JPH0559373U - モノパルスアレイレーダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 モノパルスレーダのチャンネル間位相インバ
ランスを容易に、しかも瞬時に補正することができ、更
に微妙な調整や、精度のいる製造を必要としないでレー
ダシステムの測角精度を安定に保つことができることを
目的としている。 【構成】 校正用のバイト用モジュール３等を内蔵した
フェーズドアレイアンテナ１と、エキサイタ４と、電力
増幅部５と、サーキュレータ６と、モノパルス受信機部
８と、中間周波数信号処理部９と、レーダ信号処理器１
０と、レーダ制御器１１と、追尾信号処理器１３と、表
示部１４からなっている。 【効果】 任意にしかも容易にチャンネル間位相インバ
ランスの補正を行うことができるため、常にシステムの
測角精度を安定に保つ効果と、製作上、或いは試験調整
上の困難で微妙な作業を必要としないという効果があ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は例えば、艦船や航空機等の目標探知及びその追尾に使用されるモノ パルスアレイレーダ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３は艦船用モノパルスアレイレーダの従来のチャンネル間位相補正方法を示 すものである。図において、１はアレイアンテナ、２はアレイモジュール、４は 送信信号の発信源となるエキサイタ、５は電力増幅部、６はサーキュレータ、７ はチャンネル間位相補正用バイト信号３分配回路、８はモノパルス受信機、９は 中間周波数信号処理器、１０はレーダ信号処理器、１１はレーダ制御器、１２は ビーム走査処理器、１３は追尾信号処理器、１４は表示部、１５、１６、１７は バイト信号用カップラーである。

【０００３】 次に動作原理に付いて説明する。このような構成において、モノパルスチャン ネル間位相補正を行うには、校正モード時にエキサイタから出力した送信信号が ３分配回路によってモノパルス和チャンネル、モノパルス差（エレベーション） チャンネル、モノパルス差（アジマス）チャンネルに分配され、受信機の入力段 に挿入されているカップラーによってモノパルス受信機に入力される。その後信 号処理器によって和と差の位相差が検出され、補正される。

【０００４】 次に図２を用いて説明する。一般的な意味において、２つの電圧比とは、それ らの複素数比を意味している。モノパルス差と和のフェーサ電圧は以下のように 表される。

【０００５】

【数１】

【０００６】 次に和と差の比ｄ／ｓは、以下のように表される。

【０００７】

【数２】

【０００８】 フェーサの相対関係を図２に示している。このように複素数比は、２つの電圧 の大きさの比に等しい大きさと、それらの相対位相、或いは位相差に等しい位相 を持っている。次に数２は以下のように書くことができる。

【０００９】

【数３】

【００１０】 故にｄ／ｓの実数部は以下のように表される。

【００１１】

【数４】

【００１２】 そして虚数部は以下のように表される。

【００１３】

【数５】

【００１４】 通常目標は実数部だけに寄与するため、実数部が目標の角度位置の検出に用い られる。もしレーダの受信機にチャンネル間のインバランスがあるとしたら、そ れらの相対位相を変化させてしまい、目標等の情報によるものではない位相差を 生じ、測角値が正確なものではなくなってしまうことになる。

【００１５】

【考案が解決しようとする課題】

従来の装置の場合、チャンネル間校正モード時の信号を３分配した後、各チャ ンネルまでの電気的線路長を等しくしなければならないという制約があった。 更に従来、艦船用のレーダはアンテナ部と受信機部が別々の場所に配置される ため、モノパルス和チャンネルのアンテナからサーキュレータを経て受信機にい たる経路と、アンテナから直接受信機に至る経路のモノパルス差チャンネルの線 路長はモノパルスチャンネル間位相校正のループの外になってしまい、校正する ことができず、実目標等を用いて、実地にて位相調整をしなければならないとい う問題点があった。

【００１６】 この考案はかかる課題を解決するためになされたものであり、３分配の必要性 をなくし、更にアンテナと受信機の間の距離がどれだけ離れていても線路長に関 係なく位相補正を行い得ることを目的としている。

【００１７】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るモノパルスアレイレーダ装置は、モノパルスチャンネル間位相 補正を容易に計測し、校正できる方法及び装置を提案するものである。

【００１８】

【作用】

この考案におけるモノパルスチャンネル間位相補正方法は、アンテナから受信 機までの全ての線路長を含んだ校正を行うことができるため、容易でしかも瞬時 に校正することができ、モノパルス測角の精度を保つことができる。

【００１９】

【実施例】

実施例１ 図１はこの考案の一実施例を示す図である。 図において、１、２及び４から６そして８から１４までは従来の装置とほぼ同 様のものである。３はチャンネル間位相校正バイト用モジュールである。

【００２０】 以上のような構成において、レーダ制御器１１でつくられた送信プリトリガが エキサイタ４に送られ、そこで送信パルスがつくられ、電力増幅器５へ送られる 。次にサーキュレータ６を通り、アンテナ内のバイト用モジュール３へ分配され て外部へ放射される。それらの送信された電波がカップリングによりアレイモジ ュールに受信され、モノパルス受信機８を通って、中間周波数信号処理器９へ送 られ、レーダ信号処理器１０でチャンネル間位相差が計測され、補正用のメモリ に記録される。そしてこの計測された値が実運用時のモノパルス和と差の信号に 対して、補正を行うことになる。

【００２１】

【考案の効果】

この考案は以上説明したとおり、容易にしかも瞬時にモノパルスチャンネル間 位相インバランスを補正することができ、正確なアングルエスティメイトを可能 にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示すモノパルスアレイレー
ダ装置である。

【図２】和と差の相対関係図である。

【図３】この従来のモノパルスアレイレーダ装置であ
る。

【符号の説明】

１ モノパルスアレイアンテナ ２ アレイモジュール ３ バイト用モジュール ４ エキサイタ ５ 電力増幅部 ６ サーキュレータ ７ ３分配回路 ８ モノパルス受信機 ９ 中間周波数信号処理器 １０ レーダ信号処理器 １１ レーダ制御器 １２ ビーム走査処理器 １３ 追尾信号処理器 １４ 表示部 １５ バイト用カップラー １６ バイト用カップラー １７ バイト用カップラー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アレイアンテナと、アレイアンテナに間
   引きされて内蔵されているモジュールと、アレイアンテ
   ナモジュールの位相制御によりアレイアンテナのビーム
   指向方向を制御するビーム制御器と、送信波を発生する
   エキサイタと、上記エキサイタ出力を受けて信号の増幅
   を行う電力増幅部と、上記電力増幅部出力からの信号を
   上記アンテナへ供給し、アンテナからの受信信号を受信
   機部へ供給するサーキュレータと、上記サーキュレータ
   送信出力を受けてアンテナから外部に送信を行うバイト
   用モジュールと、上記サーキュレータ受信出力を受けて
   信号の増幅と周波数の変換を行う受信機部と、上記受信
   機部で周波数変換された信号の処理を行う中間周波数信
   号処理部と、上記中間周波数信号処理部からの信号を処
   理し、モノパルス信号間の位相差の検出、補正や測角演
   算処理機能を有するレーダ信号処理部と、レーダ全体の
   制御を行うレーダ制御部と、目標の追尾処理を行う追尾
   信号処理器と、レーダ信号を表示する表示器を有するこ
   とを特徴とするモノパルスアレイレーダ装置。