JPH0557176A - 小型ガス発生器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 自動車の衝突事故等による衝撃からドライバ
ー及び乗員を保護するためのエアバッグに使用されるス
ペースが小さい新規な構造を有するガス発生器を提供す
る。 【構成】 第１、第２の外殻２，３からなり、これら外
殻を接合することで空間を形成し、該空間内に点火装置
７、ガス発生剤８、クーラント９及びフィルタ１０を収
容するハウジング１を有するガス発生器において、空間
を軸方向に重なる２つの空間領域に画定し、第１の領域
１５にガス発生剤を配設すると共に、第２の領域１６に
クーラント及びフィルタを配設する。 【効果】 軸方向に重なる２つの空間領域内にガス発生
剤とクーラント及びフィルタを順次配設したので、ガス
発生器の外径を小さくでき、例えばガス発生器の容積を
約７０％に縮小できる。また、リベットが不要になるこ
とで、軽量化と省スペース化が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車の衝突事故等に
よる衝撃からドライバー及び乗員を保護するためのエア
バッグに使用されるガス発生器に係り、特にガス発生器
の小型化を実現する新規な構造に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図２に
従来のガス発生器の構造を示す。

【０００３】中央に、スクイブ２１、及びエンハンサ２
２を収容する中央筒状室２３が配設され、この筒状室を
形成するハウジング部材２５の外周面にガス発生剤２４
を入れたキャニスタ２６が嵌合している。更に、キャニ
スタ２６の外側にこれを取り囲むようにして環状のクー
ラント・フィルタ室２７が形成され、この室内にクーラ
ント２８及びフィルタ２９が収容されている。

【０００４】従来のガス発生器の構造は、点火装置、ガ
ス発生剤、及びクーラント・フィルタが同心状に半径方
向に並置され、このため、これらを収容する空間を形成
するディフューザシェル３０とクロージャシェル３１の
径が拡大する。これは、ガス発生器を大型化させると共
に、ハウジングの強度確保のため、円周方向に配設され
る多数のリベット３２を必要とする。これらリベット
は、ガス発生器の重量を増大させると共に、器内に無駄
なスペースを生ぜしめる。よって、本発明は、上記従来
技術の問題点を解消する新規なガス発生器を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の小型ガス発生器
は、第１の外殻と第２の外殻とからなり、これら外殻を
接合することにより空間を形成し、該空間内に点火装
置、ガス発生剤、クーラント及びフィルタを収容するハ
ウジングを有するガス発生器において、空間を軸方向に
重なる２つの空間領域に画定し、第１の領域にガス発生
剤を配設すると共に、第２の領域にクーラント及びフィ
ルタを配設したことを特徴とする。

【０００６】本ガス発生器においては、従来は半径方向
に並置されるように画定されていた空間領域を、軸方向
に重なるように画定することによりハウジング径の縮小
を図り、これによりガス発生器の小型化を達成すると共
に、このハウジング径の縮小により、補強材、即ちリベ
ットの使用を不要とする。リベットの不要により空いた
スペースは、ガス発生剤、クーラント、及びフィルタの
収容スペースとして有効に利用する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図１は、本ガス発生器の一部を切欠いた断面図で
ある。ハウジング１は第１の外殻、即ちディフューザシ
ェル２と、第２の外殻、すなわちクロージャシェル３と
からなる。ディフューザシェル２は、円形部２ａと、該
円形部２ａの外周部に形成される周壁部２ｂとを有し、
周壁部２ｂの先端部には半径方向に延在する取付用フラ
ンジ２ｃが形成されている。クロージャシェル３は、円
形部３ａと、該円形部３ａの外周部に形成される周壁部
３ｂとを有し、円形部３ａの中央部にはアダプタ４が嵌
入する孔３ｃが穿設されている。

【０００８】ディフューザシェル２とクロージャシェル
３とは、各周壁部の先端部において溶接５により接合さ
れ、空間６を形成している。該空間６内に、点火装置
７、ガス発生剤８、クーラント９、及びフィルタ１０が
配設されている。点火装置７は、筒状室を形成するハウ
ジング部材１３と、このハウジング部材１３に螺合する
電気配線を備えたアダプタ４と、このアダプタ４に一端
が嵌合するスクイブ１１と、このスクイブ１１の他端に
接触しているエンハンサ１２とからなる。

【０００９】ハウジング１はリベットにより補強がされ
ておらず、従って、空間６内にはリベットは存在しな
い。空間６はハウジング部材１３により円周方向に画定
されると共に、リテーナ１４によりハウジング部材の外
側に軸方向に重なる２つの環状空間領域、すなわち第１
の領域と第２の領域とに画定されている。リテーナ１４
はその周壁部１４ａがハウジング１の内周面に嵌合し、
その中央部に形成された円筒状突起１４ｂがハウジング
部材１３の外周面に嵌合している。

【００１０】第１の領域は燃焼室１５を構成し、この燃
焼室１５内には、ガス発生剤８を充填するキャニスタ１
７が配設されている。このキャニスタ１７は環状形状を
なし、その中心孔１７ａがハウジング部材１３の外周面
に嵌合し、その外周面はリテーナ１４の内周面に嵌合し
て環状部、すなわちガス発生剤を充填する部分が燃焼室
を専有している。すなわち、第１の領域はガス発生剤に
よって占められている。

【００１１】第２の領域はクーラント・フィルタ室１６
を構成し、この室１６内には、クーラント９及びフィル
タ１０が配設されている。クーラント９はクーラント・
フィルタ室の内周部分を占有してハウジング部材１３を
取り囲み、フィルタ１０はクーラント・フィルタ室の外
周部分を占拠してクーラント９を取り囲んでいる。

【００１２】点火装置７の筒状室と燃焼室１５の間に
は、エンハンサ１２による火炎を燃焼室１５に伝えるた
めの通路１８が設けられ、また燃焼室１５とクーラント
・フィルタ室１６間には、燃焼室１５で発生したガスを
導入するための開口１９が設けられ、更にまたクーラン
ト・フィルタ室１６とエアバッグ（図示せず）の間に
は、クーラント、フィルタを通過したガスを導入するた
めの開口２０が設けられている。

【００１３】衝撃に際し、電流の発熱によってスクイブ
１１に着火し、これによりエンハンサ１２が発火する。
これにより発生する高圧・高温の火炎は通路１８を通
り、燃焼室１５内のガス発生剤８を着火させる。燃焼室
１５内で発生したガスは、開口１９を通り、クーラント
９、フィルタ１０を通過して開口２０を経てエアバッグ
内に流入するようになっている。

【００１４】

【発明の効果】本発明は、上記の通り、軸方向に重なる
２つの空間領域内にガス発生剤と、クーラント及びフィ
ルタを順次配設できるように構成したので、ガス発生器
の外径を小さくすることができ、従って、例えばガス発
生器の容積を約７０％に縮小することができる。また、
これによって補強材としてのリベットが不要になり、そ
の分重量が軽減されると共に、ガス発生器内の無駄なス
ペースがなくなり、ガス発生剤等の収容スペースとして
有効に利用することができ、その結果、ガス発生器の容
積を増やすことなく所定量のガス発生剤等が収容でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるガス発生器の一実施例を示す一部
を切欠いた縦断面図である。

【図２】従来のガス発生器の構造を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ハウジング ２ ディフューザシェル（第１の外殻） ３ クロージャシェル（第２の外殻） ６ 空間 ７ 点火装置 ８ ガス発生剤 ９ クーラント １０ フィルタ １５ 燃焼室（第１の領域） １６ クーラント・フィルタ室（第２の領域）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の外殻と第２の外殻とからなり、こ
   れら外殻を接合することにより空間を形成し、該空間内
   に点火装置、ガス発生剤、クーラント及びフィルタを収
   容するハウジングを有するガス発生器において、 空間を軸方向に重なる２つの空間領域に画定し、第１の
   領域にガス発生剤を配設すると共に、第２の領域にクー
   ラント及びフィルタを配設したことを特徴とする小型ガ
   ス発生器。