JPH0556999B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭において使用する脱水兼用
洗濯機の防振装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の構成について第１図および第２図によつ
て説明する。１は本体で、その内部に洗濯受槽２
を支持杆３によりサスペンシヨン４を介して垂下
して防振支持していた。５は洗濯受槽２の側壁の
下部に固着した支持体で、洗濯受槽２はこの支持
体５にてサスペンシヨン４の上部に弾性支持され
る。６は水槽で、その内部で衣類の洗濯作用を行
い、かつ高速回転させて脱水作用を行なつてい
た。この時水槽６の内部に衣類が均一に分布され
ることはまれで、不均一分布をなしたまま脱水作
用が行なわれ、この衣類の不均一は、回転物のア
ンバランスとなつて、振動を発生させる原因とな
つていた。

いま支持杆３およびサスペンシヨン４等の防振
系により支持された構成を振動系と称し、この振
動系および防振系にて必然的に構成されるものに
固有振動数というものがある。もし、脱水時にお
いて、振動系に生ずる振動数と、前記固有振動数
とが合致した場合、振動系の振幅は極めて大きく
なり、例えば上下にはね上つたり、外槽１に衝突
したりあるいは回転軸が危険速度時の破損を招く
という通常共振点と称する状態となる。これを防
振するためには減衰機構によつて振幅を抑えねば
ならない。

従来の減衰方法として用いられるものに第２図
に示すように支持杆３の下端に配し、外周にシー
ル部を有するゴム製のキヤツプ７と、支持杆３を
中央部で貫通し、前記ゴム製のキヤツプ７に内周
で接触するような円筒部を有するスライダー８と
より形成され、水槽６の振動によりスライダー８
の内部の空気が外部へ流出入する時に減衰効果を
奏するものである。

ところが上記のように構成された減衰装置は、
ほぼ垂直に作用するものであり、振動系の上下の
はね上りに対して効果を奏するものであるが、本
体１に衝突するような水平方向の振動に対しては
その減衰力がほとんど作用しない。従つて従来は
本体１を大きくして振動系と本体１の隙間とを大
きくしたり、あるいは、振動系の重量を増すこと
により、振動系が本体１に衝突することを少なく
していた。ところが昨今では洗濯機のコンパクト
化、あるいは軽量化が時代の流れとなつており不
用に本体１を大きくしたり、振動系の重量を増す
ことができなかつた。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を除去するもの
で、水平方向の減衰構造を簡単な構成にすること
により、洗濯機のコンパクト化、あるいは、軽量
化に対しても振動系が本体に衝突することが無い
ようにし、安定した脱水運転を得ることを目的と
したものである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、洗濯受層
を本体の上部より支持杆によりサスペンシヨンを
介して垂下防振支持し、洗濯受層の胴部外周に引
張りバネを介在させた帯体を巻着し、この帯体の
一部を本体に取り付けた支持部材に連結している
ので、帯体と洗濯受槽の胴部との摩擦で洗濯受層
の横揺れを減衰させ、洗濯受層が本体に衝突する
のを防止する。

実施例の説明 以下本発明の第１実施例を図面とともに説明す
る。第３図、第４図において、１０は本体１上部
四隅に固定された上部支持体１１に締着された帯
体支持ピンである。この帯体支持ピン１０に端部
を略円形状に加工処理した帯体１２を掛止し、こ
の帯体１２を洗濯受槽２の胴部に巻着し、途中引
張りバネ１３を介して他端部を前記帯体支持ピン
１０を掛止している。１３は前記帯体１２の途中
に設け、帯体に張力をもたせる為の引張りバネで
２本の帯体１２の間に張設している。このような
帯体１２、引張りバネ１３及び帯体支持ピン１０
の組合せを本体１の平面対角位置に設け、前記振
動系が本体１の中心に位置するようにしている。

以上のような構成において、帯体１２は引張り
バネ１３により張力を有しているので、洗濯受槽
２の胴部との間にある一体の圧力を有する。この
ような状態で振動系が振動すると、帯体１２の端
部は帯体支持ピン１０に固定されている為、帯体
１２と洗濯受槽２の胴部との間に摩擦力が発生
し、この摩擦力が減衰力となつて、振動系の固有
振動時における横方向の振幅を減少させている。

第５図、第６図は本発明の第２実施例であり、
第１実施例で帯体１２を帯体支持ピン１０に固定
させているのに対し、帯体１２を支持杆３に固定
している。本実施例によれば、帯体支持ピン１０
を無くすことができるので、第１実施例よりもコ
ストが安くなる。

第７図は本発明の第３実施例であり、第１実施
例が帯体１２の両端部を同じ帯体支持ピン１０に
固定しているのに対し、本実施例では帯体１２の
他端部を本体１の平面対角に位置する帯体支持ピ
ン１０に固定したものであり、この帯体１２、張
りバネ１３、帯体支持ピン１０の組合せを、本体
１対角線に対し線対称の位置にもう１つ設けて、
振動系が本体１の中心に位置するようにしてい
る。

以上の実施例から明らかなように、洗濯受槽２
と帯体１２との間に摩擦力を有するような構成で
あれば良く、この摩擦力が振動系に対する減衰力
となつている。

発明の効果 以上のように本発明は振動系に対し横方向の減
衰機構を設けることにより、固有振動数における
振動体が本体に衝突するのを防止することができ
るので、本体を従来よりも小型化にでき、洗濯機
全体をコンパクトに構成することができ、また本
発明の減衰機構は、帯体引張りバネ及び帯体支持
ピン等の部品追加のみで構成できる為、構造簡単
にして極めて安価に減衰性能を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における脱水洗濯機の縦断面図、
第２図は同脱水洗濯機における垂直方向減衰機構
の断面図、第３図は本発明の第１実施例における
減衰機構の要部斜視図、第４図は同減衰機構の要
部平面図、第５図は本発明の第２実施例における
減衰機構の要部斜視図、第６図は同減衰機構の要
部平面図、第７図は本発明の第３実施例における
減衰機構の要部平面図である。 １……本体、２……洗濯受槽、３……支持杆、
１０……帯体支持ピン、１１……上部支持体、１
２……帯体、１３……引張りバネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 洗濯受槽を本体の上部より支持杆によりサス
   ペンシヨンを介して垂下防振支持し、洗濯受層の
   胴部外周に引張りバネを介在させた帯体を巻着
   し、この帯体の一部を本体に取り付けた支持部材
   に連結してなる脱水洗濯機の防振装置。