JPH0559208U - 触針の形状測定用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 輪郭形状測定機等の触針先端部の加工精度を
正確に測定することができる安価な触針の形状測定用治
具を提供する。 【構成】 形状測定用治具として剃刀刃１０を使用し、
剃刀刃１０の刃先１０ａの断面山形面１１に沿って触針
１４を移動させ触針先端部１４ａの加工精度を測定する
ようにした。一般に市販されている剃刀刃１０は、その
刃先角度が３０°以下に形成されているので、触針１４
を前記刃先１０ａの断面山形面１１に沿って移動させる
ことにより、触針１４の測定面である触針先端部１４ａ
全面の加工精度を正確に測定することができる。また、
前記剃刀刃１０は安価なものであり、容易に入手するこ
とができるので、形状測定用治具の製作コストを大幅に
削減することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は触針の形状測定用治具に係り、特に輪郭形状測定機に取り付けられる 触針先端部の形状を測定する触針の形状測定用治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

輪郭形状測定機は被測定物に触針を当接した状態で、触針を被測定物の表面に 沿ってスライド移動させることにより被測定物の輪郭を測定するものである。図 ７に示すように輪郭形状測定機の触針１はアーム２の先端部に取り付けられてお り、このアーム２の後端部は揺動子３の左端部に連結されている。前記揺動子３ はスキッド支点４を介して測定装置本５に支持され、このスキッド支点４を支点 として図中上下方向に揺動することができる。また、差動トランス６がアーム２ に取り付けられており、この差動トランスによって触針１の振れ量を検出するこ とができる。

【０００３】 ところで、前記触針１は、図８に示す専用治具７によって触針１の測定面であ る触針先端部１ａの加工精度が測定される。前記治具７は、機械加工によって山 角度が９０°の断面山形状に形成されると共に、その山形面８はラッピングされ ている。この山形面８に沿って前記触針１をスライド移動させることにより、触 針先端部１ａの加工精度を測定する。

【０００４】 また、触針１は、刃先角度が略６０°に形成された鋸刃形状の専用治具を用い て、触針先端部１ａの加工精度を測定する場合もある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の触針先端部の形状測定用治具７は、触針１の先端部角度 が１２°（円錐形状の場合は２４°）で形成されているので、前記治具７の山形 面８に沿って触針１をスライド移動させても、触針先端部１ａの全面が山形面８ に当接しない。従って、従来の治具７では、触針先端部１ａの加工精度を正確に 測定することができないという欠点がある。

【０００６】 また、従来の鋸刃形状の治具においても、前述したと同様な原因で触針先端部 １ａの加工精度を正確に測定することができないという欠点がある。 このような不具合を解消する為に、前記治具７の山角度、鋸刃形状の治具の刃 先角度を３０°以下に形成すれば良いが、治具の製作コストが莫大になるという 欠点がある。

【０００７】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、触針先端部の加工精度を正 確に測定することができる安価な触針の形状測定用治具を提供することを目的と する。

【０００８】

【課題を解決する為の手段】

本考案は、前記目的を達成する為に、測定装置本体に揺動自在に設けられた揺 動子の先端部に取り付けられた触針を、断面山形状に形成された治具の山形面に 沿ってスライド移動させることにより触針先端部の加工精度を測定する触針の形 状測定用治具に於いて、前記治具として剃刀刃を使用し、該剃刀刃の刃先の断面 山形面に沿って前記触針を移動させることにより、触針先端部の加工精度を測定 することを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、治具として剃刀刃を使用し、剃刀刃の刃先の断面山形面に沿 って触針を移動させ触針先端部の加工精度を測定するようにした。一般に市販さ れている剃刀刃は、その刃先角度が３０°以下に形成されているので、触針を前 記刃先の山形面に沿って移動させることにより、触針の測定面である触針先端部 全面の加工精度を測定することができる。また、前記剃刀刃は安価なものであり 、容易に入手することができるので、治具の製作コストを大幅に削減することが できる。

【００１０】

【実施例】

以下添付図面に従って本考案に係る触針の形状測定用治具の好ましい実施例に ついて詳説する。 図１は本考案の第１実施例に係る触針の形状測定用治具１０が形状測定装置本 体１２に固定された実施例が示され、前記形状測定用治具１０として剃刀刃１０ が用いられている。この剃刀刃１０は一般に市販されているものであり、その刃 先１０ａの角度は３０°以下に形成されている。

【００１１】 前記剃刀刃１０は、触針１４の加工精度測定時に触針１４のスライド移動によ る押圧力が刃先１０ａに負荷しても撓まないように、ボルト１６によって形状測 定装置本体１２のボディ１８とホルダ２０とで挟持されて固定されている。また 、剃刀刃１０の刃先１０ａがボディ１８とホルダ２０との上面１８ａ、２０ａか ら所定量突出するように固定されている。

【００１２】 次に、前記剃刀刃１０を使用して、触針１４の先端部１４ａ（図２に示す）の 加工精度を測定する場合について説明する。 触針１４の測定面である前記先端部１４ａの加工精度を測定するには、図２に 示すように剃刀刃１０の刃先１０ａの断面山形面１１に沿って触針１４をスライ ド移動させることにより行う。即ち、触針１４をスライド移動させると、触針１ ４の先端部１４ａは、刃先１０ａの図中左側の山形面１１に沿って上昇し、剃刀 刃１０のエッヂ部１３を通過すると図中右側の山形面１１に沿って下降する。こ の時、前記剃刀刃１０の刃先１０ａの角度は３０°以下に形成されているので、 その先端部角度が１２°乃至２４°に形成された触針１４の先端部１４ａ全面が 触針１４のスライド移動の際に刃先１０ａの山形面１１に接触する。

【００１３】 これにより、触針先端部１４ａの形状測定用治具として剃刀刃１０を使用する ことにより、前記先端部１４ａの加工精度を正確に測定することができる。また 、前記剃刀刃１０は安価であり、容易に入手できるので、治具の製作コストを大 幅に削減することができる。 図３は本考案の第２実施例に係る触針の形状測定用治具２２が形状測定装置本 体２４に固定された実施例が示される。前記治具２２は図４に示すように、複数 枚の剃刀刃１０、１０…が重ねられてその側面が鋸刃形状になるように構成され ている。この治具２２は図３に示すように、形状測定装置本体２４のベース２６ に取り付けられた押さえ板２８と、ベース２６上に配置されたガイド板３０の押 さえ駒３２とによって挟持され治具２２の幅方向が位置決めされている。剃刀刃 １０、１０…の各刃先１０ａ、１０ａ…が、押さえ板２８の上面に固定された一 対のカバー２９、２９間の隙間２９ａから突出されている。

【００１４】 前記押さえ駒３２は図５に示すように、ばね３４によって図中矢印方向に付勢 されると共に、押さえ軸３６の軸方向に沿ってスライド移動可能に配置される。 また、ベース２６の右端部２６ａには、前記治具２２を押し上げる為の刃押上げ レバー３８が取り付けられている。前記刃押上げレバー３８には回動軸４０が固 着され、この回動軸にはカム４２が固着されている。前記カム４２は支持部材４ ４の下面に当接され、この支持部材４４にはばね４６、４６…を介して刃押上げ 部材４８が取り付けられる。この押上げ部材４８は図５に示すように、前記押さ え板２８にばね５０、５０…を介して吊り下げられている。前記押上げ部材４８ の上面に形成された凹部４８ａには、治具２２の剃刀刃１０の下側刃先１０ｂが 当接されている。

【００１５】 これにより、前記刃押上げレバー３８でカム４２を回動させて支持部材４４を 上方に押し上げることにより、その押上げ力がばね４６を介して刃押上げ部材４ ８に伝達するので、治具２２を刃押上げ部材４８と前記カバー２９、２９とで挟 持することができる。従って、治具２２の高さ方向が位置決めされる。 本実施例では、剃刀刃１０を重ねて治具２２を構成することにより、刃先角度 が３０°以下の鋸刃形状の治具を容易に構成できるので、治具の製作コストを大 幅に削減でき、また複雑な位置決め、メンテナンス作業を行うことなく、触針１ ０の先端部１０ａの加工精度を正確に測定することができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る触針の形状測定用治具によれば、刃先角度が ３０°以下に形成された一般に市販されている剃刀刃を治具として使用し、剃刀 刃の刃先の断面山形面に沿って触針を移動させ触針先端部の加工精度を測定する ようにしたので、触針の測定面である触針先端部全面の加工精度を測定すること ができる。また、剃刀の刃先は０．１μｍ以下の曲率なので、剃刀刃先の影響な しに触針先端形状だけを測定することができる。更に、剃刀刃は安価なものであ り、容易に入手することができるので、治具の製作コストを大幅に削減すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る触針の形状測定用治具を用いて触
針の先端部形状を測定している状態を示す側面図

【図２】触針先端部のスライド移動の軌跡を示す説明図

【図３】本考案に係る触針の形状測定用治具が固定され
た形状測定装置の実施例を示す斜視図

【図４】本考案に係る触針の形状測定用治具を重ねて配
置した治具の実施例を示す斜視図

【図５】図３の形状測定装置の断面図

【図６】図５に於ける６−６線上に沿う断面図

【図７】輪郭形状測定機の触針近傍の側面図

【図８】従来の触針の形状測定用治具に於ける触針先端
部のスライド移動の軌跡を示す説明図

【符号の説明】

１０…剃刀刃 １１…山形面 １０ａ…剃刀刃先端部 １２、２４…形状測定装置本体 １４…触針

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定装置本体に揺動自在に設けられた揺
   動子の先端部に取り付けられた触針を、断面山形状に形
   成された治具の山形面に沿ってスライド移動させること
   により触針先端部の加工精度を測定する触針の形状測定
   用治具に於いて、 前記治具として剃刀刃を使用し、該剃刀刃の刃先の断面
   山形面に沿って前記触針を移動させることにより、触針
   先端部の加工精度を測定することを特徴とする触針の形
   状測定用治具。