動
    層を主として積層した積層型電子写真用感光体におい
    て、電荷発生剤が塩素化アルミニウムフタロシアニン
    〔AlClxPcCly(塩素化度:X+Y=1.0〜2.0,Pc:フタロシ
    アニン環)〕で、 a) X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
    0.2度)が6.7度、11.2度、16.7度、25.6度に強い回折ピ
    ークを有し、 b) 透過吸収スペクトルにおいて750nmから850nmの間
    に極大吸収を有し、 c) 平均粒径が0.05μm〜0.03μmであることを特徴
    とする電子写真用感光体。
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