JPH0557808A - ポリオレフイン系樹脂架橋発泡体の製造方法および製造装置 - Google Patents

ポリオレフイン系樹脂架橋発泡体の製造方法および製造装置

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JPH0557808A
JPH0557808A JP3175186A JP17518691A JPH0557808A JP H0557808 A JPH0557808 A JP H0557808A JP 3175186 A JP3175186 A JP 3175186A JP 17518691 A JP17518691 A JP 17518691A JP H0557808 A JPH0557808 A JP H0557808A
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sheet
foamed sheet
widening
foaming
roll
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JP3175186A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kurio
浩行 栗尾
Hiroshi Ueda
博 上田
Takeo Takahashi
武夫 高橋
Kuranosuke Yamamoto
倉之輔 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡炉中で発泡させた発泡シートを幅方向外
方に拡幅し、平坦でしわのないポリオレフィン系樹脂架
橋発泡体を製造する方法および製造装置を提供するこ
と。 【構成】 発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物シートを
架橋した後、加熱発泡させる架橋発泡体の製造方法にお
いて、発泡シートを発泡終点近傍でハの字状に配置され
た2本のロールからなる発泡シート拡幅装置上を通過さ
せることにより、発泡シートを幅方向外方に拡幅する架
橋発泡体の製造方法。発泡炉に隣接して、ハの字状に配
置されたロールからなる発泡シート拡幅装置が配置され
ているポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
架橋発泡体の製造技術に関し、さらに詳しくは、発泡炉
中で発泡させた発泡シートを幅方向外方に拡幅すること
により、平坦でしわのないポリオレフィン系樹脂架橋発
泡体を製造する方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造
方法には、例えば、竪型発泡法や横型発泡法などが知ら
れている。例えば、図1に示す横型発泡装置を用いた発
泡においては、ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発
泡剤を含有する発泡性樹脂組成物シート(5)を発泡炉
(9)に導入して発泡させる。この場合、先ず、発泡性
樹脂組成物シート(5)を搬送支持ベルト(4)にて予
熱領域1中を移送しながら加熱装置(3)にて上下両面
を加熱して樹脂を溶融させ、ついで発泡領域(2)へと
離脱、移行させて、加熱発泡させる。発泡シート(6)
は、発泡するにつれ幅方向および厚み方向に膨張してい
く。発泡領域(2)中では、発泡シートの下側にエアー
フロートベッドを配置すれば、非接触で加熱自由発泡さ
せることもできる。
【0003】ところで、発泡炉中で加熱発泡させた発泡
シート、特に加熱自由発泡させた発泡シートは、シート
幅方向に波状のしわが発生したり、発泡の際に生じた変
形により一定の形状が得られなかったり、あるいはシー
トが蛇行したりするため、平坦で一定形状の発泡シート
を得ることが困難である。
【0004】このようなポリオレフィン系樹脂架橋発泡
体の製造工程において、発泡の際に生じるシート幅方向
の波状のしわを除去しながら発泡シートの幅や蛇行を規
制するために、発泡終点近傍に発泡シート移送装置(ガ
イダー)を設けることが考えられる。その具体例の1つ
として、図14に示すような構造の吸引式ガイダーが挙
げられる。
【0005】この装置は、発泡シートの案内溝(28)
を備えた断面がコの字型の吸引機構(30)を、対向面
に2個設置したもので、発泡シートの両側面を吸引しつ
つ、ガイドする。該吸引式ガイダーにおいて、吸引機構
(30)の発泡シート(6)に対向する面にチェーンベ
ルト(29)を配置し、発泡シートとほぼ同速で移動方
向に沿って駆動させることにより、発泡シートが吸引機
構内に吸い込まれないようにすると同時に、発泡シート
がチェーンベルトに接触しても円滑に移動できるように
してある。
【0006】このような吸引式ガイダーを用いた方法に
おいては、幅方向の膨張に相当する分だけ拡幅すること
により、発泡の際に幅方向に生じた波状のしわを除去
し、発泡シートの幅を一定に制御できるだけでなく、蛇
行を防止する特徴をもつ。
【0007】ところが、上記吸引式ガイダーでは、2個
の吸引装置の間隔が固定されているため、発泡シートの
幅変動等が生じたとき、それに対する追従性が乏しく、
シート案内溝から発泡シートがはずれるトラブル(ガイ
ダーはずれ)が発生することがある。また、吸引機構に
目づまりを生じ、ガイダーはずれの原因となることがあ
る。さらに、発泡シートの側端部はシート案内溝を移行
するため、発泡シートの側端部には案内溝の跡が残る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、
(1)発泡シートの発泡の際に生じる幅方向の波状のし
わを除去し、かつ、山部分の付着等による傷の発生を防
ぐこと、(2)発泡により変形した発泡シートを平坦化
して、一定形状で連続的に巻き取りができるようにする
こと、(3)発泡シートには、ガイダーとの接触による
傷や跡が残らないようにすること、(4)ガイダーはず
れ等のトラブルの発生を防止すること、等を可能とする
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造方法を提供する
ことにある。
【0009】本発明の他の目的は、(5)発泡シートの
蛇行を規制し、巻き取り側面に凹凸を生じないようにす
ること、(6)発泡シートの蛇行を自動的に規制するこ
と、(7)発泡シートの幅変動を減少させること、等を
可能とするポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造方法
を提供することにある。また、本発明の目的は、かかる
目的を達成できる製造装置を提供することにある。
【0010】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、発泡炉に隣接して、少
なくとも1組のハの字状に配置された2本のロールを設
け、発泡炉で発泡した発泡シートをその上に通過させる
ことにより、発泡シートを幅方向外方に拡幅することが
でき、かつ、平坦で一定形状の発泡シートを安定して得
られることを見出した。
【0011】また、発泡過程にあるシートは、微妙に左
右移動してシートの蛇行を生じることがあり、蛇行が促
進されると、発泡シートが拡幅装置(ハの字配置ロール
式拡幅ガイダー)の一端まで移動し、ロールの端に接触
して発泡シートに傷を発生させたり、巻き取った発泡シ
ートの側面が凹凸になったりする場合がある。
【0012】そこで、本発明者らは、さらに鋭意研究を
進めた結果、対向する2本の拡幅ロールの配向角度、上
下角または回転速度を相対的に変化させることにより、
蛇行を規制できることを見いだした。該拡幅装置を通過
した発泡シートの蛇行を検出する幅検出器を配置し、該
幅検出器により検出された蛇行状況に連動して、対向す
る2本のロールの相対配向角度、相対上下角および相対
回転速度のうちの少なくとも1つを自動制御するように
構成すれば、蛇行を自動的に規制することができる。
【0013】さらに、これらの方法では、発泡シートの
端部を固定せずに拡幅させるため、発泡性樹脂組成物シ
ート(原反シート)の厚みバラツキおよび発泡炉内の温
度バラツキ等によって、発泡シートの幅変動が生じる場
合がある。このような場合、ハの字状に配置された2本
のロールからなる発泡シート拡幅装置の直前または直後
に発泡シートの幅を検出する幅検出器を配置し、該幅検
出器の検出信号により拡幅ロールの配向角度および回転
速度を変化させることにより、発泡シートの幅変動を減
少させることができる。本発明は、これらの知見に基づ
いて完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリオ
レフィン系樹脂および熱分解型発泡剤を含有する樹脂組
成物を、該発泡剤の分解温度未満の温度で発泡性樹脂組
成物シートに成形し、ついで架橋した後、加熱発泡させ
る架橋発泡体の製造方法において、発泡シートを発泡終
点近傍で、少なくとも1組のハの字状に配置された2本
のロールからなる発泡シート拡幅装置上を通過させるこ
とにより、発泡シートを幅方向外方に拡幅することを特
徴とするポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造方法が
提供される。
【0015】また、本発明によれば、発泡炉に隣接し
て、少なくとも1組のハの字状に配置されたロールから
なる発泡シート拡幅装置が配置されていることを特徴と
するポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造装置が提供
される。
【0016】これらの方法および装置において、対向す
る2本のロールの相対配向角度、相対上下角および相対
回転速度のうちの少なくとも1つを手動または自動制御
することにより発泡シートの蛇行を規制することがで
き、また、発泡シートの幅検出器の検出信号により拡幅
ロールの配向角度および回転速度を変化させて、発泡シ
ートの幅変動を減少させることができる。
【0017】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法および製造装置の具体例について、図面
を参照しながら詳しく説明する。図1は、前記したとお
りポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の発泡装置(発泡
炉)の一例である。図2は、本発明における発泡シート
拡幅装置の実施例を上から見た略図であり、図3および
図4は、図2の変更例である。
【0018】本発明の発泡シート拡幅装置である少なく
とも1組のハの字状に配置された2本のロール(ハの字
配置ロール式ガイダー)は、図1の発泡炉に隣接して配
置している。
【0019】図2中、6は発泡炉で加熱発泡された直後
の発泡シートであり、波状のしわを有している。7およ
び7’は拡幅ロールであり、図2の拡幅装置はこの1対
のロールから構成されている。(8)は引取りロールで
ある。ここで、2本の拡幅ロール(7,7’)は各々、
発泡炉(9)の幅方向に対し配向角度(θ,θ’)をも
たせてハの字形に配置する。
【0020】拡幅ロール回転速度(V0)の発泡シート
移行方向成分(V1)が発泡シートの移行速度すなわち
引取りロール(8)の回転速度(V1’) とほぼ等し
くなるように拡幅ロールを回転させ、該ハの字ロール式
ガイダー上に、発泡炉(9)を出た発泡完了寸前の発泡
シート(6)を通過させることにより、発泡シートは拡
幅ロールから幅方向外方の接触摩擦力を受けて拡幅され
る。
【0021】発泡シートの拡幅率は、2本の拡幅ロール
の配向角度θを変更することにより調整できる。配向角
度(θ,θ’)を90度に近づけるほど、発泡シートに
対する拡幅力は大きくなるが、同時に2本の拡幅ロール
間の溝が広がるため、発泡シートがそこへ落ち込みやす
くなり、発泡シートの発泡形状が不安定になる。そのた
め2本の拡幅ロールの配向角度θは0〜45度が適当で
ある。
【0022】拡幅ロールの形状としては、円柱型の平行
ロールが一般的であるが、図4に示すような外側に広が
った円錐台型のロールを使用すると、拡幅ロールの表面
速度は内側よりも外側の方が早くなり、発泡シート両端
部により大きな拡幅力を与えることになるため、拡幅効
率が増すことになる。
【0023】また、図3に示すように2対のハの字状に
配置されたロールを用いると、各段階で発泡シートが拡
幅されるため、拡幅率を上げることができる。さらに、
該ハの字配置ロール式ガイダーを2段以上の多段に設置
することもできる。
【0024】上記拡幅ロールの配置、形状、径および材
質は、発泡体の樹脂の種類、温度、倍率および厚み等に
よって適宜選択されるが、一定の拡幅率を持続するため
には温度制御されていることが望ましい。すなわち、拡
幅ロールを所定温度に制御することにより、発泡シート
に対する接触摩擦力を制御し、発泡シートの拡幅率を一
定に調整できる。ただし、拡幅ロール(温度制御ロー
ル)の温度は、発泡シートが拡幅ロールと融着せずスム
ーズに流れること、および発泡シートに傷を着けないよ
うにするために、一般的には樹脂の融点以下に制御され
る。
【0025】ハの字配置ロール式ガイダーにより拡幅さ
れたシートは、引取りロール(8)上を通過し、さらに
巻き取りロールにより巻き取られて、連続的な架橋発泡
シートの製品となる。
【0026】図5は、本発明における蛇行規制作用をも
つ発泡シート拡幅装置の一実施例を上から見た略図であ
り、図6は横から見た略図である。図5〜図6中、7お
よび7’は2本1組の拡幅ロール、6は発泡シート、8
は引取りロール、9は発泡炉、13および13’は拡幅
ロールの回転軸、10および10’は回転軸を支持する
支持台、11は左右の支持台を連結する連結棒、12は
ハンドルである。
【0027】該ハの字配置ロール式ガイダーにおいて
は、ハンドル(12)を時計回り(a)あるいは反時計
回り(b)に回転させることにより、連結棒(11)が
シート進行方向左側および右側にスライドし、同時に支
持台(10、10’)と拡幅ロール(7、7’)とが回
転軸(13、13’)を中心に反時計回り(b)および
時計回り(a)に回転する構造となっている。2本の拡
幅ロール(7、7’)を、それぞれ発泡炉幅方向に対し
て0〜45度の配向角度(θ、θ’)をもたせて配置
し、拡幅ロール回転速度の発泡シート移行方向成分が発
泡シート移行速度(引取りロール回転速度)とほぼ等し
くなるように拡幅ロールを回転させ、該ハの字配置ロー
ル式ガイダー上に発泡完了寸前の発泡シート(6)を通
過させることにより、発泡シートは拡幅ロールから幅方
向外方の接触摩擦力を受け拡幅されるようになってい
る。
【0028】発泡シート製造時に、発泡シート(6)が
シート進行方向に対して右側に蛇行した場合、ハンドル
(12)を時計回りに回転させると、拡幅ロール(7、
7’)が回転軸を中心に反時計回りに回転するため、左
側拡幅ロール(7)の配向角度(θ)の方が右側拡幅ロ
ール(7’)の配向角度(θ’)よりも大きくなり、シ
ート進行方向に対して左側へ拡幅する力の方が大きくな
る。したがって、発泡シートの右側への蛇行は左側へ規
制され、初めの状態にもどる。
【0029】また、図7は図5〜6の変更例である。図
7中、7および7’は2本の拡幅ロール、6は発泡シー
ト、14および14’は蝶番、15および15’は調節
ネジである。該ハの字配置ロール式ガイダーにおいて
は、拡幅ロール(7、7’)を、一端を蝶番(14、1
4’)で連結し、他端に調節ネジ(15、15’)を取
り付けた支持台に固定し、左右の調節ネジの操作によっ
て拡幅ロール(7、7’)の上下角(α、α’)を変え
ることができるような構造になっている。
【0030】発泡シート製造時に、例えば、発泡シート
(6)がシート進行方向に対して左側に蛇行した場合、
右側の調節ネジ(15’)を時計回りに回すと、支持台
上部の拡幅ロール(7’)が上に持ち上げられて、右側
の拡幅ロール(7’)の上下角(α’)が大きくなる。
そうすると、発泡シート(6)との接触面積が、左側の
拡幅ロール(7)よりも右側の拡幅ロール(7’)の方
が大きくなり、シート進行方向に対して右側に拡幅する
力の方が大きくなる。よって、左側への蛇行は、右側へ
規制され、初めの状態にもどる。
【0031】また、本発明における発泡シート拡幅装置
の3つめの具体例としては、左右の拡幅ロール(7、
7’)の回転速度が別々に調節でき、2本の拡幅ロール
の回転速度に差をつけることができるような構造の装置
を挙げることができる。発泡シート製造時に、例えば、
発泡シートが発泡シート進行方向に対して右側に蛇行し
た場合、左側の拡幅ロール(7)の回転速度を右側の拡
幅ロール(7’)の回転速度よりも速くすることによ
り、左側へ拡幅する力の方が大きくなり、右側への蛇行
は左側に規制され、初めの状態にもどすことができる。
【0032】さらに、本発明における発泡シート拡幅装
置は、拡幅ロールの配向角度調節と上下角調節、および
回転速度調節を組み合わせることによって、発泡シート
の拡幅および蛇行規制をより効果的に行うことができ
る。
【0033】図8は、本発明における自動制御による蛇
行規制作用をもつ発泡シート拡幅装置の一実施例を上か
ら見た略図であり、図9は横から見た略図である。図8
〜図9中、7および7’は2本1組の拡幅ロール、6は
発泡シート、8は引取りロール、9は発泡炉、13およ
び13’は拡幅ロールの回転軸、10および10’は回
転軸を支持する支持台、11は左右の支持台を連結する
連結棒、16はギア、17は幅検出器連動モーター、1
8および18’は幅検出器である。図8において、幅検
出器(18、18’)が発泡シート(6)の蛇行を検出
すると、発泡シートの蛇行方向に応じて連動モーター
(17)が回転し、同時にギア(16)が同方向へ回転
する。そうすると、連結棒(11)が発泡炉幅方向にス
ライドし、同時に支持台(10、10’)と拡幅ロール
(7、7’)とが回転軸を中心に回転する構造になって
いる。
【0034】2本の拡幅ロール(7、7’)を、それぞ
れ発泡炉幅方向に対して0〜45度の配向角度(θ、
θ’)をもたせて配置し、拡幅ロール回転速度の発泡シ
ート移行方向成分が発泡シート移行速度(引取りロール
回転速度)とほぼ等しくなるように拡幅ロールを回転さ
せ、該ハの字配置ロール式ガイダー上に発泡完了寸前の
発泡シート(6)を通過させることにより、発泡シート
は拡幅ロールから幅方向外方の接触摩擦力を受け拡幅さ
れるようになっている。
【0035】発泡シート製造時に、例えば、発泡シート
(6)がシート進行方向に対して右側に蛇行した場合、
幅検出器(18、18’)がこれを検出し、連動モータ
ー(17)およびギア(16)が時計回りに回転し、同
時に拡幅ロール(7、7’)が回転軸を中心に反時計回
りに回転する。そうすると、左側拡幅ロール(7)の配
向角度(θ)の方が右側拡幅ロール(7’)の配向角度
(θ’)よりも大きくなり、シート進行方向に対して左
側へ拡幅する力の方が大きくなるため、発泡シートの右
側への蛇行は左側へ規制され、初めの状態にもどる。
【0036】また、図10および図11は、図8〜9の
変更例である。図10〜11中、7および7’は2本の
拡幅ロール、6は発泡シート、8は引取ロール、9は発
泡炉、18および18’は幅検出器であり、14および
14’は蝶番、19および19’は調節ネジ、20およ
び20’はギアである。図10において、幅検出器(1
8、18’)が発泡シート(6)の蛇行を検出すると、
発泡シートの蛇行に応じて連動モーター(17)および
ギア(20、20’)が回転し、調節ネジが上下に移行
する。一方、拡幅ロール(7、7’)は、一端を蝶番
(14、14’)で連結し、他端に調節ネジ(19、1
9’)を取り付けた支持台に固定され、左右の調節ネジ
が上下に移行することによって、拡幅ロール(7、
7’)の上下角(α、α’)が変わる構造になってい
る。
【0037】発泡シート製造時に、例えば、発泡シート
(6)がシート進行方向に対して右側に蛇行した場合、
幅検出器(18、18’)がこれを検出し、左側の連動
モーター(17)およびギア(20)が時計回りに回転
し、左側のネジ(19)が上下に移行し、支持台が上に
持ち上げられ、左側の拡幅ロール(7)の上下角(α)
が大きくなる。そうすると、発泡シート(6)との接触
面積が、右側の拡幅ロール(7’)よりも左側の拡幅ロ
ール(7)の方が大きくなり、シート進行方向に対して
左側に拡幅する力の方が大きくなる。よって、右側への
蛇行は、左側へ規制され、初めの状態にもどる。
【0038】また、本発明における発泡シート拡幅装置
の3つめの具体例としては、左右の拡幅ロール(7、
7’)の駆動モーターと幅検出器を連動させ、発泡シー
トの蛇行状況に応じて、2本の拡幅ロールの回転速度の
間に差をつけることができるような構造の装置を挙げる
ことができる。発泡シート製造時に、例えば、発泡シー
トが発泡シート進行方向に対して右側に蛇行した場合、
幅検出器がこれを検出し、左側の拡幅ロール(7)の回
転速度を右側の拡幅ロール(7’)の回転速度よりも速
くすることにより、左側へ拡幅する力の方が大きくな
り、右側への蛇行は左側に規制され、初めの状態にもど
すことができる。
【0039】さらに、本発明における発泡シート拡幅装
置は、拡幅ロールの配向角度調節と上下角調節、および
回転速度調節を組み合わせることによって、発泡シート
の拡幅および蛇行規制をより効果的に行うことができ
る。また、幅検出器としては、一般にシートの蛇行を測
定する方法であれば特に限定されず、いずれの方法、装
置でも適用できるが、発泡体は柔軟で傷がつきやすいた
め、非接触式の光電方式が好ましい。
【0040】図12は、本発明における幅変動を減少さ
せる作用をもつ発泡シート拡幅装置の一実施例を上から
見た略図であり、図13は横から見た略図である。図1
2〜13中、7は2本1組の拡幅ロール、6は発泡シー
ト、8は引取りロール、9は発泡炉、21は拡幅ロール
駆動モーター、22は拡幅ロール駆動モーターベルト、
12は拡幅ロール支持台、27は拡幅ロール支持台回転
軸、26は拡幅ロール支持台回転軸駆動モーター、24
は拡幅ロール支持台回転軸駆動モーターベルト、25は
幅検出器である。
【0041】図12において、幅検出器(25)が発泡
シート(6)の幅変動を検出すると、検出信号が出力さ
れ、この出力信号は拡幅ロール駆動モーター(21)お
よび拡幅ロール支持台回転軸駆動モーター(26)に伝
わる。拡幅ロール駆動モーター(21)に関しては、検
出信号により回転速度が変わり、拡幅ロール支持台回転
軸駆動モーター(26)に関しては、検出信号により右
回り(a)あるいは左回り(b)に数度回転する。拡幅
ロール支持台回転軸駆動モーター(26)の回転各は拡
幅ロール支持台回転軸駆動モーターベルト(24)によ
って拡幅ロール支持台回転軸(27)に伝わり、拡幅ロ
ール(7)の配向角度が変化する。
【0042】2本の拡幅ロール(7、7)を、それぞれ
発泡炉幅方向に対してθの配向角度をもたせて配置し、
拡幅ロール回転速度の発泡シート移行方向成分が発泡シ
ート移行速度(引き取りロール回転速度)とほぼ等しく
なるように拡幅ロールを回転させると、該ハの字配置ロ
ール式ガイダー上に発泡完了寸前の発泡シート(6)を
通過させたとき、発泡シートはほぼ発泡シート幅方向外
方の接触摩擦力を拡幅ロールから受けるため、発泡シー
トは拡幅される。
【0043】このとき、拡幅ロール回転速度の発泡シー
ト移行方向成分が発泡シート移行速度(引き取りロール
回転速度)と異なる場合、1つの可能性として発泡シー
トが拡幅ロール上を滑らずに移行したとすると、発泡シ
ートが受ける接触摩擦力は発泡シート移行方向に成分を
もつため、その発泡シート移行成分の接触摩擦力により
発泡シート移行速度が速められたり、あるいは遅くさせ
られたりするが、引き取りロール以後および発泡炉内の
シート移行速度は変化できないので、拡幅ロール後部
(あるいは前部)に発泡シートのたるみを生じ、拡幅ロ
ール前部(あるいは後部)は張力がかかって多少伸びる
状態になる。しかし、発泡シートの伸びる長さには限界
があるので、限界点に達すると、拡幅ロールと発泡シー
トが滑りはじめ、結局初めの発泡シート移行速度(引き
取りロール回転速度)に戻り定常状態になる。
【0044】すなわち、拡幅ロール回転速度の発泡シー
ト移行方向成分が発泡シート移行速度(引き取りロール
回転速度)と異なる場合、拡幅ロールと発泡シートが滑
りながら、拡幅ロール回転速度の発泡シート移行方向成
分が発泡シート移行速度(引き取りロール回転速度)と
同じである場合と同一の移行速度で発泡シートが移行す
ることになり、発泡シートが受ける接触摩擦力は動摩擦
力となって、拡幅効果が減少してしまう。
【0045】したがって、拡幅ロールから受ける接触摩
擦力によって発泡シート表面にロール跡をつけずに、効
果的に拡幅を行なうためには、通常拡幅ロールと発泡シ
ートが滑っていない状態で発泡シートを移行させること
が望ましく、拡幅ロール回転速度の発泡シート移行方向
成分が発泡シート移行速度(引き取りロール回転速度)
と同速になるように設定することが必要になる。
【0046】また、発泡シートの幅変動が生じると、幅
検出器がこれを検出し、検出信号を出力して、拡幅ロー
ルの配向角度および回転速度を調節し、発泡シートの幅
変動を規制する。
【0047】つまり、発泡シートの幅が増加すると、幅
検出器が出力する検出信号により拡幅ロールの配向角度
が小さくなり、それと同時に拡幅ロール回転速度の発泡
シート移行方向成分と発泡シート移行速度(引き取りロ
ール回転速度)とが等しくなるように回転速度が減少
し、その結果、接触摩擦力が減少して発泡シートの幅も
減少する。逆に、発泡シートの幅が足りなくなると、幅
検出器が出力する検出信号により拡幅ロールの配向角度
は大きくなり、それと同時に拡幅ロール回転速度の発泡
シート移行方向成分と発泡シート移行速度(引き取りロ
ール回転速度)とが等しくなるように回転速度が増加
し、その結果、接触摩擦力が増加して発泡シートの幅も
増加する。このようにして、発泡シートの幅変動を減少
させることができる。
【0048】さらに、左右の拡幅ロールの平均配向角度
の大きさを変化させることにより幅変動を減少させ、左
右の拡幅ロールの配向角度比を変化させることにより蛇
行を規制することができる。したがって、本発明の方法
および装置により、発泡シートの拡幅を行ないつつ発泡
シートの幅変動を減少させるとともに、発泡シートが蛇
行した場合には、蛇行を規制することもできる。
【0049】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、特に限定されず、具体例として、ポリエチレ
ン(低密度、中〜高密度、直鎖状低密度)、エチレンと
他のモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸、アクリ
レートおよびプロピレン等との共重合体、ホモまたは共
重合ポリプロピレンおよび塩素化ポリエチレン等を挙げ
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。
【0050】熱分解型発泡剤の具体例としては、アゾジ
カルボンアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド
およびジニトロソペンタメチレンテトラミン等多種ある
が、一般的にはアゾジカルボンアミドが用いられる。熱
分解型発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率により適宜調
整されるが、一般的には、樹脂100重量部に対し2〜
25重量部である。
【0051】また、上記発泡性樹脂組成物には、難燃
剤、着色剤、抗酸化剤、充填剤、発泡助剤、滑剤等を必
要により任意に添加することができる。
【0052】発泡性樹脂組成物は、熱分解型発泡剤の分
解温度未満の温度で通常シート状に成形される。得られ
た発泡性樹脂組成物シートは、架橋した後、加熱発泡さ
せるが、架橋方法としては、シートに電子線や放射線を
照射する方法、または、樹脂組成物にジクミルパーオキ
サイド等の有機過酸化物を添加してシート状に成形後、
加熱する方法がとられる。他の架橋方法として、反応性
ビニルトリメトキシシラン等を樹脂にグラフトまたは共
重合した後、水架橋する方法も適用できる。また、各種
の架橋方法を併用して使用してもよい。
【0053】電子線や放射線などの電離性放射線を照射
して架橋する場合は、通常、発泡性樹脂組成物シートを
発泡炉に導入する前に照射工程を設け、架橋させて発泡
に必要な粘弾性を樹脂に与える。有機過酸化物の存在下
に加熱架橋する場合は、通常、発泡性樹脂組成物シート
を発泡炉の予熱領域を移送する間に、予熱すると同時に
架橋する。
【0054】架橋させたシートは、予熱領域を経て、発
泡炉の発泡領域において加熱発泡させ、ポリオレフィン
系樹脂架橋発泡体とする。
【0055】
【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。
【0056】[実施例1]低密度ポリエチレン(密度
0.921、メルトインデックス2.0)100重量部
に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、発
泡助剤および滑剤としてステアリン酸亜鉛1.5重量部
および顔料として酸化チタン1.0重量部を加え、ヘン
シェルミキサーで予備混合し、その混合物を90mmφ
一軸押出機(L/D=25)に投入し、発泡剤が分解し
ないように樹脂温度条件を150℃未満に調節して、混
練押出し、Tダイより吐出させ、厚み1.75mm、幅
410mmの発泡性樹脂組成物シートを成形した。この
シートに電子線照射機(750kv)を用いて4.8M
radの線量を照射し、架橋させた。
【0057】架橋したシートを、予熱領域と発泡領域と
からなる発泡炉に導入した。該シートを予熱領域を移行
する支持ベルト上で移送しながら、上下面からの熱風に
より約155℃まで加熱し、そこから発泡領域に離脱、
移行させて、230℃の熱風により加熱発泡させた。こ
の発泡シートを、発泡炉出口から30cm離れたところ
に設置したハの字配置ロール式ガイダー上を通過させ
て、引取りロールで引き取り、ついで巻き取りロールに
巻き取って、厚み4.6mm、平均幅1260mm、発
泡倍率約31倍の連続的な発泡体を得た。
【0058】ハの字配置ロール式ガイダーにおける、2
本の拡幅ロールは、長さ85cm,径9cmのアルミ製
の平行ロールを使用した。また、拡幅ロールは発泡炉幅
方向に対して配向角度15度のハの字状に配置し、拡幅
ロール内に水を流すことにより、ロールを冷却して温度
制御した。
【0059】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーを通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。得られた発泡体には、ハの字配置ロ
ール式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見
られず、幅方向に平滑な発泡体を連続的に成形すること
ができた。
【0060】[実施例2]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋させ
た。
【0061】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめ、発泡
炉出口から30cmと60cm離れたところの2段階に
設置した2対のハの字配置ロール式ガイダー上を通過さ
せてから、引取りロールで引き取り、ついで巻き取りロ
ールに巻き取って、厚み3.0mm、平均幅1270m
m、発泡倍率約31倍の連続的な発泡体を得た。
【0062】ハの字配置ロール式ガイダーにおける拡幅
ロールは、実施例1と同一の平行ロールを使用し、配向
角度も実施例1と同一にした。また、拡幅ロール内に水
を流すことにより、ロール表面を冷却した。
【0063】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーの1段
目を通過させることによりそのしわはほとんど除去さ
れ、2段目では完全に除去されて、均一な形状で巻き取
りができた。得られた発泡体には、ハの字配置ロール式
ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見られ
ず、幅方向に平滑な発泡体が連続的に成形できた。
【0064】[実施例3]実施例2と同一の架橋発泡性
樹脂組成物シートを、実施例1と同一発泡装置、同一温
度で加熱発泡せしめ、発泡炉出口から30cm離れたと
ころに設置したハの字配置ロール式ガイダー上を通過さ
せてから、引取ロールで引き取り、ついでロールに巻き
取って、厚み3.0mm、平均幅1270mm、発泡倍
率約31倍の連続的な発泡体を得た。
【0065】ハの字配置ロール式ガイダーにおける2本
の拡幅ロールとして、上底径9cm、下底径15cmお
よび長さ85cmのアルミ製の円錐台型ロールを使用し
た。また、拡幅ロールは発泡炉幅方向に対して配向角度
15度でハの字状に配置し、拡幅ロール内に水を流すこ
とにより、ロール表面を冷却した。
【0066】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーを通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。得られた発泡体には、ハの字配置ロ
ール式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見
られず、幅方向に平滑な発泡体を連続的に成形すること
ができた。
【0067】[比較例1]実施例1と同一の発泡装置に
おいて、発泡炉に隣接するガイダーとして、左右の間隔
1275mmに設定して取り付けた吸引およびチェーン
ベルト駆動式のガイダーを用いたこと以外は、実施例1
と同様にして厚み4.6mm、平均幅1270mm、発
泡倍率約31倍の架橋発泡シートを成形した。
【0068】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、吸引およびチェーンベルト駆動式ガ
イダーを通過させることにより、そのしわは除去され、
均一な形状で巻き取りができた。しかし、1時間の連続
運転中、3回のガイダーはずれが起こり、連続的に平滑
なシートを成形することはできなかった。得られた発泡
体には、幅方向両端にガイダー移行時についたシート案
内溝の跡が残っているため、製品としては端部を切断除
去する必要があった。
【0069】[実施例4]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋せし
めた。
【0070】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめ、発泡
炉出口から30cm離れたところに配置したハの字配置
ロール式ガイダー上を通過させてから、引取りロールで
引き取り、ついで巻き取りロールに巻き取って、厚み
3.0mm、平均幅1270mm、発泡倍率約31倍の
連続的な発泡体を得た。
【0071】ハの字配置ロール式ガイダーにおける2本
の拡幅ロールは、長さ85cm、径9cmのアルミ製の
平行ロールを使用し、拡幅ロールは発泡炉幅方向に対し
て配向角度15度のハの字状に配置したが、発泡シート
の蛇行状況に応じて、手動により配向角度を調節した
(図5〜6)。拡幅ロール内には水を流すことにより、
ロール表面を冷却して温度制御した。
【0072】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーを通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。得られた発泡体には、ハの字配置ロ
ール式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見
られず、幅方向に平滑な発泡体を連続的に成形すること
ができた。
【0073】なお、手動により配向角度を調節しなかっ
た場合には、発泡開始後、約1時間後に蛇行が発生し、
巻き取り側面に段差が発生した。
【0074】[実施例5]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋せし
めた。
【0075】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめ、発泡
炉出口から30cmと60cm離れたところの2段階に
配置したハの字配置ロール式ガイダー上を通過させてか
ら、引取りロールで引き取り、ついで巻き取りロールに
巻き取って、厚み3.0mm、平均幅1270mm、発
泡倍率約31倍の連続的な発泡体を得た。
【0076】ハの字配置ロール式ガイダーにおける拡幅
ロールは、実施例4と同一の平行ロールを使用した。拡
幅ロールは、初め発泡炉幅方向に対して配向角度15度
でハの字状に配置したが、発泡シートの蛇行状況に応じ
て、手動によりこの配向角度を調節した。拡幅ロール内
に水を流すことにより、ロール表面を冷却した。
【0077】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーの1段
目を通過させることによりそのしわはほとんど除去さ
れ、2段目では完全に除去されて、均一な形状で巻き取
りができた。また、蛇行が生じたときも、拡幅ロールの
配向角度調節により蛇行を規制することができた。得ら
れた発泡体には、ハの字配置ロール式ガイダーの拡幅ロ
ールによる傷および跡は全く見られず、幅方向に平滑な
発泡体が連続的に成形できた。
【0078】[実施例6]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋せし
めた。
【0079】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめた。こ
の発泡シートを、発泡炉出口から30cm離れたところ
に設置したハの字配置ロール式ガイダー(図8〜9)上
を通過させ、ついで第1引取ロール(8)と第2引取ロ
ール(8’)との間に設置した光電式幅検出器を通過さ
せてから、巻き取りロールに巻き取って、厚み4.6m
m、平均幅1260mm、発泡倍率約31倍の連続的な
発泡体を得た。
【0080】ハの字配置ロール式ガイダーにおける2本
の拡幅ロールは、長さ85cm,径9cmのアルミ製の
平行ロールを使用した。また、拡幅ロールは発泡炉幅方
向に対して配向角度15度のハの字状に配置したが、こ
の配向角度は、光電式幅検出器が検出した蛇行状況に応
じて自動的に調節された。また、拡幅ロール内に水を流
すことにより、ロール表面を冷却して温度制御した。
【0081】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーを通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。また、蛇行が生じたときには、蛇行
は自動的に規制された。得られた発泡体には、ハの字配
置ロール式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全
く見られず、幅方向に平滑な発泡体を連続的に成形する
ことができた。
【0082】[実施例7]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋せし
めた。
【0083】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめ、発泡
炉出口から30cmと60cm離れたところの2段階に
配置したハの字配置ロール式ガイダー上を通過させ、つ
いで第1引取ロールと第2引取ロールとの間に設置した
光電式幅検出器を通過させてから、巻き取りロールに巻
き取って、厚み3.0mm、平均幅1270mm、発泡
倍率約31倍の連続的な発泡体を得た。
【0084】ハの字配置ロール式ガイダーにおける拡幅
ロールは、実施例6と同一の平行ロールを使用した。拡
幅ロールは、初め発泡炉幅方向に対して配向角度15度
でハの字状に配置したが、この配向角度は光電式幅検出
器が検出した蛇行状況に応じて自動的に調節された。ま
た、拡幅ロール内に水を流すことにより、ロール表面を
冷却した。
【0085】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーの1段
目を通過させることによりそのしわはほとんど除去さ
れ、2段目では完全に除去されて、均一な形状で巻き取
りができた。また、蛇行が生じたときも、自動的に蛇行
は規制された。得られた発泡体には、ハの字配置ロール
式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見られ
ず、幅方向に平滑な発泡体が連続的に成形できた。
【0086】[実施例8]実施例1と同一の原料を同一
押出機、同一条件で混練押出し、Tダイより吐出して、
厚み1.10mm、幅410mmの発泡性樹脂組成物シ
ートを成形した。このシートに電子線照射機(850k
v)を用いて2.4Mradの線量を照射し、架橋せし
めた。
【0087】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、実施
例1と同一発泡装置、同一温度で加熱発泡せしめた。こ
の発泡シートを、発泡炉出口から30cm離れたところ
に設置したハの字配置ロール式ガイダー(図12〜1
3)およびその直後に設置した幅検出器を通過させ、つ
いで引取ロールで引き取り、ロールに巻き取って、厚み
4.6mm、平均幅1260±5mm、発泡倍率約31
倍の連続的な発泡体を得た。また、このときの発泡シー
トの移行速度(引き取りロール回転速度)は10m/分
であった。
【0088】ハの字配置ロール式ガイダーにおける2本
の拡幅ロールは、長さ85cm、径9cmのアルミ製の
平行ロールを使用した。また、拡幅ロールは発泡炉幅方
向に対して配向角度15度のハの字状に配置したが、こ
の配向角度は、幅検出器が検出した検出信号により、配
向角度および回転速度は順次変化した。さらに、拡幅ロ
ール内に水を流すことにより、ロール表面を冷却して温
度制御した。
【0089】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、ハの字配置ロール式ガイダーを通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。得られた発泡体には、ハの字配置ロ
ール式ガイダーの拡幅ロールによる傷および跡は全く見
られず、シート幅のバラツキも±5mmの範囲であり、
ほぼ幅一定の幅方向平滑な発泡体を連続的に成形するこ
とができた。
【0090】なお、拡幅ロールの配向角度を15度、回
転速度を10.35m/分に固定した場合には、シート
幅のバラツキは±20mmと大きな値になった。
【0091】
【発明の効果】本発明の製造方法および製造装置によれ
ば、山付着等による傷がなく、幅方向平滑なポリオレフ
ィン系樹脂架橋発泡体を連続的に安定して得ることがで
きる。また、ガイダーとの接触による傷や跡がないた
め、発泡体端部を切断除去する等の不良を生じないポリ
オレフィン系樹脂架橋発泡体が得られる。さらに、本発
明によれば、蛇行の規制が効率よく行なわれ、また、一
定幅の架橋発泡体が連続的に安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡装置の一例の断面略図である。
【図2】本発明における1組のハの字状に配置された2
本のロールからなる発泡シート拡幅装置を上面から見た
略図である。
【図3】本発明における2組のハの字状に配置された2
組のロールからなる発泡シート拡幅装置を上面から見た
略図である。
【図4】本発明における1組のハの字状に配置された円
錐台形ロールからなる発泡シート拡幅装置を上面から見
た略図である。
【図5】本発明における蛇行規制作用をもつハの字状に
配置された2本のロールからなる発泡シート拡幅装置を
上面から見た略図である。
【図6】図5の装置を横から見た略図である。
【図7】本発明における蛇行規制作用をもつハの字状に
配置された2本のロールからなる発泡シート拡幅装置の
他の実施例の略図である。
【図8】本発明における自動制御による蛇行規制作用を
もつハの字状に配置された2本のロールからなる発泡シ
ート拡幅装置を上面から見た略図である。
【図9】図8の装置を横から見た略図である。
【図10】本発明における自動制御による蛇行規制作用
をもつハの字状に配置された2本のロールからなる発泡
シート拡幅装置の他の実施例の略図である。
【図11】図10の装置を横から見た略図である。
【図12】本発明における幅変動を減少させる作用をも
つハの字状に配置された2本のロールからなる発泡シー
ト拡幅装置を上面から見た略図である。
【図13】図12の装置を横から見た略図である。
【図14】吸引式ガイダーの断面略図である。
【符号の説明】
1 予熱領域 2 発泡領域 3 加熱装置 4 搬送支持ベルト 5 発泡性樹脂組成物シート(原反シート) 6 発泡シート 7 拡幅ロール(発泡シート移行方向に対し左側) 7’拡幅ロール(発泡シート移行方向に対し右側) 8 第1引取りロール 8’第2引取ロール 9 発泡炉 10、10’ 支持台 11 左右支持台を連結する連結棒 12 ハンドル 13、13’ 拡幅ロール回転軸 14、14’ 蝶番 15、15’ 調節ネジ 16 ギア 17 光電式幅検出器連動モーター 18、18’ 光電式幅検出器 19、19’ 調節ネジ 20、20’ ギア 21、21’ 拡幅ロール駆動モーター 22、22’ 拡幅ロール駆動モーターベルト 23、23’ 拡幅ロール支持台 24、24’ 拡幅ロール支持台回転軸駆動モーターベ
ルト 25、25’ 幅検出器 26 拡幅ロール支持台回転軸駆動モーター 27 拡幅ロール支持台回転軸 28 シート案内溝 29 チェーンベルト 30 吸引機構 θ、θ’ 拡幅ロールの幅方向に対する配向角度 α、α’ 拡幅ロールの水平面に対する上下角 V0、V0’拡幅ロール回転速度 V1 拡幅ロール回転速度の発泡シート移行方向成
分 V2、V2’拡幅ロール回転速度の発泡シート幅方向成分 V1’ 発泡シート移行速度(引き取りロール回転速
度)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発
    泡剤を含有する樹脂組成物を、該発泡剤の分解温度未満
    の温度で発泡性樹脂組成物シートに成形し、ついで架橋
    した後、加熱発泡させる架橋発泡体の製造方法におい
    て、発泡シートを発泡終点近傍で、少なくとも1組のハ
    の字状に配置された2本のロールからなる発泡シート拡
    幅装置上を通過させることにより、発泡シートを幅方向
    外方に拡幅することを特徴とするポリオレフィン系樹脂
    架橋発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記発泡シートを発泡終点近傍で、少な
    くとも1組のハの字状に配置された2本のロールからな
    る発泡シート拡幅装置上を通過させることにより、発泡
    シートを幅方向外方に拡幅するとともに、対向する2本
    のロールの相対配向角度、相対上下角および相対回転速
    度のうちの少なくとも1つを制御することにより発泡シ
    ートの蛇行を規制することを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡シートを発泡終点近傍で、少なくと
    も1組のハの字状に配置された2本のロールからなる発
    泡シート拡幅装置上を通過させることにより、発泡シー
    トを幅方向外方に拡幅するとともに、発泡シートの幅検
    出器により検出した発泡シートの蛇行状況に連動して、
    対向する2本のロールの相対配向角度、相対上下角およ
    び相対回転速度のうちの少なくとも1つを自動制御する
    ことにより発泡シートの蛇行を規制することを特徴とす
    る請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡シートを発泡終点近傍で、少なくと
    も1組のハの字状に配置された2本のロールからなる発
    泡シート拡幅装置上を通過させることにより、発泡シー
    トを幅方向外方に拡幅するとともに、発泡シートの幅検
    出器の検出信号により拡幅ロールの配向角度および回転
    速度を変化させて発泡シートの幅変動を減少させること
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 発泡炉に隣接して、少なくとも1組のハ
    の字状に配置されたロールからなる発泡シート拡幅装置
    が配置されていることを特徴とするポリオレフィン系樹
    脂架橋発泡体の製造装置。
  6. 【請求項6】 発泡炉に隣接して、少なくとも1組のハ
    の字状に配置された2本のロールからなり、対向する2
    本のロールの相対配向角度、相対上下角および相対回転
    速度を変化させるように構成してなる発泡シート拡幅装
    置が配置されていることを特徴とする請求項5記載の製
    造装置。
  7. 【請求項7】 発泡炉に隣接して、少なくとも1組のハ
    の字状に配置された2本のロールからなる発泡シート拡
    幅装置と、該拡幅装置を通過した発泡シートの蛇行を検
    出する幅検出器が配置され、かつ、該幅検出器により検
    出された蛇行状況に連動して、対向する2本のロールの
    相対配向角度、相対上下角および相対回転速度のうちの
    少なくとも1つを自動制御するように構成してなること
    を特徴とする請求項5記載の製造装置。
  8. 【請求項8】 発泡炉に隣接して、少なくとも1組のハ
    の字状に配置された2本のロールからなる発泡シート拡
    幅装置と、該発泡シート拡幅装置の直前または直後に発
    泡シートの幅を検出する幅検出器が配置され、かつ、該
    幅検出器の検出信号により拡幅ロールの配向角度および
    回転速度を変化させるように構成してなることを特徴と
    する請求項5記載の製造装置。
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JP (1) JPH0557808A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9110479B2 (en) 2012-09-18 2015-08-18 Toshiba Schneider Inverter Corporation Voltage balancing circuit
US9260577B2 (en) 2009-07-14 2016-02-16 Toray Plastics (America), Inc. Crosslinked polyolefin foam sheet with exceptional softness, haptics, moldability, thermal stability and shear strength
CN114801014A (zh) * 2022-04-28 2022-07-29 宁波秦鼎材料科技有限公司 一种用于聚烯烃垂直发泡炉的真空定宽拉幅机

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