JPH0556414U - インサート金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂製品に埋設され、樹脂および相手部品の
それぞれに対して回り止めされたインサート金具１につ
いて、その重量を軽減し、ローレット加工を施す手間を
省略する。 【構成】 円筒形を呈し、周壁に所要数の樹脂流入孔３
を設けた第一の金具２の内側に二面幅の係合孔５を設け
た第二の金具４を固定し、第一の金具２の内側に樹脂流
入孔３に連通する樹脂充填空間９を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インサート金具の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、図７に示すように、全体に円柱形を呈し、外周面にローレットｂを 形成し、中央に軸芯に沿って二面幅の係合孔ｃを穿設したインサート金具ａが知 られている。このインサート金具ａは、図８に示すように、樹脂製品ｄの芯材と して該樹脂製品ｄに埋設され、ローレットｂにより樹脂ｅと回り止めされ、二面 幅の係合孔ｃに相手部品（図示せず）を差し込むことにより該相手部品と回り止 めされる。図示した樹脂製品ｄは具体的にはギヤである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来技術には、円柱形のインサート金具ａに二面幅の係合孔ｃを直接穿設 しているために該インサート金具ａの肉厚が厚過ぎ、該インサート金具ａの重量 が重過ぎる問題がある。また円柱形のインサート金具ａの外周面に全周に亙って ローレットｂを形成しているために該ローレットｂの加工が厄介である問題があ る。またこれらの問題により原料コストおよび製造コストが高い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上の点に鑑み、上記従来技術にみられる問題を解消すべく案出され たものであって、この目的を達成するため、樹脂製品に埋設されるインサート金 具であって、円筒形を呈し、周壁に所要数の樹脂流入孔を設けた第一の金具と、 前記第一の金具の内側に固定され、二面幅の係合孔を設けた第二の金具と、を有 し、前記第一の金具の内側に前記樹脂流入孔に連通する樹脂充填空間を設けたイ ンサート金具を提供する。

【０００５】

【作用】 第一の金具の周壁に所要数の樹脂流入孔を設けるとともに第一の金具の内側に 樹脂充填空間を設けて当該インサート金具を従来技術と比較して軽量化する。ま た樹脂製品の成形時、樹脂材料の一部を樹脂流入孔を通して樹脂充填空間に流入 させ、この樹脂材料が固化することにより当該インサート金具と樹脂との回り止 めとする。

【０００６】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００７】 図１および図２は当該インサート金具１の完成状態を示しており、当該インサ ート金具１は、図３に単品で示す第一の金具２と、図４に単品で示す第二の金具 ４と、を有している。 第一の金具２は円筒形であって、周壁の百八十度対称位置に一対の樹脂流入孔 ３，３が形成されている。第二の金具４は二面幅の係合孔５の回りを囲むように 一対の平板部６，６と一対の円弧状の曲板部７，７とを有してこれらをもって筒 状に成形されており、一対の曲板部７，７を第一の金具２の周壁の内側に重ね合 わせて該周壁とスポット溶接８されている。 第一の金具２の一対の樹脂流入孔３，３を結んだ線（仮想線であって図示して いない）と一対の平板部６，６は互いに略直角に配置され、これにより第一の金 具２の内側に第二の金具４と並んで樹脂流入孔３，３に連通する一対の樹脂充填 空間９，９が形成されている。 図５および図６は当該インサート金具１を樹脂製品１１に埋設した状態を示し ている。樹脂製品１１は具体的にはギヤである。

【０００８】 上記構成のインサート金具１は次の効果を奏する。 すなわち、第一の金具２の周壁に一対の樹脂流入孔３，３を形成するとともに 第一の金具２の内側に一対の樹脂充填空間９，９を形成して当該インサート金具 １に係合孔５の他に多くの中空部を設定したために、当該インサート金具１を従 来技術と比較して軽量化することができる。また、樹脂製品１１の成形時、樹脂 材料の一部を一対の樹脂流入孔３，３を通して一対の樹脂充填空間９，９に流入 させ、この樹脂材料が固化することにより当該インサート金具１と樹脂１２との 回り止めとしたために、第一の金具２の外周面にローレットを加工する必要がな い。また、これらの効果に伴って原料コストおよび製造コストを低減させること が可能である。 尚、本考案のインサート金具は樹脂製のギヤに限られず、相手部品へ回転やト ルクを伝えるその他の樹脂製品に広く利用される。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は次の効果を奏する。 すなわち、第一の金具の周壁に所要数の樹脂流入孔を設けるとともに第一の金 具の内側に樹脂充填空間を設けて当該インサート金具に係合孔の他に多くの中空 部を設定したために、当該インサート金具を従来技術と比較して軽量化すること ができる。また樹脂製品の成形時、樹脂材料の一部を樹脂流入孔を通して樹脂充 填空間に流入させ、この樹脂材料が固化することにより当該インサート金具と樹 脂との回り止めとしたために、第一の金具の外周面に加工が厄介なローレットを 形成する必要がない。また、これらの効果に伴って原料コストおよび製造コスト を低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るインサート金具の斜視図

【図２】同インサート金具の断面図

【図３】第一の金具の斜視図

【図４】第二の金具の斜視図

【図５】同インサート金具を埋設した樹脂製品の斜視図

【図６】同樹脂製品の断面図

【図７】従来例に係るインサート金具の斜視図

【図８】同インサート金具を埋設した樹脂製品の断面図

【符号の説明】

１ インサート金具 ２ 第一の金具 ３ 樹脂流入孔 ４ 第二の金具 ５ 係合孔 ６ 平板部 ７ 曲板部 ８ 溶接 ９ 樹脂充填空間 １１ 樹脂製品 １２ 樹脂

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂製品１１に埋設されるインサート金
   具１であって、円筒形を呈し、周壁に所要数の樹脂流入
   孔３を設けた第一の金具２と、前記第一の金具２の内側
   に固定され、二面幅の係合孔５を設けた第二の金具４
   と、を有し、前記第一の金具２の内側に前記樹脂流入孔
   ３に連通する樹脂充填空間９を設けたインサート金具。