JPH05594B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は湯と水の混合比率を調節して適温を得
る湯水混合制御装置に関する。

従来例の構成とその問題点 以下、図面を参照しながら上述した従来の湯水
混合制御装置について説明する。

第１図は従来の湯水混合制御装置の構成図であ
る。第１図において湯入口１、水入口２及び混合
出口３を有する弁框体４の内部には混合弁５があ
る。混合弁５は湯側弁体６と水側弁体７とが軸８
に両内端を位置規制され、ばね９ａ，９ｂにより
内側方向に付勢された構成である。軸８は弁框体
の外部でコロ１０が取り付けられカム１１に接し
ている。カム１１はギアボツクス１２を介し駆動
手段１３（例えばステツピングモーター等）で付
勢される。

１４は混合湯温検出手段で、混合出口３の湯温
を検出し、又混合湯温設定手段１５は混合湯温を
設定し共に制御装置１６に接続される。

次に、利用者が混合湯温設定手段１５で設定し
た温度と混合湯温検出手段１４で検出した湯温と
の偏差を制御装置１６が検出する。制御装置１６
は軸８を介し混合弁５を付勢し、混合出口３から
設定温度の湯が供給できる位置迄移動させる。

第２図は制御装置１６の特性図を示す。温度偏
差がEo（deg）以上ならば駆動手段１３を付勢量
Fo（pps）で付勢する。偏差がEo（deg）以下にな
り小さくなれば駆動手段１３の付勢量を比例して
小さくする。制御装置１６は設定温度に対し±
Eo（deg）の範囲において駆動手段１３を比例制
御する。

しかしながら上記の構成では次の問題点を有し
ていた。

(1) 水使用量の変化に応じ水圧や湯圧が急変する
と混合している水と湯の流量比率が変わり、混
合湯温に大きなオーバーシユートあるいはアン
ダーシユートが生じ又設定温度の混合湯に戻す
整定時間も長い。そのため湯を使つている最中
に急に冷たくなつたりあるいは急に熱くなり使
い勝手が悪く危険だつた。

(2) 混合出口３の下流側に取りつけられた蛇口で
必要な出湯量に急変すると混合湯温に大きなオ
ーバーシユートやアンダーシユートが生じ非常
に使いにくく危険だつた。

(3) 湯出口に送られてくる湯温は常に一定ではな
く熱源性能により温度変動があり、混合湯温も
変動する。そのため使用中に湯が冷たくなつた
り熱くなつたりという状態を感じ非常に使い勝
手が悪い危険だつた。

発明の目的 本発明は上記問題点に鑑み、水圧や湯圧が急変
してもあるいは蛇口で出湯量を急変しても、又混
合する湯温が変動していても常に設定温度の湯を
安定的に供給できる使い勝手や安全性に優れた湯
水混合制御装置を提供することを目的とする。

発明の構成 この目的を達成するために本発明の湯水混合制
御装置は、湯と水の混合比率を調節する混合弁
と、前記混合弁を付勢する駆動手段と、混合湯温
検出手段と、混合湯温設定手段と、温度偏差を求
める偏差検出手段と、前記偏差検出手段の出力と
比較される偏差値を設定する第１及び第２の偏差
設定手段と、前記偏差信号が第１の偏差設定手段
の設定値以上ならば前記駆動手段を第１の付勢量
に設定し、前記偏差信号が第１の偏差設定手段の
設定値ならば前記駆動手段を第１の付勢量より小
さい第２の付勢量に設定し、前記偏差信号が第２
の偏差設定手段の設定値以上ならば偏差信号の大
きさに応じ連続制御し、第２の偏差設定手段の設
定値以下ならば前記駆動手段を利得を下げ連続制
御する付勢量演算手段とで構成される。

この構成によつて水圧や湯圧変動もしくは蛇口
の出湯量急変、あるいは供給湯温や供給水温の変
動により湯温変動が生じても、又混合湯温の設定
値を変更しても混合弁を最適位置にすばやく移動
させ設定温度の位置に近づいたならば駆動手段を
付勢する利得をかえて連続制御することによつ
て、大きなオーバーシユートやアンダーシユート
を出湯温に生じるのを防ぎ、オフセツトを生じな
いようにしている。

実施例の説明 以下本発明の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。

第３図は本発明の湯水混合制御装置の構成図を
示す。尚、第３図で第１図と同相当物には同一番
号を付している。

１７は偏差検出手段で混合湯温検出手段１４と
混合湯温設定手段１５の出力とが接続され温度偏
差を求める。１８及び１９は第１及び第２の偏差
設定手段で偏差検出手段１７の出力と共に第１及
び第２の比較手段２０，２１に接続される。第１
及び第２の比較手段２０，２１の出力部から温度
偏差と第１及び第２の偏差設定値との比較結果が
付勢量演算手段２２に出力され、付勢量が演算さ
れた後駆動手段１３に出力される。

次に以上の構成の湯水混合制御装置の動作を第
４図を用いて説明する。

第４図は本発明の制御装置の特性図である。偏
差検出手段１７で検出された温度偏差が第１の偏
差設定手段１８の設定値Emより大きい時、付勢
量設定手段２２は駆動手段１３に第１の付勢量
Foを出力する。駆動手段１３は第１の付勢量Fo
で付勢され混合弁５を最適位置方向に全速で移動
させる。

温度偏差が第１の偏差設定手段１８の設定値に
なると駆動手段１３を第１の付勢量Foより小さ
い第２の付勢量F₁で駆動する。温度偏差が第２
の偏差設定手段１９の設定値Emに達する迄、駆
動手段１３を連続制御する。付勢量を連続的に変
えて混合弁５を最適位置を行き過ぎたり戻つたり
のハンチングを防止している。出湯温度が設定温
度に近づき温度偏差が第２の設定値Em以下にな
ると駆動手段１３の付勢利得を更に下げ、ゆつく
りと付勢することにより設定温度とのオフセツト
を除去している。

温度偏差が負の場合も全く同様で駆動手段１３
の付勢方向が逆になる。

例えば利用者が湯温設定変更を行なつた場合、
利用者に設定した温度の湯を早くかつ安定して供
給する必要がある。又水圧や湯圧が変動した場
合、供給湯温や水温が変動した場合、又蛇口から
の出湯量を急変することにより出湯温が変動しか
かつてもすばやく整定させる必要がある。

何らかの原因で湯温変動が生じかかつても第１
の設定値Em以下では連続的に駆動手段１３を制
御し出湯温にハンチングが生じないように早く最
適位置近傍に混合弁５を移動させている。更にオ
フセツトを生じないように付勢利得を下げ駆動手
段１３をゆつくりと付勢する。

又、大きな温度偏差が生じかかつても全速で混
合弁５を付勢しすばやく設定温度近傍に戻すこと
により利用者に熱いとか冷たい等を感じさせずに
設定温度に戻している。さらに設定温度変更の場
合においても利用者に所望の湯が出ないために生
じるいらいら感を解消している。

発明の効果 以上のように本発明の湯水混合制御装置によれ
ば、湯圧や水圧変動、あるいは供給湯温や水温が
変動しても、又蛇口で出湯量を急変した場合、又
温度設定変更を行なつた場合検出した温度偏差の
大きさにより混合弁を付勢する駆動手段を第１の
付勢量で、又ある偏差設定値以下では付勢量の利
得を変え連続的に制御するため、出湯温度は設定
温度に対しオフセツトを生じることなく、又大き
なオーバーシユートやアンダーシユートを生じる
ことなくすばやく整定させることができ、利用者
をいらつかせることなく又使用中急に熱いとか冷
たいとか感じさせず、使い勝手ばかりでなく安定
性においても優れた効果を得ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯水混合制御装置の構成図、第
２図は同装置の特性図、第３図は本発明の一実施
例の湯水混合制御装置の構成図、第４図は同装置
の特性図である。 ５……混合弁、１３……駆動手段、１４……混
合湯温検出手段、１５……混合湯温設定手段、１
７……偏差検出手段、１８，１９……第１及び第
２の偏差設定手段、２０，２１……第１及び第２
の比較手段、２２……付勢量演算手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 湯と水の混合比率を調節する混合弁と、前記
   混合弁を付勢する駆動手段と、混合湯温を検出す
   る混合湯温検出手段と、混合湯温を設定する混合
   湯温設定手段と、前記混合湯温検出手段と前記混
   合湯温設定手段とから温度偏差を求める偏差検出
   手段と、前記偏差検出手段の出力信号と比較され
   る偏差値を設定する第１及び第２の偏差設定手段
   と、前記偏差設定手段の出力と前記第１及び第２
   の偏差設定手段の設定値とを比較する第１及び第
   ２の比較手段と、前記偏差検出手段が検出した偏
   差信号が第１の偏差設定手段の設定値以上ならば
   駆動手段を第１の付勢量に設定し、前記偏差信号
   が第１の偏差設定手段の設定値ならば第１の付勢
   量より小さい第２の付勢量に設定し、第２の偏差
   設定手段の設定値以上ならば前記駆動手段を偏差
   信号の大きさに応じ連続制御し、第２の偏差設定
   手段の設定値以下ならば前記駆動手段を利得を下
   げて連続制御する付勢量演算手段とで構成された
   湯水混合制御装置。