JPH0559729B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭において使用する調理用家電
器具の保温器に関するものである。

従来の技術と発明が解決しようとする問題点 従来、この種の保温器においては、単にヒータ
が内蔵されているのみのため、第４図に示すよう
に通電中の保温面温度はサーモスタツト（図示せ
ず）で制御されたON−OFFを繰り返すので上下
の温度差が大きく、且つ蓄熱剤が粉状のため保温
面を有する容器内へ緻密に充てんされず、蓄熱剤
の効用が十分に発揮されないきらいがあつた。

問題点を解決するための手段 本発明は、シリンダ形容器の内部を複数の小部
屋に分割した保温容器を設け、前記小部屋内に潜
熱型蓄熱剤を充填し、保温容器開口部をヒータを
外側に装着したカバーで密封し、前記カバーの外
側に温度制御器を取り付け、前記保温容器の開口
部を下方にし、保温面を上外方に露出してケース
に収納し、前記蓄熱剤は予備成形によりペレツト
状とし、前記ペレツト状蓄熱剤を前記保温容器に
挿入した後、更に加圧成形して容器面に密着した
ものである。

作 用 本発明においては、電源がONされると、蓄熱
剤が結晶転移点ａに達し、蓄熱剤は蓄熱が完了す
るまで同じ温度を保つ。

蓄熱剤の影響によりヒータに近いカバーは蓄熱
剤の温度より若干高く、保温面は若干低く一定に
保たれる。蓄熱が完了すると再び温度上昇し、ｂ
点に達すると温度制御器がOFFし、以後ON−
OFFを繰返す。

通電を停止しても蓄熱剤からの放熱で保温面は
蓄熱時と同じ温度を保つと共に熱緩衝作用が働き
ON−OFF幅の少ない平滑な保温温度を保ち、調
理品の保温が制度よく行われる。

実施例 第１図は本発明の保温器の断面図、第２図イ図
は保温容器の開放斜視図、ロ図はペレツト斜視
図、を示す。

図において、１は下ケース、２は上ケース、３
は保温容器、４はヒータ、５は温度制御器、６は
潜熱型蓄熱剤、７はカバー、８は保温面、９は
角、１０は電源プラグコード、１１はフイン、を
示す。

本発明の保温器の構成を説明する。

蓄熱剤６は保温面８を持つ保温容器３に充填さ
れ、保温面８と反対側の開口部はカバー７で密閉
される。

保温容器３とカバー７は熱良導体で作られ、特
に保温容器３の内面には適宜フイン１１が設けら
れた同じ大きさを持つ小部屋１３で区切られ、蓄
熱剤６の熱が保温面８へ伝わり易くなつている。

カバー７の外面には密着してヒータ４が設けら
れ、ここから蓄熱剤６へ熱が供給される。又、カ
バー７の内面にも必要に応じフインを設け、ヒー
タ６の熱を蓄熱剤６へ有効に伝えるようにするこ
とを妨げないものである。ヒータ４の中央部の空
間にはカバー７に接して温度制御器５が設けられ
ている。前記これらの部品は保温面８を突出させ
た状態に残して上ケース２、下ケース１で覆われ
る。保温面８は上ケース２より出ているため大き
い被保温物で載置できる。上ケース２の一部側面
には角９が設けられ、又角９には電源プラグコー
ド１０が嵌着されている。

蓄熱剤６は、例えばペンタエリスリトールなど
であつて、粉状を成しており、従つて第２図ロ図
に示すように、ペレツト１２に予備成形し、この
前記ペレツト１２を保温容器３中へ落し込み、そ
の後最終成形し蓄熱剤６を保温容器３内へ極めて
緻密に充填する。第３図において蓄熱剤６は一定
温度ａに達すると、結晶転移点と成り、蓄熱が完
了するまで蓄熱剤６の温度は変化しない、いわゆ
る潜熱特性を有するものである。

本発明の保温器の動作を説明する。

前記のような構成において、ONされると、第
３図のように蓄熱剤６が結晶転移点ａに達し、蓄
熱剤６は蓄熱が完了するまで同じ温度ａを保つ。
この蓄熱過程においては、蓄熱剤６の影響により
ヒータ６に近いカバー７はそれ自体からの熱放散
が小さいので、蓄熱剤６より若干高い温度を、又
外気に露出している保温面８はそれ自体からの熱
放散が大きいので、若干低い温度を、それぞれ一
定に保つこととなる。

蓄熱が完了すると、蓄熱剤６は再び温度上昇
し、これにつれカバー７も上昇しｂに達すると温
度制御器５がOFFし、以後ON−OFFを繰り返
す。

この後、適宜なタイミングで通電を停止する
と、今度は蓄熱剤６からの放熱で保温面８は蓄熱
時と同じ温度ｃを保つこととなる。保温面８は蓄
熱剤６の熱緩衝作用が働き、ヒータ４のみや、非
潜熱型蓄熱剤とを併用している時に比べ、極めて
ON−OFF幅の少ない平滑な保温温度を保ち、調
理品の保温が精度よく行われる。

通電停止をプラグ１０を引きはずすことで行え
ばコードが無くなるため、保温器の移動、持ち運
びが容易となるなどの実用的効果を生ずる。

なお、前記実施例では、保温容器の中へ蓄熱剤
を成形で入れ外部ヒータで加熱したが、蓄熱剤は
射出成形してもよく、又、ヒータは蓄熱剤の中へ
埋込んでもよく、要は保温面に接してヒータと共
に蓄熱剤を設ければよい。

発明の効果 上記実施例から明らかなように、本発明の保温
器は、とくに蓄熱剤を保温面に接して設けてある
ので、保温面温度を極めて平準に保て、調理物を
変質させることなく、理想的に保温できる。

蓄熱剤はペレツト状にしたものを、更に加圧成
形して充填密度を上げているために、蓄熱剤への
熱伝導をスムーズに行えると共に、蓄熱時間の延
長など、保温器としての性能向上がはかられた。

又、電源プラグを抜いて通電を停止しても蓄熱
剤で保温面は通電保温中とほぼ同じ温度に保て
る。又このように保てることと、コードのない容
易さから、保温器の移動が性能の低下なしに行え
るようになつたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の保温器の一実施例の断面図、
第２図イ図は保温容器の開放部斜視図、ロ図はペ
レツト斜視図、第３図は同保温面温度の説明図、
第４図は従来の保温器の保温面温度の説明図、を
示す。 １：下ケース、２：上ケース、３：保温容器、
４：ヒータ、５：温度制御器、６：蓄熱剤、７：
カバー、８：保温面、９：角、１０：電源プラグ
コード、１１：フイン、１２：ペレツト、１３：
小部屋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シリンダ形容器の内部を複数の小部屋に分割
   した保温容器を設け、前記小部屋内に潜熱型蓄熱
   剤を充填し、保温容器開口部をヒータを外側に装
   着したカバーで密封し、前記カバーの外側に温度
   制御器を取り付け、前記保温容器の開口部を下方
   にし、保温面を上外方に露出してケースに収納し
   た保温器。 ２ 前記蓄熱剤は予備成形によりベレツト状と
   し、前記ベレツト状蓄熱剤を前記保温容器に挿入
   した後、更に加圧成形して容器面に密着したもの
   である特許請求の範囲第１項記載の保温器。