JPH09152726A - 感光材料、感光体およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

感光材料、感光体およびこれを用いた画像形成装置

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JPH09152726A
JPH09152726A JP31273195A JP31273195A JPH09152726A JP H09152726 A JPH09152726 A JP H09152726A JP 31273195 A JP31273195 A JP 31273195A JP 31273195 A JP31273195 A JP 31273195A JP H09152726 A JPH09152726 A JP H09152726A
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JP
Japan
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photoconductor
layer
photosensitive
charge
photoreceptor
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徹 ▲高▼橋
Toru Takahashi
Fumio Takei
文雄 武井
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機感光体の移動度を向上させること。 【解決手段】 少なくとも1,1−ビス−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブ
タジエン(TPB)およびフラーレンを組合せて含む感
光材料、感光体、これを用いた画像形成装置、特に光背
面式画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともフラー
レンおよび1,1−ビス−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(TP
B)を組み合わせ含有させた感光材料、感光体およびこ
れを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在の複写機或いは高速・高印字品位の
プリンタは電子写真記録方式を用いたものが広く普及し
ている。この方式は、感光体を潜像記録媒体として用
い、一様帯電、画像露光、現像、転写、定着、除電、ク
リーニングの7つの工程で記録が行われる、いわゆるカ
ールソンプロセスである。帯電は、光導電性を有する感
光体の表面に正または負の均一静電荷を施し、続く露光
プロセスでは、レーザー光などを照射して、特定部分の
表面電荷を消去することにより、感光体上に、画像情報
に応じた静電潜像を形成する。次に、この潜像をトナー
によって静電的に現像することにより、感光体上にトナ
ーによる可視像を形成し、最後にこのトナー像を記録紙
上に静電的に転写して、熱、光、圧力等によって、融着
させることにより、印刷を得る。
【0003】しかし、カールソンプロセスを用いた従来
の記録装置は各工程に用いる手段が感光体の周囲に配置
されていて、装置が小型化するにつれて、各工程の手段
が感光体のまわりを密接に連なる。そのため、小型化に
は限界があり、また現像器から現像剤が飛散し画像露光
手段に用いられる光学系を汚し、印刷に悪影響を及ぼす
などの欠点がある。
【0004】また、従来帯電手段はコロナ帯電によって
帯電を行うためにオゾンが発生し、人体に対して悪影響
を及ぼすなどの問題点がある。そこで、露光手段を感光
体の内側に設置し、帯電手段にコロナ帯電器を用いない
画像形成装置が考案されている(特開昭58−1539
57号、特開昭57−67949号など)。この帯電手
段としては、現像剤と感光体表面を接触させて、現像剤
を媒体として、現像器の導電性スリーブと感光体の導電
層との間に現像バイアスを印加し、感光体表面を帯電さ
せる。また、感光体と現像剤の接触部分の最適位置に導
電層側から画像露光を行い、潜像形成するのと同時に、
潜像部分に電気的引力によってトナーを吸引し、感光体
表面にトナーによる可視像を形成する。なお、トナーに
磁性をもたせ、スリーブ内に備えた磁石によって、潜像
部以外の部分は磁力によってかきとられる。この方式を
用いると、コロナ帯電によりオゾンを発生することもな
く、また画像露光源が感光体の内側に、および現像器が
帯電手段、現像手段およびクリーニング手段を兼ねてい
るので、大幅な工程手段の削減が可能となるために、装
置の小型化に対する寄与は大きい。この方式は感光体の
背面から画像露光するために、光背面プロセスと呼ばれ
ている。
【0005】光背面プロセスによる画像形成原理を図1
に示す。図1において、感光体1は透明基体2、透明導
電層3、感光層4から構成され、透明導電層がアースに
接続されている。現像剤5は、磁性2成分現像剤を用い
ており、トナー7およびキャリア6には磁性が備えてあ
る。現像ローラ8はマグローラ9上の導電性スリーブ1
0が設けられ、現像剤は現像ローラに磁力によって引き
つけられ、スリーブ上に付着しながら感光体に運ばれ
る。また、感光体は現像剤を通して、帯電される。帯電
した感光体に透明基体側から画像露光を行い、潜像を形
成する。潜像形成部では、トナーの感光体に対する電気
的付着力がマグローラからの磁気力より強いために現像
され、また潜像形成部以外の背景部ではマグローラおよ
び磁性キャリアの磁気力によりトナーが回収される。現
像されたトナーは記録媒体すなわち紙あるいはプラスチ
ックプレートなどに転写され、印刷物を得る。
【0006】光背面プロセスは、帯電、露光、現像がほ
ぼ同時に行われるため、潜像形成を超短時間で行わなけ
ればならない。そのため、電荷の移動度が高い感光体が
求められている。光背面プロセスなどに用いる高移動度
型感光体としては、アモルファスシリコン感光体(特開
昭58−153957号)などがよく知られている。し
かし、アモルファスシリコンに代表される無機光導電性
物質を主成分とする感光体は、製造工程が複雑で、成形
加工性に乏しく、その結果コストが高くなるなど欠点を
有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そのため、無機感光体
に代わるものとして、製造工程が単純で、コストの面で
有利な有機感光体が注目されている。また、有機感光体
は、無機感光体に比べ、暗抵抗が高く、帯電性に優れて
いて、光背面プロセスに適していると考えられる(特開
平5−143262号)。
【0008】現在使用されている有機感光体として、電
荷発生材料と電荷輸送材料とをバインダ樹脂中に溶解・
分散させた単層型感光体、また電荷発生材料を含んだ電
荷発生層と電荷輸送材料を含んだ電荷輸送層とに機能を
分離し、それぞれを積層した機能分離型有機感光体が挙
げられる。感光体の移動度は、主に電荷輸送材料に左右
される。電荷輸送材料としては、ヒドラゾン化合物(特
開昭54−59143号、特開昭54−150128
号、特開平4−338965号)、トリフェニルアミン
化合物(特開昭54−58445号)、フェニルスチル
ベン化合物(特開昭58−198043号)、ジスチリ
ル化合物(特開昭62−120346号、特開平4−3
19957号)、ブタジエン化合物(特開昭62−28
7257号)などがよく知られている。その中で、高移
動度および高感度で繰り返し特性の優れた電荷輸送材料
として、ブタジエン化合物である1,1−ビス−(p−
ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエン(TPB)がある(特開昭62−287
257号)。しかし、TPBを用いた感光体は、アモル
ファスシリコン感光体に比べ、移動度が低く、光背面プ
ロセスにおいて、印刷特性上十分満足できるものではな
かった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、移動度の
向上を目的に、有機感光体に用いる感光材料について鋭
意検討した結果、上記の問題点を以下のようにして解決
できることを見出した。感光材料として、少なくともフ
ラーレンと下記構造式で表わされる1,1−ビス−(p
−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン(TPB)
【0010】
【化2】
【0011】とを組み合わせて(共存状態で)含ませる
ことにより、従来TPBのみ含有させ、フラーレンを含
有させない感光体に比べ、移動度は高くなり、また前記
感光材料を、導電性基体上に形成させた感光体を用いる
ことで、光背面プロセスにおいて、良質な画像を形成す
ることができることを見出した。また、本発明の感光体
は、従来の有機感光体に比べ、電荷の移動度が高く、潜
像形成特性に優れている。そのため、光背面プロセスに
限らず、従来のカールソンプロセスにも、十分に活用す
ることができ、印刷速度のマージンを拡大することがで
きた。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の感光材料、感光体
およびその製造方法の例を示すが、本発明ではこれらに
限定されることはない。本発明に用いるフラーレンは、
60,C70,C78,C84,C90、またこれらの誘導体
〔高分子、44巻、 451頁、7月号(1995年)〕などを単
独あるいは2種以上を混合して用いることができる。こ
れらのフラーレンは、公知の手法〔Nature、第34巻、 3
54頁、(1990年) 、高分子、44巻、 451頁、7月号(19
95年)など〕で容易に得ることができる。具体的に例え
ば、器壁が冷却され、ヘリウムガスで置換された反応容
器中で炭素棒をアーク放電させ、生成したススから溶媒
抽出によりフラーレンを回収する。
【0013】また、TPBは下記構造式
【0014】
【化3】
【0015】のものを用いる。感光体の感光層は単層型
あるいは電荷発生層−電荷輸送層または電荷輸送層−電
荷発生層の順に積層した機能分離型のものを用いること
が可能である。単層型の場合、フラーレン、TPB、電
荷発生材料、電荷輸送材料、およびバインダ樹脂を溶解
させた塗布液を、導電性基体上に塗布し、塗布後乾燥さ
せ、感光体を作製する。また、機能分離型の場合、電荷
発生材料、あるいは電荷発生材料およびバインダ樹脂か
らなる電荷発生層、またフラーレン、TPB、電荷輸送
材料、およびバインダ樹脂からなる電荷輸送層を、それ
ぞれ導電性基体上に塗布形成し、感光体を作製する。な
お、フラーレンとTPBは同一層中に共存しなければな
らない。これらの各層は、浸漬コート法、スプレーコー
ト法、ドクターブレードコート法など公知の手法を用い
て塗布形成される。なお、フタロシアニン顔料など昇華
性のある物質を用いる場合は、電荷発生層を蒸着法によ
り形成しても良い。感光層の膜厚は、単層型の場合、1
〜50μm程度、また機能分離型の場合、電荷発生層は
0.1〜5μm程度、特に1μm以下の膜厚、電荷輸送
層は5〜30μm程度が好ましい。
【0016】電荷発生材料としては、フタロシアニン
系、アゾ系、スクアリリウム系、ベリレン系など公知の
有機染顔料を単独ないし混合して使用でき、分光感度特
性を考慮して選択する。電荷輸送材料としては、電荷発
生層で生成したフォトキャリアのうち正孔または電子の
うちどちらか一方を輸送できる化合物を単独ないし複合
して用いることができる化合物を単独乃至複合して用い
る。具体的に、ヒドラゾン化合物(特開昭54−591
43号、特開昭54−150128号、特開平4−33
8965号)、トリフェニルアミン化合物(特開昭54
−58445号)、フェニルスチルベン化合物(特開昭
58−198043号)、ジスチリル化合物(特開昭6
2−120346号、特開平4−319957号)など
がある。さらに、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン
のようにそれ自体で電荷輸送能を有する光導電性ポリマ
を用いても良く、この場合バインダ樹脂を省略すること
もある。
【0017】バインダ樹脂としてはポリエステル、エポ
キシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアセタール、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、ポリウレタン、スチレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩化
ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルカルバゾールなどビニ
ル化合物の重合体あるいは共重合体、ポリエステル、ポ
リイミド、セルロースエステル、フェノール樹脂など公
知の樹脂を単独ないし混合して用いることができる。
【0018】また、前記手法を用いて各層を塗布形成す
るための溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、ピリジン、キノリン、ピロール、チオ
フェン、などの複素芳香族化合物、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸メチルなどのエステル類、クロロホルム、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−ト
リクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、二硫化炭
素、N,N−ジメチルホルモムアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリル、アセトン、N−メチルピロリ
ドンなど各種有機溶媒を単独あるいは混合して用いるこ
とができる。
【0019】なお、導電層と感光層との間にセルロー
ス、プルラン、カゼイン、ポリビニルアセタールなどの
樹脂からなる中間層を設けても良い。中間層の好ましい
膜厚は0.1〜5μm、さらに好ましくは1〜2μmで
あり、前記感光層と同様に公知の手法で塗布形成でき
る。感光体の導電性基体には、各種の導電性材料からな
るものであればよく、アルミニウムなどの金属、またガ
ラス、PETフィルム、プラスティックなど絶縁性基体
上に、ITO、酸化錫、可溶性導電性高分子、およびI
TOあるいは酸化錫などの導電性微粉末を樹脂中に分散
させた導電性塗料など、導電性を伴う材料を形成したも
のなど用いることができる。導電性基体上への形成方法
としては真空蒸着法、スパッタリング法、浸漬コート
法、スプレーコート法、ドクターブレードコート法など
公知の手法を用いる。また、導電層の膜厚は10Å〜2
0μm程度のものが好ましい。
【0020】
【作用】本発明では、感光体の感光層に、少なくともフ
ラーレンおよびTPBを含有させた感光材料を用いるこ
とにより、従来の感光体に比べ、電荷の移動特性が向上
する。また、帯電、露光、現像がほぼ同時に行われる光
背面プロセスにおいて、良質の印刷物を得ることが可能
となる。なお、本発明の感光体は、従来の有機感光体に
比べ、電荷の移動度が高く、潜像形成特性に優れてい
る。そのため、光背面プロセスに限らず、従来のカール
ソンプロセスにも、十分に活用することができ、印刷速
度のマージンを拡大することができた。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕 構造式4と構造式5
【0022】
【化4】
【0023】を繰り返し単位とした可溶性ポリアニリン
1部(重量部)およびγ−グリドキシプロピルトリメト
キシシラン0.1部をn−メチル−2−ピロリドン99
部に溶解した溶液を浸漬塗布し、塗布後150℃30分
間加熱乾燥し、ガラス上に0.5μmのポリアニリン膜
を形成した。前記ポリアニリン膜を1 mol/l p−ト
ルエンスルホン酸水溶液に1時間浸漬させ、ドーピング
処理を行い、導電層を形成した。
【0024】次に、シアノエチル化プルラン1部をアセ
トン10部に溶解し、これを導電層上に浸漬塗布し、1
00℃で1時間加熱乾燥して、膜厚約1μmの中間層を
形成した。α型オキソチタニルフタロシアニン1部、ブ
チラール樹脂1部、1,1,2−トリクロロエタン20
部を硬質ガラスボールと硬質ガラスポットを用いて24
時間分散混合し、ガラスボールを除去し、これを電荷発
生層塗布液とした。これを、中間層上に塗布し、100
℃で1時間乾燥させて膜厚約0.3μmの電荷発生層を
形成した。
【0025】電荷輸送層塗布液として、C60(純度9
9.9%、仁木工芸製)を0.03部、TPBを1部、
またビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロン
Z200、三菱ガス化学製)2部を、トルエン20部に
溶解して塗布液を調製した。これを、浸漬コート法によ
り、前記電荷発生層上に塗布し90℃で1時間乾燥させ
て膜厚約20μmの電荷輸送層を形成して、感光層を形
成し、実施例1の感光体を得た。
【0026】〔実施例2〕実施例1における電荷輸送層
塗布液のC60含有量0.03部を0.005部とした以
外全く同様にして、実施例2の感光体を得た。 〔実施例3〕実施例1における電荷輸送層塗布液のC60
含有量0.03部を0.01部とした以外全く同様にし
て、実施例3の感光体を得た。
【0027】〔実施例4〕実施例1における電荷輸送層
塗布液のC60含有量0.03部を0.05部とした以外
全く同様にして、実施例4の感光体を得た。 〔実施例5〕実施例1における電荷輸送層塗布液のC60
をC70とした以外全く同様にして、実施例5の感光体を
得た。
【0028】〔比較例1〕実施例1における電荷輸送層
塗布液の組成を、TPB 1部、ビスフェノールZ型ポ
リカーボネート2部、トルエン20部とした以外全く同
様にして、比較例1の感光体を得た。 〔比較例2〕実施例1における電荷輸送層塗布液の組成
を、C60 1部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート
2部、トルエン50部とした以外全く同様にして、比較
例2の感光体を得た。
【0029】〔比較例3〕実施例1における電荷発生層
塗布液の組成を、C60 1部、オキソチタニルフタロシ
アニン1部、ブチラール樹脂1部、1,1,2−トリク
ロロエタンとした以外全く同様にして、比較例3の感光
体を得た。実施例および比較例で作製した感光体の感光
体特性を調べ、また実施例1および比較例1の感光体を
用いて印刷試験を行った。
【0030】感光体特性は、移動度、半減露光量、残留
電位、帯電保持率を測定した。移動度の測定方法は、T
OF(Time of Flight) 法を用いて測定した。半減露光
量は、露光開始から感光体表面電位が半分に減衰するの
に必要な時間t1/2 (s)と単位時間入射光強度(μJ
/cm2 ) との積とした。残留電位は、露光開始から10
×t1/2 経過したときの表面電位とした。帯電保持率は
1秒間の表面電位の減衰率である。測定の際、露光は波
長660nmの光を用いた。これは、印刷試験に用いる光
学系と同じ波長の光である。なお、露光直前の感光体表
面電位を−600Vとなるよう帯電器の印加電圧を調整
した。
【0031】また、印刷試験は、光背面プロセスに基づ
いた印刷試験機(図2)、またカールソンプロセスに基
づいた印刷試験機(図3)を用いた。なお、図2、図3
中、11は感光体、12は光学系、13は現像器、14
は現像剤、15は記録紙、16は転写ローラ、17は定
着器、18はコロナ帯電器である。また、下記表1に示
す印刷条件で行った。
【0032】 印刷条件 現像剤: ・磁性重合トナー(粒径10μm、磁性粉量20wt%) ・鉄粉キャリア(粒径30μm、抵抗約108 Ω・cm) トナー濃度15wt% 周速比(スリーブ速度/印刷速度):3 現像バイアス:−600V ただし、印刷速度は、光背面用印刷試験機では12ppm
、カールソンプロセス用印刷試験機では30ppm で行
った。また、カールソンプロセス用印刷試験機の帯電器
は、コロナ帯電器を用い、帯電時における感光体表面電
位を約−700Vとなるよう設定した。
【0033】印刷試験の評価方法は、サクラデンシトメ
ータ(PDA−65、コニカ製)を用いて、印刷試験で
得られた印刷物の面画部および背景部のOptical Densit
y (O.D.)を測定し、印字濃度および背景部かぶりを評価
した。面画部印字濃度は面画部のO.D.値、また背景
部かぶりは、背景部の印字濃度と、記録紙のO.D.値
である0.12との差ΔO.D.値とした。なお、印字
品質の評価は、面画部印字濃度が1.2(O.D.)以
上、背景部かぶりが0.05(ΔO.D.)以下で○、
これ以外の印刷物は×とした。
【0034】表1に各感光体の感光体特性評価結果、図
4に電荷輸送層へのC60添加量と移動度の関係を示す。
【0035】
【表1】
【0036】これらより、C60の添加量が多くなるほ
ど、移動度は、C60添加量が従って、高くなり、添加量
約3wt%で、フラーレン無添加(比較例)に比べ、移動
度が約3倍向上した。また、半減露光量、残留電位、お
よび帯電保持率は、C60添加により、特性が損なわれる
ことがなかった。しかし、電荷輸送層をC60/ポリカー
ボネート樹脂とした感光体(比較例2)、および電荷発
生層をC60/オキソチタニルフタロシアニン/ブチラー
ル樹脂とした感光体(比較例3)は、暗減衰が大きいた
め、帯電器の印加電圧を上げても、規定の帯電電位に達
せず、感光体の特性を評価できないほど、特性が劣って
いた。
【0037】また、表2に印刷試験の結果を示す。
【0038】
【表2】
【0039】光背面プロセスおよびカールソンプロセス
における印刷試験では、C60を添加した感光体(実施例
1)は、良好な印字品質を得ることができたが、C60
添加の感光体(比較例)は、印字濃度が薄く、満足でき
る印刷物が得られなかった。これは、C60有無による移
動度の違いのためと考えられる。以上の結果から、感光
体の感光層に、少なくともフラーレンおよびTPBを組
み合わせ含有させた感光材料を用いることにより、従来
の感光体に比べ、電荷の移動特性が向上し、帯電、露
光、現像がほぼ同時に行われる光背面プロセスにおい
て、良質の印刷物を得ることが可能となる。また、光背
面プロセスに限らず、従来のカールソンプロセスにも、
十分に活用することができ、印刷速度のマージンを拡大
できることがわかった。
【0040】
【発明の効果】以上に示したように、本発明によれば、
感光体の感光層に、少なくともフラーレンおよびTPB
を組み合わせ含有した感光材料を用いることにより、従
来の感光体に比べ、半減露光量、残留電位、および帯電
保持率特性を損なわず、電荷の移動特性が向上する。そ
のため、帯電、露光、現像がほぼ同時に行われる光背面
プロセスにおいて、良質の印刷物を得られるという効果
を奏する。光背面プロセスでは、帯電器、除電器、クリ
ーニング手段を必要としないため、プリンタ装置の小型
化・低廉化に寄与するところが大きい。また、光背面プ
ロセスに限らず、従来のカールソンプロセスにも、十分
に活用することができ、印刷速度のマージンを拡大でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷装置の画像形成工程を示す。
【図2】印刷試験に用いた光背面式印刷装置を示す。
【図3】印刷試験に用いたカールソン式印刷装置を示
す。
【図4】C60添加量と移動度の関係を示す。
【符号の説明】
1…感光体 2…絶縁性基体 3…導電層 4…感光層 5…現像剤 6…磁性キャリア 7…負帯電トナー 8…現像ローラ 9…マグローラ 10…導電性スリーブ 11…感光体 12…光学系 13…現像器 14…現像剤 15…記録紙 16…転写ローラ 17…定着器 18…コロナ帯電器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式 【化1】 で表される1,1−ビス−(p−ジエチレンアミノフェ
    ニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(T
    PB)を含む感光材料において、少なくともフラーレン
    がTPBと組み合わせて含有されていることを特徴とす
    る感光材料。
  2. 【請求項2】 導電性基体上に、感光層を形成した感光
    体において、前記感光層に、特許請求の範囲第1項記載
    の感光材料を含むことを特徴とする感光体。
  3. 【請求項3】 透明基体上に導電層を形成した導電性基
    体上に、感光層を順次に積層形成したものを感光体と
    し、前記感光体に近接配置された導電性スリーブおよび
    内部に磁石を有する現像器とを用い、トナーあるいはト
    ナーおよびキャリアを混合した現像剤を前記スリーブに
    より搬送させ、前記現像剤を前記感光体に接触させて、
    前記スリーブと前記導電層間に電圧(現像バイアス)を
    印加して、前記感光体表面を帯電させ、前記透明基体側
    から現像剤との接触部分に画像露光を行い、画像を形成
    する装置において、前記感光体に特許請求の範囲第1〜
    2項のいずれか1項に記載の感光体を用いたことを特徴
    とする画像形成装置。
JP31273195A 1995-11-30 1995-11-30 感光材料、感光体およびこれを用いた画像形成装置 Withdrawn JPH09152726A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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