JPH0558830A - 防黴用組成物 - Google Patents
防黴用組成物Info
- Publication number
- JPH0558830A JPH0558830A JP23862591A JP23862591A JPH0558830A JP H0558830 A JPH0558830 A JP H0558830A JP 23862591 A JP23862591 A JP 23862591A JP 23862591 A JP23862591 A JP 23862591A JP H0558830 A JPH0558830 A JP H0558830A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- antifungal
- silane compound
- present
- fungicidal
- Prior art date
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- Pending
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- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】建築物の意匠性を変えることなく、簡単に防黴
処理が可能で、長期に渡り防黴効果が持続する防黴用組
成物を提供することを目的とするものである。 【構成】加水分解性シラン化合物、乳化剤、緩衝剤およ
び水またはそれらと抗菌性リン酸塩からなる。 【効果】本発明の防黴用組成物は、材料素地の外観を変
えることなくかつ長期間防黴効果が持続するものであ
り、建築・土木構造物の湿度、温度の高い環境、通風の
不良な部位などにおける黴の発生を抑制あるいは防止す
る材料として極めて優れた効果を発揮する。
処理が可能で、長期に渡り防黴効果が持続する防黴用組
成物を提供することを目的とするものである。 【構成】加水分解性シラン化合物、乳化剤、緩衝剤およ
び水またはそれらと抗菌性リン酸塩からなる。 【効果】本発明の防黴用組成物は、材料素地の外観を変
えることなくかつ長期間防黴効果が持続するものであ
り、建築・土木構造物の湿度、温度の高い環境、通風の
不良な部位などにおける黴の発生を抑制あるいは防止す
る材料として極めて優れた効果を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加水分解性シラン化合
物または該シラン化合物と抗菌性リン酸塩を有効成分と
する防黴用組成物に関するものであり、更に詳しくは、
材料素地の外観を変えることなくかつ長期間防黴効果を
持続する防黴用組成物に関するものであり、建築・土木
構造物における湿度、温度の高い環境、通風の不良な部
位などにおける黴の発生を抑制あるいは防止することが
可能なものであるため、広く建築・土木業界で利用可能
なものである。
物または該シラン化合物と抗菌性リン酸塩を有効成分と
する防黴用組成物に関するものであり、更に詳しくは、
材料素地の外観を変えることなくかつ長期間防黴効果を
持続する防黴用組成物に関するものであり、建築・土木
構造物における湿度、温度の高い環境、通風の不良な部
位などにおける黴の発生を抑制あるいは防止することが
可能なものであるため、広く建築・土木業界で利用可能
なものである。
【0002】
【従来の技術】一般土木・建築物における風呂場等の水
回り、北側外壁面などの湿度あるいは温度が常に高い環
境あるいは地下室、倉庫内などの通風がない場所では、
黴の発生頻度が高い。黴の発生は建築物の美観を損なう
ばかりでなく、黴が分泌する有機酸によって構造物が直
接侵されたり、黴から発生する胞子が人体に悪影響を与
えたりするため、それらの場所における黴の発生を防止
することは従来から強く要求されている。一般に,土木
・建築構造物に黴が発生した場合には、次亜塩素酸ソー
ダ等によって簡単に殺菌、漂白されるが、その効果は一
時的なものであり、短期間で黴の発生に再度直面するの
が常である。このため、防黴効果を有する防黴剤を黴の
発生しやすい部位にあらかじめあるいは黴が発生してい
る場合は次亜塩素酸ソーダによる殺菌処理後に、塗布含
浸させることにより、黴の発生を防止することが試みら
れているが、それらの方法でも、ある期間黴の発生を防
止することは可能であるが、長期間効果を持続させるこ
とは不可能である。この原因として、防黴剤自体の安定
性の問題以前に、防黴剤が塗布基材から経時的に脱落
し、黴の発生を抑制することが可能な濃度以下に防黴剤
濃度が低下し、黴が発生しやすい条件に状態が変化する
ためである。これは黴の発生しやすい環境は、高温、高
湿でありかつ基材表面が湿潤状態になっており、この様
な条件下では黴が加速的に発生すると同時に、存在する
水分を媒体にして防黴剤が脱落していくためと考えられ
る。塗料の樹脂成分により、配合した防黴剤を固定し、
長期の防黴効果を期待した防黴塗料は、塗料ビヒクルの
耐水性の差異により、防黴効果に差を生じるため、防黴
剤を一定の割合で配合した防黴塗料は、ビヒクル成分に
より防黴性能に差があり、その使用方法を限定せざるを
得ないこと以外に、適用部位、目的などによっては、建
築物の外観を変えてしまうという欠点を有する。
回り、北側外壁面などの湿度あるいは温度が常に高い環
境あるいは地下室、倉庫内などの通風がない場所では、
黴の発生頻度が高い。黴の発生は建築物の美観を損なう
ばかりでなく、黴が分泌する有機酸によって構造物が直
接侵されたり、黴から発生する胞子が人体に悪影響を与
えたりするため、それらの場所における黴の発生を防止
することは従来から強く要求されている。一般に,土木
・建築構造物に黴が発生した場合には、次亜塩素酸ソー
ダ等によって簡単に殺菌、漂白されるが、その効果は一
時的なものであり、短期間で黴の発生に再度直面するの
が常である。このため、防黴効果を有する防黴剤を黴の
発生しやすい部位にあらかじめあるいは黴が発生してい
る場合は次亜塩素酸ソーダによる殺菌処理後に、塗布含
浸させることにより、黴の発生を防止することが試みら
れているが、それらの方法でも、ある期間黴の発生を防
止することは可能であるが、長期間効果を持続させるこ
とは不可能である。この原因として、防黴剤自体の安定
性の問題以前に、防黴剤が塗布基材から経時的に脱落
し、黴の発生を抑制することが可能な濃度以下に防黴剤
濃度が低下し、黴が発生しやすい条件に状態が変化する
ためである。これは黴の発生しやすい環境は、高温、高
湿でありかつ基材表面が湿潤状態になっており、この様
な条件下では黴が加速的に発生すると同時に、存在する
水分を媒体にして防黴剤が脱落していくためと考えられ
る。塗料の樹脂成分により、配合した防黴剤を固定し、
長期の防黴効果を期待した防黴塗料は、塗料ビヒクルの
耐水性の差異により、防黴効果に差を生じるため、防黴
剤を一定の割合で配合した防黴塗料は、ビヒクル成分に
より防黴性能に差があり、その使用方法を限定せざるを
得ないこと以外に、適用部位、目的などによっては、建
築物の外観を変えてしまうという欠点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、建築物
の意匠性を変えることなく、簡単に防黴処理が可能で、
長期に渡り防黴効果が持続する防黴用組成物を求めるこ
とを目的として研究を行ったのである。
の意匠性を変えることなく、簡単に防黴処理が可能で、
長期に渡り防黴効果が持続する防黴用組成物を求めるこ
とを目的として研究を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等の、前記目的
を達成するための広汎な防黴用組成物に関する研究の結
果、本発明は完成されたものである。
を達成するための広汎な防黴用組成物に関する研究の結
果、本発明は完成されたものである。
【0005】すなわち、本発明は加水分解性シラン化合
物、乳化剤、緩衝剤および水からなることを特徴とする
防黴用組成物に関する発明および該組成物に抗菌性リン
酸塩を配合した防黴用組成物に関する発明の2発明から
なるものである。
物、乳化剤、緩衝剤および水からなることを特徴とする
防黴用組成物に関する発明および該組成物に抗菌性リン
酸塩を配合した防黴用組成物に関する発明の2発明から
なるものである。
【0006】○加水分解性シラン化合物 加水分解性シラン化合物とは、加水分解性の官能基を有
するシラン化合物を意味し、一般的に良く知られ化合物
が本発明においても使用される。本発明にとり好適な加
水分解性シラン化合物として下記の構造式で示されるも
のを挙げることができる。 Rn−Si−(R1)4-n ここで、nは1、2あるいは3の整数である。Rは安定
な疎水性基であり、例えばアルキル基、フェニル基など
の炭化水素系の置換基であり、本発明においては飽和ア
ルキル基が疎水性の点で好ましい。R1 は加水分解性の
置換基等であり、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アセトキシ基、
カルボキシル基、イソシアネート基等であり、本発明に
おいては貯蔵安定性、取扱いの容易さからアルコキシ基
が好ましい。さらに、本発明においては、これも当該技
術分野において周知である、有機シラン化合物の縮合二
量体および三量体、あるいはその他のオリゴマーも使用
することができる。本発明において有用である加水分解
性シラン化合物の具体例として次のものを挙げることが
できる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジト
リエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシ
ラン、ブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキ
シシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチル
トリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、シ
クロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクチルトリ
メトキシシラン、オクチルトリイソプロポキシシラン、
2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメ
チキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデ
シルトリエトキシシランおよびこれらの二量体,三量体
およびその他のオリゴマーの単体および混合物がある。
これらの化合物の中では、アルキルアルコキシシランが
好ましく、特に好ましいものはアルキルトリアルコキシ
シランである。
するシラン化合物を意味し、一般的に良く知られ化合物
が本発明においても使用される。本発明にとり好適な加
水分解性シラン化合物として下記の構造式で示されるも
のを挙げることができる。 Rn−Si−(R1)4-n ここで、nは1、2あるいは3の整数である。Rは安定
な疎水性基であり、例えばアルキル基、フェニル基など
の炭化水素系の置換基であり、本発明においては飽和ア
ルキル基が疎水性の点で好ましい。R1 は加水分解性の
置換基等であり、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキ
シ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アセトキシ基、
カルボキシル基、イソシアネート基等であり、本発明に
おいては貯蔵安定性、取扱いの容易さからアルコキシ基
が好ましい。さらに、本発明においては、これも当該技
術分野において周知である、有機シラン化合物の縮合二
量体および三量体、あるいはその他のオリゴマーも使用
することができる。本発明において有用である加水分解
性シラン化合物の具体例として次のものを挙げることが
できる。メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジト
リエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシ
ラン、ブチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキ
シシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチル
トリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、シ
クロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクチルトリ
メトキシシラン、オクチルトリイソプロポキシシラン、
2−エチルヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメ
チキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデ
シルトリエトキシシランおよびこれらの二量体,三量体
およびその他のオリゴマーの単体および混合物がある。
これらの化合物の中では、アルキルアルコキシシランが
好ましく、特に好ましいものはアルキルトリアルコキシ
シランである。
【0007】これらの加水分解性シラン化合物は、単独
でまたは2種以上併用されて、本発明組成物の他の構成
成分である乳化剤と水とともに混合されて水性エマルシ
ョンないしはそれに近い状態で用いられるものであり、
シラン化合物の量は、組成物中に1〜60重量%存在す
るのが好ましく、10〜50重量%であるのがより好ま
しい。
でまたは2種以上併用されて、本発明組成物の他の構成
成分である乳化剤と水とともに混合されて水性エマルシ
ョンないしはそれに近い状態で用いられるものであり、
シラン化合物の量は、組成物中に1〜60重量%存在す
るのが好ましく、10〜50重量%であるのがより好ま
しい。
【0008】○乳化剤 本発明に用いられる乳化剤は前記加水分解性シラン化合
物を水性エマルションないしはそれに近い状態にする目
的で使用されるものであり、ノニオン性・アニオン性・
カチオン性の何れのタイプのものも使用できる。中でも
ノニオン性乳化剤を用いた加水分解性シラン化合物の水
性エマルションは乳化安定性が優れており好ましい。ア
ニオン性乳化剤やカチオン性乳化剤を用いる場合は加水
分解性シラン化合物の加水分解縮合が比較的早く発生し
効力が低下するため、調製後速やかに使用するのが好ま
しい。ノニオン性乳化剤としてはHLB=4〜22のタ
イプの物又はそれらの混合物が好適に使用できる。具体
例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート等が挙げられる。その
他の乳化剤のHLBとしては1.5〜22のものが好まし
く、より好ましくは4〜15である。乳化剤は、加水分
解性シラン化合物に対して0.1〜50重量%の範囲で使
用するのが好ましく、より好ましくは、1〜20重量%
の範囲の使用である。乳化剤の種類および配合物の濃度
の選択は、使用する加水分解性シラン化合物又はそれら
の混合物により変化するため、これらは実験的に検討、
決定しなければならない。又、これらの乳化剤は単体あ
るいは混合物として使用することもできる。
物を水性エマルションないしはそれに近い状態にする目
的で使用されるものであり、ノニオン性・アニオン性・
カチオン性の何れのタイプのものも使用できる。中でも
ノニオン性乳化剤を用いた加水分解性シラン化合物の水
性エマルションは乳化安定性が優れており好ましい。ア
ニオン性乳化剤やカチオン性乳化剤を用いる場合は加水
分解性シラン化合物の加水分解縮合が比較的早く発生し
効力が低下するため、調製後速やかに使用するのが好ま
しい。ノニオン性乳化剤としてはHLB=4〜22のタ
イプの物又はそれらの混合物が好適に使用できる。具体
例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン誘導体、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート等が挙げられる。その
他の乳化剤のHLBとしては1.5〜22のものが好まし
く、より好ましくは4〜15である。乳化剤は、加水分
解性シラン化合物に対して0.1〜50重量%の範囲で使
用するのが好ましく、より好ましくは、1〜20重量%
の範囲の使用である。乳化剤の種類および配合物の濃度
の選択は、使用する加水分解性シラン化合物又はそれら
の混合物により変化するため、これらは実験的に検討、
決定しなければならない。又、これらの乳化剤は単体あ
るいは混合物として使用することもできる。
【0009】○緩衝剤 緩衝剤は組成物の pHを特定範囲内に緩衝化し、加水分
解性シラン化合物の安定性を保持するために使用される
ものであり、広く知られているものが適宜本発明に用い
られる。加水分解性シラン化合物と乳化剤から調製した
シランエマルションは加水分解反応を起こし、その性能
を著しく低下させる恐れがあるため、加水分解可能なシ
ランエマルションを安定化させるために、緩衝剤で、該
エマルションの pHを一定範囲に維持するのであり、そ
の pH範囲としては6〜8が好ましく、その pH範囲で
シランエマルションは加水分解に対して安定化する。有
用な緩衝剤の代表例としては、有機酸、無機酸、塩基お
よびそれらの塩類、好ましくは、炭酸、りん酸、ヒドロ
硫酸、オルガノ−、モノ−あるいはポリカルボン酸、ア
ルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニアなどあるいは
これらの混合物である。具体的な化合物としては、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
ほう酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、モノ−、ジ−
あるいはトリエタノールアミン、アニリン、ケイ酸ナト
リウムなどが挙げられる。中でも、安全性、価格などの
面から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。使用される緩
衝剤の量は、前記目的を達成するために広範囲に設定す
ることができるが、一般的には全組成物中で0.01〜5
重量%であるのが好ましい。
解性シラン化合物の安定性を保持するために使用される
ものであり、広く知られているものが適宜本発明に用い
られる。加水分解性シラン化合物と乳化剤から調製した
シランエマルションは加水分解反応を起こし、その性能
を著しく低下させる恐れがあるため、加水分解可能なシ
ランエマルションを安定化させるために、緩衝剤で、該
エマルションの pHを一定範囲に維持するのであり、そ
の pH範囲としては6〜8が好ましく、その pH範囲で
シランエマルションは加水分解に対して安定化する。有
用な緩衝剤の代表例としては、有機酸、無機酸、塩基お
よびそれらの塩類、好ましくは、炭酸、りん酸、ヒドロ
硫酸、オルガノ−、モノ−あるいはポリカルボン酸、ア
ルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニアなどあるいは
これらの混合物である。具体的な化合物としては、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、
ほう酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、モノ−、ジ−
あるいはトリエタノールアミン、アニリン、ケイ酸ナト
リウムなどが挙げられる。中でも、安全性、価格などの
面から、炭酸水素ナトリウムが好ましい。使用される緩
衝剤の量は、前記目的を達成するために広範囲に設定す
ることができるが、一般的には全組成物中で0.01〜5
重量%であるのが好ましい。
【0010】上記成分の他に本発明組成物には各種の添
加剤を添加しても良く、例えば、シランエマルション中
において黴の発生を防ぐ殺生物剤、着色剤、消泡剤、潤
滑剤、付臭剤、増粘剤、ポリアクリル酸エステル、ポリ
ウレタンなどのポリマー結合材、防黴剤などを、基本組
成物の特性に影響を及ぼさない範囲で添加させることが
できる。
加剤を添加しても良く、例えば、シランエマルション中
において黴の発生を防ぐ殺生物剤、着色剤、消泡剤、潤
滑剤、付臭剤、増粘剤、ポリアクリル酸エステル、ポリ
ウレタンなどのポリマー結合材、防黴剤などを、基本組
成物の特性に影響を及ぼさない範囲で添加させることが
できる。
【0011】〇抗菌性リン酸塩 抗菌性リン酸塩としては、銀、銅、亜鉛、錫、水銀、
鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ひそ、アンチ
モン、ビスマス、バリウム、カドミウムおよびクロムイ
オン等の抗菌性を示す金属イオンのリン酸塩を挙げるこ
とができ、特開平2−96508号、特開平3−434
57号、特開平3−83905号、特開平3−8390
6号等で開示されているものを含めて広く利用すること
ができる。
鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、ひそ、アンチ
モン、ビスマス、バリウム、カドミウムおよびクロムイ
オン等の抗菌性を示す金属イオンのリン酸塩を挙げるこ
とができ、特開平2−96508号、特開平3−434
57号、特開平3−83905号、特開平3−8390
6号等で開示されているものを含めて広く利用すること
ができる。
【0012】抗菌性リン酸塩として下記一般式で示され
るリン酸塩は本発明の目的を効率的に達成するために好
ましいものである。 M1 aAbM2 c(PO4)d・nH2O ただし、M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバ
ルト、ニッケル、マンガン、ひそ、アンチモン、ビスマ
ス、バリウム、カドミウム又はクロムから成る群より選
ばれる少なくとも1種以上の金属、Aはアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、水素イオン又はアンモ
ニウムイオンから選ばれる少なくとも1種以上のイオ
ン、M2は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす
数、aおよびbは正数であり、1a+mb=1の時c=
2、d=3、1a+mb=2の時c=1、d=2であ
る。ただし、lはM1の価数であり,mはAの価数であ
る。
るリン酸塩は本発明の目的を効率的に達成するために好
ましいものである。 M1 aAbM2 c(PO4)d・nH2O ただし、M1は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバ
ルト、ニッケル、マンガン、ひそ、アンチモン、ビスマ
ス、バリウム、カドミウム又はクロムから成る群より選
ばれる少なくとも1種以上の金属、Aはアルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、水素イオン又はアンモ
ニウムイオンから選ばれる少なくとも1種以上のイオ
ン、M2は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす
数、aおよびbは正数であり、1a+mb=1の時c=
2、d=3、1a+mb=2の時c=1、d=2であ
る。ただし、lはM1の価数であり,mはAの価数であ
る。
【0013】上記一般式で示されるリン酸塩は、1a+
mb=1、c=2、d=3の時、アモルファス又は網目
状構造であり、1a+mb=2、c=1、d=2の時、
アモルファス又は層状構造を有する化合物である。中で
も、本発明にとり特に好ましいものは網目状構造物であ
る。
mb=1、c=2、d=3の時、アモルファス又は網目
状構造であり、1a+mb=2、c=1、d=2の時、
アモルファス又は層状構造を有する化合物である。中で
も、本発明にとり特に好ましいものは網目状構造物であ
る。
【0014】リン酸塩中の金属、すなわち銀、銅、亜
鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ン、ひそ、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウ
ムおよびクロムは防黴および抗菌性に効力を有するもの
であり、安全性および抗菌力を考慮すると、本発明にと
り好ましいものとして銀が挙げられる。アルカリ金属イ
オンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムおよび
アンモニウムが本発明にとり好ましいものである。四価
金属としては、ジルコニウム、チタニウムおよび錫が挙
げられるが、安全性を考慮すると、好ましいものはジル
コニウム又はチタンである。
鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ン、ひそ、アンチモン、ビスマス、バリウム、カドミウ
ムおよびクロムは防黴および抗菌性に効力を有するもの
であり、安全性および抗菌力を考慮すると、本発明にと
り好ましいものとして銀が挙げられる。アルカリ金属イ
オンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムおよび
アンモニウムが本発明にとり好ましいものである。四価
金属としては、ジルコニウム、チタニウムおよび錫が挙
げられるが、安全性を考慮すると、好ましいものはジル
コニウム又はチタンである。
【0015】上記リン酸塩の具体例としては以下のもの
が挙げられる。 Ag0 .005Li0 . 9 9 5Zr2(PO4)3 Ag0 . 0 1(NH4)0 . 9 9Zr2(PO4)3 Ag0 . 0 5Na0 . 9 5Zr2(PO4)3 Ag0 . 2K0 . 8Ti2(PO4)3 および上式におけるAg をZn 、Mn 、Ni 、Pb、Hg
、Sn 又はCu と置換した化合物。 Ag0 . 0 0 1Li1 . 9 9 9Zr(PO4)2 Ag0 . 0 1Na1 . 9 9Zr(PO4)2 Ag0 . 0 1K1 . 9 9Sn(PO4)2・1.2H2O Ag0 . 1(NH4)1 . 9Ti(PO4)2・4H2O および上式におけるAg をZn 、Mn 、Ni 、Pb、Hg
、Sn 又はCu と置換した化合物。
が挙げられる。 Ag0 .005Li0 . 9 9 5Zr2(PO4)3 Ag0 . 0 1(NH4)0 . 9 9Zr2(PO4)3 Ag0 . 0 5Na0 . 9 5Zr2(PO4)3 Ag0 . 2K0 . 8Ti2(PO4)3 および上式におけるAg をZn 、Mn 、Ni 、Pb、Hg
、Sn 又はCu と置換した化合物。 Ag0 . 0 0 1Li1 . 9 9 9Zr(PO4)2 Ag0 . 0 1Na1 . 9 9Zr(PO4)2 Ag0 . 0 1K1 . 9 9Sn(PO4)2・1.2H2O Ag0 . 1(NH4)1 . 9Ti(PO4)2・4H2O および上式におけるAg をZn 、Mn 、Ni 、Pb、Hg
、Sn 又はCu と置換した化合物。
【0016】上記のリン酸塩の合成方法には焼成法、湿
式法および水熱法が挙げられるが、例えば、網目状構造
リン酸ジルコニウムの合成は水熱法により以下のように
して容易に得ることができる。即ち、硫酸ジルコニウム
水溶液中に撹拌しながらリン酸を加える。苛性ソーダ水
溶液にて pHを2に調整し、密閉容器中に移して、36
時間150℃の飽和水蒸気圧下で熟成後、沈澱物をろ
過、水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウム
[NaZr2(PO4)3]を得る。更に、これを適当な濃
度で抗菌性金属を含有する水溶液中に浸漬することによ
り、抗菌性を有するリン酸塩[MaNabZr2(P
O4)3]が得られる。
式法および水熱法が挙げられるが、例えば、網目状構造
リン酸ジルコニウムの合成は水熱法により以下のように
して容易に得ることができる。即ち、硫酸ジルコニウム
水溶液中に撹拌しながらリン酸を加える。苛性ソーダ水
溶液にて pHを2に調整し、密閉容器中に移して、36
時間150℃の飽和水蒸気圧下で熟成後、沈澱物をろ
過、水洗、乾燥、粉砕し、網目状リン酸ジルコニウム
[NaZr2(PO4)3]を得る。更に、これを適当な濃
度で抗菌性金属を含有する水溶液中に浸漬することによ
り、抗菌性を有するリン酸塩[MaNabZr2(P
O4)3]が得られる。
【0017】上記のリン酸塩において、一般に、aの値
が極めて小さい場合でも防黴および抗菌性を発揮させる
ことができるが、0.001未満であると、長時間防黴お
よび抗菌性を発揮することが困難となる恐れがあること
と、経済性も考慮すると、0.01以上かつ0.5以下の値
とすることが好ましい。 又、aの値は必要とする特性
および使用条件等に応じて、水溶液における金属の濃度
又は温度等を調整することにより、適宜調整することが
できる。
が極めて小さい場合でも防黴および抗菌性を発揮させる
ことができるが、0.001未満であると、長時間防黴お
よび抗菌性を発揮することが困難となる恐れがあること
と、経済性も考慮すると、0.01以上かつ0.5以下の値
とすることが好ましい。 又、aの値は必要とする特性
および使用条件等に応じて、水溶液における金属の濃度
又は温度等を調整することにより、適宜調整することが
できる。
【0018】上記のリン酸塩は熱および光の暴露に対し
て安定であり、500℃、ものによっては800℃での
加熱後であっても構造および組成が全く変化せず、紫外
線の照射によっても何等変色を起こさない。又、酸性溶
液中でも骨格構造の変化が見られない。従って、使用時
の条件において、従来の抗菌剤のように、加熱温度ある
いは遮光条件等の制約を受けることがない。
て安定であり、500℃、ものによっては800℃での
加熱後であっても構造および組成が全く変化せず、紫外
線の照射によっても何等変色を起こさない。又、酸性溶
液中でも骨格構造の変化が見られない。従って、使用時
の条件において、従来の抗菌剤のように、加熱温度ある
いは遮光条件等の制約を受けることがない。
【0019】抗菌性リン酸塩の添加量としては,組成物
に対して、好ましくは0.01〜10重量%、抗菌効果お
よび経済性を考慮すると、より好ましくは0.05〜1重
量%である。
に対して、好ましくは0.01〜10重量%、抗菌効果お
よび経済性を考慮すると、より好ましくは0.05〜1重
量%である。
【0020】○適用方法 本発明組成物を適用するに適した建築下地としては、珪
酸化合物を主体とする無機物質であり、具体的には、セ
メントコンクリート、モルタルおよびセメント二次製
品、陶磁器タイル等のセラミックス類および石材等であ
る。本発明組成物の建築・土木材料への適用方法とし
て、通常、塗料の施工において使用されるすべての手法
が用いられる。具体的には、スプレー法、ローラー法、
ハケ塗り等が使用できる。工場加工されるサイディング
ボード、PC板等の建築・土木材料においては、フロー
コーター、ディッピング等による工場処理も可能であ
る。家庭で簡単に処理する方法としては、フレオン又は
プロパン封入によるエアゾール型の小型スプレー容器に
よる手法が使用できる。本発明組成物の建築・土木材料
への適用量としては、建築・土木材料の空隙率および表
面状態によって異なるが、セメントモルタル、コンクリ
ート等の比較的緻密な材料においては、0.1〜0.5l/
m2 、軽量気泡コクリート等のポーラスな材料では0.3
〜1.0l/m2 が適当であり、均一に処理するためには
適度に塗重ねることが望ましい。
酸化合物を主体とする無機物質であり、具体的には、セ
メントコンクリート、モルタルおよびセメント二次製
品、陶磁器タイル等のセラミックス類および石材等であ
る。本発明組成物の建築・土木材料への適用方法とし
て、通常、塗料の施工において使用されるすべての手法
が用いられる。具体的には、スプレー法、ローラー法、
ハケ塗り等が使用できる。工場加工されるサイディング
ボード、PC板等の建築・土木材料においては、フロー
コーター、ディッピング等による工場処理も可能であ
る。家庭で簡単に処理する方法としては、フレオン又は
プロパン封入によるエアゾール型の小型スプレー容器に
よる手法が使用できる。本発明組成物の建築・土木材料
への適用量としては、建築・土木材料の空隙率および表
面状態によって異なるが、セメントモルタル、コンクリ
ート等の比較的緻密な材料においては、0.1〜0.5l/
m2 、軽量気泡コクリート等のポーラスな材料では0.3
〜1.0l/m2 が適当であり、均一に処理するためには
適度に塗重ねることが望ましい。
【0021】
【作用】加水分解性シラン化合物は、上記の材料に深く
浸透した後、材料のシラノール( Si−OH) と化学的
に結合し、材料を疎水化することによって、防黴効果を
発揮するものと推定され、その効果は長期に渡り持続す
る。
浸透した後、材料のシラノール( Si−OH) と化学的
に結合し、材料を疎水化することによって、防黴効果を
発揮するものと推定され、その効果は長期に渡り持続す
る。
【0022】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定
されるものではない。なお、実施例および比較例におけ
る%はすべて重量%であり、実施例における試験方法は
以下に示す通りである。
を更に具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定
されるものではない。なお、実施例および比較例におけ
る%はすべて重量%であり、実施例における試験方法は
以下に示す通りである。
【0023】※供試体の作製 JIS R 5201(セメントの物理試験方法)の
9.4.2項に規定する寸法50×50×10mmの市販
のセメントモルタル板およびJIS A 5403(石
綿スレート)に規定する寸法50×50×3mmのフレキ
シブル板を使用した。これらの試験板を本発明組成物に
モルタル板においては20秒および石綿スレート板にお
いては10秒間ディッピング処理し,3日乾燥(20
℃、60%R.H.)養生後、水洗し、2日乾燥および
ドライアイスで中和して供試体を作製した。
9.4.2項に規定する寸法50×50×10mmの市販
のセメントモルタル板およびJIS A 5403(石
綿スレート)に規定する寸法50×50×3mmのフレキ
シブル板を使用した。これらの試験板を本発明組成物に
モルタル板においては20秒および石綿スレート板にお
いては10秒間ディッピング処理し,3日乾燥(20
℃、60%R.H.)養生後、水洗し、2日乾燥および
ドライアイスで中和して供試体を作製した。
【0024】※黴抵抗性試験 JIS Z 2911(黴抵抗性試験方法)に準拠し
て、下記方法に従い黴抵抗性試験を行った。なお、試験
菌種として下記の3種を使用した。 アスペルギルス テレウス FERM S−3 ペニシリウム フニクロスム FERM S−6 クラドスポリウム クラドスポリオイデス FER
M S−8 1.JIS変法(無栄養寒天培地) JIS Z 2911の方法により調製した胞子懸濁液
に供試体を浸漬し、無栄養寒天平板上に置き、28℃で
20日間培養した。なお、胞子懸濁液組成は、生理食塩
水にTween−80を0.2%および麦芽エキス0.1%添加
したものを使用した。 2.サブロー寒天法 JIS Z 2911の方法により調製した胞子懸濁液
に供試体を浸漬し、サブロー寒天平板上に置き、28℃
で20日間培養した。 3.評価方法 表1に示す試験結果の表示方法により、各試験による黴
抵抗性の評価を行った。
て、下記方法に従い黴抵抗性試験を行った。なお、試験
菌種として下記の3種を使用した。 アスペルギルス テレウス FERM S−3 ペニシリウム フニクロスム FERM S−6 クラドスポリウム クラドスポリオイデス FER
M S−8 1.JIS変法(無栄養寒天培地) JIS Z 2911の方法により調製した胞子懸濁液
に供試体を浸漬し、無栄養寒天平板上に置き、28℃で
20日間培養した。なお、胞子懸濁液組成は、生理食塩
水にTween−80を0.2%および麦芽エキス0.1%添加
したものを使用した。 2.サブロー寒天法 JIS Z 2911の方法により調製した胞子懸濁液
に供試体を浸漬し、サブロー寒天平板上に置き、28℃
で20日間培養した。 3.評価方法 表1に示す試験結果の表示方法により、各試験による黴
抵抗性の評価を行った。
【0025】
【表1】
【0026】実施例 1 加水分解性シラン化合物としてヘキシルトリエトキシシ
ラン200gと乳化剤としてHLB15のポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル8gとの混合物に対
し、脱イオン水292gおよび緩衝剤として炭酸水素ナ
トリウム0.1%添加し、エマルション状態の本発明組成
物を調製した。これをセメントモルタル板および石綿ス
レート板に塗布し、黴抵抗性試験を行った。試験結果を
表2に示す。JIS変法について、セメントモルタル板
および石綿スレート板共に黴抵抗は無処理に比べて向上
するが、サブロー寒天法においてはS−6およびS−8
を阻止することができなかった。
ラン200gと乳化剤としてHLB15のポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル8gとの混合物に対
し、脱イオン水292gおよび緩衝剤として炭酸水素ナ
トリウム0.1%添加し、エマルション状態の本発明組成
物を調製した。これをセメントモルタル板および石綿ス
レート板に塗布し、黴抵抗性試験を行った。試験結果を
表2に示す。JIS変法について、セメントモルタル板
および石綿スレート板共に黴抵抗は無処理に比べて向上
するが、サブロー寒天法においてはS−6およびS−8
を阻止することができなかった。
【0027】実施例 2 炭酸リチウム、酸化ジルコニウムおよびリン酸二水素ア
ンモニウムをモル比で1:4:6になるように仕込み、
十分に混合した後、1300℃で焼成し、リン酸ジルコ
ニウム〔LiZr2(PO4 )3 〕を得た。得られたリン
酸ジルコニウムを硝酸銀水溶液に添加し、室温で10時
間撹拌した後、十分に水洗し、乾燥することにより抗菌
性リン酸塩〔Ag0 .1Li0 .9Zr2(PO4 )3 〕を調製し
た。これを、実施例1により調製した組成物に0.01、
0.1および1.0%添加し、防黴用組成物を調製した。こ
れをセメントモルタル板および石綿スレート板に塗布
し、黴抵抗性試験を行った。試験結果を表2に示す。J
IS変法において、セメントモルタル板では0.1%およ
び石綿スレート板では0.01%で優れた黴抵抗性を示し
た。又、サブロー寒天法においては、モルタル板では0.
1%でS−3およびS−6で優れた黴抵抗性が認められ
たが、S−8ではやや菌糸の増殖が認められた。一方、
石綿スレート板では1.0%でS−3に対し阻止したが、
S−6およびS−8においてはやや阻止した。
ンモニウムをモル比で1:4:6になるように仕込み、
十分に混合した後、1300℃で焼成し、リン酸ジルコ
ニウム〔LiZr2(PO4 )3 〕を得た。得られたリン
酸ジルコニウムを硝酸銀水溶液に添加し、室温で10時
間撹拌した後、十分に水洗し、乾燥することにより抗菌
性リン酸塩〔Ag0 .1Li0 .9Zr2(PO4 )3 〕を調製し
た。これを、実施例1により調製した組成物に0.01、
0.1および1.0%添加し、防黴用組成物を調製した。こ
れをセメントモルタル板および石綿スレート板に塗布
し、黴抵抗性試験を行った。試験結果を表2に示す。J
IS変法において、セメントモルタル板では0.1%およ
び石綿スレート板では0.01%で優れた黴抵抗性を示し
た。又、サブロー寒天法においては、モルタル板では0.
1%でS−3およびS−6で優れた黴抵抗性が認められ
たが、S−8ではやや菌糸の増殖が認められた。一方、
石綿スレート板では1.0%でS−3に対し阻止したが、
S−6およびS−8においてはやや阻止した。
【0028】比較例 本発明による防黴用組成物で処理せずに、セメントモル
タル板および石綿スレート板を使用して黴抵抗性試験を
行ったものは、JIS変法およびサブロー寒天法共に菌
糸の増殖が顕著であった。
タル板および石綿スレート板を使用して黴抵抗性試験を
行ったものは、JIS変法およびサブロー寒天法共に菌
糸の増殖が顕著であった。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明による防黴用組成物は、材料素地
の外観を変えることなくかつ長期間防黴効果が持続する
ものであり、建築・土木構造物の湿度、温度の高い環
境、通風の不良な部位などにおける黴の発生を抑制ある
いは防止する材料として極めて優れた効果を発揮する。
の外観を変えることなくかつ長期間防黴効果が持続する
ものであり、建築・土木構造物の湿度、温度の高い環
境、通風の不良な部位などにおける黴の発生を抑制ある
いは防止する材料として極めて優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 晃治 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 加藤 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成化学工業株式会社名古屋総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 加水分解性シラン化合物、乳化剤、緩
衝剤および水からなることを特徴とする防黴用組成物。 - 【請求項2】 抗菌性リン酸塩を含有することを特徴
とする請求項1記載の防黴用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23862591A JPH0558830A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 防黴用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23862591A JPH0558830A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 防黴用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558830A true JPH0558830A (ja) | 1993-03-09 |
Family
ID=17032928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23862591A Pending JPH0558830A (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 防黴用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0558830A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09509939A (ja) * | 1994-03-04 | 1997-10-07 | イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー | 加水分解されたシランエマルジョン及び表面コーティングとしてのそれらの使用 |
-
1991
- 1991-08-26 JP JP23862591A patent/JPH0558830A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09509939A (ja) * | 1994-03-04 | 1997-10-07 | イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー | 加水分解されたシランエマルジョン及び表面コーティングとしてのそれらの使用 |
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