JP3098126B2 - 湯水混合制御装置 - Google Patents

湯水混合制御装置

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JP3098126B2
JP3098126B2 JP04324901A JP32490192A JP3098126B2 JP 3098126 B2 JP3098126 B2 JP 3098126B2 JP 04324901 A JP04324901 A JP 04324901A JP 32490192 A JP32490192 A JP 32490192A JP 3098126 B2 JP3098126 B2 JP 3098126B2
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雄一郎 那木
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)
  • Control Of Temperature (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湯と水とを混合して出
湯するミキシングタイプの給湯器に用いられる湯水混合
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、給湯器の出湯特性を向上させ
るため、熱交換器で加熱された湯と熱交換器を迂回して
供給された水とを混合して出湯する給湯器が知られてい
る。こうした給湯器に用いられる湯水混合制御装置にお
いては、湯水混合後の出湯温度を検出し、この出湯温度
が予め設定された設定温度になるように混合弁を駆動制
御している。この出湯温度を混合弁の駆動により制御す
る手法としては、PID制御(比例積分微分制御)、P
D制御(比例微分制御)、PI制御(比例積分制御)、
P制御(比例制御)などが用いられている。
【0003】例えば、PD制御においては、次式のよう
に混合弁の駆動操作量が設定される。 yn =kp・en+kd(en −en-1 ) yn …駆動操作量 en …出湯温度と設定温度との偏差 en-1 …前回検出したen kp …比例項制御定数 kd …微分項制御定数 こうした従来の湯水混合制御においては、様々な状況下
での出湯性能を満たすように制御定数(kp ,kd )が
1組設定されるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、混合弁
の位置によって混合比の変化率が一定ではないために、
適正な湯温制御を行うことができない。例えば、図2に
示す混合弁のリフト量(水側全閉位置に対する弁体12
の位置)を変化させると、全流量に対する湯の混合比の
変化は図9(A)に示すように曲線状の特性を有する。
つまり、リフト量が小さいほど(湯の混合比が高い状態
ほど)わずかの操作量で混合比が変化し、逆に、リフト
量が大きいほど混合比の変化が少ない(逆に言えば、同
量の混合比変化をさせるにはリフト量が大きいほど大き
な操作量が必要となる)のである。尚、このような特性
を有するのは、図2に示した混合弁に限るものでなく、
湯側,水側にそれぞれ制御弁を設けたものや、湯側ある
いは水側にのみに制御弁を設けたものであっても同じで
ある。
【0005】従って、従来から採用されていた制御方式
では、図9(B)に示すような直線状の特性(リフト量
に対する混合比の変化率が一定)であれば、制御定数
(kp,kd )を一定としても良いわけであるが、実際
にはそのような特性を得るには弁構造が非常に複雑とな
ってしまう。このため、一般に制御定数の設定は、出湯
温度のハンチングを生じないような混合比変化率の高い
ポイントに基づくこととなり、制御速度をどうしても遅
くしなければならない。つまり、混合比変化率の低いポ
イントでは制御速度を上げられるにもかかわらず、変化
率の高いポイントに合わせざるを得ず、適正な湯温制御
ができないのである。
【0006】更に悪いことに、加熱側通水路(熱交換器
を通る流路)に定流量弁を設けている給湯器では、リフ
ト量に対する混合比の変化特性が、給水路と出湯路との
差圧に応じて図9(C)に示すように変化してしまう。
つまり、熱交換器出口側湯温を高温に維持するために
(能力オーバーを防止するために)、加熱側通水路に定
流量弁を設けた給湯器においては、出湯量を変化させた
場合に定流量弁が働いて給水路と出湯路との差圧が変化
し、これに伴って混合比の変化特性が変動してしまうの
である。
【0007】従って、このような差圧による影響をも考
慮すれば、駆動操作量を左右する制御係数をさらに小さ
くしなければならない。つまり、図9(C)の領域Aの
ような混合弁のリフト量が小さく差圧が大きいといった
最悪の条件でもハンチングが起こらないようにするため
に、どうしても制御係数を小さくせざるを得ないのであ
る。この結果、本来制御係数を大きくしても問題となら
ない状況下であっても制御速度が遅くなってしまい良好
な出湯温特性が得られなかった。本発明の湯水混合制御
装置は上記課題を解決し、リフト量(弁体位置)および
差圧に応じて駆動操作量を補正することで出湯温特性を
一層向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の湯水混合制御装
置は、所定流量以下に制限されて熱交換器により加熱さ
れた湯と、該熱交換器への給水路から分岐したバイパス
管に供給された水とを混合して出湯する給湯器に用いら
れ、上記湯と水との混合比を調整する混合弁装置と、上
記混合された湯の出湯温度を検出する出湯温検出手段
と、上記検出された出湯温度と設定温度との偏差に基づ
いて、上記混合弁装置を駆動制御する混合制御手段とを
備えた湯水混合制御装置において、上記混合弁装置の弁
体位置を判断する位置判断手段と、上記給水路と上記混
合された湯の出湯路との差圧を検出する差圧検出手段
と、上記弁体位置と差圧とに応じて、上記混合制御手段
の駆動制御量を補正する駆動量補正手段とを備えたこと
を要旨とする。
【0009】また、第2発明の湯水混合制御装置は、第
1発明において、上記駆動量補正手段は、上記弁体位置
および差圧の少なくとも一方をファジー推論の因子とし
て駆動制御量を補正することを要旨とする。
【0010】
【作用】上記構成を有する本発明の湯水混合制御装置
は、混合された湯の出湯温度と設定温度との偏差に基づ
き混合制御手段が混合弁装置を駆動制御して混合比を調
整するのであるが、この駆動制御量は給水路と出湯路と
の差圧および弁体位置に応じて補正される。従って、弁
体位置に応じて混合比変化率が変動しても、また熱交換
器側通水路の流量制限(定流量弁等による)により給水
路と出湯路との間で差圧変動が生じて混合比や混合比変
化率が変化してしまう場合であっても、これら2つの要
素(弁体位置,差圧)に応じて駆動制御量を補正するた
め良好な出湯温特性が得られる。例えば、差圧と弁体位
置とで決ってくる混合比変化率が大きなポイントでは、
弁体の駆動制御量を小さめに補正すればよく、逆に混合
比変化率が小さなポイントでは弁体の駆動制御量を大き
めに補正すればよい。
【0011】また、第2発明の湯水混合制御装置では、
駆動制御量の補正にファジー推論を用いている。一般
に、PID制御等の比例制御においては数学的処理によ
り精密な制御量が算出される反面、様々な状況に対処す
るため場合分け等により制御条件を増加させた場合に
は、演算処理が指数的に増大してしまう。一方、ファジ
ー制御は、精密な制御には不向きではあるものの、様々
な状況に対応した制御に有効である。そこで、第2発明
ではこの長所を生かして混合比および差圧の少なくとも
一方をファジー推論の因子として駆動制御量を補正する
ことで様々な状況に対処でき補正演算処理が容易とな
る。
【0012】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の湯水混合制御装置の好適
な実施例について説明する。
【0013】図1は、一実施例としての湯水混合制御装
置を備えた給湯器の概略構成図である。この給湯器は、
上水道に接続される給水管1と、給水管1から導かれた
冷水をバーナ2での燃焼熱で加熱する熱交換器3と、熱
交換器3で加熱された湯を送り出す給湯管4と、給水管
1から分岐して設けられるバイパス管5と、バイパス管
5からの冷水と給湯管4からの湯とを混合して設定温度
になるように混合比を制御する湯水混合制御部20と、
混合された湯を給湯栓6に導く出湯管7とを備える。ま
た、給水管1には、バイパス管5の分岐点より下流側で
熱交換器3側の通水量(湯側流量)を検出する流量セン
サ8と、所定流量以上の流入を制限する定流量弁11と
が設けられ、バイパス分岐点より上流側に入水温度を検
出する入水温度センサ9が設けられる。更に、給湯管4
には、熱交換器3下流側で混合前の湯温(湯側温度)を
検出する湯側温度センサ10が設けられる。尚、給湯器
における燃焼系、給排気系、点火系等については本発明
の要旨でないため省略する。
【0014】湯水混合制御部20は、給湯管4とバイパ
ス管5との合流点に設けられる混合弁21と、混合弁2
1の弁体12(図2に概略を示す)を進退駆動するモー
タ13(本実施例ではステッピングモータ)と、出湯管
7に設けられ出湯温度を検出する出湯温度センサ14
と、混合弁21の駆動制御を行うコントローラ30とか
らなる。
【0015】混合弁21は、図2に示すように、バイパ
ス管5側に設けられる弁シート15と給湯管4側に設け
られる弁シート16との間で進退する弁体12により湯
と水との混合比を調整するもので、モータ13の回転が
ギヤ装置17を介して弁体駆動軸18に伝達され、弁体
駆動軸18に形成されたネジ19により進退動作が加わ
るように構成されている。従って、弁体12の位置(つ
まり混合比)は、モータ13の回転位置に応じたものと
なる。
【0016】コントローラ30は、周知の算術論理演算
回路を構成するCPU31と、制御プログラムやファジ
ー推論等を記憶するROM32と、モータ13の位置デ
ータや各種データを一時的に記憶するRAM33と、各
温度センサ9,10,14および流量センサ8からの信
号を入力して演算可能なデジタル信号に変換する入力イ
ンタフェース34と、モータ13に駆動制御信号を出力
する出力インタフェース35と、これらを相互に接続す
るバス36等から構成される。
【0017】次に、湯水混合制御処理についての第1実
施例について説明する。図3は、コントローラの実行す
る湯水混合制御ルーチンを表し、所定の周期(本実施例
では50mm秒毎)で繰り返し実行されるものである。
【0018】まず、出湯温度センサ14から出湯温度T
M を、流量センサ8から湯側流量QH を読み込むと共
に、混合弁の弁体位置(リフト量)Lつまりモータ13
の制御位置を読み込む(S10)。このリフト量Lは、
本実施例ではステッピングモータを用いていることか
ら、原点位置からのパルス数累計を記憶することで求め
られる。もちろん、エンコーダ等の位置センサをモータ
軸等に設けてリフト量を求めてもよい。
【0019】続いて、読み込まれたリフト量Lと湯側流
量QH とに基づいて、出湯路と給水路との差圧P(以
下、単に差圧Pと呼ぶ)を算出する(S11)。この算
出方法を以下に説明する。
【0020】図4に示すように、リフト量Lと流量との
関係は差圧に応じて変化する。この図では、湯側流量Q
H だけでなく水側流量QB (バイパス管5を流れる流
量)とリフト量Lとの関係をも表している。いま、検出
された湯側流量QH が2リットル/分でリフト量Lが
0.5mmとすると、この特性図から差圧Pは0.2kgf
/cm2と判断できる。そこで、本実施例では、こうした
特性をROM32内に記憶した算出マップを参照するこ
とで差圧Pを算出する。尚、バイパス管5に流量センサ
を設けている場合には、図4に示すような水側流量QB
とリフト量Lとの関係から差圧Pを求めてもよい。ま
た、ダイアフラムや圧力センサ等により直接差圧を検出
してもよい。
【0021】次に、算出された差圧Pとリフト量Lとに
基づいて、制御定数算出マップを参照してPD制御に用
いる制御定数(kp ,kd )を決定する(S12)。図
5(A),(B),(C)は、一例としてそれぞれ差圧
0.1kgf/cm2,1.0kgf/cm2,3.0kgf/cm2にお
けるリフト量Lに対する混合比と、それに対応する適正
な制御定数を表したもので、本実施例ではROM32内
に種々の差圧P条件毎にリフト量Lと制御定数との関係
が制御定数算出マップとして記憶されている。このマッ
プでは、混合比の変化率が大きいほど制御定数を小さな
値に、逆に混合比の変化率が小さいほど制御定数を大き
な値に設定される。従って、混合比変化率から適正な制
御定数が設定されるのである。
【0022】こうして決定された制御定数(kp ,kd
)と、出湯温度TM と設定温度TSとの偏差に基づいて
次式のPD制御式により駆動操作量yn を算出する(S
13)。尚、en-1 は前回算出した偏差であり、RAM
23に一時的に記憶されたデータである。 yn =kp・en+kd (en −en-1 ) そして、この操作駆動量yn にてモータ13を駆動し
(S14)、本制御ルーチンを一旦抜ける。
【0023】この結果、リフト量に応じて混合比変化率
が変動しても、また定流量弁11により給水路と出湯路
との間で差圧変動が生じて混合比や混合比変化率が変化
してしまう場合であっても、リフト量と差圧とに応じて
操作駆動量を補正するため、従来のように操作駆動量を
最悪条件に合わせて小さくする必要がなくなり、制御速
度が速くなり良好な出湯温特性が得られる。更に、混合
弁21の駆動源としてステッピングモータを用いている
ため制御性が良好であり、位置検出用の特別なセンサは
不要となる。また、差圧検出としてダイアフラム等の機
械的構成をとっていないため部品点数が低減されると共
に省スペース化を図ることができる。
【0024】次に、湯水混合制御処理の第2実施例につ
いて図6のフローチャートに沿って説明する。この実施
例では差圧とリフト量だけでなく出湯量と温度偏差とも
加味して駆動操作量を補正し、しかもこれらをファジー
推論の因子としたファジー制御を採用する。
【0025】まず、各温度センサ9,10,14から入
水温度TC ,湯側温度TH ,出湯温度TM を、流量セン
サ8から湯側流量QH を読み込むと共に、RAM33内
に記憶されている現在の混合弁21のリフト量Lを読み
込む(S20)。続いて、第1実施例と同様に、リフト
量Lと湯側流量QH とに基づいて、出湯路と給水路との
差圧Pを算出する(S21)。
【0026】続いて、ステップ20で読み込まれた入水
温度TC ,湯側温度TH ,出湯温度TM ,湯側流量QH
から総流量である出湯量QT を次式のように算出する
(S22)。 QT =QH(TH −TC )/(TM −TC ) これは、QT・TM =TH・QH +TC(QT −QH)の関
係から求めたものである。尚、出湯管7や給水管1上流
側に流量センサを設けて出湯量QT を直接検出するよう
にしてもよいが、圧力損失の影響を考慮すれば本実施例
のように算出にて求めたほうが好ましい。
【0027】次に、予め設定された設定温度TS と出湯
温度TM との偏差en に基づいてモータ13の駆動操作
量yn を次式のように算出する(S23)。 yn =kp・en+kd (en −en-1 ) 尚、この式における制御定数kp ,kd は予め設定され
た一定値である。また、この駆動操作量yn は後述の処
理により補正されることから、その補正処理時に一緒に
算出してもよい。
【0028】次に、先に求められたリフト量Lおよび差
圧Pに基づいて駆動操作量yn を補正するための補正係
数Aの算出を行う。本実施例では、リフト量L,差圧P
だけでなく、出湯量QT と偏差en をも制御因子とした
ファジー推論により駆動操作量yn の補正係数Aを求め
る(S24)。
【0029】ここで、ファジー制御を行うために必要な
条件部メンバシップ関数、ルール、結論部メンバシップ
関数について説明する。図7(A)は出湯量QT に関す
る条件部メンバシップ関数、同図(B)は偏差の絶対値
|en |に関する条件部メンバシップ関数,同図(C)
はリフト量Lに関する条件部メンバシップ関数、同図
(D)は差圧Pに関する条件部メンバシップ関数であ
る。また、図8(A)は出湯量QT および偏差|en |
に関する結論部メンバシップ関数、同図(B)はリフト
量Lおよび差圧Pに関する結論部メンバシップ関数であ
る。尚、各符号PS,PM,PLおよびαは、それぞれ
次のことを意味する。
【0030】PS…正の方向に小さいこと PM…正の方向に中位なこと PL…正の方向に大きいこと α……重み
【0031】また、予め設定されたルールは以下の通り
とする。本実施例では、出湯量QTおよび偏差|en |
に関する結論部(1)のルールと、リフト量Lおよび差
圧Pに関する結論部(2)のルールとに分ける。結論部
(1)に対するルール <ルール1> |en |=PS かつ QT =PS ならば α=PS <ルール2> |en |=PS かつ QT =PL ならば α=PM <ルール3> |en |=PL かつ QT =PS ならば α=PM <ルール4> |en |=PL かつ QT =PL ならば α=PL
【0032】結論部(2)に対するルール <ルール5> L=PL かつ P=PS ならば α=PL <ルール6> L=PL かつ P=PL ならば α=PM <ルール7> L=PS かつ P=PS ならば α=PM <ルール8> L=PS かつ P=PL ならば α=PS
【0033】ここで具体的に例をあげて説明する。今、
出湯量QT =2.5(リットル/分)、偏差en =3.
0(deg )、リフト量L=0.5mm、差圧P=2kgf/c
m2とした場合を考える。図7(A)から出湯量QT にお
けるPSの適合度=0.75、PLの適合度=0.25
となり、同図(B)から偏差en におけるPSの適合度
=0、PLの適合度=1.0となり、同図(C)からリ
フト量LにおけるPSの適合度=0.83、PLの適合
度=0.17となり、同図(D)から差圧PにおけるP
Sの適合度=0.7、PLの適合度=0.3となる。こ
れに対して、先のルール1〜8をあてはまると、 ルール1よりPS=0 ルール2よりPM=0 ルール3よりPM=0.75 ルール4よりPL=0.25 ルール5よりPL=0.17 ルール6よりPM=0.17 ルール7よりPM=0.7 ルール8よりPS=0.3 となる。
【0034】この適合度を用いて結論部メンバシップ関
数を修正すると、図8(C),(D)のようになる。各
適合度の重みαを乗じてこれらを合成した重心Gを求め
ると、 G=(0.75X1.0+0.25X1.5+0.3X0.2+0.17X1.0+0.7X1.0+
0.17X1.8)/(0.75+0.25+0.3+0.7+0.17+0.17)=1.
009 となる。この重心Gが求める補正係数Aである。
【0035】こうして補正係数Aが求められると、図6
のステップ25にて駆動操作量ynがA・yn に補正さ
れ、それに基づいてモータ13が駆動され混合比が調整
され(S26)、本制御ルーチンを一旦抜ける。そし
て、これらの処理が50mm秒毎に繰り返される。
【0036】以上説明したように第2実施例の湯水混合
制御処理では、リフト量および差圧だけでなく、出湯量
および偏差を制御因子としてファジー推論により駆動操
作量を補正することで一層出湯温特性が良好となる。こ
れは、以下に示す理由からである。
【0037】つまり、湯水混合制御においては、湯と水
とが混合されてから出湯温度が検出されるまでの時間遅
れを極力少なくしたいのであるが、小流量時においては
混合湯が出湯温度センサ14に到達するまでの時間遅れ
が大きくなってしまう。このため、従来においてはこう
した時間遅れによる出湯温度のハンチングを防止するた
めに駆動操作量を小さく設定せざるを得なく、駆動操作
量を大きくしても問題とならないような大流量時におい
ても制御速度が小流量時に合わされて遅くなっていた。
【0038】そこで、この第2実施例では、出湯量を制
御因子として駆動制御量を補正することにより、湯水混
合から温度検出までの時間遅れに対処でき小流量から大
流量に亘る広範囲での混合制御が良好となり出湯特性が
向上するのである。
【0039】また、出湯量だけで補正した場合には、小
流量時に駆動操作量が抑えられるが、このときの偏差が
大きな状況においてはそれほど抑える必要がないことか
ら、偏差をも制御因子に加えて補正することで、偏差が
大きければ駆動操作量の抑え度合を少なくする側に働か
すことができ一層出湯特性を向上することができるので
ある。
【0040】しかも、これらの補正処理はファジー推論
を用いて行っているため、その長所が生かされて種々の
条件に応じた制御が容易となり、PD制御の演算負担を
低減することができる。
【0041】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものでなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様
で実施し得ることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の湯水混合
制御装置によれば、給水路と出湯路との差圧および弁体
位置に応じて駆動制御量を補正しているため、弁体位置
に応じて混合比変化率が変動しても、また定流量弁等に
より給水路と出湯路との間で差圧変動が生じて混合比や
混合比変化率が変化してしまう場合であっても、これら
2つの要素(弁体位置,差圧)に応じて駆動制御量を補
正するため良好な出湯温特性が得られるという優れた効
果を奏する。また、ファジー推論を用いて駆動制御量を
補正する第2発明においては、上記の効果に加えて、様
々な状況に応じた制御が容易となり演算負担を低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての湯水混合制御装置を備えた給湯
器の概略構成図である。
【図2】混合弁の概略構成図である。
【図3】第1実施例としての湯水混合制御ルーチンを表
すフローチャートである。
【図4】各差圧毎に示したリフト量に対する流量特性を
表すグラフである。
【図5】各差圧毎に示したリフト量に対する混合比特性
と制御定数の関係を表すグラフである。
【図6】第2実施例としての湯水混合制御ルーチンを表
すフローチャートである。
【図7】条件部メンバシップ関数を表すグラフである。
【図8】結論部メンバシップ関数を表すグラフである。
【図9】リフト量に対する混合比特性を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
8…流量センサ、 11…定流量弁、 12…弁体、
13…モータ、14…出湯温度センサ、 20…湯水混
合制御部、 21…混合弁、30…コントローラ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定流量以下に制限されて熱交換器によ
    り加熱された湯と、該熱交換器への給水路から分岐した
    バイパス管に供給された水とを混合して出湯する給湯器
    に用いられ、 上記湯と水との混合比を調整する混合弁装置と、 上記混合された湯の出湯温度を検出する出湯温検出手段
    と、 上記検出された出湯温度と設定温度との偏差に基づい
    て、上記混合弁装置を駆動制御する混合制御手段とを備
    えた湯水混合制御装置において、 上記混合弁装置の弁体位置を判断する弁体位置判断手段
    と、 上記給水路と上記混合された湯の出湯路との差圧を検出
    する差圧検出手段と、 上記弁体位置と差圧とに応じて、上記混合制御手段の駆
    動制御量を補正する駆動量補正手段とを備えたことを特
    徴とする湯水混合制御装置。
  2. 【請求項2】 上記駆動量補正手段は、上記弁体位置お
    よび差圧の少なくとも一方をファジー推論の因子として
    駆動制御量を補正することを特徴とする請求項1記載の
    湯水混合制御装置。
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NL2015218B1 (nl) * 2015-03-20 2017-01-19 Intergas Heating Assets Bv Doorstroomregelaar en een daarmee voorzien warmwatertoestel.

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