JPH0559471A - 水素吸蔵合金材料および製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金材料および製造方法

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JPH0559471A
JPH0559471A JP22043791A JP22043791A JPH0559471A JP H0559471 A JPH0559471 A JP H0559471A JP 22043791 A JP22043791 A JP 22043791A JP 22043791 A JP22043791 A JP 22043791A JP H0559471 A JPH0559471 A JP H0559471A
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JP
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hydrogen storage
storage alloy
alloy
hydrogen
alloy material
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JP22043791A
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Tetsuya Yoneda
哲也 米田
Tetsumasa Umemoto
哲正 梅本
Hirohisa Uchida
裕久 内田
Yoshito Matsumura
義人 松村
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Tokai University
Sharp Corp
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Tokai University
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 雰囲気に対して安定で、雰囲気からの被毒に
よる特性劣化を起さず、常に充分な特性を発揮できる水
素吸蔵合金材料及びその製造方法を提供する。 【構成】 水素吸蔵合金が、その表面から内部に向って
所定の雰囲気に対して安定な金属または合金によって変
性された水素吸蔵合金材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金材料およ
び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金には、水素の貯蔵、輸送、
精製やエネルギー変換媒体、電池用電極として等様々な
用途がある。そして、その用途に合わせて合金材料の種
類や組成が選択されて用いられる。例えば、アルカリ蓄
電池の水素極として使用する場合には、耐酸化性に優れ
た合金が用いられる。また、水素極の特性をより向上さ
せるために、耐酸化性には劣るが水素極として良好な特
性を持つ材料に、異種の金属成分を表面に被覆したり、
アルカリ処理と称して、一般的にはエッチングにより合
金の表面近傍の組成を変化させ、耐酸化特性や微粉化防
止といった所定の特性を引き出させていた。下記に表面
処理を施した例を挙げる。
【0003】1.水素吸蔵合金表面に酸化を防止するメ
ッキを施す(例えば、特開昭60−190570、特開
昭61−64069、特開昭61−185863、特開
平1−96301)。 2.合金表面にエッチング等の処理により合金成分の偏
在を作り、酸化防止の機能を発揮するように改質する
(例えば、特開昭61−176063)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】水素吸蔵合金には、雰
囲気からの表面の汚染による水素吸収・放出能力の低
下、及び水素吸収・放出の繰り返しに伴う格子膨張・収
縮による微粉化といった問題がある。これに対し、例え
ば上記メッキを施す方法によれば、代表的な表面の汚染
である表面の酸化及び微粉化が防止できる。しかしなが
ら、処理工程がバッチ処理を必要とするため高価とな
り、またメッキ液による余分な不純物の添加・混入とい
った問題も生じる。一方、エッチング等の処理を施すも
のでは、エネルギー密度が小さいものしか得られないと
いう問題がある。
【0005】このように、従来得られている水素吸蔵合
金材料には、表面が雰囲気に対して安定で汚染されず、
微粉化も生じず、かつ各種用途に応じた特性を充分に発
揮するものがなかった。そこで、本発明は雰囲気に対し
て安定で、微粉化を起こさず、かつ各種用途に応じた特
性を充分に発揮する水素吸蔵合金材料とその製造方法と
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金材
料は、水素吸蔵合金の表面から内部に向かって連続的も
しくは多段的に所定の雰囲気に対して安定な組成の金属
状または合金状に変性されていることを特徴とする。ま
た、本発明の水素吸蔵合金材料の変性による製造方法
は、水素吸蔵合金の表面より、該水素吸蔵合金を構成す
る組成と異なる組成の材料中に含まれる元素を物理的お
よび/または化学的な手法を用いて表面への付着、さら
に内部への拡散・浸透を行い、該水素吸蔵合金表面よ
り、内部に向かって元素の組成分布を連続的もしくは段
階的に変化させ、変性した水素吸蔵合金化とすることを
特徴とする。
【0007】変性前の水素吸蔵合金材料は、その用途に
応じて最も適した特性を有する材料で構成することが望
ましい。例えば、電池用電極として用いる場合には、電
極としての活性化の容易な材料を選び、また、ヒート・
ポンプ用途であればP−T特性的に最適な平衡水素圧と
温度特性を持った材料を選ぶ。具体的には、LaNi 5
系、MmNi5 系、CaNi5系、MgNi5 系等(N
iの一部を、Co、Al、Mn等に置換したものを含
む)の中から選択される。より具体的には、LaNi5
系として例えばLaNi5-m-n ComAln(0≦m≦
3.5;0≦n≦1.5)が挙げられる。
【0008】水素吸蔵合金材料の表面から合金内部にあ
る濃度勾配を伴って分布させられる元素は、水素吸蔵合
金が所定の雰囲気、すなわち、その用途に応じた雰囲気
で安定で、酸化や水酸化物の形成等の汚染を受けにくい
ことに主眼をおいた材料であればよく、2種以上の元素
を用いてもよい。つまり、合金であってもよく、水素吸
蔵合金と固溶体を形成するもので、特性改善効果が得ら
れるものであれば何でもよい。例えば電池用電極として
用いる場合には、気体中でかつ電解液中で酸化されにく
く、電解液中での電解酸化をも受けにくい材料を選択し
て用いる。具体的には、Ni、Ti、Pt、Pd等の金
属元素、Ti−Ni系合金、V−Ni系合金、Zr−N
i系合金等がある。
【0009】また、この考えを発展させ、例えば電池用
電極として用いる場合には、水素吸蔵合金材料の表面近
傍を多成分化し、サイクル特性の向上や放電時の電圧平
坦性の向上等が期待できる。具体的には、水素吸蔵合金
材料に、水素吸蔵量と平衡水素圧の点で有利な、LaN
5 の表面からAl、Co、Mn等を侵入させ表面近傍
が、サイクル特性や微粉化特性の点で有利なLa−Ni
−Co−Al−Mn合金とさせるといった応用が考えら
れる。
【0010】本発明の水素吸蔵合金材料製造に用いられ
る物理的手法および化学的手法としては、スパッタ法、
真空蒸着法、プラズマ溶射法、イオン注入法、イオンプ
レーテング法、無電解メッキ法などが挙げられる。これ
らの方法は、適宜選択して利用される。またこれらの方
法を組合せて用いてもよい。上記の方法により、改質す
べき原料の水素吸蔵合金の少なくとも表面に所望する金
属または合金を付着さすことができる。方法(例えばイ
オン注入法)によっては、内部への金属または合金の拡
散・浸透が行われる。しかし、一般には熱処理を組合す
ことにより、拡散・浸透を行うことが望ましい。
【0011】熱処理の温度と時間は、原料の水素吸蔵合
金の融点、蒸気圧等、改質に用いる金属または合金の性
質等によって選定される。上記の方法により、原料の水
素吸蔵合金は、通常その表面から内面に向って連続的に
変性され、改質される。一方、水素吸蔵合金を多段的に
変性・改質することもできる。例えば、LSIの製造で
用いられるようなマスクをいくつか用いて多種の元素を
順次ドーピングする際に、ドーピングの時間や温度、ド
ーパントの濃度を変えて行う方法が挙げられる。更に、
無電解メッキ法で、メッキ液の組成を段階的に変化させ
て、多数回のメッキを行う方法が挙げられる。
【0012】なお、本発明の変性・改質に用いられる金
属または合金の使用量は、通常原料の水素吸蔵合金に対
し、3〜30重量%である。
【0013】
【作用】本発明の水素吸蔵合金材料では、主としてベー
スとなる水素吸蔵合金がその用途にあった特性を担い、
表面から注入される元素によって変性された部分が、雰
囲気からの汚染防止とベースとなる水素吸蔵合金単独で
は得られなかった特性を付与する。
【0014】また、本発明の製造方法によれば、水素吸
蔵合金の表面から内部に向かって組成がなめらかに変化
するため、メッキ等とことなり、表面近傍での機械的強
度の低下(圧縮成型時のメッキの剥離等)がなく、か
つ、ムラもないため特性のバラツキが小さい。また、水
素吸蔵合金表面上の保護層自体がそもそも、水素吸蔵合
金であるため、他の材料を被覆する場合のようなエネル
ギー密度の損失が小さく、また水素吸蔵合金材料同士が
十分な電気的・機械的接触をすることにより、活物質の
利用率を高めるとともに、異なる平衡圧や活性化特性と
いった本来別々に発現される性質を共有化し、表面で合
金化することにより、1つの合金粒子内で組成がなめら
かに変化し、充電・放電の繰り返しによる体積変化に対
しても十分な機械的強度を有し、微粉化が起こり難く、
電気伝導性に優れ、反応過電圧が小さく、水素化反応に
よる分解のない合金粒子となり、しかも雰囲気からの被
毒による特性劣化を起こしにくいといった数々の利点を
有し、長期にわたる使用においても安定した特性を示す
水素吸蔵合金材料を提供することができる。
【0015】
【実施例及び比較例】以下、本発明の実施例及び比較例
を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例 本例では、電極としての活性化が容易な水素吸蔵合金粉
末の例として、LaNi3.5 Co0.7 Al0.8を、また
該水素吸蔵合金の表面から注入させる元素の例としてM
nを、また、合金の例としてCeNi3.5 Co0.7 Al
0.8及びTiNiを用いるが、他の組み合わせであって
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0016】まず、市販の金属LaまたはCeとNi、
CoおよびAlを化学量論比で1:3.5:0.7:
0.8になるようにそれぞれ秤量し、アルゴンアーク溶
解炉内でアーク溶解し、均一な合金を作製した後、アル
ゴングローブボックス内で乳鉢で粉砕し、最大粒径75
μm、平均粒径40μmの水素吸蔵合金粉末LaNi3.
5 Co0.7 Al0.8及び、CeNi3.5 Co0.7 Al0.8
を得る。
【0017】また、TiとNiを化学量論比で1:1と
なるようにTi粉末とNi粉末を秤量し、アルミナ製乳
鉢を用いて均一に混合した。この混合粉末を錠剤成形器
を用いて直径15mm、厚さ5mmのペレットに形成し
た。このペレットをアルゴンアーク溶解炉内でアーク溶
解し、均一なTiNi合金を作製した後、粉砕し、最大
粒径75μm、平均粒径42μmの水素吸蔵合金粉末T
iNiを得た。
【0018】このようにして得た水素吸蔵合金LaNi
3.5 Co0.7 Al0.8粉末を、スパッタ装置内で摂動運
動させながら、金属Mn、TiNiまたはCeNi3.5
Co 0.7 Al0.8をターゲットとしてスパッタし、表面
にそれぞれMn、TiNiまたはCeNi3.5 Co0.7
Al0.8を付着させる。その後、真空反応炉内で800
度(Mnの場合は550度)にて2時間熱処理し所定の
水素吸蔵合金材料を得た。
【0019】実施例1 上述の方法で、水素吸蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al
0.8の粉末表面にMnを重量比で5%となるようにスパ
ッタ後、熱処理した水素吸蔵合金材料(A)を、内径1
8mmの金型内に投入し、さらに、18mmの外径に打
ち抜いた線径0.1mm、100meshのNi金網を
投入し、上から700kgf/cm2でプレス成形し、
取り出した後、同形状の線型0.1mm、100mes
hのNi金網で包み、この金網をスポット溶接して固定
した。この包み込んである金網にリード線をスポット溶
接し負極とする。比較のために、水素吸蔵合金LaNi
3.5 Co0.7 Al0.8粉末単独(B)で同様の負極を作
製した。(比較例1) これらの負極に対して、7.2mol/1の水酸化カリ
ウム水溶液中で、参照極として、Hg/Hg O を用
いて、0.2CmAの電流で7時間の充電後、−0.5
Vまで0.2CmAの電流で放電し、休止時間を0.5
時間取るという充放電サイクルを繰り返させたところ、
比較例1に比べ、初期では僅かに低容量であったが、5
00サイクル後の放電容量では、20%程度の差が生じ
ていた。(第1図参照)
【0020】実施例2 前述の方法で、水素吸蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al
0.8の粉末表面にTiNiを重量比で10%となるよう
にスパッタ後、熱処理した水素吸蔵合金材料(A)を、
内径18mmの金型内に投入し、さらに、18mmの外
径に打ち抜いた線径0.1mm、100meshiのN
i金網を投入し、上から700kgf/cm2でプレス
成形し、取り出した後、同形状の線型0.1mm、10
0meshのNi金網で包み、この金網をスポット溶接
して固定した。この包み込んである金網にリード線をス
ポット溶接し負極とする。
【0021】この負極に対して、7.2mol/1の水
酸化カリウム水溶液中で、参照極として、Hg/Hg
O を用いて、0.2CmAの電流で7時間の充電後、
−0.5Vまで0.2CmAの電流で放電し、休止時間
を0.5時間取るという充放電サイクルを繰り返させた
ところ、比較例1の場合(B)に比べ、初期では僅かに
低容量であったが、500サイクル後の放電容量では、
15%程度の差が生じていた(第2図参照)。ちなみ
に、水素吸蔵合金TiNi粉末単独で作製した負極
(C)の特性も併せて示す。
【0022】実施例3 実施例1及び実施例2で得られた水素吸蔵合金材料を、
それぞれ耐圧容器に充填し、高純度水素ガスの吸収・放
出サイクルを25℃で100回繰り返させた。その試験
の前後の粒径分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置
((株)島津製作所製 SALD−1100)を用いて測
定(第3a、3b図)し、前述の比較例で用いた水素吸
蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al0.8粉末単独の場合と
比較(比較例2)した(第3図c図)。この結果から、
実施例2のごとき水素吸蔵合金材料とすることで、水素
の吸収・放出を繰り返すことによる微粉化が起こり難く
なることがわかる。実施例1の水素吸蔵合金材料の場合
に顕著な差が認められなかったのは、水素吸蔵合金の物
理的(力学的)特性が、Mnの置換によっては大きく変
化しなかったためと思われる。
【0023】実施例4 また、実施例2の水素吸蔵合金材料(A)に対して、実
施例3と同様に水素ガスの吸収・放出の操作を行うが、
高純度水素ガスの代わりに水分を5%含んだ水素ガスを
用いる点だけ異なる実験を行い、前述の比較例1で用い
た水素吸蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al0.8粉末単独
の場合(B)と比較(比較例3)し、水素吸蔵量の変化
を調べたところ、第4図に示す結果となった。この結果
から、実施例2のごとき水素吸蔵合金材料とすること
で、雰囲気による表面汚染が起こり難くなることがわか
る。
【0024】実施例5 上述の方法で、水素吸蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al
0.8粉末表面にCeNi3.5 Co0.7 Al0.8を重量比で
25%となるスパッタ後、熱処理した水素吸蔵合金材料
(A)を、内径18mmの金型内に投入し、さらに、1
8mmの外径に打ち抜いた直径0.1mm、100me
shのNi金網を投入し、上から700kgf/cm2
でプレス成形し、取り出した後、同形状の直線径0.1
mm、100meshのNi金網で包み、この金網をス
ポット溶接して固定した。この包み込んである金網にリ
ード線をスポット溶接し負極とする。
【0025】この負極に対して、7.2mol/1の水
酸化カリウム水溶液中で、参照極として、Hg/Hg
O を用いて、0.2CmAの電流で7時間の充電後、
−0.5Vまで0.2CmAの電流で放電し、休止時間
を0.5時間取るという充放電サイクルを繰り返させた
ところ、比較例1の水素吸蔵合金(B)の場合に比べ、
初期では10%程度低容量であったが、500サイクル
後の放電容量では、差がほとんどなく、本実施例の水素
吸蔵合金材料のサイクル特性の方が劣化しにくいことが
わかった。(第5図参照)
【0026】実施例6 実施例5で得た水素吸蔵合金のP−C−T特性を測定し
たところ、比較例1の場合と比べてプラトー圧が若干高
いのを除いて吸蔵量には差がなかった(図6参照)。こ
のプラトー圧の違いが、実施例5での初期放電容量の差
となって現れたものと考えられる。
【0027】実施例7 さらに、以下のようにしてコイン型電池を、実施例1、
実施例2及び比較例1のそれぞれの材料(A)、
(B)、(C)に対して、それぞれ10個づつ試作し
た。
【0028】水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液
中で電気化学的に化成処理を行い、所定の大きさに切り
とった容量100mAhの焼結式ニッケル電極(外径1
8mm)を作製し、これを放電して正極を準備する。更
に、実施例3の方法で、ガス状の水素を耐圧容器内にお
いて、水素を5回吸収・放出した後、100℃で2時
間、ロータリーポンプで脱気処理した水素吸蔵合金材料
を、内径18mmの金型内に投入し、さらに、18mm
の外径に打ち抜いた線径0.1mm、100meshの
Ni金網を投入し、上から700kgf/cm2でプレ
ス成形し、取り出し負極を準備する。負極容量は全て1
50mAhである。比較例4の場合は、実施例1及び実
施例2の水素吸蔵合金材料の代わりに、比較例1で示し
た水素吸蔵合金LaNi3.5 Co0.7 Al0.8粉末を用
いるだけで、他は同様の操作である。
【0029】また、セパレータは、円形に打ち抜き加工
(外径20mm)し、アルカリ処理を施して親電解液性
を付与したポリプロピレン製不織布を用いる。以上準備
した正極と負極でセパレータをサンドイッチする形で組
み合わせ、集電体をスポット溶接した正極缶内に載置
し、電解液を供給する。電解液は7.2mol/1の濃
度の水酸化カリウム水溶液で、200μリットル(μ1)用
いた。この後、集電体をスポット溶接した負極蓋を載せ
て、ガスケットを介してかしめて封口する。このように
して電池を作製し、特性を比較したところ、以下のよう
な事実がわかった。
【0030】実施例の方が抵抗が小さい(実施例の場
合、1kHzの正弦波交流抵抗が、平均で10mΩ)。
LaNi3.5 Co0.7 Al0.8粉末を単独使用する場合
(1kHzの正弦波交流抵抗が、平均で25mΩ)で
は、電極内の電気伝導性の成分が実施例より小さい。実
施例の方がサイクル特性がよい。つまり、LaNi3.5
Co0.7 Al0.8粉末単独の場合と比較して、微粉化し
にくく、表面の酸化層の発性がないため充放電効率が高
く、電極活物質の利用の無駄もない(第7図)。このよ
うに、実施例の方が比較例に比べ、電池特性の点でもよ
り優れている。
【0031】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金材料によれば、雰
囲気に対して安定で、雰囲気からの被毒による特性劣化
を起こさず、常に充分な特性を発揮できる水素吸蔵合金
材料が提供される。また、他の材料を単純に被覆して保
護層を形成した水素吸蔵合金材料とは異なり、表面が同
じ水素吸蔵合金であり、エネルギー密度の損出が小さ
く、特にニッケル−水素2次電池やマンガン−水素2次
電池といった、水素吸蔵合金を用いた蓄電池に対して有
用である。
【0032】さらに、水素吸蔵合金材料表面の酸化が抑
制され、水素吸蔵合金個々の粒子間の接触抵抗が小さく
なるため、圧縮成型等により成型した場合の電気導電性
及び熱伝導性が良くなり、利用率が高くなる。そして、
水素吸蔵合金材料が表面から内部にかけて表面より拡散
・浸透させ、変性した全ての部分が合金化し、組成はな
めらかに変化しており、完全な電気的結合と機械的強度
を有するため、水素吸蔵合金材料の圧縮成型に際しても
接合箇所の破壊の発性が押さえられ、水素の吸蔵・放出
に伴う体積変化に対してもクラック発性が少なく、微粉
化が起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1の、水素吸蔵合金材料を
用いた単極の、サイクル特性測定時の、放電容量の変化
に示す図であり、縦軸に水素吸蔵合金単位重量あたりの
放電容量を、横軸にサイクル数をとってある。
【図2】実施例2の、水素吸蔵合金材料を用いた単極
の、サイクル特性測定時の、放電容量の変化を示す図で
あり、縦軸に水素吸蔵合金単位重量あたりの放電容量
を、横軸にサイクル数をとってある。
【図3】実施例3及び比較例2の、水素吸蔵合金材料を
用いた水素の吸収・放出を行った前後の、微粉化の様子
を比較した図であり、縦軸に各粒径の粒子の存在頻度
を、横軸に粒径をとってある。
【図4】実施例4及び比較例3の水素吸蔵合金材料を用
いた水素の吸収・放出を行った前後の、吸蔵容量の変化
を比較した図であり、縦軸に5サイクル後の吸蔵量を基
準にした吸蔵量を、横軸には吸収・放出のサイクル数を
とってある。
【図5】実施例5の、水素吸蔵合金材料を用いた単極
の、サイクル特性測定時の、放電容量の変化を示す図で
あり、縦軸に水素吸蔵合金単位重量あたりの放電容量
を、横軸にサイクル数をとってある。
【図6】実施例6及び比較例1の、水素吸蔵合金材料を
用いて測定したP−C−T特性(圧力−水素濃度−温度
曲線)を示し、温度が25度の場合を記載してある。
【図7】実施例7及び比較例4の水素吸蔵合金材料を用
いた電池による充放電サイクル特性測定の結果を比較し
た図であり、縦軸に5サイクル後の放電容量を基準にし
た放電容量を、横軸には充放電のサイクル数をとってあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 裕久 東京都渋谷区富ケ谷2−28−4 学校法人 東海大学内 (72)発明者 松村 義人 東京都渋谷区富ケ谷2−28−4 学校法人 東海大学内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金が、その表面から内部に向
    かって連続的もしくは多段階的に所定の雰囲気に対して
    安定な金属または合金によって変性されていることを特
    徴とする水素吸蔵合金材料。
  2. 【請求項2】 水素吸蔵合金が、LaNi5-m-n Com
    Aln(0≦m≦3.5;0≦n≦1.5)であり、所
    定の雰囲気に対して安定な金属または合金が、Mn,T
    iNiまたはCeNi3.5 Co0.7 Al0.8である請求
    項1の水素吸蔵合金材料。
  3. 【請求項3】 水素吸蔵合金に、所定の雰囲気に対して
    安定な金属または合金を物理的および/または化学的な
    手法を用いて表面への付着、さらに内部への拡散・浸透
    を行うことを特徴とする請求項1の水素吸蔵合金材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 スパッタ法と熱処理とが用いられる請求
    項3の製造法。
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