JPH0558410U - 車高調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車高調整装置において、車高が低い状態で発
進することを確実に防止する。 【構成】 乗降時にエアスプリング４の空気を抜いて車
高を落とす車高調整装置において、エアスプリング４の
内部圧力が所定値より低いときに圧力スイッチ５により
スプリングブレーキチャンバー７を介して制動力を発生
する構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車高調整装置の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術およびその課題】

バスへの乗降を容易にするため、乗降時にエアスプリングの空気圧を抜いて車 高を落とす車高調整装置がある。

【０００３】 この種の車高調整装置では、乗降が終了した後に運転者が車高切換スイッチを 操作するのを忘れて発進したり、あるいは切換スイッチを操作した直後で車高が 十分に上がっていない状態で発進する可能性があり、その場合タイヤが車体に干 渉したり、車体下部が路面突起物に干渉する心配がある。

【０００４】 この対策として、例えば実開昭６０−８１５７号公報では、車高が低いことを 運転者に知らせる表示器を備える装置が提案されている。

【０００５】 しかしながら、このような従来装置は、運転者が表示器を見落として車高が下 がっていることに気付かないまま発進する可能性があった。

【０００６】 本考案は上記の問題点に着目し、車高が低い状態で発進することを確実に防止 することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、空気圧力により車体を支持するエアスプリングと、エアスプリング に空気供給源からの加圧空気を供給して車高を調整するレベリングバルブと、乗 降時にエアスプリングの空気圧を抜いて車高を落とすカットバルブとを備える車 高調整装置において、空気圧力により制動力を解除するスプリングブレーキチャ ンバーと、スプリングブレーキチャンバーの空気圧を抜くブレーキバルブと、前 記エアスプリングの空気圧力を検出する検出手段と、検出圧力が所定値より低い ときにブレーキバルブおよびスプリングブレーキチャンバーを介して制動力を発 生する制御手段を備える。

【０００８】

【作用】

検出圧力が所定値より低いときにブレーキバルブおよびスプリングブレーキチ ャンバーを介して制動力を発生することにより、車高が低い状態で発進すること を確実に防止することができる。したがって、車高が十分に上がっていない状態 で発進して、タイヤが車体に干渉したり、車体下部が路面突起物に干渉すること を回避できる。

【０００９】 エアスプリングの空気圧力を検出することにより、機械式に車高を検出するセ ンサに比べて、車高を正確に検出することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１１】 図１に示すように、バスの前後懸架装置には車体を支える４つのエアスプリン グ４が備えられる。空気供給源であるエアタンク１０の加圧空気を各エアスプリ ング４に導くエア配管１１が配設され、各エア配管１１の途中にエアスプリング ４の内部圧力を調整する各レベリングバルブ３が介装される。レベリングバルブ ３は図示しない制御装置を介して車高を所定値に保つようになっている。

【００１２】 各エア配管１１の途中にエアスプリング４の空気圧を逃がすカットバルブ２が 介装される。運転席に設けられる切換スイッチ１が切換えられてカットバルブ２ がエアスプリング４の空気圧を逃がすことにより、各エアスプリング４を収縮さ せて車高を落とし、バスへの乗降を容易にするようになっている。

【００１３】 乗降が終了すると切換スイッチ１が切換えられてカットバルブ２がエアスプリ ング４をレベリングバルブ３に連通することにより、レベリングバルブ３を介し てエアスプリング４に空気を充填して車高を所定値に復帰させるようになってい る。

【００１４】 図中７は左右後輪のブレーキ系に備えられる２つのスプリングブレーキチャン バーであり、スプリングブレーキチャンバー７はスプリングの付勢力によりブレ ーキに制動力を発生させ、エア配管１２を介してダイヤフラムに導かれる空気圧 力によりスプリングの付勢力に対抗してブレーキの制動力を解除するようになっ ており、駐車ブレーキに用いられる。

【００１５】 エアスプリング４とカットバルブ２を結ぶエア配管１１の一つには圧力スイッ チ５が介装される。圧力スイッチ５はエアスプリング４の圧力が所定値以下にな ると閉成し、リレー６を介して各ブレーキバルブ８を通電する。圧力スイッチ５ が閉成する圧力は、車高が走行に支承を来す程に低下したときのエアスプリング ４の圧力に設定する。この場合、圧力スイッチ５はエアスプリング４の空気圧力 を検出する検出手段の機能と、検出圧力が所定値より低いときに検出圧力が所定 値より低いときにブレーキバルブ８およびスプリングブレーキチャンバー７を介 して制動力を発生する制御手段の機能を果たす。

【００１６】 次に、作用について説明する。

【００１７】 バスの車高が十分に上がり切らない状態では、これを感知して作動する圧力ス イッチ５とリレー６を介して各ブレーキバルブ８の通電が止められ、各ブレーキ バルブ８がエア配管１２を外部に解放するポジションに切換えられ、スプリング ブレーキチャンバー７の空気圧が抜かれ、スプリングブレーキチャンバー７を介 して左右の後輪に制動力が作用する。この結果、運転者が切換スイッチ１を操作 するのを忘れたり、あるいは切換スイッチ１を操作した直後でエアスプリング４ に十分に空気が充填されていない状態では発進することができず、タイヤが車体 に干渉したり、車体下部が路面突起物に干渉することを回避できる。

【００１８】 運転者が切換スイッチ１を開成することにより、レベリングバルブ３を介して エアスプリング４に十分な空気圧が充填され、車高が上昇すると、これを感知し て作動する圧力スイッチ５とリレー６を介してブレーキバルブ８が通電し、スプ リングブレーキチャンバー７に加圧空気が送り込まれ、スプリングブレーキチャ ンバー７を介してスプリングに抗して制動力が解除され、発進が可能となる。

【００１９】 圧力スイッチ５はエアスプリング４の空気圧力を検出することにより、機械式 に車高を検出するセンサに比べて、車高を正確に検出することができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、乗降時にエアスプリングの空気を抜いて車高を 落とす車高調整装置において、エアスプリングの内部圧力が所定値より低いとき にスプリングブレーキチャンバーを介して制動力を発生する構成としたため、車 高が低い状態で発進することを確実に防止し、タイヤが車体に干渉したり、車体 下部が路面突起物に干渉することを回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す構成図である。

【符号の説明】

１ 切換スイッチ ２ カットバルブ ３ レベリングバルブ ４ エアスプリング ５ 圧力スイッチ ７ スプリングブレーキチャンバー ８ ブレーキバルブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気圧力により車体を支持するエアスプ
   リングと、エアスプリングに空気供給源からの加圧空気
   を供給して車高を調整するレベリングバルブと、乗降時
   にエアスプリングの空気圧を抜いて車高を落とすカット
   バルブとを備える車高調整装置において、空気圧力によ
   り車輪の制動力を解除するスプリングブレーキチャンバ
   ーと、スプリングブレーキチャンバーの空気圧を抜くブ
   レーキバルブと、前記エアスプリングの空気圧力を検出
   する検出手段と、検出圧力が所定値より低いときにブレ
   ーキバルブおよびスプリングブレーキチャンバーを介し
   て制動力を発生する制御手段を備えたことを特徴とする
   車高調整装置。