JPH0558825A - 抗菌性樹脂材料およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性樹脂材料およびその製造方法

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JPH0558825A
JPH0558825A JP24431491A JP24431491A JPH0558825A JP H0558825 A JPH0558825 A JP H0558825A JP 24431491 A JP24431491 A JP 24431491A JP 24431491 A JP24431491 A JP 24431491A JP H0558825 A JPH0558825 A JP H0558825A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた抗菌力を有する抗菌性樹脂材料及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 合成樹脂基材の表面に、一般式(I)で表わ
される重合体を被覆してなる抗菌性樹脂材料。 【化1】 (R1 ,R2 ,R3 ;水素原子、ヒドロキシ基、炭素原
子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基を示し、アルキル基,アリール
基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ
基で置換されていてもよい。X- ;アニオン、n;2以
上の整数)合成樹脂基材の表面に、一般式(II)で表
わされる単量体、光増感剤、溶剤からなる光重合性組成
物を塗布した後、光を照射して前記単量体をグラフト重
合させる製造方法。 【化2】 (R1 ,R2 ,R3 ,X- は前記と同じものを示す。)
合成樹脂基材の表面に、ハロメチルスチレン、光増感
剤、溶剤からなる光重合性組成物を塗布した後、光を照
射して前記単量体をグラフト重合させ、次いで得られた
重合体鎖中の感応基をホスホニウム塩に転換させる製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性樹脂材料およびそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは合成樹脂基材の表面
に抗菌性を有するラジカル重合性モノ不飽和単量体をグ
ラフト重合させてた抗菌性樹脂材料およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】我々を取りまく環境において、例えば工
業用、農業用又は食品添加用などの分野で実に多種類の
抗菌剤が用いられている。現在使用されている抗菌剤の
大部分は、少なからず高い毒性を有する合成抗菌剤であ
る。しかし、近年抗菌剤の毒性の低下を目的とした研究
が進展し、不溶性で毒性を殆ど示さない固定化抗菌剤が
開発されている。
【0003】固定化抗菌剤であるポリマー型抗菌剤とし
て、例えばポリビニル、ポリアクリレート、ポリメタア
クリレート、ポリエステルおよびポリアミドなどのポリ
マー鎖に、ペンダント型に抗菌剤を固定したものが報告
されている。具体的には、ポリビニル鎖には、アルキル
ピリジニウム塩およびアルキルジメチルベンジルアンモ
ニウム塩が固定され、ポリアクリレート鎖とポリメタク
リレート鎖には、ビグアナイト類が固定され、またポリ
エステル鎖およびポリアミド鎖には、アルキルピリジニ
ウム塩が固定されている。これらの中で、実用化あるい
は研究中の固定化抗菌剤のほとんどが四級アンモニウム
塩系である。
【0004】他方、ホスホニウム塩化合物は、種々の含
窒素化合物と同様に生物学的活性化学物質として知られ
ており、細菌類、真菌類、藻類に対して広い活性スペク
トルを持っている。これらに関するものとしては、例え
ば特開昭63−60903号公報、特開平1−9359
6号公報、特公平2−58998号公報等に報告されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、四級ア
ンモニウム塩系固定化抗菌剤は、広い抗菌スペクトルを
有すが、短時間の塗布で微生物に作用する殺菌効果が未
だ充分でない。また、前記ホスホニウム塩化合物も同様
に充分な抗菌力を有していない。
【0006】本発明者らは、上記事実に鑑み、鋭意研究
を行った結果、合成樹脂基材の表面に抗菌性を有するラ
ジカル重合性モノ不飽和単量体をグラフト重合させると
優れた抗菌力を示す抗菌性樹脂材料が得られるという事
実を見いだし、本発明を完成するに到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、合
成樹脂基材の表面に、下記一般式(I)で表わされる重
合体を被覆してなることを特徴とする抗菌性樹脂材料で
ある。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 ,R2 およびR3 は水素原
子、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜18の直鎖状または
分岐状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示
し、アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒド
ロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。
- はアニオン、nは2以上の整数を示す。)また、本
発明は、合成樹脂基材の表面に、下記一般式(II)で
表わされる単量体、光増感剤、溶剤からなる光重合性組
成物を塗布した後、光を照射して前記単量体をグラフト
重合させることを特徴とする抗菌性樹脂材料の製造方法
である。
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1 ,R2 およびR3 は水素原
子、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜18の直鎖状または
分岐状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示
し、アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒド
ロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。
- はアニオンを示す。)
【0012】さらに、本発明は、合成樹脂基材の表面
に、ハロメチルスチレン、光増感剤、溶剤からなる光重
合性組成物を塗布した後、光を照射して前記単量体をグ
ラフト重合させ、次いで得られた重合体鎖中の感応基を
ホスホニウム塩に転換させることを特徴とする抗菌性樹
脂材料の製造方法である。
【0013】以下に、本発明をさらに詳細に説明をす
る。本発明に適用できる合成樹脂基材としては、例えば
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン,ポリス
チレン,ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、フェノー
ル,エポキシ,ポリイミド等の熱硬化性樹脂を用いるこ
とができる。これらの合成樹脂基材の形状については特
に限定されないが、多くの場合フィルム,板状またはビ
ーズ状のものが用いられる。
【0014】本発明に係る抗菌性樹脂材料は、合成樹脂
基材の表面に、抗菌性を有する下記一般式(I)で表わ
される重合体(以下、重合体Iと記す)で被覆してなる
ものである。
【0015】
【化5】
【0016】重合体Iは、抗菌性を有する下記一般式
(II)で表わされるラジカル重合性モノ不飽和単量体
(以下、単量体IIと記す)をグラフト重合させてなる
ものであり、抗菌性を有する単量体IIはビニル基を有
するホスホニウム塩を有効成分とすることを特徴とす
る。
【0017】
【化6】
【0018】上記の一般式(I),(II)において、
その式中のR1 〜R3 の具体例としては、水素原子;ヒ
ドロキシ基;メチル、エチル、ブチル、プロピル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、イソ
プロピル等の炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状
のアルキル基;フェニル、トリル、キシリル等のアリー
ル基;ベンジル、フェニチル等のアラルキル基;前記ア
ルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ
基またはアルコキシ基で置換されているものでもよい;
等が挙げられる。それらの中でも好ましくは、アルキル
基、アリール基、アラルキル基、さらに好ましくは、ア
ルキル基、アリール基である。また、R1 、R2 および
3 は、同一の基であってもよく、異なっている基でも
よい。
【0019】X- は、アニオンを示し、例えばフッ素,
塩素,臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、ギ酸,酢
酸,シュウ酸等のカルボキシルイオン、硫酸イオン、リ
ン酸イオン、メチルまたはジメチルリン酸、エチルまた
はジエチルリン酸、フッ化アンチモニオン、フッ化リン
イオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過塩
素酸イオン等が挙げられ、それらの中でもハロゲンイオ
ンが好ましい。
【0020】nは重合度を示し、2以上の整数であり、
好ましくは5以上である。nが2未満では、抗菌活性の
低下を招くので好ましくない。
【0021】その単量体IIは、一般式(II)の式中
のR1 〜R3 がアルキル基である場合において、例えば
メチル、エチル、ブチルの如き低級アルキル基の場合に
は水溶性であり、同時にアルコール等の有機溶媒に溶解
する。また、R1 〜R3 のアルキル鎖が大きくなるにし
たがって、例えばペンチル、ヘキシル、オクチルと溶解
度は減少してくる。
【0022】また、X- のアニオンは通常ハロゲンイオ
ンが好ましいが、アニオンをフッ化アンチモンイオン、
フッ化リンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イ
オン、過塩素酸イオンにした場合には、ホスホニウム塩
のR1 〜R3 を何れの基にしても水不溶性のモノマーに
なる。
【0023】つまり、本発明における単量体IIからな
る抗菌剤は、一般式(II)の式中のR1 〜R3 及びX
- を変えることにより、水溶性、水分散性、不溶性殺菌
剤として使用目的に応じて抗菌剤を設計できる。抗菌効
果は、ホスホニウム塩のアルキル基の長さの影響を受
け、例えばメチル、エチル、ブチル、オクチルと抗菌効
果が高くなる。
【0024】上記の単量体IIは、いかなる方法で製造
してもよいが、例えば下記の合成経路により製造するこ
とができる。
【0025】
【化7】
【0026】反応終了後、析出した沈澱を濾過し、洗浄
すれば上記モノマーが得られる。
【0027】該単量体IIが光重合性組成物中に占める
割合は、0.01〜100g/cm2、好ましくは0.
1〜50g/cm2の範囲である。この割合が0.01
g/cm2 未満では合成樹脂基材の表面にち密なグラ
フト反応をおこなうことができず、また抗菌力も十分で
はない。他方、100g/cm2を越えると抗菌力は十
分であるが、グラフト重合反応が不十分となる虞があ
る。
【0028】次に、本発明の抗菌性樹脂材料の製造方法
は、主に次の2つの態様が考えられる。その第一は、合
成樹脂基材の表面に、前記一般式(II)に示すラジカ
ル重合性モノ不飽和単量体、光増感剤、溶剤からなる光
重合性組成物を塗布した後、活性光線を照射して該単量
体を合成樹脂表面にグラフト重合させることを特徴とし
て抗菌性樹脂材料を製造する方法である。
【0029】第二は、合成樹脂基材表面に、ハロメチル
スチレン、光増感剤、溶剤からなる光重合性組成物を塗
布した後、活性光線を照射して該単量体を合成樹脂表面
にグラフト重合させた後、得られた重合体鎖中の官能基
をホスホニウム塩に転換させ抗菌力を付与させることを
特徴として抗菌性樹脂材料を製造する方法である。
【0030】これらの製造方法は、化合物の設計や目的
物の用途によって適宜選択できるが、後者の製造法は、
合成樹脂基材表面にクロロメチルスチレンを直接溶剤な
しに塗布させて不活性雰囲気下でグラフト重合させるこ
とが可能であり、またその官能基を容易にホスホニウム
塩に転換できることから、工業的には有利な方法であ
る。
【0031】上記において、ラジカルモノ不飽和単量体
としては、例えばトリエチル−3−ビニルベンジルホス
ホニウムクロライドとトリエチル−4−ビニルベンジル
ホスホニウムクロライド、トリブチル−3−ビニルベン
ジルホスホニウムクロライドとトリブチル−4−ビニル
ベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニル−3−
ビニルベンジルホスホニウムクロライドとトリフェニル
−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリオ
クチル−3−ビニルベンジルホスホニウムクロライドと
トリオクチル−4−ビニルベンジルホスホニウムクロラ
イド、トリエチル−3−ビニルベンジルホスホニウムブ
ロマイドとトリエチル−4−ビニルベンジルホスホニウ
ムブロマイド、トリエチル−3−ビニルベンジルホスホ
ニウムテトラフロロボレートとトリエチル−4−ビニル
ベンジルホスホニウムテトラフロロボレート、等を挙げ
ることができる。
【0032】上記光重合性組成物を構成する光増感剤
は、合成樹脂基材の表面から水素を引き抜いてグラフト
活性点を形成させる機能成分で、例えばベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、p−クロ
ルベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、アセ
トフェノン、トリクロロアセトフェノンなどのカルボニ
ル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィドなどのイオウ化合物、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを挙げることが
できる。これらは単独でも2種以上を混合して使用して
もよい。
【0033】該光増感剤の光重合性組成物中に占める割
合は、特に限定されるわけではないが、0.1〜30重
量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%であ
る。この割合が0.1重量%未満ではグラフト重合が起
こらず、一方30重量%を越えると重合反応における停
止反応が多くなって、光重合性組成物の脆弱な皮膜が形
成されるので好ましくない。
【0034】なお、光重合性組成物において使用される
溶剤は、単量体IIおよび光増感剤を均一に分散溶解す
るのに必要なものであればよく、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの低級
アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブなどの低級アルキルセロソルブ、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどの低級アルキルエステル、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの低級ア
ルキルケトン類等を挙げることができ、これらを単独ま
たは混合溶剤として用いることができる。
【0035】光重合性組成物には、上記成分のほかに、
必要に応じて増粘剤、各種の添加剤を配合することがで
きる。
【0036】上記の成分組成からなる液状の光重合性組
成物は合成樹脂基材の表面に塗布し、この系に活性光線
を照射して合成樹脂表面にモノマーをグラフト重合させ
る。活性光線の好適な照射時間は、5秒から120分間
である。なお、この際に窒素ガス等の不活性雰囲気下で
行うのが好ましい。また、光重合性組成物を塗布する方
法は、通常行なわれている浸漬法、噴霧法、ローラコー
チング法、フローコート法等を使用できる。
【0037】活性光線の光源には、例えば蛍光灯、低圧
水銀灯、高圧水銀灯、水素放電灯、金属ハライド灯、キ
セノン灯、カーボンアーク灯、タングステン白熱灯、太
陽光線など200〜500nmの範囲の波長を発生させ
るものが用いられる。
【0038】本発明の抗菌性樹脂材料は、特に医療器
具、繊維、建築材料、空気の除菌を目的としたフィルタ
ー等の用途に好適である。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明を
する。 実施例1 クロロメチルスチレン3.82g、ベンゾフェノン0.
46gをアセトンに溶解した液12.5mlをポリプロ
ピレンフィルムに塗布し、フィルムを通して下部より4
cmの距離から高圧水銀灯(300W)を1時間照射し
た。照射後、クロロホルムで十分洗浄し、乾燥してポリ
プロピレンフィルムにクロロメチルスチレンモノマーを
グラフト重合させた。次いで、このフィルムをトリブチ
ルホスフィン5mlとn−ヘキサン5mlの混合液中に
浸漬し、還流下に12時間撹拌し、ホスホニウム塩を形
成させた。得られた抗菌性樹脂フィルムには、0.17
1g/cm2 の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0040】実施例2 実施例1と同様に高圧水銀灯を5時間照射した以外は実
施例1と同様の方法で抗菌性樹脂フィルムを得た。得ら
れた抗菌性樹脂フィルムには、2.705g/cm2
抗菌性重合体が被覆されていた。
【0041】実施例3 実施例1と同様に高圧水銀灯を10時間照射した以外は
実施例1と同様の方法で抗菌性樹脂フィルムを得た。得
られた抗菌性樹脂フィルムには、12.953g/cm
2 の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0042】実施例4 実施例1と同様にクロロメチルスチレンをポリプロピレ
ンフィルムにグラフト重合させた後、トリオクチルホス
フィン5mlとn−ヘキサン5mlの混合液中にフィル
ムを浸漬し、還流下に12時間撹拌し、ホスホニウム塩
を形成させた。得られた抗菌性樹脂フィルムには、0.
240g/cm2 の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0043】実施例5 実施例4と同様に高圧水銀灯を5時間照射した以外は実
施例4と同様の方法で抗菌性樹脂フィルムを得た。得ら
れた抗菌性樹脂フィルムには、2.484g/cm2
抗菌性重合体が被覆されていた。
【0044】実施例6 実施例4と同様に高圧水銀灯を10時間照射した以外は
実施例4と同様の方法で抗菌性樹脂フィルムを得た。得
られた抗菌性樹脂フィルムには、8.517g/cm2
の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0045】実施例7 実施例3と同様に、ポリエチレンフィルムにクロロメチ
ルスチレンをグラフト重合させた抗菌性樹脂フィルムを
得た。得られた抗菌性樹脂フィルムには、12.951
g/cm2 の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0046】実施例8 トリブチル−3−(ビニルベンジル)ホスホニウムクロ
ライドとトリブチル−4−(ビニルベンジル)ホスホニ
ウムクロライド4.44g、ベンゾフェノン0.46g
をアセトンに溶解した液12.5mlをポリプロピレン
フィルムに塗布し、フィルムを通して下部より4cmの
距離から高圧水銀灯(300W)を10時間照射した。
照射後、アセトンで十分洗浄し、乾燥してポリプロピレ
ンフィルムにトリブチル−3−(ビニルベンジル)ホス
ホニウムクロライドとトリブチル−4−(ビニルベンジ
ル)ホスホニウムクロライドをグラフト重合させた。得
られた抗菌性樹脂フィルムには、12.955g/cm
2 の抗菌性重合体が被覆されていた。
【0047】(抗菌活性試験)グラム陽性菌の代表のS
taphylococcus aureus(IFO1
2732)及びグラム陰性菌の代表としてエシヒリヒア
・コリ(Escherichia coli)IFO
3806に対して、表1,2に示した作用時間で、実施
例により得られた抗菌性樹脂材料を作用させた。得られ
た殺菌活性の結果を表1および表2に示す。なお、殺菌
活性の評価は、溶液希釈法で行った。
【0048】溶媒希釈法:生理食塩水18ml中に、1
ml当たり107 個の菌2mlを摂取し、実施例1〜3
は7.4cm2 ,実施例4〜6は11.9cm2 ,実施
例7〜8は7.4cm2の大きさの抗菌性樹脂材料を接
触させて、その後の殺菌数を測定した。接触時間に対
し、菌数の減少が著しいほど殺菌活性が強いことを示
す。表中の数字は菌数(個/ml)を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によって、広い抗菌スペクトルを
有し、且つ短時間の接触で十分な抗菌効果を有する抗菌
性樹脂材料が得られる。本発明の抗菌性樹脂材料は、抗
菌活性が高く抗菌剤として有用である。これらの抗菌性
樹脂材料は、例えば外用抗菌剤、繊維、布等の衛生加工
用抗菌剤、医療器具、塗料および建築材料、プール、工
業用水等の抗菌剤として用いることができる。また、同
時に帯電防止性、難燃性、防汚性も付与することができ
る。
【0052】本発明の抗菌性樹脂材料は空気の除菌を目
的としたフィルターとして、またその抗菌性樹脂材料の
成形体やコンタクトレンズに微生物を吸着させることに
よりバイオリアクターとしても使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂基材の表面に、下記一般式
    (I)で表わされる重合体を被覆してなることを特徴と
    する抗菌性樹脂材料。 【化1】 (式中、R1 ,R2 およびR3 は水素原子、ヒドロキシ
    基、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキ
    ル基、アリール基又はアラルキル基を示し、アルキル
    基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基また
    はアルコキシ基で置換されていてもよい。X- はアニオ
    ン、nは2以上の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 合成樹脂基材の表面に、下記一般式(I
    I)で表わされる単量体、光増感剤、溶剤からなる光重
    合性組成物を塗布した後、光を照射して前記単量体をグ
    ラフト重合させることを特徴とする抗菌性樹脂材料の製
    造方法。 【化2】 (式中、R1 ,R2 およびR3 は水素原子、ヒドロキシ
    基、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキ
    ル基、アリール基又はアラルキル基を示し、アルキル
    基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基また
    はアルコキシ基で置換されていてもよい。X- はアニオ
    ンを示す。)
  3. 【請求項3】 合成樹脂基材の表面に、ハロメチルスチ
    レン、光増感剤、溶剤からなる光重合性組成物を塗布し
    た後、光を照射して前記単量体をグラフト重合させ、次
    いで得られた重合体鎖中の官能基をホスホニウム塩に転
    換させることを特徴とする抗菌性樹脂材料の製造方法。
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