JPH05310820A - 抗菌性材料 - Google Patents

抗菌性材料

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JPH05310820A
JPH05310820A JP14196492A JP14196492A JPH05310820A JP H05310820 A JPH05310820 A JP H05310820A JP 14196492 A JP14196492 A JP 14196492A JP 14196492 A JP14196492 A JP 14196492A JP H05310820 A JPH05310820 A JP H05310820A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホスホニウム塩を高分子物質に固定化するこ
とによる用途の拡大を図り、優れた抗菌力を示す抗菌性
材料を提供することにある。 【構成】 酸性基およびこの酸性基とイオン結合してい
るホスホニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子
物質を主体とした抗菌性材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性材料に関するも
のであり、さらに詳しくは酸性基とイオン結合している
ホスホニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子物
質を主体とすることを特徴とする抗菌性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】我々の取りまく環境において、例えば工
業用、農業用又は食添用の分野で実に多種類の抗菌剤が
用いられている。
【0003】現在使用されている抗菌剤の大部分は、少
なからず高い毒性を持った合成抗菌剤である。しかし、
近年抗菌剤の毒性の低下を目的とした研究が進展し、不
溶性で毒性を殆ど示さない固定化抗菌剤が開発されてい
る。
【0004】固定化抗菌剤であるポリマー型抗菌剤は、
ポリビニル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレー
ト、ポリエステルおよびポリアミドなどのポリマー鎖に
ペンダント型に抗菌剤を固定したものが報告されてい
る。例えばポリビニル鎖には、アルキルピリジニウム塩
およびアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩が固定
され、ポリアクリレート鎖とポリメタクリレート鎖に
は、ビグアナイト類が、またポリエステル鎖およびポリ
アミド鎖には、第4級アンモニウム塩やアルキルピリジ
ニウム塩が固定されている。
【0005】例えば、特開昭54−86584号公報に
は、カルボキシル基やスルホン基等の酸性基とイオン結
合しているアルキルトリメチルアンモニウムクロライド
等の4級アンモニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有す
る高分子物質を主体とした抗菌性材料が記載されてい
る。
【0006】また、特開昭61−245378号公報に
は、アミジン基、グアニジン基などの塩基性基や4級ア
ンモニウム塩基等の抗菌性成分を含有した酸性基を含有
するポリエステル共重合体が少なくとも繊維表面に存在
することを特徴とする抗菌性ポリエステル繊維が記載さ
れている。
【0007】また、ホスホニウム塩化合物は、種々の含
窒素化合物と同様に、細菌類、真菌類、藻類に対して広
い活性スペクトルを持った生物学的活性化学物質として
知られている。(特開昭57−204286号公報、特
開昭63−60903号公報、特開昭62−11490
3号公報、特開平1−93596号公報、特開平2−2
40090号公報)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
54−86584号公報のアルキルトリメチルアンモニ
ウムクロライドやアルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム等の4級アンモニウム塩や、特開昭61−24537
8号公報の抗菌成分は、酸性基と反応しうる抗菌性化合
物であればいずれでもよいとしているが、実質は4,4
−スチルベン−ジカルボオキザミジン−ジイセチオネー
ト[スチルバミジン・イセチオン酸塩]等のアミジン基
やp−(クロロフェニルジグアニジド)−ヘキサン[ク
ロルヘキシジン]等のグアニジン基などの塩基性基もし
くはベンザルコニウム・クロライド等の4級アンモニウ
ム塩等であり、本願発明でいう酸性基にホスホニウム塩
をイオン結合させるとの開示はない。また前記抗菌成分
は広い抗菌スペクトルを有するが、短時間の接触で微生
物に作用する抗菌効果は未だ充分ではない。
【0009】さらに、上記ホスホニウム塩系化合物は強
い抗菌作用を示すにもかかわらず、溶液状で取り扱いに
くく用途が限定されており、また、本発明のようにホス
ホニウム塩を高分子物質に固定化することによる用途の
拡大を試みることについての開示も示唆もない。
【0010】本発明者らは、上記事実に鑑み、鋭意研究
を行った結果、酸性基およびこの酸性基にイオン結合し
ているホスホニウム塩基を有する抗菌剤成分を含有する
高分子物質を主体とした高分子材料が、優れた抗菌力を
示すという事実を見いだした。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明は、酸性基およびこの酸性基とイオン結合しているホ
スホニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高分子物質
を主体とした抗菌性材料に関するものである。
【0012】上記構成の本発明は、ホスホニウム塩が本
来有するその性能を十分に引き出し活用して、ポリマー
成形体、繊維、フィルム等の防腐、抗菌性付与に優れた
作用効果を発揮するものである。
【0013】以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明に係る前記酸性基を有するモノマー
としては、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、
ホスフィン基、フェノール性水酸基などの各酸性基もし
くはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩などの塩を有するモノマーが挙げられる。
【0015】カルボキシル基を有するモノマーとして
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、3−ブテン−
1,2,3−トリカルボン酸、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸、4−ペンテノイック酸等が挙げられ
る。
【0016】スルホン基を有するモノマーとしては、例
えばスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピ
ルメタアクリレート、3−クロロ−4−ビニルベンジン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、2−アクリロイルオキシベンゼンスルホン
酸、2−アクリロイルオキシナフタレン−2−スルホン
酸、2−メタクリロイルオキシナフタレン−2−スルホ
ン酸、スルホイソフタル酸、スルホテレフタール酸、ス
ルホフタール酸又は4−スルホナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸塩等が挙げられる。
【0017】ホスホン基を有するモノマーとしては、例
えばアリルホスホン酸、アシッドホスフォキシエチルエ
チルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスフ
ォキシプロピルメタクリレート、1−メチルビニルホス
ホン酸、1−フェニルビニルホスホン酸、2−フェニル
ビニルホスホン酸、2−メチル−2−フェニルビニルホ
スホン酸、2−(3−クロロフェニル)ビニルホスホン
酸、2−ジフェニルビニルホスホン酸等を挙げることが
できる。
【0018】ホスフィン基を有するモノマーとしては、
例えばアリルホスフィン酸等を挙げることができ、フェ
ノール性水酸基を有するモノマーとしては、例えばオル
ト−オキシスチレン、オルト−ビニルアニソール等を挙
げることができる。
【0019】前記の酸性基含有モノマーと共重合可能な
他のモノマーとしては、最終生成物である抗菌性材料の
用途に応じて広い範囲から選択することができるが、そ
の具体例としてはエチレン、プロピレン、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ク
ロトン酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリロニトリル、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシメタアクリレート、スチレンおよびそ
の誘導体、ブタジエン、アクリルアミドおよびその誘導
体、アクリルプロピルエステルなどのアリル化物、ビニ
ルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、イ
ソブチレン、ジイソブチレン等が挙げられ、それらは一
種又は二種以上であってもよい。
【0020】重合方法としては、エマルジョン重合方
法、溶液重合方法、塊状重合方法などの通常の重合方法
がいずれも採用できるが、なかでもエマルジョン重合方
法は、得られるポリマー粒子表面に酸性基が多く分布す
る傾向があるという理由から特に好ましく用いられる。
【0021】本発明で用いるホスホニウム塩基を有する
抗菌剤としては、例えばテトラエチルホスホニウムブロ
マイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、
テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−
n−ブチルホスホニウムクロライド、トリ−n−ブチル
メチルホスホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルオク
チルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルオクチ
ルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルヘキサデ
シルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルオクタ
デシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルアリ
ルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジル
ホスホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルエチルホ
スホニウムブロマイド、トリス(3−ヒドロキシプロピ
ル)オクチルホスホニウムブロマイド、トリス(3−ヒ
ドロキシプロピル)オクタデシルホスホニウムブロマイ
ド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ヘキサデシルホ
スホニウムブロマイド等を挙げることができる。
【0022】上記ホスホニウム塩において、抗菌活性は
リンに結合しているアルキル基の長さに影響を受け、例
えばエチル、ブチル、オクチルと抗菌活性が高くなる。
また、そのアルキル基の一つが長い、例えばトリ−n−
エチルオクタデシルホスホニウムブロマイドやトリ−n
−ブチルオクタデシルホスホニウムブロマイドなどは非
常に高い抗菌活性を示し、上記ホスホニウム塩を抗菌成
分として抗菌性材料に使用した場合、従来使用されてい
る4級アンモニウム塩等と比べると優れた抗菌効果を示
す。
【0023】本発明において、抗菌力は上記酸性基とイ
オン結合しているホスホニウム塩のモノマーが本発明に
係る抗菌性材料に対して0.1〜80モル%、好ましく
は5〜50モル%の割合で含有していることが望まし
い。0.1モル%未満では抗菌活性の低下を招き、また
80モル%を超えると抗菌活性に対し必要以上の量があ
ることになり、経済的に好ましくなく、樹脂の特性も変
わってしまう。
【0024】本発明に係る抗菌性材料の製造方法は、い
ずれの方法によっても製造することができるが、例えば
第一の方法としては、上記ホスホニウム塩を酸性基を有
するモノマーと接触させてホスホニウム塩と酸性基がイ
オン結合したモノマーを、重合又は共重合させる方法で
ある。
【0025】第二の方法としては、ホスホニウム塩と酸
性基を有する高分子物質とを反応させ、高分子物質中に
ホスホニウム塩を導入させる方法である。
【0026】第三の方法としては、酸性基含有モノマー
から重合度5〜100のオリゴマーを生成させた後、ホ
スホニウム塩基を有する抗菌剤成分を接触させて抗菌成
分を導入し、これにポリイソシアネート化合物、メチロ
ール化メラミン化合物、過酸化物、ザジリジン化合物等
の架橋剤を用いて架橋し高分子化させる方法がある。
【0027】第四の方法としては例えばポリスチレン等
の高分子物質の表面に酸性基含有モノマーを活性光線を
照射してグラフト重合させ、表面上の酸性基にホスホニ
ウム塩を付与させる方法がある。
【0028】上記のいずれの方法においても、酸性基お
よびこれとイオン結合しているホスホニウム塩を有する
抗菌剤成分を有する高分子物質を主体とする抗菌性材料
が得られる。
【0029】
【実施例】実施例1 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リノルマルブチルドデシルホスホニウムクロライド6.
9g(0.017モル)を水200mlに溶解した水溶
液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了後、ジ
エチルエーテル200mlを加え生成物を抽出した。溶
媒を留去し乾燥することによりホスホニウム塩を含有し
たイソフタル酸ジメチル9.8gを得た。
【0030】次いで、この化合物3.8g(0.006
モル)、テレフタル酸ジメチル3.8g(0.020モ
ル)、エチレングリコール3.2g(0.051モル)
及び酢酸カルシウム8mg、酸化アンチモン8mgの混
合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。こ
の条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を徐
々に上げ250℃,1Torrとし、1時間この条件下
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、ホスホニウム塩を含
有したポリエステル共重合体5.2gが得られた。
【0031】実施例2 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リノルマルブチルテトラデシルホスホニウムクロライド
7.3g(0.017モル)を水200mlに溶解した
水溶液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了
後、ジエチルエーテル200mlを加え生成物を抽出し
た。溶媒を留去し乾燥することによりホスホニウム塩を
含有したイソフタル酸ジメチル9.6gを得た。
【0032】次いで、この化合物3.9g(0.006
モル)、テレフタル酸ジメチル3.8g(0.020モ
ル)、エチレングリコール3.2g(0.051モル)
及び酢酸カルシウム8mg、酸化アンチモン8mgの混
合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。こ
の条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を徐
々に上げ250℃,1Torrとし、1時間この条件下
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、ホスホニウム塩を含
有したポリエステル共重合体6.5gが得られた。
【0033】実施例3 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リノルマルブチルヘキサデシルホスホニウムクロライド
7.8g(0.017モル)を水200mlに溶解した
水溶液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了
後、ジエチルエーテル200mlを加え生成物を抽出し
た。溶媒を留去し乾燥することによりホスホニウム塩を
含有したイソフタル酸ジメチル10.5gを得た。
【0034】次いで、この化合物4.1g(0.006
モル)、テレフタル酸ジメチル3.8g(0.020モ
ル)、エチレングリコール3.2g(0.051モル)
及び酢酸カルシウム8mg、酸化アンチモン8mgの混
合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。こ
の条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を徐
々に上げ250℃,1Torrとし、1時間この条件下
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、ホスホニウム塩を含
有したポリエステル共重合体6.2gが得られた。
【0035】実施例4 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リノルマルブチルオクタデシルホスホニウムクロライド
8.3g(0.017モル)を水200mlに溶解した
水溶液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了
後、ジエチルエーテル200mlを加え生成物を抽出し
た。溶媒を留去し乾燥することによりホスホニウム塩を
含有したイソフタル酸ジメチル11.2gを得た。
【0036】次いで、この化合物4.3g(0.006
モル)、テレフタル酸ジメチル3.8g(0.020モ
ル)、エチレングリコール3.2g(0.051モル)
及び酢酸カルシウム8mg、酸化アンチモン8mgの混
合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。こ
の条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を徐
々に上げ250℃,1Torrとし、1時間この条件下
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、ホスホニウム塩を含
有したポリエステル共重合体6.9gが得られた。
【0037】実施例5 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リノルマルブチルドデシルホスホニウムクロライド6.
9g(0.017モル)を水200mlに溶解した水溶
液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了後、ジ
エチルエーテル200mlを加え生成物を抽出した。溶
媒を留去し乾燥することによりホスホニウム塩を含有し
たイソフタル酸ジメチル9.8gを得た。
【0038】次いで、この化合物0.3g(0.005
モル)、テレフタル酸ジメチル1.9g(0.010モ
ル)、エチレングリコール1.3g(0.021モ
ル)、酢酸カルシウム4mg、酸化アンチモン4mgの
混合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。
この条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を
徐々に上げ250℃,1Torrとし、1時間この条件
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、ホスホニウム塩を含
有したポリエステル共重合体1.5gが得られた。
【0039】比較例1 テレフタル酸ジメチルとエレチングリコールから合成さ
れる、抗菌成分を含有しないポリエチレンテレフタレー
トを用意した。
【0040】比較例2 5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム5.0g
(0.017モル)を水200mlに溶解し、そこにト
リ−n−ブチルテトラデシルアンモニウムクロライド
7.1g(0.017モル)を水200mlに溶解した
水溶液を室温で滴下し、1時間反応させた。反応終了
後、ジエチルエーテル200mlを加え生成物を抽出し
た。溶媒を留去し乾燥することによりアンモニウム塩を
含有したイソフタル酸ジメチル8.9gを得た。
【0041】次いで、この化合物3.8g(0.006
モル)、テレフタル酸ジメチル3.8g(0.020モ
ル)、エチレングリコール3.2g(0.051モル)
及び酢酸カルシウム8mg、酸化アンチモン8mgの混
合物を窒素ガスを導入しながら180℃に加熱した。こ
の条件下で1時間反応を行い、その後温度と真空度を徐
々に上げ250℃、1Torrとし、1時間この条件下
で反応させた。反応終了後、得られた生成物を冷却し、
反応容器から取り出すことにより、アンモニウム塩を含
有したポリエステル共重合体6.1gが得られた。 <抗菌活性テスト>上記合成したポリエステル共重合体
をフィルム状にし、直径2cmの試験片を作製した。
【0042】黄色ブドウ球菌(IFO 12732)及
び大腸菌(IFO 3806)〜107 個/mlの濃度
の菌液を寒天培地上に0.5ml採取し、均一に広げ
た。
【0043】次いで、この寒天培地上に試験片を置き3
7℃,48時間培養し、菌の発育を肉眼観察することに
より抗菌活性の判定を行った。結果は表1に示す通りで
あった。
【0044】判定: ○:試料の下および周囲に菌の発育阻止帯がある。
【0045】△:試料の下および周囲に菌の発育阻止帯
が1/2程度ある。
【0046】×:全く菌の発育阻止帯がない。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の抗菌性材料は、様々な細菌類、
真菌類、藻類、ウイルス等に有効な幅広い抗菌活性スペ
クトルを示し、特に細菌類に対しては顕著である。
【0049】しかも、熱に対して第4級アンモニウム塩
や他の有機化合物に比較しても安定であり、例えばテト
ラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドにあっては、分
解温度が300℃付近と高いものであり、また化学的に
も安定性があるものである。このため、ポリマー成形温
度(例えば250℃)下にさらされても本発明は分解す
ることなく、元来有する抗菌性能を十分に発揮すること
ができる。
【0050】本発明に係る抗菌剤の抗菌活性(MIC)
は、ホスホニウム塩の種類、製剤あるいは各種の菌類の
種類や環境によって一様ではないけれども、ホスホニウ
ム塩系ビニル重合体の濃度が0.1ppm以上で発揮さ
れ、一般に第4級アンモニウム塩系の周知抗菌剤に比べ
て抗菌活性は高い。
【0051】本発明に係る抗菌剤は、製剤の形態によっ
て各種の産業分野、例えば製紙におけるスライム防止又
はコントロール材、水、油脂、エマルジョン、紙、木
材、ゴム、プラスチックス、繊維、フィルム、塗料等の
防腐、抗菌性の機能を付与させることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性基およびこの酸性基とイオン結合し
    ているホスホニウム塩基を有する抗菌成分を含有する高
    分子物質を主体とした抗菌性材料。
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