JPH0558580U - 農用トラクタにおける燃料タンク取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 給油口５が設けられた右側燃料タンク１は先
に燃料が充填され、給油口５の設けられていない左側燃
料タンク２の方は徐々に充填されるので、左側燃料タン
ク２の方にゲージフロート２２と燃料ゲージ７を設ける
ことにより、正確な給油量を確認することが出来るよう
に構成したのである。 【構成】 複数の燃料タンク１・２をトラクタの車体に
対して、略水平の二位置に配置するものにおいて、一方
の燃料タンクのみに給油口５を設け、該給油口５が設け
られていない他方の燃料タンクに燃料ゲージ７を配置し
たのである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農用トラクタのステップの下方に燃料タンクを配置する構成に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来から農用トラクタにおいて、燃料タンクをオペレーターが乗車時に足を載 せるステップの下側に配置する技術は公知とされているのである。例えば特公平 ２−２７１９５号公報や、特公平３−２４３７１号公報に記載の技術の如くであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上記従来技術においては、ステップの下方に配置した燃料タンクは、１ 個であり、大型のトラクタの場合に必要な燃料容量を得ることが出来なかったの である。本考案は該ステップの下方に水平配置した複数の燃料タンクを配置し、 燃料取出パイプにより連通したものである。また、水平に配置して複数の燃料タ ンクを設け、燃料取出パイプで連通した場合に、給油口５が設けられた右側燃料 タンク１は先に燃料が充填され、給油口５の設けられていない左側燃料タンク２ の方は徐々に充填されるので、燃料計の表示が不正確となるのである。本考案は 、給油口５の配置されていない左側燃料タンク２の方にゲージフロート２２と燃 料ゲージ７を設けることにより、正確な給油量を確認することが出来るのである 。

【０００４】 また給油口５の付設されている右側燃料タンク１の側にゲージフロート２２や 燃料ゲージ７を設けると、給油口５から給油される燃料により右側燃料タンク１ 内の油面が揺れるので、燃料計の針が動いて正確に読み取ることが出来ないので ある。本考案は、給油口５の無い左側燃料タンク２の方に、燃料ゲージ７を設け ることにより、左側燃料タンク２の方は燃料取出パイプ１２を介して、絞られた 状態で油面が上昇するので、燃料計の針が揺れることが無いのである。また、燃 料タンクの下方に燃料タンクを配置した場合に、ボンネット内のエンジンに対し て燃料を燃料フィードポンプにより供給する必要があるのであるが、このような 場合において、ステップの下方で燃料タンクとの間に、燃料フィードポンプやポ ンプ吸引パイプを設けるスペースが取れなくなるのである。本考案はステップ支 持フレームを介装して、ステップを支持する部分に燃料フィードポンプとポンプ 吸引パイプを設けたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する手段を説 明する。即ち、複数の燃料タンク１・２をトラクタの車体に対して、略水平の二 位置に配置するものにおいて、一方の燃料タンクのみに給油口５を設け、該給油 口５が設けられていない他方の燃料タンクに燃料ゲージ７を配置したものである 。

【０００６】 また、トラクタのステップ１０の下方であって、クラッチハウジング４等の伝 動ケースの側方に燃料タンクを配置する構成において、ステップ１０Ｌ・１０Ｒ と燃料タンクの上面との間に、間隙Ｓを構成し、該間隙Ｓに、ステップ支持フレ ーム９と燃料フィードポンプ８とポンプ吸引パイプ１１とを配置したものである 。

【０００７】

【作用】

次に作用を説明する。即ち本考案の燃料タンクは、右側燃料タンク１と左側燃 料タンク２とを燃料取出パイプ１２と空気連通パイプ１３により連通して、一体 のタンクとして使用している。そして給油口５は右側燃料タンク１のみに設けら れており、該給油口５は右側燃料タンク１から突出した給油導入管６の上端に設 けられている。該給油導入管６はフェンダ１６Ｒの内側に沿って上昇し、上端の 給油口取付板２５の部分で給油口５を支持している。該給油口５に燃料を供給す ると右側燃料タンク１から燃料取出パイプ１２を通過し、左側燃料タンク２に燃 料が供給されるのである。そして左側燃料タンク２内の油面の上昇をゲージフロ ート２２と燃料ゲージ７により検出して、ダッシュボードの燃料計に表示するの で、燃料タンク内の確実な容量を表示するのである。また、燃料フィードポンプ ８とポンプ吸引パイプ１１を、ステップと燃料タンク１の上面の間の、ステップ 支持フレーム９の配置される空間に配置して、ポンプ吸引パイプ１１の吸引高さ を低くし、組立取付を簡単にしている。

【０００８】

【実施例】

次に実施例を説明する。図１は本考案の農用トラクタにおける燃料の給油口を 示すトラクタの運転席３部分の側面図、図２は同じく運転席３部分の平面図、図 ３は同じく運転席３部分の後面図、図４は燃料フィードポンプ８の部分の拡大後 面図、図５は燃料ゲージ７の部分の拡大平面図、図６は燃料取出パイプ１２の部 分の側面図、図７は空気連通パイプ１３部分の側面図である。

【０００９】 農用トラクタのボンネット部分にエンジンが搭載されており、該エンジンの後 面にクラッチハウジング４が固設されている。該クラッチハウジング４の後面に は、ミッションケースが延設されて、全体としてトラクタの機体支持部材を構成 しているのである。そして該クラッチハウジング４とミッションケースが連設さ れる機体の中心位置の上方に運転席３が配置されており、該運転席３に座った状 態のオペレーターが足を載置する部分にステップ１０Ｌ・１０Ｒが配置されてい る。

【００１０】 該ステップ１０Ｌ・１０Ｒは、クラッチハウジング４の左右に配置されており 、該ステップ１０Ｌ・１０Ｒの下面の空間が、本考案の燃料タンク１・２の配置 される空間に構成されている。燃料タンクは右側燃料タンク１と左側燃料タンク ２に分割配置されており、燃料タンク１と左側燃料タンク２とを、燃料取出パイ プ１２と空気連通パイプ１３の２本のパイプにより連通している。

【００１１】 右側燃料タンク１と左側燃料タンク２のクラッチハウジング４に対する固定は 、クラッチハウジング４から右側燃料タンクの前部に、左右のタンク取付ブラケ ット１９Ｌ・１９Ｒを突出し、また後部にもタンク取付ブラケット２０Ｌ・２０ Ｒが突出されて、これらによりクラッチハウジング４と右側燃料タンク１と左側 燃料タンク２とを固定している。そして左側の左側燃料タンク２に、ゲージフロ ート２２と燃料ゲージ７により構成した電子燃料表示装置が配置されており、ワ イヤーハーネスにより、トラクタのダッシュボード部分に電子信号が送信されて いる。このように、左側燃料タンク２にゲージフロート２２や燃料ゲージ７を設 けることにより、右側燃料タンク１に給油口５を設けて、燃料の左側燃料タンク ２への移動が遅い場合に、正確に左側燃料タンク２内の燃料の量を表示すること が出来るように構成しているのである。

【００１２】 右側燃料タンク１と左側燃料タンク２とを底部同士で連結する燃料取出パイプ １２がクラッチハウジング４の下側を通過すべく配置されている。該燃料取出パ イプ１２の中央位置より分岐したポンプ吸引パイプ１１が、燃料フィードポンプ ８の吸引ポートに連通している。該燃料フィードポンプ８から圧力を掛けて吐出 された燃料油がボンネット内のエンジンに供給されるのである。図３に示す如く 、燃料取出パイプ１２とポンプ吸引パイプ１１の部分の下方を被覆するパイプカ バー１５が、クラッチハウジング４の下方で右側燃料タンク１と左側燃料タンク ２の下面を覆う如く下方から敷設されている。

【００１３】 該右側燃料タンク１と左側燃料タンク２に燃料を補強する給油口５と給油導入 管６が、右側燃料タンク１の端部より上方へ延出されている。該給油導入管６は 、右側のフェンダ１６Ｒの内側に沿って上方へ延出されており、上端の部分に給 油口５が構成されている。該給油口５はフェンダ１６Ｒに設けられた給油口取付 板２５に固定されている。また図１に示す如く、給油導入管６はフェンダ１６Ｒ の前端に近い部分に沿って上方へ延出されており、該給油導入管６の内側で、給 油導入管６を被覆する給油導入管被覆カバー２６がフェンダ１６Ｒの内側に固定 されている。該給油導入管６と給油口５は、右側のフェンダ１６Ｒの給油口取付 板２５の部分からトラクタの外側に向いて開口されているのである。

【００１４】 図４において拡大図で示す如く、クラッチハウジング４より左右にステップ支 持フレーム９を突出しており、ステップ１０Ｌ・１０Ｒは該ステップ支持フレー ム９の上に敷設している。そして、該ステップ１０Ｌ・１０Ｒの下方で、ステッ プ支持フレーム９が配置されている為に、ステップ１０Ｌ・１０Ｒと右側燃料タ ンク１の間に出来る間隙Ｓに、燃料フィードポンプ８とポンプ吸引パイプ１１を 配置しているのである。間隙Ｓはステップ１０Ｌ・１０Ｒを支持する為にステッ プ支持フレーム９が必要であり、該ステップ支持フレーム９が配置するとどうし ても出来る間隙であるから、この部分に小型の燃料フィードポンプ８を配置する ことにより、燃料フィードポンプ８が他の部分に露出することがなく、またポン プ吸引パイプ１１の吸引揚程を短くすることが出来るのである。

【００１５】 図５においては、左側燃料タンク２の上部に設けたゲージフロート２２と燃料 ゲージ７の部分を示している。該ゲージフロート２２の部分は左側燃料タンク２ の内部の油面に浮いた状態となっており、該油面が上下すると、ゲージフロート ２２が回動し、該ゲージフロート２２の回動角が、燃料ゲージ７により電気信号 に変更されて、ワイヤーハーネス２９からダッシュボードの燃料計に信号を伝達 するのである。

【００１６】 図６においては、右側燃料タンク１と左側燃料タンク２の下部を連通する燃料 取出パイプ１２とポンプ吸引パイプ１１の部分が開示されている。該燃料取出パ イプ１２とポンプ吸引パイプ１１の部分を被覆するパイプカバー１５が、下方か ら敷設されている。該ポンプ吸引パイプ１１と燃料取出パイプ１２との連結部分 を、トラクタの機体の中央位置の下方に設けることにより、トラクタの機体が左 右に大きく傾いた場合にも、該分岐点に空気層が至ることがなく、燃料フィード ポンプ８へのエアの吸い込みを防ぐことが出来るのである。図７においては、給 油導入管６の下端と空気連通パイプ１３の部分のパイプの配置が図示されている 。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 請求項１の如く構成したので、給油口５が設けられた右側燃料タンク１は先に燃 料が充填され、給油口５の設けられていない左側燃料タンク２の方は徐々に充填 されるので、左側燃料タンク２の方にゲージフロート２２と燃料ゲージ７を設け ることにより、正確な給油量を確認することが出来るのである。また右側燃料タ ンク１の側にゲージフロート２２や燃料ゲージ７を設けると、給油口５から給油 される燃料により右側燃料タンク１内の油面が揺れるので、燃料計の針が動いて 正確に読み取ることが出来ないのであるが、左側燃料タンク２の方は燃料取出パ イプ１２を介して、絞られた状態で油面が上昇するので、燃料計の針が揺れるこ とが無いのである。

【００１８】 請求項２の如く構成したので、燃料フィードポンプ８がポンプ吸引パイプ１１ により吸引する揚程が低くなるので、吸入抵抗を少なくすることができ、低性能 のポンプでも供給することができ、また燃料フィードポンプ８の耐久性を向上す ることが出来たのである。また、ステップ１０Ｌ・１０Ｒを取りつける為にどう しても必要なステップ支持フレーム９の配置スペースを利用して燃料フィードポ ンプ８とポンプ吸引パイプ１１を配置するので、デッドスペースの有効利用を図 ることが出来るのである。またポンプ吸引パイプ１１をステップ支持フレーム９ とステップ１０Ｌ・１０Ｒと右側燃料タンク１により保護することが出来るので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の農用トラクタにおける燃料の給油口を
示すトラクタの運転席３部分の側面図。

【図２】同じく運転席３部分の平面図。

【図３】同じく運転席３部分の後面図。

【図４】燃料フィードポンプ８の部分の拡大後面図。

【図５】燃料ゲージ７の部分の拡大平面図。

【図６】燃料取出パイプ１２の部分の側面図。

【図７】空気連通パイプ１３部分の側面図。

【符号の説明】

Ｓ 間隙 １ 右側燃料タンク ２ 左側燃料タンク ３ 運転席 ４ クラッチハウジング ５ 給油口 ６ 給油導入管 ７ 燃料ゲージ ８ 燃料フィードポンプ ９ ステップ支持フレーム １０Ｌ・１０Ｒ ステップ １１ ポンプ吸引パイプ １２ 燃料取出パイプ ２２ ゲージフロート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の燃料タンク１・２をトラクタの車
   体に対して、略水平の二位置に配置するものにおいて、
   一方の燃料タンクのみに給油口５を設け、該給油口５が
   設けられていない他方の燃料タンクに燃料ゲージ７を配
   置したことを特徴とする農用トラクタにおける燃料タン
   ク取付構造。
2. 【請求項２】 トラクタのステップ１０の下方であっ
   て、クラッチハウジング４等の伝動ケースの側方に燃料
   タンクを配置する構成において、ステップ１０Ｌ・１０
   Ｒと燃料タンクの上面との間に、間隙Ｓを構成し、該間
   隙Ｓに、ステップ支持フレーム９と燃料フィードポンプ
   ８とポンプ吸引パイプ１１とを配置したことを特徴とす
   る農用トラクタにおける燃料タンク取付構造。