JPH0558570A - エレベータの非常電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非常用電源の充電回路及び非常用電源出力線
の開閉スイッチの投入忘れを防止することのできるエレ
ベータの制御装置を提供することにある。 【構成】 非常用電源Ｅ１の充電阻止を検出する充電検
出手段８と、非常用電源Ｅ１の出力線の開放を検出する
スイッチ釈放検出手段１１と、充電検出手段８とスイッ
チ釈放検出手段１１との少なくとも一方が検出されたと
き、報知する報知装置ＢＺとから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエレベータの非常電源装
置に係り、特に非常電源装置を点検する場合に好適なエ
レベータの非常電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータの動力電源となっている常用
電源が停電すると、エレベータは運行不能となり停止す
るが、多くの場合かごは昇降路内で階と階の中間位置で
停止し、乗客はかご内に閉じ込められてしまう。

【０００３】このように昇降路内に停止したかごを救出
運転するために、巻上機に小型の直流電動機を取り付
け、バッテリなどの直流非常電源を用いて直流電動機を
駆動して、かごを最寄階に着床させる救出運転を行って
いる装置として実開昭５９−１１６３６０号公報が挙げ
られる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述したような救出運
転が正しく行われるかの確認や救出運転に使用する非常
用電源が充電させられているか、また、劣化に至ってい
ないかの確認を定期的に行わなくてはならない。ここ
で、これらの点検は非常用電源をエレベータ回路から切
り離して行うため、非常用電源の充電回路を開閉するス
イッチと、非常用電源の出力線を開閉するスイッチとを
設けて点検が簡単に行えるようにしているが、作業員が
これらのスイッチの投入を忘れても、エレベータは常用
電源で起動するので、作業員はスイッチの投入忘れを認
識できないため、停電が発生して救出運転が行われず乗
客がかご内に閉じ込められる事故に至るという問題があ
った。

【０００５】本発明の目的は、非常用電源の充電回路及
び非常用電源出力線の開閉スイッチの投入忘れを防止す
ることのできるエレベータの非常電源装置を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、常用電源の停電を検出する停電検出器と、この停電
検出器の動作によって電源の供給を行う非常用電源と、
この非常用電源により救出運転させる制御回路とを有す
るエレベータの非常電源装置において、前記非常用電源
の充電の阻止を検出する充電検出手段と、前記非常用電
源の出力線を開閉するスイッチの釈放を検出するスイッ
チ釈放検出手段と、前記充電検出手段と前記スイッチ釈
放検出手段との少なくとも一方が検出されたとき報知す
る報知装置とを備えたものである。

【０００７】

【作用】本発明では、非常用電源の点検を行う作業員
が、非常用電源の充電回路を開閉するスイッチと、非常
用電源の出力線を開閉するスイッチの少なくとも一方を
開放すると、報知装置が報知を行うので、作業員は非常
用電源の充電回路及び出力線を開閉するスイッチの投入
忘れを容易に認識できるので、これらのスイッチ投入忘
れによる停電発生時の閉じ込め事故を防止することがで
きる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

【０００９】図において、常用三相交流電源１に主開閉
器２が接続してあり、この主開閉器２は常用三相交流電
源１の各相に対応し連動して開閉する接点２ａ、２ｂ、
２ｃを備えている。主開閉器２の接点２ａ、２ｂ、２Ｃ
は、それぞれ運転制御回路３に接続してあり、この運転
制御回路３の出力端子には三相交流電動機４が接続して
あり、この三相交流電動機４は図示していない綱車を回
転させ、図示していないワイヤを介して図示していない
乗かごを運行させている。また、接点２ａ、２ｂと運転
制御回路３間とのＲ相、Ｓ相間に停電検出リレー５が接
続されている。

【００１０】一方、接点２ａと停電検出リレー５との接
続点と、接点２ｂと停電検出リレー５との接続点は開閉
器６を介して充電回路７へ接続されており、開閉器６は
Ｒ相、Ｓ相を開閉する接点６ａ、６ｂとヒューズ６ｃ、
６ｄで構成されている。また、ヒューズ６ｃ、６ｄと充
電検出手段である充電検出リレー８が接続されている。

【００１１】また、充電回路７は非常用電源Ｅ１を充電
し、充電回路と非常用電源Ｅ１のそれぞれの接続点よ
り、非常用電源Ｅ１の出力線を開閉する開閉器９に接続
され、さらに、この開閉器９は直流電源を三相交流電源
に変換する電源変換回路１０に接続されている。ここで
開閉器９は接点９ａ、９ｂとヒューズ９ｃ、９ｄで構成
され、ヒューズ９ｃ、９ｄと電源変換回路１０との接続
点間にスイッチ釈放検出手段である開閉器検出リレー１
１が接続されている。また、電源変換回路１０の３本の
出力線は、それぞれ運転制御回路３の入力側のＲ相、Ｓ
相、Ｔ相に接続されている。

【００１２】一方、電池Ｅ２のＰ、Ｎ端子間に停電検出
リレー５の常開接点５ａ、充電検出リレー８の常開接点
８ａ、開閉器検出リレー１１の常閉接点１１ｂ、警報装
置であるブザーＢＺが直列に接続され、常開接点５ａと
常開接点８ａの接続点と、常閉接点１１ｂとブザーＢＺ
の接続点との間に充電検出リレー８の常閉接点８ｂが接
続されている。

【００１３】次に動作の説明を行う。

【００１４】今、作業員が非常用電源Ｅ１の点検を行う
ため主開閉器２、開閉器６、開閉器９をそれぞれ遮断
し、点検が終了して主開閉器２と開閉器６は投入した
が、開閉器９を遮断したままの場合、開閉器検出リレー
１１は消勢されているので、常閉接点１１ｂは閉成して
おり、Ｅ２−Ｐ−５ａ−８ａ−１１ｂ−ＢＺ−Ｎ−Ｅ２
の回路が形成され、ブザーＢＺが鳴動する。また、主開
閉器２と開閉器９は投入したが、開閉器６を遮断したま
まの場合、充電検出リレー８は消勢されているので、常
閉接点８ｂは閉成しており、Ｅ２−Ｐ−５ａ−８ｂ−Ｂ
Ｚ−Ｎ−Ｅ２の回路が形成され、ブザーが鳴動する。さ
らに、開閉器６と開閉器９とを遮断したままの場合は、
同様の回路によりブザーＢＺが鳴動することは明らかな
ので説明は省略する。

【００１５】また、開閉器６と開閉器９を投入すると充
電検出リレー８、開閉器検出リレー１１は共に付勢さ
れ、常閉接点８ｂ、常閉接点１１ｂは開放するのでブザ
ーＢＺの鳴動は停止する。

【００１６】本実施例において、ブザーＢＺを鳴動させ
る電源を電池Ｅ２で説明したが、Ｐ、Ｎ端子を停電検出
リレー５のＲ相、Ｓ相の接続点に接続した場合、また、
図示しない建屋の照明回路のＡＣ１００Ｖ端子間に接続
した場合、共に同じ効果が得られる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、非常用電源の点検を行
う作業員が、非常用電源の充電回路を開閉するスイッチ
と、非常用電源の出力線を開閉するスイッチの少なくと
も一方を開放すると、報知装置が報知を行うので、作業
員は非常用電源の充電回路及び出力線を開閉するスイッ
チの投入忘れを容易に認識でき、これによって、これら
のスイッチ投入忘れによる停電発生時の閉じ込め事故を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータの非常電源装置の一実施例
を示すブロック図である。

【図２】本発明の一実施例を示す報知装置回路図であ
る。

【符号の説明】

２ 主開閉器 ３ 運転制御回路 ４ 三相交流電動機 ５ 停電検出リレー ６ 開閉器 ７ 充電回路 ８ 充電検出リレー ９ 開閉器 １０ 電源変換回路 １１ 開閉器検出リレー Ｅ１ 非常用電源 Ｅ２ 電池 ＢＺ ブザー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 常用電源の停電を検出する停電検出器
   と、この停電検出器の動作によって電源の供給を行う非
   常用電源と、この非常用電源により救出運転させる制御
   回路とを有するエレベータの非常電源装置において、前
   記非常用電源の充電の阻止を検出する充電検出手段と、
   前記非常用電源の出力線を開閉するスイッチの釈放を検
   出するスイッチ釈放検出手段と、前記充電検出手段と前
   記スイッチ釈放検出手段との少なくとも一方が検出され
   たとき報知する報知装置とを備えたことを特徴とするエ
   レベータの非常電源装置。