JPH0557092U - シールド抗用セグメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 シールドフレームの内側に注入口を設けて裏
込め材の同時注入ができるセグメントを提供する。 【構成】 環状にかつ連続して組付け可能な円弧状に分
割されたシールド抗工事に使用するセグメントにおい
て、外面の軸方向にすくなくとも１か所以上の縦溝３を
設けたセグメント。 【効果】 このセグメント１を使用することにより、裏
込め材注入管をシールドフレームの内側に配置すること
ができるため、掘削した地山の円形孔に注入管部が接触
してシールドマシンの向きが変ったり、岩石に突き当っ
て注入管が閉塞または破損して掘削を中断したり掘進不
能になることがない。従って作業効率が向上するばかり
でなく掘進と同調して裏込め注入ができるので地盤沈下
量を少なくし止水効果を高めるなど同時注入が確実に実
施できる。また注入管がシールドフレームの内側にある
ので保守管理がし易く自動化することも可能になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、山岳トンネルや上下水道管もしくは各種ケーブル類の敷設用などの シールド抗施工時に用いられる覆工材（セグメント）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、各種トンネル類のシールド坑工事の施工に際しては、シールドマシンに より地山に既に掘削した円形孔を円筒状のシールドフレームで支持しながら、シ ールドマシンの前端に設けた回転カッタによって、上記の円形孔を順次掘削して 前進する。そしてシールドフレームの後方において、円形孔の内側にセグメント と称する円弧状に分割された覆工材料を環状にかつ連続して設置し、このセグメ ントの外面と円形孔の内面との空間にモルタルなどの裏込め材を注入してトンネ ル工事が行われる。裏込め材注入の目的は、地山の緩みの抑制や地表面の沈下防 止、さらに坑内への漏水の防止およびセグメントへの集中的な荷重の防止などの ためである。この裏込め材の注入方法としては、セグメントに設けられたグラウ トホールから注入するいわゆる、まとめ打ち、あるいは即時注入が一般に行われ ているが、掘進との同調性や要員不足の問題などによって最近では同時注入方法 も実施されている。この同時注入方法は図５に示すように、シールドフレーム６ の後端部に裏込め材の注入管７を後方に向けて複数本設置し、シールドマシン５ の掘進と同時に裏込めを行う方法である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし同時注入を行う場合、特に小口径のシールド抗において、従来のセグメ ントを使用する工法では、図５のように裏込め材の注入管７をシールドフレーム ６の外径より外側に取付けなければならない。このため掘進の際に注入管７の突 出部８が地山の円形孔９に接触し、その抵抗によりシールドマシン５の向きが変 ったり、注入管が閉塞したとき補修が行えなかったり、またこの突出部８が岩石 に突き当った時などには注入管７が破損して掘削ができないことが起こり、同時 注入を中途で断念しなければならないことが発生し課題になっている。本考案は これらの課題を解消し、同時注入が確実にできるセグメントを提供することを目 的として案出されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため、環状にかつ連続して組付け可能な円弧状に分割され たシールド抗工事に使用するセグメントにおいて、外面の軸方向にすくなくとも １か所以上の縦溝３を設けたセグメント１である。

【０００５】

【作用】

１環状体毎にセグメント１をずらせて組付けても縦溝３の位置を所定の位置に 連続するように組付けていくことができる。これによりシールドフレーム６の内 面に固定された裏込め材注入管７は、セグメント１の縦溝３によって逃げられる のでセグメント１に接触することがなく、従って掘進と同時に裏込めを行うこと ができる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明する。図１において１はシールド 抗に用いるセグメントである。このセグメント１は環状に組付けられるように４ 分割されたものであり、鋼板によって４分の１の円弧状に形成されており、接続 する端面にはそれぞれボルトの固定穴２が設けてある。そしてセグメント１の外 面には所定の間隔をおいて、裏込め材の注入管７の外径よりもやや大きくした複 数の縦溝３が形成されている。本実施例では４分割のセグメント１において３か 所に縦溝３を設けているが、分割数の異なる場合や注入管の数などにより必要な 縦溝３を設ければよい。

【０００７】 このセグメント１は、図５に示すようにシールドマシン５により掘削して前進 するに応じて順次環状体に組付けていくのであるが、セグメント１の外周方向の 継ぎ目４の位置は１セグメントピッチ毎に所定の角度だけずらせて組付けられる のが通常である。すなわち、図２に示すようなセグメント１の配置に組付けた場 合は、次のセグメントの配置は図３のように継ぎ目４をずらせて組付けて接続さ れることになる。このとき、外面に設けた縦溝３が常時ａ、ｂ、ｃ、の位置に連 続するように組付けが可能になっている。一方シールドマシンは、円筒形のシー ルドフレーム６の内側に注入管７が３か所後方に向けて取付けてあり、前記セグ メント１の縦溝３はａ、ｂ、ｃ、の位置に合致するように固定されている。この ように１環状体毎にセグメント１をずらせて組付けても縦溝３を所定の位置に連 続して組付けていくことができる。これによりシールドフレーム６の内面に固定 された裏込め材注入管７は、図４のようにセグメント１の縦溝３によって逃げら れるのでセグメント１に接触することがなく、従って掘進と同時に裏込めを行う ことができる。

【考案の効果】

以上の実施例で明らかなように本考案は、環状にかつ連続して組付け可能な円 弧状に分割されたシールド抗工事に使用するセグメントにおいて、外面の軸方向 にすくなくとも１か所以上の縦溝を設けたものである。 この考案によるセグメントを使用することにより、従来は裏込め材注入管をシ ールドフレームの外側に設けていたものが、シールドフレームの内側に配置する ことができるため、掘削した地山の円形孔に注入管部が接触してシールドマシン の向きが変ったり、岩石に突き当って注入管が破損し掘削を中断したり、または 掘進不能になることがない。従って作業効率が向上するばかりでなく、掘進と同 調して裏込め注入ができるため地盤沈下量を少なくできるとともに止水効果を高 めるなど同時注入の特長が完全に実施できる。また注入管がシールドフレームの 内側に配置されるので保守管理がし易くなり自動化することも可能になるなど大 きな効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のセグメントの斜視図である。

【図２】本考案のセグメントを組付けた横断面図であ
る。

【図３】セグメントの継ぎ目をずらせて組付けた横断面
図である。

【図４】注入管とセグメントの位置を示す拡大断面図で
ある。

【図５】従来のセグメントによるシールド抗施工状態の
縦断面図である。

【符号の説明】

１ セグメント ２ 固定穴 ３ 縦溝 ４ 継ぎ目 ５ シールドマシン ６ シールドフレーム ７ 注入管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環状にかつ連続して組付け可能な円弧状
   に分割されたシールド抗工事に使用するセグメントにお
   いて、外面の軸方向にすくなくとも１か所以上の縦溝を
   設けたことを特徴とするシールド抗用セグメント。