JPH0516257A

JPH0516257A - ポリオレフイン系樹脂架橋発泡体の製造方法および製造装置

Info

Publication number: JPH0516257A
Application number: JP3175185A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Kurio; 浩行栗尾; Hiroshi Ueda; 博上田; Takeo Takahashi; 武夫高橋; Kuranosuke Yamamoto; 倉之輔山本
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1991-07-16
Filing date: 1991-07-16
Publication date: 1993-01-26

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】発泡炉中で発泡させた発泡シートを幅方向外
方に拡幅し、平坦でしわのないポリオレフィン系樹脂架
橋発泡体を製造する方法および製造装置を提供するこ
と。また、平坦でしわのないポリオレフィン系樹脂架橋
発泡体を蛇行を規制しながら製造する方法および製造装
置を提供すること。【構成】発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物シートを
架橋した後、加熱発泡させる架橋発泡体の製造方法にお
いて、発泡シート６を発泡終点近傍で、湾曲エキスパン
ダーロール上を通過させることにより、発泡シート６を
幅方向外方に拡幅するポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
の製造方法。発泡炉９に隣接して、湾曲エキスパンダー
ロールからなる発泡シート拡幅装置を配置してなるポリ
オレフィン系樹脂架橋発泡体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
架橋発泡体の製造技術に関し、さらに詳しくは、発泡炉
中で発泡させた発泡シートを幅方向外方に拡幅し、平坦
でしわのないポリオレフィン系樹脂架橋発泡体を製造す
る方法および製造装置に関する。また、本発明は、平坦
でしわのないポリオレフィン系樹脂架橋発泡体を蛇行を
規制しながら製造する方法および製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造
方法には、例えば、竪型発泡法や横型発泡法などが知ら
れている。例えば、図１に示す横型発泡装置を用いた発
泡においては、ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発
泡剤を含有する発泡性樹脂組成物シート（５）を発泡炉
（９）に導入して発泡させる。この場合、先ず、発泡性
樹脂組成物シート（５）を搬送支持ベルト（４）にて予
熱領域１中を移送しながら加熱装置（３）にて上下両面
を加熱して樹脂を溶融させ、ついで発泡領域（２）へと
離脱、移行させて、加熱発泡させる。発泡シート（６）
は、発泡するにつれ幅方向および厚み方向に膨張してい
く。発泡領域（２）中では、発泡シートの下側にエアー
フロートベッドを配置すれば、非接触で加熱自由発泡さ
せることもできる。

【０００３】ところで、発泡炉中で加熱発泡させた発泡
シート、特に加熱自由発泡させた発泡シートは、シート
幅方向に波状のしわが発生したり、発泡の際に生じた変
形により一定の形状が得られなかったり、あるいはシー
トが蛇行したりするため、平坦で一定形状の発泡シート
を得ることが困難である。

【０００４】このようなポリオレフィン系樹脂架橋発泡
体の製造工程において、発泡の際に生じるシート幅方向
の波状のしわを除去しながら発泡シートの幅や蛇行を規
制するために、発泡終点近傍に発泡シート移送装置（ガ
イダー）を設けることが考えられる。その具体例の１つ
として、図７に示すような構造の吸引式ガイダーが挙げ
られる。

【０００５】この装置は、発泡シートの案内溝（１６）
を備えた断面がコの字型の吸引機構（１８）を、対向面
に２個設置したもので、発泡シートの両側面を吸引しつ
つ、ガイドする。該吸引式ガイダーにおいて、吸引機構
（１８）の発泡シート（６）に対向する面にチェーンベ
ルト（１７）を配置し、発泡シートとほぼ同速で移動方
向に沿って駆動させることにより、発泡シートが吸引機
構内に吸い込まれないようにすると同時に、発泡シート
がチェーンベルトに接触しても円滑に移動できるように
してある。

【０００６】このような吸引式ガイダーを用いた方法に
おいては、幅方向の膨張に相当する分だけ拡幅すること
により、発泡の際に幅方向に生じた波状のしわを除去
し、発泡シートの幅を一定に制御できるだけでなく、蛇
行を防止する特徴をもつ。

【０００７】ところが、上記吸引式ガイダーでは、２個
の吸引装置の間隔が固定されているため、発泡シートの
幅変動等が生じたとき、それに対する追従性が乏しく、
シート案内溝から発泡シートがはずれるトラブル（ガイ
ダーはずれ）が発生することがある。また、吸引機構に
目づまりを生じ、ガイダーはずれの原因となることがあ
る。さらに、発泡シートの側端部はシート案内溝を移行
するため、発泡シートの側端部には案内溝の跡が残る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン系樹脂架橋発泡体を製造する際に、（１）発
泡シートの発泡の際に生じる幅方向の波状のしわを除去
し、かつ、山部分の付着等による傷の発生を防ぐこと、
（２）発泡により変形した発泡シートを平坦化して、一
定形状で連続的に巻き取りができるようにすること、
（３）発泡シートには、ガイダーとの接触による傷や跡
が残らないようにすること、（４）ガイダーはずれ等の
トラブルの発生を防止すること、（５）発泡シートの蛇
行を規制でき、巻き取り側面に凹凸を生じないこと、等
を可能とする製造方法を提供することにある。また、本
発明の目的は、かかる目的を達成できる製造装置を提供
することにある。

【０００９】本発明者らは、従来技術の有する問題点を
克服するために鋭意研究した結果、発泡シートを発泡終
点近傍で、湾曲エキスパンダーロール上を通過させるこ
とにより発泡シートを拡幅でき、傷のない平滑な発泡シ
ートを製造できることを見出した。この方法によれば、
発泡シートの端部を強制的に引っ張るのではなく、全幅
の部分部分が均一に拡幅でき、傷のない平滑な発泡シー
トを連続的に得ることができる。

【００１０】この方法では、発泡過程にあるシートが微
妙に左右に移動して蛇行を生じた場合、蛇行が促進され
て、発泡シートが湾曲エキスパンダーロールの一端まで
移動し、ロールの端に接触して発泡シートに傷を発生さ
せたり、あるいは発泡シートを巻き取った場合に側面が
凹凸になったりする場合がある。

【００１１】そこで、さらに研究を進めた結果、湾曲エ
キスパンダーロールシャフトの発泡シート幅方向に対す
る角度を変化させて、制御することにより発泡シートの
蛇行を規制できることを見出した。

【００１２】湾曲エキスパンダーロールは多段に配置す
ることもできる。また、湾曲エキスパンダロールの下部
に水を入れたバットを配置し、湾曲エキスパンダーロー
ルの表層を水で冷却すると、発泡シートとの接触摩擦力
が過度になるのを防止することができる。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリオ
レフィン系樹脂および熱分解型発泡剤を含有する樹脂組
成物を、該発泡剤の分解温度未満の温度で発泡性樹脂組
成物シートに成形し、ついで架橋した後、加熱発泡させ
る架橋発泡体の製造方法において、発泡シートを発泡終
点近傍で、少なくとも１個の湾曲エキスパンダーロール
上を通過させることにより、発泡シートを幅方向外方に
拡幅することを特徴とするポリオレフィン系樹脂架橋発
泡体の製造方法が提供される。

【００１４】この場合、湾曲エキスパンダーロールシャ
フトの発泡シート幅方向に対する角度を制御することに
より発泡シートの蛇行を規制することができる。

【００１５】また、本発明によれば、発泡炉に隣接し
て、少なくとも１個の湾曲エキスパンダーロールからな
る発泡シート拡幅装置を配置してなることを特徴とする
ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造装置が提供され
る。

【００１６】該湾曲エキスパンダーロールシャフトの発
泡シート幅方向に対する角度を制御できるように構成す
れば、発泡シートの蛇行を規制する装置となる。

【００１７】本発明の方法および装置の具体例につい
て、図面を参照しながら詳しく説明する。図１はポリオ
レフィン系樹脂架橋発泡体の発泡装置（発泡炉）の一例
である。図２は、本発明における発泡シート拡幅装置
（湾曲エキスパンダーロール式拡幅装置）の一実施例を
上から見た略図であり、図３および図４は、それぞれ他
の実施例を示した略図である。

【００１８】図２中、１０は湾曲シャフト、１１はラジ
アルボールベアリング、１２は軟質ゴム筒または軟質発
泡ゴム筒、６は発泡シート、８は引取りロール、９は発
泡炉である。図２中、１３は水充填用バットである。

【００１９】湾曲エキスパンダーロールは、図２に示す
ように、湾曲シャフト（１０）の周囲に多数のラジアル
ボールベアリング（１１）を取り付け、その表層を軟質
ゴム筒または軟質発泡ゴム筒（１２）で覆った構造をも
ち、該湾曲エキスパンダーロール上に発泡完了寸前の発
泡シート（６）を通過させると、発泡シートは幅方向外
方の接触摩擦力を受けて拡幅される。

【００２０】該発泡拡幅装置においては、湾曲エキスパ
ンダーロールの曲率半径が小さいほど発泡シートに対す
る拡幅率が大きくなるため、曲率半径を調節することに
より発泡シートの拡幅率を調整することができる。

【００２１】図２中、Ｖ₀は湾曲エキスパンダーロ−ル
回転速度であり、Ｖ₁は湾曲エキスパンダーロ−ル回転
速度の発泡シート移行方向成分で、Ｖ₂は湾曲エキスパ
ンダーロール回転速度の発泡シート幅方向成分である。
Ｖ₁’は発泡シート移行速度（引取りロール回転速度）
であり、Ｖ₁とほぼ同じとする。

【００２２】また、図３に示すように、湾曲エキスパン
ダーロ−ルの下部にロール形状に沿って水を充填するバ
ット（１３）を設置し、水の充填されたこのバット内に
ロールの表層を部分的に浸すことにより、湾曲エキスパ
ンダーロールの表層を冷却して、接触摩擦力が過大にな
るのを防止することができる。

【００２３】さらに、図４に示すように、該湾曲エキス
パンダーロールを多段に配置することにより、各段階で
発泡シートは拡幅されるため、発泡シートの拡幅率を上
げることができる。

【００２４】図５は、本発明における蛇行を規制する発
泡シート拡幅装置（湾曲エキスパンダーロール式拡幅装
置）の一実施例を上から見た略図であり、図６は、それ
を正面から見た図である。

【００２５】図５中、１０は湾曲シャフト、１１はラジ
アルボールベアリング、１２は軟質ゴム筒または軟質発
泡ゴム筒、６は発泡シート、８は引取りロール、９は発
泡炉である。図６中、１４は湾曲シャフトを発泡シート
幅方向に対する角度を変化させるための回転軸であり、
１５は連結棒である。湾曲エキスパンダーロールは、湾
曲シャフト回転軸（１４）を中心として、回転できるよ
うになっている。

【００２６】発泡シート（６）に蛇行が生じた場合、蛇
行の状況に合わせて、湾曲エキスパンダーロールの発泡
シート幅方向（または発泡炉幅方向）に対する傾き角度
を調節することにより、蛇行を規制することができる。

【００２７】例えば、発泡シート（６）がシート進行方
向に対して右側に蛇行した場合、湾曲エキスパンダーロ
ールを湾曲シャフト回転軸を中心にして反時計回りにθ
（θ＜９０度）回転させると、シート進行方向に対して
左側へ拡幅する力の方が大きくなり、右側への蛇行は左
側へ規制され、初めの状態に戻る。

【００２８】また、湾曲エキスパンダーロ−ルの下部に
ロール形状に沿って水を充填するバットを設置し、水の
充填されたこのバット内にロールの表層を部分的に浸す
ことにより、湾曲エキスパンダーロールの表層を冷却し
て、接触摩擦力が過大になるのを防止することができ
る。

【００２９】さらに、該湾曲エキスパンダーロールを多
段に配置することにより、各段階で発泡シートは拡幅さ
れるため、発泡シートの拡幅率を上げることができる。

【００３０】以上のようにして、拡幅されたシートは、
引取りロール上を通過し、さらに巻き取りロールにより
巻き取られて、発泡シートの製品となる。

【００３１】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、特に限定されず、具体例として、ポリエチレ
ン（低密度、中〜高密度、直鎖状低密度）、エチレンと
他のモノマー、例えば酢酸ビニル、アクリル酸、アクリ
レートおよびプロピレン等との共重合体、ホモまたは共
重合ポリプロピレンおよび塩素化ポリエチレン等を挙げ
ることができる。これらはそれぞれ単独で用いてもよ
く、２種以上を混合して用いてもよい。

【００３２】熱分解型発泡剤の具体例としては、アゾジ
カルボンアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド
およびジニトロソペンタメチレンテトラミン等多種ある
が、一般的にはアゾジカルボンアミドが用いられる。熱
分解型発泡剤の添加量は、所望の発泡倍率により適宜調
整されるが、一般的には、樹脂１００重量部に対し２〜
２５重量部である。また、上記発泡性樹脂組成物には、
難燃剤、着色剤、抗酸化剤、充填剤、発泡助剤、滑剤等
を必要により任意に添加することができる。

【００３３】発泡性樹脂組成物は、熱分解型発泡剤の分
解温度未満の温度で通常シート状に成形される。得られ
た発泡性樹脂組成物シートは、架橋した後、加熱発泡さ
せるが、架橋方法としては、シートに電子線や放射線を
照射する方法、または、樹脂組成物にジクミルパーオキ
サイド等の有機過酸化物を添加してシート状に成形後、
加熱する方法がとられる。他の架橋方法として、反応性
ビニルトリメトキシシラン等を樹脂にグラフトまたは共
重合した後、水架橋する方法も適用できる。また、各種
の架橋方法を併用して使用してもよい。

【００３４】電子線や放射線などの電離性放射線を照射
して架橋する場合は、通常、発泡性樹脂組成物シートを
発泡炉に導入する前に照射工程を設け、架橋させて発泡
に必要な粘弾性を樹脂に与える。有機過酸化物の存在下
に加熱架橋する場合は、通常、発泡性樹脂組成物シート
を発泡炉の予熱領域を移送する間に、予熱すると同時に
架橋する。

【００３５】架橋させたシートは、予熱領域を経て、発
泡炉の発泡領域において加熱発泡させ、ポリオレフィン
系樹脂架橋発泡体とする。

【００３６】

【実施例】以下、本発明について、実施例および比較例
を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。

【００３７】［実施例１］低密度ポリエチレン（密度
０．９２１、メルトインデックス２．０）１００重量部
に、発泡剤としてアゾジカルボンアミド１５重量部、発
泡助剤および滑剤としてステアリン酸亜鉛１．５重量部
および顔料として酸化チタン１．０重量部を加え、ヘン
シェルミキサーで予備混合し、その混合物を９０ｍｍφ
一軸押出機（Ｌ／Ｄ＝２５）に投入し、発泡剤が分解し
ないように樹脂温１５０℃未満になる温度条件に調節し
て、混練押出し、Ｔダイより吐出させ、厚み１．７５ｍ
ｍ、幅４１０ｍｍの発泡性樹脂組成物シートを成形し
た。このシートに電子線照射機（７５０ｋｖ）を用いて
４．８Ｍｒａｄの線量を照射し、架橋せしめた。

【００３８】架橋した発泡性樹脂組成物シートを、予熱
領域と発泡領域とからなる発泡炉に導入し、予熱領域を
移行する支持ベルト上で移送しながら上下面からの熱風
により約１５５℃まで加熱し、そこから発泡領域に離
脱、移行させて、２３０℃の熱Ｊにより加熱発泡せし
め、発泡炉出口から３０ｃｍ離れたところに設置した湾
曲エキスパンダーロール式拡幅装置上を通過させてか
ら、引取ロールで引き取り、ついで巻き取りロールに巻
き取って、厚み４．６ｍｍ、平均幅１２６０ｍｍ、発泡
倍率約３１倍の連続的な発泡体を得た。

【００３９】湾曲エキスパンダーロールとして、曲率半
径６．６ｍのものを使用し、発泡炉幅方向に対し水平に
配置した。また、湾曲エキスパンダーロールの下部に水
を充填したバットを設置して、ロールの表層を部分的に
水に浸すことにより、湾曲エキスパンダーロールの表層
を冷却した。

【００４０】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、湾曲エキスパンダーロール上を通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。得られた発泡体表面には、湾曲エキ
スパンダーロールによる傷および跡は全く見られず、幅
方向平滑な発泡体が連続的に成形できた。

【００４１】［実施例２］湾曲エキスパンダーロールと
して、曲率半径６．６ｍのものを使用し、初め湾曲エキ
スパンダーロールを発泡炉幅方向に対し水平に配置した
が、発泡シートの蛇行状況に応じて手動により湾曲エキ
スパンダーロールの発泡炉幅方向に対する傾き角度を調
節したこと以外は実施例１と同様にした。

【００４２】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、湾曲エキスパンダーロール上を通過
させることにより、そのしわは除去され、均一な形状で
巻き取りができた。また、蛇行が生じたときも、湾曲エ
キスパンダーロールの発泡炉幅方向に対する傾き角度を
調節することにより、蛇行を有効に規制できた。得られ
た発泡体表面には、湾曲エキスパンダーロールによる傷
および跡は全く見られず、幅方向平滑な発泡体が連続的
に成形できた。

【００４３】なお、蛇行規制を行なわなかった場合に
は、発泡開始の約１時間後に発泡シートに蛇行が生じ、
巻き取り側面に段差が生じた。

【００４４】［比較例１］実施例１と同一の発泡装置に
おいて、発泡炉に隣接するガイダーとして、左右の間隔
１２７５ｍｍに設定して取り付けた吸引およびチェーン
ベルト駆動式のガイダーを用いたこと以外は、実施例１
と同様にして厚み４．６ｍｍ、平均幅１２７０ｍｍ、発
泡倍率約３１倍の架橋発泡シートを成形した。

【００４５】発泡炉出口では、シート幅方向に波状のし
わが生じていたが、吸引およびチェーンベルト駆動式ガ
イダーを通過させることにより、そのしわは除去され、
均一な形状で巻き取りができた。しかし、１時間の連続
運転中、３回のガイダーはずれが起こり、連続的に平滑
なシートを成形することはできなかった。得られた発泡
体には、幅方向両端にガイダー移行時についたシート案
内溝の跡が残っているため、製品としては端部を切断除
去する必要があった。

【００４６】

【発明の効果】本発明の製造方法および製造装置によれ
ば、山付着等による傷や跡がなく、幅方向平滑なポリオ
レフィン系樹脂架橋発泡体が安定して得られる。また、
蛇行規制が効率よく行なわれ、巻き取り側面に凹凸のな
い発泡体を安定的に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】発泡装置の一例の断面略図である。

【図２】本発明における発泡シート拡幅装置（湾曲エキ
スパンダーロ−ル式拡幅装置）の実施例を上から見た略
図である。

【図３】本発明における発泡シート拡幅装置の他の実施
例の斜視図である。

【図４】本発明における発泡シート拡幅装置の他の実施
例を上から見た略図である。

【図５】本発明における蛇行を規制する発泡シート拡幅
装置の実施例を上から見た略図である。

【図６】図５の発泡シート拡幅装置を正面から見た略図
である。

【図７】吸引式ガイダーの断面略図である。

【符号の説明】

１予熱領域２発泡領域３加熱装置４搬送支持ベルト５発泡性樹脂組成物シート（原反シート）６発泡シート７湾曲エキスパンダーロール８引取りロール９発泡炉１０湾曲シャフト１１ラジアルボールベアリング１２軟質ゴム筒または軟質発泡ゴム筒１３水充填用バット１４湾曲シャフト回転軸１５連結棒１６シート案内溝１７チェーンベルト１８吸引機構Ｖ₀ 湾曲エキスパンダーロ−ル回転速度Ｖ₁ 湾曲エキスパンダーロ−ル回転速度の発泡シート
移行方向成分Ｖ₂ 湾曲エキスパンダーロ−ル回転速度の発泡シート
幅方向成分Ｖ₁’発泡シート移行速度（引取りロール回転速度）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリオレフィン系樹脂および熱分解型発
泡剤を含有する樹脂組成物を、該発泡剤の分解温度未満
の温度で発泡性樹脂組成物シートに成形し、ついで架橋した後、加熱発泡させる架橋発泡体の製造方
法において、発泡シートを発泡終点近傍で、少なくとも
１個の湾曲エキスパンダーロール上を通過させることに
より、発泡シートを幅方向外方に拡幅することを特徴と
するポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造方法。
【請求項２】前記発泡シートを発泡終点近傍で、少な
くとも１個の湾曲エキスパンダーロール上を通過させる
ことにより、発泡シートを幅方向外方に拡幅するととも
に、湾曲エキスパンダーロールシャフトの発泡シート幅
方向に対する角度を制御することにより発泡シートの蛇
行を規制することを特徴とする請求項１記載のポリオレ
フィン系樹脂架橋発泡体の製造方法。
【請求項３】発泡炉に隣接して、少なくとも１個の湾
曲エキスパンダーロールからなる発泡シート拡幅装置を
配置してなることを特徴とするポリオレフィン系樹脂架
橋発泡体の製造装置。
【請求項４】発泡炉に隣接して、少なくとも１個の湾
曲エキスパンダーロールからなる発泡シート拡幅装置で
あって、該湾曲エキスパンダーロールシャフトの発泡シ
ート幅方向に対する角度を制御できるように構成した発
泡シート拡幅装置を配置してなることを特徴とする請求
項３記載のポリオレフィン系樹脂架橋発泡体の製造装
置。