JPH055913A - 有機非線形光学材料 - Google Patents

有機非線形光学材料

Info

Publication number
JPH055913A
JPH055913A JP15705991A JP15705991A JPH055913A JP H055913 A JPH055913 A JP H055913A JP 15705991 A JP15705991 A JP 15705991A JP 15705991 A JP15705991 A JP 15705991A JP H055913 A JPH055913 A JP H055913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
ring group
mmol
tetralone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15705991A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawamonzen
善洋 川門前
Yasushi Mori
寧 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15705991A priority Critical patent/JPH055913A/ja
Publication of JPH055913A publication Critical patent/JPH055913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた非線形性を示し、かつ倍波を効率的に発
生し得る有機非線形光学材料を提供する。 【構成】下記一般式(1)で表されるテトラロン誘導体
または下記一般式(2)で表される環状ケトン誘導体
(ただし、式中、R1 〜R10は非置換もしくは置換され
ていてもよい芳香族炭化水素基、複素環基、脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基もしくは特性基または水素原
子を示す。A1 及びA2 は電子供与性を有する基を示
す。Xは少なくとも1個のヒドロキシル基を有する環状
ケトン化合物を示す。)からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な有機非線形光学材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学効果は、高調波発生、光スイ
ッチ、光混合などにおけるレーザー光の波長、位相及び
振幅の変調に利用され、光を用いた情報処理において重
要な役割を果たしている。
【0003】従来、非線形光学効果を発揮する非線形光
学材料としては、主に無機化合物結晶が用いられてき
た。しかし、これら無機化合物結晶の非線形光学効果は
充分ではなかった。これに対して、近年、無機化合物結
晶に比べてはるかに大きな非線形光学定数を有し、光損
傷に耐する耐久性にも優れた有機化合物が数多く見出さ
れている。
【0004】これらの有機非線形光学材料に関しては、
例えばD.J.Williamsらの“Nonline
ar Optical Properties ofO
rganic and Polymeric Mate
rials”(American Chemical
Society,1983)や、D.S.Chemla
らの“Nonlinear Optical Prop
er−ties of Organic Molecu
les and Crys−tals”(Academ
ic Press,inc.1987)に総説されてい
る。ここに挙げられた有機非線形光学材料の分子構造上
の特徴は、ベンゼン環などのπ電子系の両端に電子供与
性の官能基及び電子供与性の官能基を結合させた点にあ
る。
【0005】しかし、前述した分子構造を有する有機非
線形光学材料は、基底状態での電気双極子の存在によ
り、結晶化に際して中心対称の構造を取りやすく、分子
1個が示す大きな非線形性が結晶全体としては相殺され
やすいという問題があった。また、空間的広がりの大き
いπ電子系を用いれば、非線形性は増大するが、分子自
身の吸収波長域(吸収帯)が深色側(長波長側)へシフ
トする。これによって、青色波長域での光透過性が低下
して、倍波の効率的な発生を妨げたり、分子自身の劣化
を促進するという問題があった。このようなことから、
優れた非線形性を有するとともに、分子自身の吸収帯が
低波長側に存在する有機非線形光学材料が強く望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た非線形性を示し、かつ倍波を効率的に発生し得る有機
非線形光学材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の有機非線形光学
材料は、下記一般式(1)
【0008】
【化3】 で表されるテトラロン誘導体、または下記一般式(2)
【0009】
【化4】 で表される環状ケトン誘導体(ただし、式中、
【0010】R1 〜R10は同一でも異なっていてもよ
く、非置換もしくは置換されていてもよい芳香族炭化水
素基、複素環基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基
もしくは特性基または水素原子を示す。
【0011】A1 及びA2 は非置換もしくは置換されて
いてもよい電子供与性複素環基、電子供与性特性基を導
入した芳香族炭化水素基もしくは複素環基、またはβ位
に前記非置換もしくは置換されていてもよい電子供与性
複素環基もしくは前記電子供与性特性基を導入した芳香
族炭化水素基もしくは複素環基を有するビニル基を示
す。Xは少なくとも1個のヒドロキシル基を有する環状
ケトン化合物を示す。)からなることを特徴とするもの
である。
【0012】なお、前記一般式(1)及び(2)におい
て波線で表される結合は、A1 基及びA2 基がカルボニ
ル基(>C=O基)に対して、シスまたはトランスのい
ずれの位置でもよいことを示している。
【0013】前記一般式(1)及び(2)におけるR1
〜R10は、非置換もしくは置換されていてもよい芳香族
炭化水素基、複素環基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基もしくは特性基または水素原子である。R1 〜R
10として導入される非置換の芳香族炭化水素基、複素環
基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基または特性基
を以下に例示する。
【0014】芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼ
ン環基、ナフタリン環基、アントラセン環基、フェナン
トレン環基、テトラリン環基、アズレン環基、ビフェニ
レン環基、アセナフチレン環基、アセナフテン環基、フ
ルオレン環基、トリフェニレン環基、ピレン環基、クリ
セン環基、ピセン環基、ペリレン環基、ベンゾピレン環
基、ルビセン環基、コロネン環基、オバレン環基、イン
デン環基、ペンタレン環基、ヘプタレン環基、インダセ
ン環基、フェナレン環基、フルオランテン環基、アセフ
ェナントリレン環基、アセアントリレン環基、ナフタセ
ン環基、プレイアデン環基、ペンタフェン環基、ペンタ
セン環基、テトラフェニレン環基、ヘキサフェン環基、
ヘキサセン環基、トリナフチレン環基、ヘプタフェン環
基、ヘプタセン環基、ピラントレン環基などが挙げられ
る。
【0015】複素環基としては、例えばピロール環基、
ピロリン環基、ピロリジン環基、インドール環基、イソ
インドール環基、インドリン環基、イソインドリン環
基、インドリジン環基、カルバゾール環基、カルボリン
環基、フラン環基、オキソラン環基、クマロン環基、ク
マラン環基、イソベンゾフラン環基、フタラン環基、ジ
ベンゾフラン環基、チオフェン環基、チオラン環基、ベ
ンゾチオフェン環基、ジベンゾチオフェン環基、ピラゾ
ール環基、ピラゾリン環基、インダゾール環基、イミダ
ゾール環基、イミダゾリン環基、イミダゾリジン環基、
ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ナ
フトイミダゾール環基、オキサゾール環基、オキサゾリ
ン環基、オキサゾリジン環基、ベンゾオキサゾール環
基、ベンゾオキサゾリン環基、ナフトオキサゾール環
基、イソオキサゾール環基、ベンゾイソオキサゾール環
基、チアゾール環基、チアゾリン環基、チアゾリジン環
基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾチアゾリン環基、ナ
フトチアゾール環基、イソチアゾール環基、ベンゾイソ
チアゾール環基、トリアゾール環基、ベンゾトリアゾー
ル環基、オキサジアゾール環基、チアジアゾール環基、
ベンゾオキサジアゾール環基、ベンゾチアジアゾール環
基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、ピ
ペリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、アク
リジン環基、フェナントリジン環基、ベンゾキノリン環
基、ナフトキノリン環基、ナフチリジン環基、フェナン
トロリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラ
ジン環基、ピペラジン環基、フタラジン環基、キノキサ
リン環基、キナゾリン環基、シンノリン環基、フェナジ
ン環基、ペリミジン環基、トリアジン環基、テトラジン
環基、プテリジン環基、オキサジン環基、ベンゾオキサ
ジン環基、フェノキサジン環基、チアジン環基、ベンゾ
チアジン環基、フェノチアジン環基、オキサジアジン環
基、チアジアジン環基、ジオキソラン環基、ベンゾジオ
キソール環基、ジオキサン環基、ベンゾジオキサン環
基、ジチオラン環基、ベンゾジチオール環基、ジチアン
環基、ベンゾジチアン環基、ピラン環基、クロメン環
基、キサンテン環基、オキサン環基、クロマン環基、イ
ソクロマン環基、トリオキサン環基、チアン環基、トリ
チアン環基、モルホリン環基、キヌクリジン環基、セレ
ナゾール環基、ベンゾセレナゾール環基、ナフトセレナ
ゾール環基、テルラゾール環基、ベンゾテルラゾール環
基などが挙げられる。
【0016】脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチ
ル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ビニル
基、アリル基、イソプロペニル基、プロペニル基、メタ
リル基、クロチル基、ブテニル基、ペンテニル基、ブタ
ジエニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、
ペンチニル基などが挙げられる。
【0017】脂環式炭化水素基としては、例えばシクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプ
テニル基、シクロオクテニル基、シクロペンタジエニル
基、シクロヘキサジエニル基などが挙げられる。
【0018】特性基としては以下に例示するものが挙げ
られる。また、前述した芳香族炭化水素基、複素環基、
脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基は、以下に例
示する特性基で置換されていてもよい。例えば、ジ置換
アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブ
チルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルメチルア
ミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフ
ェネチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミ
ノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、
ベンジルメチルアミノ基など)、モノ置換アミノ基(メ
チルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イ
ソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、アニ
リノ基、アニシジノ基、フェネチジノ基、トルイジノ
基、キシリジノ基、ピリジルアミノ基、チアゾリルアミ
ノ基、ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミノ基な
ど)、環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピ
ペラジノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1−ピラ
ゾリル基、1−イミダゾリル基、1−トリアゾリル基な
ど)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルア
ミノ基、ベンゾイルアミノ基、シンナモイルアミノ基、
ピリジンカルボニルアミノ基、トリフルオロアセチルア
ミノ基など)、スルホニルアミノ基(メシルアミノ基、
エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ
基、ピリジルスルホニルアミノ基、トシルアミノ基、タ
ウリルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ
基、スルファモイルアミノ基、メチルスルファモイルア
ミノ基、スルファニルアミノ基、アセチルスルファニル
アミノ基など)、アンモニオ基(トリメチルアンモニオ
基、エチルジメチルアンモニオ基、ジメチルフェニルア
ンモニオ基、ピリジニオ基、キノリニオ基など)、アミ
ノ基、ヒドロキシアミノ基、ウレイド基、セミカルバジ
ド基、カルバジド基、ジ置換ヒドラジノ基(ジメチルヒ
ドラジノ基、ジフェニルヒドラジノ基、メチルフェニル
ヒドラジノ基など)、モノ置換ヒドラジノ基(メチルヒ
ドラジノ基、フェニルヒドラジノ基、ピリジルヒドラジ
ノ基、ベンジリデンヒドラジノ基など)、ヒドラジノ
基、アゾ基(フェニルアゾ基、ピリジルアゾ基、チアゾ
リルアゾ基など)、アゾキシ基、アミジノ基、シアノ
基、シアナト基、チオシアナト基、ニトロ基、ニトロソ
基、オキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ
基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキ
シ基、アセトキシ基など)、ヒドロキシ基、チオ基(メ
チルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ピリジル
チオ基、チアゾリルチオ基など)、メルカプト基、ハロ
ゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード
基)、カルボキシル基及びその塩、オキシカルボニル基
(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェ
ノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基な
ど)、アミノカルボニル基(カルバモイル基、メチルカ
ルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ピリジルカル
バモイル基、カルバゾイル基、アロファノイル基、オキ
サモイル基、スクシンアモイル基など)、チオカルボキ
シル基及びその塩、ジチオカルボキシル基及びその塩、
チオカルボニル基(メトキシチオカルボニル基、メチル
チオカルボニル基、メチルチオチオカルボニル基な
ど)、アシル基(ホルミル基、アセチル基、プロピオニ
ル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、シンナモイル
基、ピリジンカルボニル基、チアゾールカルボニル基、
トリフルオロアセチル基など)、チオアシル基(チオホ
ルミル基、チオアセチル基、チオベンゾイル基、ピリジ
ンチオカルボニル基など)、スルフィン酸基及びその
塩、スルホン酸基及びその塩、スルフィニル基(メチル
スルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスル
フィニル基など)、スルホニル基(メシル基、エチルス
ルホニル基、フェニルスルホニル基、ピリジルスルホニ
ル基、トシル基、タウリル基、トリフルオロメチルスル
ホニル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル
基、スルファニリル基、アセチルスルファニリル基な
ど)、オキシスルホニル基(メトキシスルホニル基、エ
トキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基、アセト
アミノフェノキシスルホニル基、ピリジルオキシスルホ
ニル基など)、チオスルホニル基(メチルチオスルホニ
ル基、エチルチオスルホニル基、フェニルチオスルホニ
ル基、アセトアミノフェニルチオスルホニル基、ピリジ
ルチオスルホニル基など)、アミノスルホニル基(スル
ファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスル
ファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスル
ファモイル基、フェニルスルファモイル基、アセトアミ
ノフェニルスルファモイル基、ピリジルスルファモイル
基など)、ハロゲン化アルキル基(クロロメチル基、ブ
ロモメチル基、フルオロメチル基、ジクロロメチル基、
ジブロモメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロ
メチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプ
ロピル基など)、炭化水素基(アルキル基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基など)、複素環基、有
機ケイ素基(シリル基、ジシラニル基、トリメチルシリ
ル基、トリフェニルシリル基など)などである。
【0019】前記一般式(1)及び(2)におけるA1
及びA2 は、非置換もしくは置換されていてもよい電子
供与性複素環基、電子供与性特性基を導入した芳香族炭
化水素基もしくは複素環基、またはβ位に前記非置換も
しくは置換されていてもよい電子供与性複素環基もしく
は前記電子供与性特性基を導入した芳香族炭化水素基も
しくは複素環基を有するビニル基を示す。
【0020】A1 及びA2 として導入される非置換の電
子供与性複素環基を以下に例示する。例えば、ピロール
環基、ピロリン環基、ピロリジン環基、インドール環
基、イソインドール環基、インドリン環基、イソインド
リン環基、インドリジン環基、カルバゾール環基、カル
ボリン環基、フラン環基、オキソラン環基、クマロン環
基、クマラン環基、イソベンゾフラン環基、フタラン環
基、ジベンゾフラン環基、チオフェン環基、チオラン環
基、ベンゾチオフェン環基、ジベンゾチオフェン環基、
ピラゾール環基、ピラゾリン環基、インダゾール環基、
イミダゾール環基、イミダゾリン環基、イミダゾリジン
環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環
基、ナフトイミダゾール環基、オキサゾリン環基、オキ
サゾリジン環基、ベンゾオキサゾリン環基、チアゾリン
環基、チアゾリジン環基、ベンゾチアゾリン環基、トリ
アゾール環基、ベンゾトリアゾール環基、テトラゾール
環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、テトラヒドロ
キノリン環基、ジュロリジン環基、ペリミジン環基、オ
キサジン環基、ベンゾオキサジン環基、フェノキサジン
環基、チアジン環基、ベンゾチアジン環基、フェノチア
ジン環基、ジオキソラン環基、ベンゾジオキソール環
基、ジオキサン環基、ベンゾジオキサン環基、ジチオラ
ン環基、ベンゾジチオール環基、ジチアン環基、ベンゾ
ジチアン環基、ピラン環基、クロメン環基、キサンテン
環基、オキサン環基、クロマン環基、イソクロマン環
基、トリオキサン環基、チアン環基、トリチアン環基、
モルホリン環基などが挙げられる。これらの電子供与性
複素環基は前述した特性基で置換されていてもよい。
【0021】A1 及びA2 として導入される電子供与性
特性基により置換された芳香族炭化水素基または複素環
基の骨格となる芳香族炭化水素基または複素環基として
は、R1 〜R10に関して説明した芳香族炭化水素基また
は複素環基が挙げられる。これらの芳香族炭化水素基ま
たは複素環基に導入される電子供与性特性基としては、
例えばジ置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基、ジブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブ
チルメチルアミノ基、ジアミルアミノ基、ジベンジルア
ミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、
ジトリルアミノ基、ジキシリルアミノ基、メチルフェニ
ルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基など)、モノ置換
アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピル
アミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルア
ミノ基、アニリノ基、アニシジノ基、フェネチジノ基、
トルイジノ基、キシリジノ基、ピリジルアミノ基、チア
ゾリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ベンジリデンアミ
ノ基など)、環状アミノ基(ピロリジノ基、ピペリジノ
基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1−ピロリル基、1
−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、1−トリアゾリ
ル基など)、アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセ
チルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、シンナモイルアミ
ノ基、ピリジンカルボニルアミノ基、トリフルオロアセ
チルアミノ基など)、スルホニルアミノ基(メシルアミ
ノ基、エチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニル
アミノ基、ピリジルスルホニルアミノ基、トシルアミノ
基、タウリルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニル
アミノ基、スルファモイルアミノ基、メチルスルファモ
イルアミノ基、スルファニルアミノ基、アセチルスルフ
ァニルアミノ基など)、アミノ基、オキシアミノ基(メ
トキシアミノ基、エトキシアミノ基、フェノキシアミノ
基、ピリジルオキシアミノ基など)、ヒドロキシアミノ
基、ウレイド基、セミカルバジド基、カルバジド基、ジ
置換ヒドラジノ基(ジメチルヒドラジノ基、ジフェニル
ヒドラジノ基、メチルフェニルヒドラジノ基など)、モ
ノ置換ヒドラジノ基(メチルヒドラジノ基、フェニルヒ
ドラジノ基、ピリジルヒドラジノ基、ベンジリデンヒド
ラジノ基など)、ヒドラジノ基、アゾ基(フェニルアゾ
基、ピリジルアゾ基、チアゾリルアゾ基など)、アゾキ
シ基、オキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、フェノキシ
基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキ
シ基、アセトキシ基など)、ヒドロキシ基、チオ基(メ
チルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、ピリジル
チオ基、チアゾリルチオ基など)、メルカプト基、炭化
水素基(アルキル基、アリール基、アルケニル基、アル
キニル基など)、有機ケイ素基(シリル基、ジシラニル
基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など)
などが挙げられる。
【0022】前記一般式(2)におけるXは、少なくと
も1個のヒドロキシル基を有する環状ケトン化合物であ
る。Xとして導入される少なくとも1個のヒドロキシル
基を有する環状ケトン化合物としては、例えばアンドロ
ステロン、エピアンドロステロン、デヒドロイソアンド
ロステロン、テストステロン、エストロン、ホモアンド
ロステロン、ホモエストロン、ヒドロキシシクロペンタ
ノン、ヒドロキシシクロヘキサノン、ヒドロキシシクロ
ヘプタノン、ヒドロキシシクロオクタノン、ヒドロキシ
シクロノナノン、ヒドロキシシクロデカノン、ヒドロキ
シインダノン、ホドロキシテトラロンなどが挙げられ
る。
【0023】本発明に係るテトラロン誘導体及び環状ケ
トン誘導体は、リン酸、無水酢酸などの酸触媒下[例え
ばR.Albrecht et al.,Liebig
sAnn.Chem.,736,110−125(19
70)参照]、または水酸化ナトリウムなどの塩基触媒
下[例えばA.Wettsein et al.,He
lv.Chim.acta,26,631(1943)
参照]、アルデヒドなどのカルボニル化合物を環状ケト
ン化合物に脱水縮合させることにより、容易に合成でき
る。
【0024】
【作用】前記一般式(1)で表されるテトラロン誘導体
及び一般式(2)で表される環状ケトン誘導体は、基底
状態の双極子モーメントに寄与するカルボニル基(>C
=O基)が分子長軸に対して垂直な方向に固定されてお
り、基底状態の双極子モーメントの方向が分子長軸と大
きくずれた方向となっているため、中心対称構造によっ
て非線形性が相殺されにくい。特に、一般式(2)で表
される環状ケトン誘導体にはヒドロキシル基が導入され
ているため、分子間水素結合により非中心対称構造の結
晶構造をとりやすくなっている。したがって、これらの
誘導体では、優れた非線形性が確保される。また、前記
一般式(1)及び(2)中のカルボニル基(>C=O
基)は電子吸引性基として作用しており、A1 基及びA
2 基として電子供与性置換基(電子供与性複素環基、ま
たは電子供与性特性基を導入した芳香族炭化水素基もし
くは複素環基)を導入することにより、共鳴効果による
分極(メゾメリック分極)が増大し、分子レベルでの非
線形性が向上する。さらに、前記テトラロン誘導体及び
環状ケトン誘導体の光吸収帯は、低波長側に存在する。
したがって、これらの誘導体からなる有機非線形光学材
料は、優れた非線形性を示し、かつ青色波長域での光透
過性も良好であり、倍波を効率的に発生することができ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (a)テトラロン誘導体及び環状ケトン誘導体の合成 [合成例1] 2−(4−メトキシベンジリデン)−1
−テトラロンの合成
【0026】4−アニスアルデヒド2.4ml(2.7
g、20mmol)、1−テトラロン2.9g(20m
mol)を85%(w/w)(14.6M)リン酸20
ml(292mmol)に溶解し、80℃で5時間反応
させた。放冷後、氷冷下1.25M水酸化ナトリウム水
溶液500ml(625mmol)を少しずつ加え、析
出した結晶をロ取し、水でよく洗浄した。粗結晶をエタ
ノール、塩化メチレンなどの溶媒から再結晶し、目的の
2−(4−メトキシベンジリデン)−1−テトラロン
(化合物1)を合成した。 収量:4.1g(15.5mmol)[収率:78%] 元素分析(分子式:C18162 、分子量:264.3
24) [合成例2] 2−ベラトリリデン−1−テトラロンの
合成
【0027】ベラトルアルデヒド3.3g(20mmo
l)及び1−テトラロン2.9g(20mmol)を用
い、実施例1と同様の操作により、目的の2−ベラトリ
リデン−1−テトラロン(化合物2)を合成した。 収量:3.8g(12.9mmol)[収率:65%] 元素分析(分子式:C19183 、分子量:294.3
50) [合成例3] 2−(2,4−ジメトキシベンジリデ
ン)−1−テトラロンの合成
【0028】2,4−ジメトキシベンズアルデヒド3.
3g(20mmol)及び1−テトラロン2.9g(2
0mmol)を用い、実施例1と同様の操作により、目
的の2−(2,4−ジメトキシベンジリデン)−1−テ
トラロン(化合物3)を合成した。 収量:3.2g(10.9mmol)[収率:54%] 元素分析(分子式:C19183 、分子量:294.3
50) [合成例4] 2−(4−ヒドロキシベンジリデン)−
1−テトラロンの合成
【0029】4−ヒドロキシベンズアルデヒド2.5g
(20mmol)及び1−テトラロン2.9g(20m
mol)を用い、実施例1と同様の操作により、目的の
2−(4−ヒドロキシベンジリデン)−1−テトラロン
(化合物4)を合成した。 収量:2.6g(10.4mmol)[収率:52%] 元素分析(分子式:C17142 、分子量:250.2
97) [合成例5] 2−イソバニリデン−1−テトラロンの
合成
【0030】イソバニリン3.1g(20mmol)及
び1−テトラロン2.9g(20mmol)を用い、実
施例1と同様の操作により、目的の2−イソバニリデン
−1−テトラロン(化合物5)を合成した。 収量:3.1g(11.1mmol)[収率:56%] 元素分析(分子式:C18163 、分子量:280.3
23) [合成例6] 2−ピペロニリデン−1−テトラロンの
合成
【0031】ピペロナール3.0g(20mmol)及
び1−テトラロン2.9g(20mmol)を用い、実
施例1と同様の操作により、目的の2−ピペロニリデン
−1−テトラロン(化合物6)を合成した。 収量:4.6g(16.5mmol)[収率:83%] 元素分析(分子式:C18143 、分子量:278.3
07) [合成例7] 2−(4−メチルチオベンジリデン)−
1−テトラロンの合成
【0032】4−メチルチオベンズアルデヒド2.7m
l(3.1g、20mmol)及び1−テトラロン2.
9g(20mmol)を用い、実施例1と同様の操作に
より、目的の2−(4−メチルチオベンジリデン)−1
−テトラロン(化合物7)を合成した。 収量:4.4g(15.7mmol)[収率:78%] 元素分析(分子式:C1816OS、分子量:280.3
85) [合成例8] 2−(2−チエニルメチレン)−1−テ
トラロンの合成
【0033】2−チオフェンカルボキシアルデヒド1.
9ml(2.3g、20mmol)及び1−テトラロン
2.9g(20mmol)を用い、実施例1と同様の操
作により、目的の2−(2−チエニルメチレン)−1−
テトラロン(化合物8)を合成した。 収量:3.9g(16.2mmol)[収率:81%] 元素分析(分子式:C1512OS、分子量:240.3
20) [合成例9] 2−(3−インドリルメチレン)−1−
テトラロンの合成
【0034】3−インドールカルボキシアルデヒド2.
9g(20mmol)及び1−テトラロン2.9g(2
0mmol)を用い、実施例1と同様の操作により、目
的の2−(3−インドリルメチレン)−1−テトラロン
(化合物9)を合成した。 収量:3.6g(13.2mmol)[収率:66%] 元素分析(分子式:C1915NO、分子量:273.3
35) [合成例10] 2−[4−(1−イミダゾリル)ベン
ジリデン]−1−テトラロンの合成
【0035】4−(1−イミダゾリル)ベンズアルデヒ
ド(I.Sircar etal.,J.Med.Ch
em.,30,1023(1987)に記載されている
方法に従って合成)3.5g(20mmol)及び1−
テトラロン2.9g(20mmol)を用い、実施例1
と同様の操作により、目的の2−[4−(1−イミダゾ
リル)ベンジリデン]−1−テトラロン(化合物10)
を合成した。収量:4.7g(15.6mmol)[収
率:78%] 元素分析(分子式:C20162 O、分子量:300.
361) [合成例11] 16−(4−メトキシベンジリデン)
デヒドロイソアンドロステロンの合成
【0036】4−アニスアルデヒド2.4ml(2.7
g、20mmol)、デヒドロイソアンドロステロン
5.8g(20mmol)をエタノール40mlに溶解
し、50%(w/w)(13.5M)水酸化カリウム水
溶液4ml(54mmol)を室温で滴下した。室温で
24時間撹拌した後、濃酢酸4ml(70mmol)を
含む水500mlを少しずつ加えて反応を停止させ、析
出した結晶をロ取し、水でよく洗浄した。粗結晶をエタ
ノール、塩化メチレンなどの溶媒から再結晶し、目的の
16−(4−メトキシベンジリデン)デヒドロイソアン
ドロステロン(化合物11)を合成した。 収量:7.0g(17.2mmol)[収率:86%] 元素分析(分子式:C27343 、分子量:406.5
66) [合成例12] 16−(2,4−ジメトキシベンジリ
デン)デヒドロイソアンドロステロンの合成
【0037】2,4−ジメトキシベンズアルデヒド3.
3g(20mmol)及びデヒドロイソアンドロステロ
ン5.8g(20mmol)を用い、合成例11と同様
の操作により、目的の16−(2,4−ジメトキシベン
ジリデン)デヒドロイソアンドロステロン(化合物1
2)を合成した。 収量:5.2g(11.9mmol)[収率:60%] 元素分析(分子式:C28364 、分子量:436.5
92) [合成例13] 16−ピペロニリデンデヒドロイソア
ンドロステロンの合成
【0038】ピペロナール3.0g(20mmol)及
びデヒドロイソアンドロステロン5.8g(20mmo
l)を用い、合成例11と同様の操作により、目的の1
6−ピペロニリデンデヒドロイソアンドロステロン(化
合物13)を合成した。 収量:6.6g(15.7mmol)[収率:60%] 元素分析(分子式:C27324 、分子量:420.5
49) [合成例14] 16−(4−メチルチオベンジリデ
ン)デヒドロイソアンドロステロンの合成
【0039】4−メチルチオベンズアルデヒド2.7m
l(3.1g、20mmol)及びデヒドロイソアンド
ロステロン5.8g(20mmol)を用い、合成例1
1と同様の操作により、目的の16−(4−メチルチオ
ベンジリデン)デヒドロイソアンドロステロン(化合物
14)を合成した。 収量:6.3g(14.9mmol)[収率:75%] 元素分析(分子式:C27322 S、分子量:422.
627) [合成例15] 16−(2−チエニルメチレン)デヒ
ドロイソアンドロステロンの合成
【0040】2−チオフェンカルボキシアルデヒド1.
9ml(2.3g、20mmol)及びデヒドロイソア
ンドロステロン5.8g(20mmol)を用い、合成
例11と同様の操作により、目的の16−(2−チエニ
ルメチレン)デヒドロイソアンドロステロン(化合物1
5)を合成した。 収量:6.1g(15.9mmol)[収率:80%] 元素分析(分子式:C24302 S、分子量:382.
562) [合成例16] 16−(2,4−ジメトキシベンジリ
デン)エピアンドロステロンの合成
【0041】2,4−ジメトキシベンズアルデヒド3.
3g(20mmol)及びエピアンドロステロン5.8
g(20mmol)を用い、合成例11と同様の操作に
より、目的の16−(2,4−ジメトキシベンジリデ
ン)エピアンドロステロン(化合物16)を合成した。 収量:4.4g(10.0mmol)[収率:50%] 元素分析(分子式:C28384 、分子量:438.6
08) [合成例17] 16−ピペロニリデンエピアンドロス
テロンの合成
【0042】ピペロナール3.0g(20mmol)及
びエピアンドロステロン5.8g(20mmol)を用
い、合成例11と同様の操作により、目的の16−ピペ
ロニリデンエピアンドロステロン(化合物17)を合成
した。 収量:7.2g(17.0mmol)[収率:85%] 元素分析(分子式:C27344 、分子量:422.5
65) [合成例18] 16−(4−メチルチオベンジリデ
ン)エピアンドロステロンの合成
【0043】ピペロナール3.0g(20mmol)及
びエピアンドロステロン5.8g(20mmol)を用
い、合成例11と同様の操作により、目的の16−(4
−メチルチオベンジリデン)エピアンドロステロン(化
合物18)を合成した。 収量:6.1g(14.4mmol)[収率:72%] 元素分析(分子式:C27362 S、分子量:424.
643) [合成例19] 16−ピペロニリデンエストロンの合
【0044】ピペロナール3.0g(20mmol)及
びエストロン5.4g(20mmol)を用い、合成例
11と同様の操作により、目的の16−ピペロニリデン
エストロン(化合物19)を合成した。 収量:6.0g(14.9mmol)[収率:75%] 元素分析(分子式:C26264 、分子量:402.4
90) [合成例20] 16−(4−メチルチオベンジリデ
ン)エストロンの合成
【0045】4−メチルチオベンズアルデヒド2.7m
l(3.1g、20mmol)及びエストロン5.4g
(20mmol)を用い、合成例11と同様の操作によ
り、目的の16−(4−メチルチオベンジリデン)エス
トロン(化合物20)を合成した。 収量:6.7g(16.6mmol)[収率:83%] 元素分析(分子式:C26282 S、分子量:404.
568) (b)非線形光学特性の測定
【0046】化合物1〜10のテトラロン誘導体、化合
物11〜20の環状ケトン誘導体、並びに比較例1とし
て尿素及び比較例2としてMNA(2−メチル−4−ニ
トロアニリン)について、二次非線形光学特性をいわゆ
る粉末法により調べた。すなわち、各化合物の結晶粉末
をメノウ乳鉢で粉砕し、ふるいにより粒径を100〜1
50μmの間にそろえた粉末を調製し、これをスライド
ガラスに挟んだものを測定用試料とした。これら測定用
試料に対し、Nd−YAGレーザーの基本波(波長=
1.064μm)を照射し、反射光中の二次高調波(S
HG)成分の強度を測定した。各試料の二次高調波強度
を尿素(比較例1)粉末の二次高調波強度で規格化し
た。これらの測定結果を表1〜表5に示す。
【0047】また、表1、表2に示した化合物1〜10
のテトラロン誘導体並びに比較例1の尿素及び比較例2
のMNAについて、各分子の電子状態を、Parise
r−Parr−Pople法(PPP法)[例えばA.
Martin,Acta.Chimica Acade
miae Scientiarum Hunga−ri
cae,84,259(1977)参照]を用いて計算
し、これらの計算結果を基にして下記式で表される二次
超分子分極率(β)を計算した[J.L.Oudar,
J.Chem.Phys.,67,446(1977)
参照]。このβは分子レベルでの2次非線形性の指標と
なるものであり、より大きなβを有する化合物が分子レ
ベルでの2次非線形性に優れていることを表す。これら
の結果を表1、表2に併記する。
【0048】
【数1】
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】表1〜表5から明らかなように、実施例1
〜10のテトラロン誘導体、実施例11〜20の環状ケ
トン誘導体は、比較例1の尿素に対して数倍〜数十倍程
度のSHGを発生していることが確認できる。このこと
から、本発明の有機非線形光学材料は、優れた非線形性
を有することがわかる。また、1〜10のテトラロン誘
導体は、比較例1の尿素に対して数百倍(比較例2のM
NAに対して数倍)のβを有し、分子レベルで非常に優
れた2次非線形性を有することがわかる。
【0055】更に、実施例1及び実施例6のテトラロン
誘導体、実施例12及び実施例18の環状ケトン誘導
体、並びに比較例2のMNAについて、0.001Mエ
タノール溶液における可視−紫外光の透過率を測定し
た。その結果を図1に示す。
【0056】図1から明らかなように、実施例1及び実
施例6のテトラロン誘導体、並びに実施例12及び実施
例18の環状ケトン誘導体は、比較例2のMNAに対し
て、その光吸収帯が低波長側に存在し、青色波長域での
光の透過性が高いことが確認できる。このことから、本
発明の有機非線形光学材料は、可視領域での光透過性が
良好であることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の有機非線形
光学材料は、極めて容易に合成でき、光吸収が比較的短
波長で青色光の透過率が高く、かつ優れた非線形を有し
倍波を効率的に発生できる。したがって、本発明の有機
非線形光学材料は、高調波発生をはじめとする高速光シ
ャッター、光双安定素子などの非線形現象を利用したオ
プトエレクトロニクスの分野に応用できるなど顕著な効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1及び実施例6のテトラロン誘
導体、実施例12及び実施例18の環状ケトン誘導体、
並びに比較例2のMNAについて、0.001Mエタノ
ール溶液における可視−紫外光の透過率を示す図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 で表されるテトラロン誘導体、または下記一般式(2) 【化2】 で表される環状ケトン誘導体(ただし、式中、R1 〜R
    10は同一でも異なっていてもよく、非置換もしくは置換
    されていてもよい芳香族炭化水素基、複素環基、脂肪族
    炭化水素基、脂環式炭化水素基もしくは特性基または水
    素原子を示す。A1 及びA2 は非置換もしくは置換され
    ていてもよい電子供与性複素環基、電子供与性特性基を
    導入した芳香族炭化水素基もしくは複素環基、またはβ
    位に前記非置換もしくは置換されていてもよい電子供与
    性複素環基もしくは前記電子供与性特性基を導入した芳
    香族炭化水素基もしくは複素環基を有するビニル基を示
    す。Xは少なくとも1個のヒドロキシル基を有する環状
    ケトン化合物を示す。)からなることを特徴とする有機
    非線形光学材料。
JP15705991A 1991-06-27 1991-06-27 有機非線形光学材料 Pending JPH055913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15705991A JPH055913A (ja) 1991-06-27 1991-06-27 有機非線形光学材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15705991A JPH055913A (ja) 1991-06-27 1991-06-27 有機非線形光学材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH055913A true JPH055913A (ja) 1993-01-14

Family

ID=15641315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15705991A Pending JPH055913A (ja) 1991-06-27 1991-06-27 有機非線形光学材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH055913A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999067232A3 (en) * 1998-06-25 2000-02-03 Ciba Sc Holding Ag Process for the preparation of 3-aryl-benzofuranones

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999067232A3 (en) * 1998-06-25 2000-02-03 Ciba Sc Holding Ag Process for the preparation of 3-aryl-benzofuranones
CN100412069C (zh) * 1998-06-25 2008-08-20 西巴特殊化学品控股有限公司 3-芳基-苯并呋喃酮类化合物的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5676884A (en) Nonlinear optical materials containing polar disulfone-functionalized molecules
JP3345476B2 (ja) 有機非線形光学材料
EP0422900B1 (en) Organic nonlinear optical material and nonlinear optical element
US4994209A (en) Nonlinear optical material
JPH055913A (ja) 有機非線形光学材料
JPH03284734A (ja) 有機非線形光学材料
JPH04253038A (ja) 有機非線形光学材料
JPH04253039A (ja) 有機非線形光学材料
JPH05196976A (ja) 有機非線形光学材料
JP3461981B2 (ja) 有機非線形光学材料
JP3302733B2 (ja) 有機非線形光学材料
JPH0711646B2 (ja) 非線形光学材料
JPS62210431A (ja) 非線形光学材料
JPH01204031A (ja) 非線形光学素子用材料
JP2835099B2 (ja) 有機非線形光学材料
JPH03255426A (ja) 有機非線形光学材料
JPH03112961A (ja) スクエアリリウム誘導体及びその製造方法
JPH05173207A (ja) 有機非線形光学材料
JPH03112950A (ja) スクエアリリウム誘導体及びその製造方法
JP2836485B2 (ja) シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法並びにこれを用いた非線形光学素子
JP2799101B2 (ja) 有機非線形光学材料
JPH04202165A (ja) シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法
JPS6323136A (ja) 非線形光学素子
JPH03114031A (ja) 有機非線形光学材料
Chia et al. Synthesis and X-ray studies of noncentrosymmetric merocyanine dyes—A series of organic nlo crystals