JPH0558727A - 圧電性磁器組成物 - Google Patents
圧電性磁器組成物Info
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- JPH0558727A JPH0558727A JP3244748A JP24474891A JPH0558727A JP H0558727 A JPH0558727 A JP H0558727A JP 3244748 A JP3244748 A JP 3244748A JP 24474891 A JP24474891 A JP 24474891A JP H0558727 A JPH0558727 A JP H0558727A
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気機械結合係数及び耐熱性が高く、しかも
経時変化が小さい圧電性磁器組成物を得ることを目的と
する。 【構成】 aPb(Yb1/2 Nb1/2 )O3 −bPb
(Mn1/2 W1/2 )O3 −cPbTiO3 −dPbZrO3 (ただし、0.01≦a≦0.20, 0.01≦b≦
0.20 0≦c≦0.70, 0.28≦d≦0.98, a+
b+c+d=1) なる一般式で表されることを特徴とする圧電性磁気組成
物。
経時変化が小さい圧電性磁器組成物を得ることを目的と
する。 【構成】 aPb(Yb1/2 Nb1/2 )O3 −bPb
(Mn1/2 W1/2 )O3 −cPbTiO3 −dPbZrO3 (ただし、0.01≦a≦0.20, 0.01≦b≦
0.20 0≦c≦0.70, 0.28≦d≦0.98, a+
b+c+d=1) なる一般式で表されることを特徴とする圧電性磁気組成
物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電性磁器組成物に関
し、特に、セラミックフィルタ、セラミック発振子、セ
ラミックディスクリミネータ、表面弾性波素子などに用
いる圧電性磁器組成物に関する。
し、特に、セラミックフィルタ、セラミック発振子、セ
ラミックディスクリミネータ、表面弾性波素子などに用
いる圧電性磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電性磁器としては、例え
ば、二元系のPbTiO3 −PbZrO3 (PZT)に
Bi2 O3 ,Cr2 O3 ,MnO2 ,ZnO等の添加物
を加えて、圧電特性の改善を図ることが試みられてい
る。その他、三元系のPbTiO3 −PbZrO3 −P
b(Mn1/3 Nb2/3 )O3 系、PbTiO3 −PbZ
rO3 −Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3系等の圧電材料
も開発されている。また、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O
3 −PbTiO3 −PbZrO3 系組成も提案されてい
る(特公昭45−37907号公報等参照)。
ば、二元系のPbTiO3 −PbZrO3 (PZT)に
Bi2 O3 ,Cr2 O3 ,MnO2 ,ZnO等の添加物
を加えて、圧電特性の改善を図ることが試みられてい
る。その他、三元系のPbTiO3 −PbZrO3 −P
b(Mn1/3 Nb2/3 )O3 系、PbTiO3 −PbZ
rO3 −Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O3系等の圧電材料
も開発されている。また、Pb(Ni1/3 Nb2/3 )O
3 −PbTiO3 −PbZrO3 系組成も提案されてい
る(特公昭45−37907号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
圧電性磁器組成物からなる圧電材料は耐熱性、経時変化
特性等に大きな問題を有していた。従来の圧電性磁器組
成物からなる圧電材料、例えば、Pb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 −PbZrO3 系のPb
{(Ni1/3 Nb2/3 )0.07Ti0.47Zr0.46}O3 か
ら形成した圧電材料を加熱していくと、図1に破線で示
すように、キュリー点よりも100℃以上低い温度から
徐々に熱による脱分極を起こし、電気機械結合係数Kp
等の圧電特性の劣化が始まる。このため圧電材料の使用
上限温度はキュリー点よりはるか下の200℃付近に限
定されていた。この原因としては、第3成分固溶によっ
てキュリー点が低下してしまうことと、圧電材料が本質
的に脱分極を起こし易いことが上げられる。
圧電性磁器組成物からなる圧電材料は耐熱性、経時変化
特性等に大きな問題を有していた。従来の圧電性磁器組
成物からなる圧電材料、例えば、Pb(Ni1/3 Nb
2/3 )O3 −PbTiO3 −PbZrO3 系のPb
{(Ni1/3 Nb2/3 )0.07Ti0.47Zr0.46}O3 か
ら形成した圧電材料を加熱していくと、図1に破線で示
すように、キュリー点よりも100℃以上低い温度から
徐々に熱による脱分極を起こし、電気機械結合係数Kp
等の圧電特性の劣化が始まる。このため圧電材料の使用
上限温度はキュリー点よりはるか下の200℃付近に限
定されていた。この原因としては、第3成分固溶によっ
てキュリー点が低下してしまうことと、圧電材料が本質
的に脱分極を起こし易いことが上げられる。
【0004】近年は電子部品のチップ化が進み、小型の
表面実装が可能な圧電素子すなわちセラミックフィル
タ、セラミック発振子、ディスクリミネータ、トラップ
等が開発されている。従来のリード付樹脂モールド素子
や金属ケースに封入された素子では、はんだ付け実装時
に圧電セラミックスの温度上昇は200℃程度に抑えら
れていたが、これらのチップ素子でははんだ付けの時に
圧電セラミックスも300℃程度の高温にさらされるよ
うになった。従って、従来の圧電材料では耐熱性の高い
信頼性の高いチップ部品を作ることが不可能であった。
表面実装が可能な圧電素子すなわちセラミックフィル
タ、セラミック発振子、ディスクリミネータ、トラップ
等が開発されている。従来のリード付樹脂モールド素子
や金属ケースに封入された素子では、はんだ付け実装時
に圧電セラミックスの温度上昇は200℃程度に抑えら
れていたが、これらのチップ素子でははんだ付けの時に
圧電セラミックスも300℃程度の高温にさらされるよ
うになった。従って、従来の圧電材料では耐熱性の高い
信頼性の高いチップ部品を作ることが不可能であった。
【0005】また、共振周波数の経時変化にも大きな問
題がある。圧電セラミックスを分極処理してからの経時
変化を、時間を横軸に対数目盛りでとり、共振周波数の
変化率を縦軸にとり、図2に破線で示した。この例から
わかるように、従来の材料は0.5%/time decade の
経時変化を示している。この現象は、フィルタや発振子
として加工した後でその周波数が初期の値から大きく変
動してしまうため大きな問題となっている。
題がある。圧電セラミックスを分極処理してからの経時
変化を、時間を横軸に対数目盛りでとり、共振周波数の
変化率を縦軸にとり、図2に破線で示した。この例から
わかるように、従来の材料は0.5%/time decade の
経時変化を示している。この現象は、フィルタや発振子
として加工した後でその周波数が初期の値から大きく変
動してしまうため大きな問題となっている。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、電気機械結合係数及び耐熱性が高く、しか
も経時変化が小さい圧電性磁器組成物を提供することを
目的とする。
ものであり、電気機械結合係数及び耐熱性が高く、しか
も経時変化が小さい圧電性磁器組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明に係る圧電性磁器組成物は、aPb(Yb1/2 Nb1/2 )O3 −bPb(Mn1/2 W1/2 )O3 −cPbTiO3 −dPbZrO3 (ただし、0.01≦a≦0.20,0.01≦b≦0.20 0 ≦c≦0.70,0.28≦d≦0.98,a+b+c+d=1) なる一般式で表されることを特徴とする。
【0008】本発明において、圧電性磁器組成物の組成
を上記範囲に限定した理由は次の通りである。Yb1/2
Nb1/2 は、圧電材料の電気機械結合係数を改善するた
めのもので、Yb1/2 Nb1/2 がPb(Yb1/2 Nb
1/2 )O3 の組成で0.01(モル分率、以下同じ)未
満では所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.2
0を超えると耐熱性が低下する。それゆえ0.01≦a
≦0.20とした。Mn1/2 W1/2 は、圧電材料の機械
的品質係数を改善するためのもので、Mn1/2 W1/2 が
Pb(Mn1/2 W1/2 )O3 の組成で0.01未満では
所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.20を超
えると耐熱性が低下するので、0.01≦b≦0.20
とした。Ti,Zrは、圧電材料の主要な成分であり、
Tiが0.70を超えると圧電特性が変わり、所望の高
い電気機械結合係数が得られない。Zrが0.28未満
では所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.98
を超えると置換、添加成分が0.01未満となり、その
添加の効果がなくなるので、Tiは0≦c≦0.70と
し、Zrは0.28≦d≦0.98とした。
を上記範囲に限定した理由は次の通りである。Yb1/2
Nb1/2 は、圧電材料の電気機械結合係数を改善するた
めのもので、Yb1/2 Nb1/2 がPb(Yb1/2 Nb
1/2 )O3 の組成で0.01(モル分率、以下同じ)未
満では所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.2
0を超えると耐熱性が低下する。それゆえ0.01≦a
≦0.20とした。Mn1/2 W1/2 は、圧電材料の機械
的品質係数を改善するためのもので、Mn1/2 W1/2 が
Pb(Mn1/2 W1/2 )O3 の組成で0.01未満では
所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.20を超
えると耐熱性が低下するので、0.01≦b≦0.20
とした。Ti,Zrは、圧電材料の主要な成分であり、
Tiが0.70を超えると圧電特性が変わり、所望の高
い電気機械結合係数が得られない。Zrが0.28未満
では所望の高い電気機械結合係数が得られず、0.98
を超えると置換、添加成分が0.01未満となり、その
添加の効果がなくなるので、Tiは0≦c≦0.70と
し、Zrは0.28≦d≦0.98とした。
【0009】
【作用】本発明に係る圧電性磁器組成物は、上記のよう
に第3成分、及び第4成分のPb(Yb1/2 Nb1/2 )
O3 、Pb(Mn1/2 W1/2 )O3 を含ませて構成した
ので、これらの成分の相互作用により、キュリー点が従
来組成のように大きく低下することがなく、300℃程
度のキュリー点を有し、しかもキュリー点直下まで電気
機械結合係数が大きく劣化することがなく、高い耐熱性
を持っている。また、共振周波数の経時変化について
も、0.1%/time decade以下の安定性の非常に高い
圧電素子とすることができる。しかも、組成比を選ぶこ
とによりKp>60%、εr>1000、Qmp>80
0の優れた圧電素子用の材料を得ることができる。
に第3成分、及び第4成分のPb(Yb1/2 Nb1/2 )
O3 、Pb(Mn1/2 W1/2 )O3 を含ませて構成した
ので、これらの成分の相互作用により、キュリー点が従
来組成のように大きく低下することがなく、300℃程
度のキュリー点を有し、しかもキュリー点直下まで電気
機械結合係数が大きく劣化することがなく、高い耐熱性
を持っている。また、共振周波数の経時変化について
も、0.1%/time decade以下の安定性の非常に高い
圧電素子とすることができる。しかも、組成比を選ぶこ
とによりKp>60%、εr>1000、Qmp>80
0の優れた圧電素子用の材料を得ることができる。
【0010】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。出発原料の粉末として、PbO,Yb2 O3 ,Nb
2 O5 ,MnO,WO3 ,TiO2 及びZrO2 を使用
し、これらの粉末を表1に示す組成になるように秤量し
た。この原料粉末を湿式混合乾燥後、700〜900℃
で仮焼した。次いで、有機系バインダーを加え、湿式粉
砕して整粒した後成形圧1ton/cm2 で成形した。成形体
を1000〜1250℃で焼成した。
る。出発原料の粉末として、PbO,Yb2 O3 ,Nb
2 O5 ,MnO,WO3 ,TiO2 及びZrO2 を使用
し、これらの粉末を表1に示す組成になるように秤量し
た。この原料粉末を湿式混合乾燥後、700〜900℃
で仮焼した。次いで、有機系バインダーを加え、湿式粉
砕して整粒した後成形圧1ton/cm2 で成形した。成形体
を1000〜1250℃で焼成した。
【0011】焼成により得られた磁器の両主面に焼付け
電極を形成し、50〜80℃の絶縁油中において2〜3
KV/mmの電圧で30分間分極処理した。得られた圧
電性磁器について、それぞれ誘電率(εr)、径方向の
電気機械結合係数(Kp)、及び機械的品質係数(Qm
p)を測定した。耐熱温度は試料を3分間保持してKp
の値が初期値に対して90%以上の値を示す温度の中で
の最高温度である。また、圧電特性は、インピーダンス
測定機により共振周波数及び反共振周波数を測定し、計
算により求めた。上記測定の結果を表2に示すととも
に、図1に試料No.1の組成物の電気機械結合係数
(Kp)と温度との関係を実線で示し、図2にNo.1
の組成物の共振周波数の変化率と時間との関係を実線で
示した。表中の試料No.欄の*は、本発明の範囲外の
組成であることを示す。以上の測定結果から、本発明に
よれば、電気機械結合係数が大きく劣化することがなく
高い耐熱性を持った組成を得ることができた。
電極を形成し、50〜80℃の絶縁油中において2〜3
KV/mmの電圧で30分間分極処理した。得られた圧
電性磁器について、それぞれ誘電率(εr)、径方向の
電気機械結合係数(Kp)、及び機械的品質係数(Qm
p)を測定した。耐熱温度は試料を3分間保持してKp
の値が初期値に対して90%以上の値を示す温度の中で
の最高温度である。また、圧電特性は、インピーダンス
測定機により共振周波数及び反共振周波数を測定し、計
算により求めた。上記測定の結果を表2に示すととも
に、図1に試料No.1の組成物の電気機械結合係数
(Kp)と温度との関係を実線で示し、図2にNo.1
の組成物の共振周波数の変化率と時間との関係を実線で
示した。表中の試料No.欄の*は、本発明の範囲外の
組成であることを示す。以上の測定結果から、本発明に
よれば、電気機械結合係数が大きく劣化することがなく
高い耐熱性を持った組成を得ることができた。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明による圧電性磁器組成物は、キュ
リー点が300℃程度で大きく低下することがなく、し
かもキュリー点直下まで電気機械結合係数が大きく劣化
することがない高い耐熱性を持っている。また、共振周
波数の経時変化についても、0.1%/time decade 以
下の安定性の高い圧電素子を得ることができる。しか
も、組成比を選ぶことによりKp>60%、εr>10
00、Qmp>800の優れた圧電材料を実現すること
ができる。以上のように本発明によれば、大きな電気機
械結合係数、高い耐熱性、及び小さな経時変化を持つ圧
電性磁器組成物を得ることができる。
リー点が300℃程度で大きく低下することがなく、し
かもキュリー点直下まで電気機械結合係数が大きく劣化
することがない高い耐熱性を持っている。また、共振周
波数の経時変化についても、0.1%/time decade 以
下の安定性の高い圧電素子を得ることができる。しか
も、組成比を選ぶことによりKp>60%、εr>10
00、Qmp>800の優れた圧電材料を実現すること
ができる。以上のように本発明によれば、大きな電気機
械結合係数、高い耐熱性、及び小さな経時変化を持つ圧
電性磁器組成物を得ることができる。
【図1】本発明と従来例による圧電材料の耐熱特性の比
較を示すグラフである。
較を示すグラフである。
【図2】本発明と従来例による圧電材料の共振周波数の
変化率の比較を示すグラフである。
変化率の比較を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 aPb(Yb1/2 Nb1/2 )O3 −bPb(Mn1/2 W1/2 )O3 − cPbTiO3 −dPbZrO3 (ただし、0.01≦a≦0.20,0.01≦b≦0.20 0 ≦c≦0.70,0.28≦d≦0.98,a+b+c+d=1) なる一般式で表されることを特徴とする圧電性磁器組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03244748A JP3097216B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 圧電性磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03244748A JP3097216B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 圧電性磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558727A true JPH0558727A (ja) | 1993-03-09 |
JP3097216B2 JP3097216B2 (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=17123312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03244748A Expired - Fee Related JP3097216B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 圧電性磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3097216B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319966A (ja) * | 2003-04-01 | 2004-11-11 | Denso Corp | 圧電アクチュエータ及び圧電磁器 |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP03244748A patent/JP3097216B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004319966A (ja) * | 2003-04-01 | 2004-11-11 | Denso Corp | 圧電アクチュエータ及び圧電磁器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3097216B2 (ja) | 2000-10-10 |
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Legal Events
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