JPH0556309A - 雑音低減回路 - Google Patents

雑音低減回路

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JPH0556309A
JPH0556309A JP3215479A JP21547991A JPH0556309A JP H0556309 A JPH0556309 A JP H0556309A JP 3215479 A JP3215479 A JP 3215479A JP 21547991 A JP21547991 A JP 21547991A JP H0556309 A JPH0556309 A JP H0556309A
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digital
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signal
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low
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JP3215479A
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Satoshi Takahashi
▲さとし▼ 高橋
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Onkyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 S/N比を高めゼロクロス歪を軽減したデジ
タル雑音低減回路を提供する。 【構成】 デジタルバンドパスフィルタ101〜105は、ノ
イズ信号成分に応じたデジタル信号に分割する。リミタ
121〜125は、デジタル信号を、スレッショルドレベル未
満の低レベルとスレッショルドレベル以上のレベルの高
レベルのデジタル信号とに弁別する。リミタ121〜12
5は、低レベル信号を出力する。デジタルミキサ14は、
この信号を混合する。デジタル減算回路8は、低レベル
信号を元の信号から減算した差信号を出力する。ゼロク
ロス歪除去回路221〜225は、低レベル信号を、スレッシ
ョルドレベルの範囲を超えて変動するものと、スレッシ
ョルドレベルの範囲内で変動する信号とに弁別する。ゼ
ロクロス歪除去回路221〜225は、スレッショルドレベル
の範囲内で変動する低レベルのデジタル信号のデジタル
ミキサへの通過を許容し、スレッショルドレベルの範囲
を超えて変動する低レベルのデジタル信号のデジタルミ
キサへの通過を全部又は一部禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、S/N比を高める雑音
低減回路に関し、特にゼロクロス歪を軽減したものに関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カセットテープレコーダでは、
ノイズのため信号対雑音比(S/N比)60dB程度が限界
となっている。このため、コンプレッサとエクスパンダ
を用いてS/N比を高める雑音低減回路があるが、この
雑音低減回路では、75dB程度が限界であり、重畳された
ノイズ信号成分N自体を除去することができず、しかも
ブリージングを生じてしまう欠点等がある。
【0003】このため、従来では図19に示す雑音低減
回路が考えられている。
【0004】この雑音低減回路は、例えばカセットテー
プレコーダの出力等のアナログ信号伝送路等に用いられ
る。カセットテープレコーダは、20Hz〜20kHzの可聴帯
域の周波数で、S/N比60dBのアナログ信号を出力す
る。20Hz〜750Hzのノイズ信号成分Nは、レベルが一般
的に低く、聴感上も感じにくいので、ほぼ無視し得る。
したがって、750Hz〜20kHzのノイズ信号成分Nが問題
となり、S/N比を高めるためには750Hz〜20kHzのノ
イズ信号成分Nを除去する必要がある。
【0005】カセットテープレコーダから出力されたア
ナログ信号は、ローパスフィルタ2およびサンプルホー
ルド4を介してA/Dコンバータ6に入力され、レベル
に応じたデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ
6は、サンプリング周波数fs(例えば、fs=44.1KHz)
で変換し、このデジタル信号のレベルを例えば16ビット
パラレルの両極性コードで表す。入力されたアナログ信
号が正の場合にはMSBを「0」とし、負の場合にはMSBを
「1」とする。これによって、デジタル信号が正極性で
あるか負極性であるかを表す。正極性である場合には、
2SB〜LSBに「1」を順次立てることによりレベルを示
す。負極性ある場合には、2SB〜LSBに「0」を順次立
てることによりレベルを示す。カセットテープレコーダ
が20Hz〜20kHzの可聴帯域の周波数のアナログ信号を出
力するので、デジタル信号は20Hz〜20kHzの周波数の所
望の信号成分Sとノイズ信号成分Nから成っている。こ
こで、ノイズ信号成分Nの内20Hz〜750Hzのノイズ信号
成分Nは、ほぼ無視し得る。したがって、750Hz〜20kH
zのノイズ信号成分Nを除去できればよい。
【0006】A/Dコンバータ6から出力されたデジタ
ル信号は、デジタル減算回路8に与えられるとともに、
デジタルバンドパスフィルタ101〜105にそれぞれ与えら
れる。抽出するノイズ信号成分Nの周波数帯域を750Hz
〜20kHzとすると、デジタルバンドパスフィルタ101〜1
05は、例えば1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHz
を中心周波数とする通過帯域特性を備えている。これに
よって、デジタルバンドパスフィルタ101〜105は、A/
Dコンバータ6から与えられたデジタル信号を、1kH
z、2kHz、4kHz、8kHz、16kHzの5つの周波数帯
域ごとのデジタル信号に分割して出力する。すなわち、
各デジタルバンドパスフィルタ101〜105を通過するデジ
タル信号は、その周波数帯域の信号成分であり、他の周
波数帯域の信号成分はカットされる。また、各デジタル
バンドパスフィルタ101〜105を通過するデジタル信号
は、ノイズ信号成分N、所望の信号成分S、又は所望の
信号成分Sとノイズ信号成分Nの混合したもののいずれ
かとなる。
【0007】例えば、デジタル信号が2kHz、4kHz、
8kHz、16kHzのノイズ信号成分Nと1kHzの所望の信
号成分Sとから成るときには、デジタルバンドパスフィ
ルタ101においては、1kHzの所望の信号成分Sのデジ
タル信号は通過するが、2kHz、4kHz、8kHz、16k
Hzのノイズ信号成分Nのデジタル信号はカットされる。
各デジタルバンドパスフィルタ102〜105においては、2
kHz、4kHz、8kHz、16kHzのノイズ信号成分Nのデ
ジタル信号をそれぞれ出力する。
【0008】各デジタルバンドパスフィルタ101〜105
ら出力された各周波数帯域のデジタル信号は、リミタ21
21〜2125にそれぞれ与えられる。各リミタ2121〜212
5は、各デジタルバンドパスフィルタ101〜105から出力
された各周波数帯域のデジタル信号を、予め定められた
スレッショルドレベル未満の低レベルのデジタル信号
と、スレッショルドレベル以上の高レベルのデジタル信
号とに弁別する。ここで、例えばS/N比が60dB程度と
すると、ノイズ信号成分Nでは、最大レベルであっても
MSB〜10SBにビットが立つことはない。このため、スレ
ッショルドレベルは、例えば正極性の場合MSB〜LSB=00
00000001000000、負極性の場合MSB〜LSB=111111111011
1111に定められる。そして、各リミタ2121〜2125は、各
周波数帯域におけるスレッショルドレベル未満の低レベ
ルのデジタル信号をそれぞれ出力する。
【0009】ところで、デジタルバンドパスフィルタ10
1〜105から出力された各周波数帯域のデジタル信号は、
ノイズ信号成分Nである場合か、所望の信号成分S、又
は所望の信号成分Sとノイズ信号成分Nの混合したもの
の、すなわち、所望の信号成分Sを含んでいる場合のい
ずれかである。デジタルバンドパスフィルタ101〜105
ら出力されたデジタル信号がノイズ信号成分Nである場
合には、S/N比が60dB程度であるので、スレッショル
ドレベルの範囲内でレベルを変え(図20(1)参照)、M
SB〜10SBにビットが立つことはない。したがって、この
場合には、各リミタ2121〜2125はMSB〜10SBにビットが
立たたないスレッショルドレベル未満のレベルのノイズ
信号成分Nをすべて出力する(図21(1)参照)。
【0010】一方、デジタルバンドパスフィルタ101〜1
05から出力されたデジタル信号が所望の信号成分Sを含
んでいる場合には、S/N比が60dB程度であるので、ス
レッショルドレベルを超えてレベルを変える(図20
(2)参照)。この場合、経時的にスレッショルドレベル
未満の低レベルでMSB〜10SBにビットが立たないときと
(図20(2)のα1参照)、スレッショルドレベル以上の
高レベルでMSB〜10SBにビットが立つときとがある(図
20(2)α2参照)。この場合には、各リミタ2121〜2125
は、MSB〜10SBにビットが立たないスレッショルドレベ
ル未満の低レベルの部分のみ出力し(図21(2)のα1
照)、MSB〜10SBにビットが立つスレッショルドレベル
以上の高レベルの部分はカットする((図21(2)α2
照)。
【0011】したがって、各リミタ2121〜2125がMSB〜1
0SBにビットが立たないスレッショルドレベル未満のデ
ジタル信号を出力するので、リミタ2121〜2125の出力
は、ほぼノイズ信号成分Nとみなし得る。
【0012】リミタ2121〜2125から出力された各周波数
帯域の低レベルのデジタル信号は、デジタルミキサ14に
与えられ、混合される。したがって、デジタルミキサ14
は、750Hz〜20kHzの周波数帯域における低レベルのデ
ジタル信号を出力する(図21(1),(2)のα1参照)。
この低レベルのデジタル信号も、ほぼノイズ信号成分N
とみなし得る。デジタルミキサ14から出力されたデジタ
ル信号はデジタル減算回路8に与えられる。
【0013】デジタル減算回路8は、デジタルミキサ14
から出力された低レベルのデジタル信号を、A/Dコン
バータ6から出力された元のデジタル信号から減算した
差信号を出力する。デジタルミキサ14から出力された低
レベルのデジタル信号がほぼ750Hz〜20kHzの周波数帯
域におけるノイズ信号成分Nであるので、元のデジタル
信号に重畳されていたノイズ信号成分Nとデジタルミキ
サ14から出力されたノイズ成分Nとが打ち消し合う(図
22(1)参照)。これによって、ノイズ信号成分Nがほ
ぼ除去され、差信号は、ほぼ、所望の信号成分Sのみと
なる。したがって、S/N比が大幅に向上される。
【0014】デジタル減算回路8から出力された差信号
は、D/Aコンバータ16によってアナログ信号に変換さ
れ、サンプルホールド18およびローパスフィルタ20を介
してアナログ信号が出力される。したがって、このアナ
ログ信号もほぼ所望の信号成分Sのみとなり、S/N比
が大幅に向上される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のデジタ
ル雑音低減回路では、各リミタから出力された低レベル
のデジタル信号をすべてノイズ信号成分とみなしてデジ
タルミキサに与えるようにしているので、差信号にゼロ
クロス歪を生じることになった。
【0016】ここで、ゼロクロス歪を生じる理由を説明
する。
【0017】デジタルバンドパスフィルタ101〜105から
出力されたいずれかの周波数帯域におけるデジタル信号
は、スレッショルドレベルの範囲内で変動するものだけ
でなく(図20(1)参照)、スレッショルドレベルの範
囲を超えて変動するもの(図20(2)参照)がある。デ
ジタルバンドパスフィルタ101〜105がスレッショルドレ
ベルの範囲を超えて変動するもの(図20(2)参照)を
出力している場合には、デジタルミキサ14は、各周波数
帯域におけるスレッショルドレベルの範囲を超えて変動
するものにおける低レベルのデジタル信号を出力する
(図21(2)のα1参照)。したがって、元のデジタル信
号に重畳されていたスレッショルドレベルの範囲を超え
て変動するものにおける低レベルのデジタル信号(図2
0(2)のα1参照)と、デジタルミキサ14から出力された
スレッショルドレベルの範囲を超えて変動するものにお
ける低レベルのデジタル信号(図21(2)のα1参照)と
が打ち消し合うので、デジタル減算回路8が出力する差
信号から低レベル信号が欠落してしまい(図22(2)の
α1参照)、ゼロクロス歪を生じることになった。
【0018】本発明は、上述の技術的課題を解決し、S
/N比を高めつつゼロクロス歪を軽減したデジタル雑音
低減回路を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するために、本発明は、以下の構成をとる。
【0020】すなわち、請求項1の雑音低減回路は、レ
ベルに応じたデジタル信号を抽出すべきノイズ信号成分
に応じた周波数帯域ごとのデジタル信号に分割するデジ
タルバンドパスフィルタと、デジタルバンドパスフィル
タから出力された各周波数帯域ごとのデジタル信号を、
予め定められたスレッショルドレベルでスレッショルド
レベル以下又はスレッショルドレベル未満の低レベルの
デジタル信号とスレッショルドレベル以上又はスレッシ
ョルドレベルを超えるレベルの高レベルのデジタル信号
とに弁別し、各周波数帯域の低レベルのデジタル信号を
それぞれ出力するリミタと、各周波数帯域の低レベルの
デジタル信号をそれぞれ混合して出力するデジタルミキ
サと、デジタルミキサで混合された各周波数帯域の低レ
ベルのデジタル信号を元のデジタル信号から減算した差
信号を出力するデジタル減算回路とを備えるものにおい
て、リミタから出力された各周波数帯域の低レベルのデ
ジタル信号を、各周波数帯域について、スレッショルド
レベルの範囲を超えて変動するものにおける低レベルの
デジタル信号と、スレッショルドレベルの範囲内で変動
するものにおける低レベルのデジタル信号とに弁別し、
スレッショルドレベルの範囲内で変動するものにおける
低レベルのデジタル信号のデジタルミキサへの通過を許
容するとともに、スレッショルドレベルの範囲を超えて
変動するものにおける低レベルのデジタル信号のデジタ
ルミキサへの通過を全部又は一部禁止するゼロクロス歪
除去回路を備えることを特徴とする。
【0021】
【作用】請求項1の雑音低減回路においては、ゼロクロ
ス歪除去回路は、リミタから出力された各周波数帯域の
低レベルのデジタル信号を、各周波数帯域について、ス
レッショルドレベルの範囲を超えて変動するものにおけ
る低レベルのデジタル信号と、スレッショルドレベルの
範囲内で変動するものにおける低レベルのデジタル信号
とに弁別する。スレッショルドレベルの範囲内で変動す
るものにおける低レベルのデジタル信号のデジタルミキ
サへの通過を許容する。スレッショルドレベルの範囲を
超えて変動するものにおける低レベルのデジタル信号の
デジタルミキサへの通過を全部又は一部禁止する。
【0022】したがって、デジタル減算回路からノイズ
信号成分の少なく、しかもゼロクロス歪の少ない差信号
を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。
【0024】図1は本発明の一実施例の雑音低減回路の
回路図であり、図19の従来の雑音低減回路と対応する
部分には同一の参照符を付す。
【0025】この雑音低減回路は、例えば、カセットテ
ープレコーダ等のアナログ信号伝送路や、デジタルオー
ディオテープレコーダ等のデジタル信号伝送路に用いら
れる。カセットテープレコーダは、20Hz〜20kHzの可聴
帯域の周波数で、S/N比60dBのアナログ信号を出力す
る。20Hz〜750Hzのノイズ信号成分Nは、レベルが一般
的に低く、聴感上も感じにくいので、ほぼ無視し得る。
したがって、750Hz〜20kHzのノイズ信号成分Nが問題
となり、S/N比を高めるためには750Hz〜20kHzのノ
イズ信号成分Nを除去する必要がある。
【0026】カセットテープレコーダから出力されたア
ナログ信号は、アナログ信号入力端子1からローパスフ
ィルタ2およびサンプルホールド4を介してA/Dコン
バータ6に入力され、レベルに応じたデジタル信号に変
換される。A/Dコンバータ6は、サンプリング周波数
fs(例えば、fs=44.1KHz)で変換し、このデジタル信
号のレベルを例えば16ビットパラレルの両極性コードで
表す。この両極性コードを図2に示す。入力されたアナ
ログ信号が正の場合にはMSBを「0」とし、負の場合に
はMSBを「1」とする。これによって、デジタル信号が
正極性であるか負極性であるかを表す。正極性である場
合には、2SB〜LSBに「1」を順次立てることによりレ
ベルを示す。負極性ある場合には、2SB〜LSBに「0」
を順次立てることによりレベルを示す。
【0027】A/Dコンバータ6から出力されたデジタ
ル信号は、遅延回路7によってサンプリング時間1/fs遅
延されてデジタル減算回路8に与えられる。遅延回路7
が設けられるのは、リミタ121〜125においてサンプリン
グ時間1/fsの遅れを生じるので、タイミングを合わせる
ためである。時間遅れが生じない場合には、必要がな
い。A/Dコンバータ6から出力されたデジタル信号
は、また、デジタルバンドパスフィルタ101〜105にそれ
ぞれ与えられる。カセットテープレコーダが20Hz〜20k
Hzの可聴帯域の周波数のアナログ信号を出力するので、
デジタル信号は20Hz〜20kHzの周波数の所望の信号成分
Sとノイズ信号成分Nから成っている。ここで、ノイズ
信号成分Nの内20Hz〜750Hzのノイズ信号成分Nは、ほ
ぼ無視し得る。したがって、750Hz〜20kHzのノイズ信
号成分Nを除去できればよい。
【0028】デジタルバンドパスフィルタ101〜105は、
図3に示すように、例えば1kHz、2kHz、4kHz、8
kHz、16kHzを中心とする通過帯域特性を有している。
デジタルバンドパスフィルタ101は、1KHzの周波数帯
域のデジタル信号を出力するが、この帯域より低い周波
数帯域や、2kHz、4kHz、8kHz、16kHzの周波数帯
域のデジタル信号をカットする。デジタルバンドパスフ
ィルタ102〜105も同様に、2kHz、4kHz、8kHz、16
kHzの周波数帯域のデジタル信号だけを出力し、他の周
波数帯域のデジタル信号をカットする。抽出するノイズ
信号成分Nの周波数帯域を750Hz〜20kHzとすると、こ
れによって、デジタルバンドパスフィルタ101〜105は、
A/Dコンバータ6から与えられたデジタル信号を、1
kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHzの5つの周波数
帯域ごとのデジタル信号に分割して出力する。
【0029】例えば、図4に示すように、A/Dコンバ
ータ6から出力されたデジタル信号が、2kHz、4kH
z、8kHz、16kHzのノイズ信号成分Nと、500Hz、1k
Hz、4kHzの所望の信号成分Sとから成るような場合が
ある。この場合には、デジタルバンドパスフィルタ101
においては、1kHzの所望の信号成分S1のデジタル信
号だけが通過する。所望の信号成分S2,S3及びノイズ
信号成分N1,N2,N3,N4のデジタル信号はカットさ
れる。デジタルバンドパスフィルタ102,104,105は、
ノイズ信号成分N1,N3,N4のデジタル信号をそれぞ
れ出力する。デジタルバンドパスフィルタ103は、所望
の信号成分S3とノイズ信号成分N2を混合したデジタル
信号(S3+N2)を出力する。したがって、各デジタル
バンドパスフィルタ101〜105を通過するデジタル信号
は、各周波数帯域のノイズ信号成分N、所望の信号成分
S、又は所望の信号成分Sとノイズ信号成分Nの混合し
たものいずれかとなる。なお、もっと低域のノイズ信号
も抽出するのであれば、中心周波数500Hz、250Hz等の低
域の周波数帯域のデジタルバンドパスフィルタも用意す
ればよい。また、通過帯域を狭くし、デジタルバンドパ
スフィルタ多く設けるほど、所望の信号成分Sとノイズ
信号成分Nとの分離を行いやすくなる。
【0030】各デジタルバンドパスフィルタ101〜105
ら出力された各周波数帯域のデジタル信号は、リミタ12
1〜125にそれぞれ与えられる。各リミタ121〜125は、各
デジタルバンドパスフィルタ101〜105から出力された各
周波数帯域のデジタル信号を、予め定められたスレッシ
ョルドレベル未満の低レベルのデジタル信号と、スレッ
ショルドレベル以上の高レベルのデジタル信号とに弁別
する。ここで、例えばS/N比が60dB程度とすると、ノ
イズ信号成分Nでは、最大レベルであってもMSB〜10SB
にビットが立つことはない。このため、スレッショルド
レベルは、例えば正極性の場合MSB〜LSB=000000000100
0000、負極性の場合MSB〜LSB=1111111110111111(図2
参照)に定められる。そして、各リミタ121〜125は、各
周波数帯域におけるスレッショルドレベル未満の低レベ
ルのデジタル信号をそれぞれ出力する。
【0031】ところで、デジタルバンドパスフィルタ10
1〜105から出力された各周波数帯域のデジタル信号は、
ノイズ信号成分Nである場合か、所望の信号成分S、又
は所望の信号成分Sとノイズ信号成分Nの混合したもの
の、すなわち、所望の信号成分Sを含んでいる場合のい
ずれかである(図5参照)。デジタルバンドパスフィル
タ101〜105から出力されたデジタル信号がノイズ信号成
分Nである場合には、S/N比が60dB程度であるので、
スレッショルドレベルの範囲内でレベルを変え(図5
(1)参照)、MSB〜10SBにビットが立つことはない。した
がって、この場合には、各リミタ121〜125はスレッショ
ルドレベル未満のレベルのノイズ信号成分Nをすべて出
力する(図6(1)参照)。
【0032】一方、デジタルバンドパスフィルタ101〜1
05から出力されたデジタル信号が所望の信号成分Sを含
んでいる場合には、S/N比が60dB程度であるので、ス
レッショルドレベルを超えてレベルを変える(図5(2)
参照)。しかし、経時的にはスレッショルドレベル未満
の低レベルでMSB〜10SBにビットが立たないときと(図
5(2)のα1参照)、スレッショルドレベル以上の高レベ
ルでMSB〜10SBにビットが立つときとがある(図5(2)α
2参照)。したがって、この場合には、各リミタ121〜12
5は、スレッショルドレベル未満の低レベルの部分のみ
出力する(図6(2)のα1参照)。スレッショルドレベル
以上の高レベルの部分は、カットされる((図6(2)α2
参照)。
【0033】各リミタ121〜125から出力された低レベル
のデジタル信号は、ゼロクロス歪除去回路221〜225にそ
れぞれ与えられる。
【0034】ゼロクロス歪除去回路221〜225は、リミタ
121〜125から出力された各周波数帯域の低レベルのデジ
タル信号を、各周波数帯域について、スレッショルドレ
ベルの範囲を超えて変動するものにおける低レベルのデ
ジタル信号(図6(2)のα1参照)と、スレッショルドレ
ベルの範囲内で変動するものにおける低レベルのデジタ
ル信号(図6(1)参照)とに弁別する。そして、ゼロク
ロス歪除去回路221〜225は、スレッショルドレベルの範
囲内で変動するものにおける低レベルのデジタル信号、
すなわち、ノイズ信号成分Nのデジタルミキサ14への通
過を許容する(図7(1)参照)。したがって、ノイズ信
号成分Nは、デジタルミキサ14に与えられる。また、ス
レッショルドレベルの範囲を超えて変動するもの、すな
わち所望の信号Sを含んでいる場合における低レベルの
デジタル信号のデジタルミキサ14への通過を禁止する
(図7(2)参照)。したがって、所望の信号Sを含んで
いる場合における低レベルのデジタル信号は、デジタル
ミキサ14に与えられることはない。
【0035】デジタルミキサ14は、各周波数帯域の低レ
ベルのデジタル信号を混合する。ここで、デジタルミキ
サ14には、各周波数帯域における所望の信号Sを含んで
いる場合における低レベルのデジタル信号が与えられる
ことはない。したがって、デジタルミキサ14の出力は、
各周波数帯域におけるスレッショルドレベルの範囲内で
変動するものにおける低レベルのデジタル信号、すなわ
ち、ノイズ信号成分Nのみである。デジタルミキサ14か
ら出力されたデジタル信号はデジタル減算回路8に入力
される。
【0036】デジタル減算回路8は、デジタルミキサ14
から出力された低レベルのデジタル信号、すなわち、ノ
イズ信号成分Nと、A/Dコンバータ6から出力された
デジタル信号の差信号を得る。ここで、デジタルミキサ
14から出力された低レベルのデジタル信号は、各周波数
帯域におけるノイズ信号成分Nのみである(図7
(1))。また、A/Dコンバータ6から出力されたデジ
タル信号には、このノイズ信号成分Nが含まれている
(図5(1)参照)。したがって、ノイズ信号成分同士が
打ち消し合い、差信号にはこのノイズ信号成分Nが除去
されている(図8(1)参照)。
【0037】一方、デジタル減算回路8には、各周波数
帯域における所望の信号Sを含んでいる場合における低
レベルのデジタル信号が与えられることはない(図7
(2)参照)。このとき、また、A/Dコンバータ6から
出力されたデジタル信号には、スレッショルドレベル未
満の低レベルのもの(図5(2)のα1参照)と、スレッシ
ョルドレベル以上の高レベルのもの(図5(2)α2参照)
を出力している。したがって、各周波数帯域における所
望の信号Sを含んでいる場合における低レベルのデジタ
ル信号の打ち消し合いが生ぜず、ゼロクロス歪が生じる
ことはない(図8(2)参照)。したがって、デジタル減
算回路8からノイズ信号成分Nの少なく、しかもゼロク
ロス歪を含まない差信号を得ることができる。デジタル
オーディオテープレコーダ等のデジタル信号伝送系へ
は、デジタル信号のまま、デジタル信号出力端子9から
この差信号が出力される。
【0038】デジタル減算回路8から出力された差信号
は、D/Aコンバータ16によってアナログ信号に変換さ
れ、サンプルホールド18およびローパスフィルタ20を介
してアナログ信号が出力される。したがって、このアナ
ログ信号は、ほぼ所望の信号成分Sのみであり、ノイズ
信号成分Nがほぼ除去されている。したがって、D/A
コンバータ16からノイズ信号成分Nの少なく、しかもゼ
ロクロス歪を含まないアナログ信号を得ることができ
る。カセットテープレコーダ等のアナログ信号伝送系へ
は、アナログ信号に戻し、アナログ信号出力端子19から
この差信号が出力される。なお、デジタルオーディオテ
ープレコーダ等のデジタル信号伝送系からのデジタル信
号を、デジタル信号入力端子3を介してデジタル減算回
路8及びデジタルバンドパスフィルタ101〜105に与える
ようにしてもよい。
【0039】ここで、図9に示すリミタ121〜125の一実
施例の具体的回路図及び図10に示すゼロクロス歪除去
回路221〜225の一実施例の具体的回路図によって、さら
に詳細に説明する。
【0040】デジタルバンドパスフィルタ101〜105から
出力された2SB〜15SBの信号は、1/fs遅延回路42および
スイッチ44をそれぞれ介して、ANDゲート46の一方の
入力にそれぞれ与えられる。デジタルバンドパスフィル
タ101〜105から出力された2SB〜10SBの信号は、スイッ
チ32をそれぞれ介して、NANDゲート34に入力され
る。NANDゲート34の出力は、スイッチ36,38および
1/fs遅延回路40を介してANDゲート46の他方の入力に
与えられる。各ANDゲート46の出力は、スイッチ48を
それぞれ介してゼロクロス歪除去回路221〜225に出力さ
れる。
【0041】デジタルバンドパスフィルタ101〜105から
出力されたMSBの信号は、1/fs遅延回路42を介してゼロ
クロス歪除去回路221〜225に出力される。スイッチ32,
36,38には、入力されたMSBの信号がバッファ33及びイ
ンバータ35を介して与えられる。また、スイッチ44,48
および後述するゼロクロス歪除去回路221〜225のスイッ
チ72には、1/fs遅延回路42を介するMSBの信号がバッフ
ァ37及びインバータ39を介して与えられる。各スイッチ
32,36,38,44,48,72は、MSBが「0」の場合、すな
わち正極性の場合には、「○」の方がイネーブルとな
る。MSBが「1」の場合、すなわち負極性の場合には、
「●」の方がイネーブルとなる。したがって、スイッチ
32,36は、MSB=「0」(正極性)の場合、入力信号を
反転して出力する。MSB=「1」(負極性)の場合、入
力信号を非反転で出力する。スイッチ38,44,48は、正
極性の場合、入力信号を非反転で出力する。負極性の場
合、入力信号を反転して出力する。なお、1/fs遅延回路
40,42は、サンプリング時間1/fs信号を遅延させるもの
である。また、LSBの信号は、ゼロクロス歪除去回路221
〜225において、作成される。
【0042】ここで、デジタルバンドパスフィルタ101
〜105から出力されたデジタル信号が、図4(2)の一部を
拡大した図11(1)のラインL1,L2に示すように経時
的に変化したものとする(時刻t1,t3,t4,t6にス
レッショルドレベル、時刻t2,t4にレベル「0」)。
【0043】デジタルバンドパスフィルタ101〜105から
出力されたデジタル信号が正極性の場合には(ラインL
1のα3,α4、L2のα5,α6参照)、そのMSBは「0」
である(図11(2)のβ1参照)。負極性の場合には(ラ
インL1のα1,α2、L2のα7,α8参照)、そのMSBは
「1」である(図11(2)のβ2,β3参照)。
【0044】デジタルバンドパスフィルタ101〜105の出
力が正極性でスレッショルドレベル以上の場合には(図
11(1)のα4,α5参照)、2SB〜10SBのいずれかが
「1」である(図12(3)のγ1参照)。この場合には、
スイッチ32の2SB〜10SBの出力のいずれかが「0」であ
る(図12(4)のδ1参照)。したがって、NANDゲー
ト34は「1」を(図12(5)のε1参照)、スイッチ36は
「0」を(図12(6)のζ1参照)、スイッチ38は「0」
を(図12(7)のη1参照)それぞれ出力する。
【0045】デジタルバンドパスフィルタ101〜105の出
力が正極性でスレッショルドレベル未満の場合には(図
11(1)のα3,α6参照)、入力された2SB〜10SBのい
ずれもが「0」である(図12(3)のγ2参照)。この場
合には、スイッチ32の2SB〜10SBのすべての出力が
「1」である(図12(4)のδ2参照)。したがって、N
ANDゲート34は「0」を(図12(5)のε2参照)、ス
イッチ36は「1」を(図12(6)のζ2参照)、スイッチ
38は「1」を(図12(7)のη2参照)それぞれ出力す
る。
【0046】デジタルバンドパスフィルタ101〜105の出
力が負極性でスレッショルドレベル未満の場合には(図
11(1)のα2,α7参照)、入力された2SB〜10SBのす
べての出力が「1」である(図12(3)のγ3参照)。こ
の場合には、スイッチ32の2SB〜10SBのすべての出力が
「1」である(図12(4)のδ3参照)。したがって、N
ANDゲート34は「0」を(図12(5)のε3参照)、ス
イッチ36は「0」を(図12(6)のζ3参照)、スイッチ
38は「1」を(図12(7)のη3参照)それぞれ出力す
る。
【0047】デジタルバンドパスフィルタ101〜105の出
力が負極性でスレッショルドレベル以上の場合には(図
11(1)のα1,α8参照)、入力された2SB〜10SBのい
ずれかが「0」である(図12(3)のγ4参照)。この場
合には、スイッチ32の2SB〜10SBのいずれかの出力が
「0」である(図12(4)のδ4参照)。したがって、N
ANDゲート34は「1」を(図12(5)のε4参照)、ス
イッチ36の出力は「1」を(図12(6)のζ4参照)、ス
イッチ38の出力は「0」を(図12(7)のη4参照)それ
ぞれ出力する。
【0048】このスイッチ38の出力は、1/fs遅延回路40
によってサンプリング時間1/fs遅延され(図12(8)参
照)、ANDゲート46の一方の入力にそれぞれ与えられ
る。一方、デジタルバンドパスフィルタ101〜105から出
力された2SB〜15SBの信号は、1/fs遅延回路42によって
サンプリング周期1/fs遅延され(図13(9)参照)、ス
イッチ44に与えられる。また、MSBの信号も、1/fs遅延
回路42によってサンプリング時間1/fs遅延され(図13
(10)参照)、スイッチ44に与えられる。
【0049】各スイッチ44は、正極性の場合には、入力
信号を非反転で出力する。負極性の場合には入力信号を
反転して出力する。すなわち、各スイッチ44は、負極性
信号(図13(9)のα1,α2,α7,α8参照)を正極性
信号に変換する(図14(11)参照)。ここで、ANDゲ
ート46は、1/fs遅延回路40の出力(図12(8)参照)
と、スイッチ44の出力(図10(11)参照)との論理積であ
る。したがって、ANDゲート46は、スレッショルドレ
ベルを超える信号が入力された場合には、各スイッチ44
から出力された信号の通過を禁止し、出力を「0」とす
る(図14(12)のα1,α4,α5,α8参照)。スレッシ
ョルドレベル以下の信号が入力された場合には、各スイ
ッチ44から出力された信号の通過を許容し、その信号を
そのまま出力する(図14(12)のα2,α3,α6,α7
照)。したがって、各ANDゲート46は、スレッショル
ドレベル以下の信号のみを正極性で各スイッチ48に出力
する。 各スイッチ48は、正極性の場合には、入力信号
を非反転で出力する。負極性の場合には、入力信号を反
転して出力する。すなわち、各スイッチ48は、正極性に
変換された信号(図14(11)(12)のα2,α7参照)を負
極性信号に戻す(図14(13)のα2,α7参照)。したが
って、デジタルバンドパスフィルタ101〜105から出力さ
れたデジタル信号が正極性および負極性のスレッショル
ドレベル以上の高レベルのデジタル信号である場合には
(図11(1)のα1,α4,α5,α8参照)、各リミタ121
〜125は、正極性および負極性のスレッショルドレベル
以上の高レベルの部分をカットする(図14(13)の
α1,α4,α5,α8参照)。正極性および負極性のスレ
ッショルドレベル未満の低レベルの信号である場合には
(図11(1)のα2,α3,α6,α7参照)、各リミタ121
〜125は、正極性および負極性のスレッショルドレベル
未満の低レベルの部分を出力する(図14(13)のα2
α3,α6,α7参照)。すなわち、スレッショルドレベ
ルを超えて変動するものにおける低レベルのデジタル信
号を出力する。
【0050】なお、デジタルバンドパスフィルタ101〜1
05の出力がスレッショルドレベルの範囲内で変動する、
すなわちMSB〜10SBのビットの立たないノイズ信号成分
Nのみであるような場合には(図5(1)参照)、低レベ
ルの信号正極性および負極性のスレッショルドレベル未
満の低レベルの信号だけが入力された場合と同じである
(図11(1)のα2,α3,α6,α7参照)。したがっ
て、各リミタ121〜125は、スレッショルドレベルの範囲
内で変動する低レベルのデジタル信号を出力する。
【0051】ここで、各リミタ121〜125は、スレッショ
ルドレベルを超えて変動するものにおける低レベルのデ
ジタル信号と、スレッショルドレベルの範囲内で変動す
るものにおける低レベルのデジタル信号(図5(1)参
照)を出力する。しかし、S/N比を高めつつゼロクロ
ス歪を低減するためには、低レベルのデジタル信号を弁
別して、スレッショルドレベルを超えて変動するものに
おける低レベルのデジタル信号をデジタルミキサ14に入
力するのを禁止する必要がある。
【0052】リミタ121〜125から出力されたMSB〜15SB
の信号は、ゼロクロス歪除去回路221〜225のバッファ50
及びスイッチ62を介してデジタルミキサ14に出力される
(図10参照)。スイッチ62は、バッファ102の出力に
よってスイッチングモードを切り換える。バッファ102
の出力は、リミタ121〜125から出力された11SB〜15SBの
信号と、リミタ121〜125のスイッチ44から出力された2S
B〜10SBの信号と、リミタ121〜125の1/fs遅延回路40か
ら出力された信号と、リミタ121〜125の1/fs遅延回路40
及びスイッチ38から出力された信号とから作成される。
バッファ102の出力が「1」の場合には、スイッチ62が
導通する。これによって、バッファ50から出力されたMS
B〜15SBの信号は、プルダウンされる。したがって、デ
ジタルミキサ14への信号の通過は禁止される。バッファ
102の出力が「0」の場合には、スイッチ62が遮断す
る。これによって、バッファ50から出力されたMSB〜15S
Bの信号の通過を許容する。
【0053】なお、LSBの信号は、次のようにして適宜
作成される。ハイレベルの信号は、スイッチ106を介し
てANDゲート108の一方の入力に与えられる。AND
ゲート108の他方の入力には、サンプリングパルスが与
えられる。バッファ50から出力されたMSBの信号は、バ
ッファ110及びインバータ112を介してスイッチ106に与
えられる。MSBが「0」の場合、すなわちスイッチ62が
導通している場合、又はスイッチ62が遮断していて正極
性の場合には、スイッチ106は、「○」の方がイネーブ
ルとなる。この場合には、スイッチ106の出力は「1」
となる。したがって、ANDゲート108は、LSBの信号と
して「1」のサンプリングパルスを出力する。MSBが
「1」の場合、すなわちスイッチ62が遮断していて負極
性の場合には、スイッチ106は、「●」の方がイネーブ
ルとなる。この場合には、スイッチ106の出力は「0」
となる。したがって、ANDゲート108は、LSBの信号と
して「0」を出力する。
【0054】ここで、デジタルバンドパスフィルタ101
〜105の出力が所望の信号成分Sを含む場合には、スレ
ッショルドレベル以上の高レベルから低レベルとなると
き、及びスレッショルドレベル未満の低レベルから高レ
ベルとなるときに、スレッショルドレベルを必ず通る
(図11(1)のラインL1,L2参照)。そして、正極性
の場合、高レベルのときには2SB〜10SBのいずれかが
「1」であるが、低レベルのときには2SB〜10SBのいず
れもが「0」である(図12(3)参照)。負極性の場
合、高レベルのときには2SB〜10SBのいずれかが「0」
であるが、低レベルのときには2SB〜10SBのいずれもが
「1」である(図12(3)参照)。したがって、所望の
信号成分Sを含む低レベルのデジタル信号に関しては、
高レベルから低レベルとなるとき、及び低レベルから高
レベルとなるときに2SB〜10SBに変化が生じる。一方、
スレッショルドレベルの範囲内で変動する低レベルのデ
ジタル信号、すなわちノイズ信号成分N(図5(1)参
照)の場合には、スレッショルドレベルを通らないの
で、2SB〜10SBに変化を生じない。したがって、2SB〜10
SBの信号の有無の変化を見ておけば、所望の信号Sを含
む場合の低レベルのデジタル信号と、ノイズ信号成分N
の低レベルのデジタル信号を弁別できる。
【0055】リミタ121〜125から出力された11SB〜15SB
の信号(図14(13)参照)は、スイッチ72によって正極
性の信号にされ(図15(14)参照)、NORゲート74に
与えられる。スイッチ72が正極性の低レベルの信号を出
力している場合(図15(14)のα2,α3,α6,α7
照)、スイッチ72の11SB〜15SBのいずれかは「1」であ
る。この場合、NORゲート74の出力は、「0」となる
(図15(15)参照)。正極性の低レベルの信号がない場
合(図15(14)のα1,α4,α5,α8参照)には、スイ
ッチ72の11SB〜15SBのいずれもが「0」である。この場
合、NORゲート74の出力は、「1」となる(図15(1
5)参照)。NORゲート74の出力は、1/fs遅延回路76に
よって1/fs時間遅延され(図15(16)参照)、ANDゲ
ート78の一方の入力に与えられる。
【0056】一方、リミタ121〜125のスイッチ44から出
力された2SB〜10SBの信号(図14(11)参照)は、OR
ゲート80に与えられる。スイッチ44が正極性の低レベル
の信号を出力している場合(図14(11)のα2,α3,α
6,α7参照)、スイッチ72の2SB〜10SBのすべてが
「0」である。この場合、ORゲート80の出力は、
「0」となる(図15(17)参照)。スイッチ44が正極性
の高レベルの信号を出力している場合(図14(11)のα
1,α4,α5,α8参照)には、スイッチ72の2SB〜10SB
のいずれかが「1」である。この場合、ORゲート80の
出力は、「1」となる(図15(17)参照)。ORゲート
80の出力は、ANDゲート82の一方の入力に与えられ
る。
【0057】リミタ121〜125の1/fs遅延回路40の出力
(図12(8)参照)は、1/fs遅延回路51によって1/fs時
間遅延され(図15(16)参照)、ORゲート84の一方の
入力に与えられる。また、リミタ121〜125のスイッチ38
の出力(図12(7)参照)は、ORゲート84の他方の入
力に与えられる。これによって、ORゲート84の出力
は、図15(19)に示すようになる。ORゲート84の出力
は、ANDゲート82の他方の入力に与えられる。したが
って、ANDゲート82は、図15(20)に示すように、低
レベルの信号を出力する直前と、低レベルの信号を出力
し終わった直後に1度だけ「1」をそれぞれ出力する。
【0058】ANDゲート82の出力は、フリップフロッ
プ85のクロック入力CLKに与えられる。また、ANDゲ
ート82の出力は、ORゲート86の一方の入力に与えられ
るとともに、1/fs遅延回路88によって1/fs時間遅延され
(図16(21)参照)、ORゲート86の他方の入力に与え
られる。これによって、ORゲート86の出力は、図16
(22)に示すようになる。ORゲート86の出力は、AND
ゲート78の他方の入力に与えられる。したがって、1/fs
遅延回路76の出力(図15(16)参照)と、ORゲート86
の出力により、ANDゲート78の出力は、図16(23)に
示すようになる。すなわち、低レベルの信号の出力開始
に関連して2度、低レベルの信号の出力終了に関連して
1度だけ「1」をそれぞれ出力する。
【0059】ANDゲート78の出力は、フリップフロッ
プ90に与えられる。フリップフロップ90は、いわゆるト
グルフリップフロップであり、「1」が入力されるごと
にその出力状態を変える。これによって、フリップフロ
ップ90の出力は、図16(24)に示すようになる。フリッ
プフロップ90の出力は、ORゲート92の一方の入力に与
えられるとともに、1/fs遅延回路94によって1/fs時間遅
延され(図16(25)参照)、ORゲート92の他方の入力
に与えられる。これによって、ORゲート92の出力は、
図16(26)に示すようになる。ORゲート92の出力は、
フリップフロップ85のクリア入力CLRに与えられる。
【0060】フリップフロップ85は、クリア入力CLRが
「1」の場合、「1」が入力されるごとにその出力状態
を変える。クリア入力CLRが「0」の場合、「1」が入
力されると、その出力状態を「0」とする。したがっ
て、ANDゲート82の出力(図15(20)参照)と、OR
ゲート92の出力(図16(26))により、フリップフロッ
プ85の出力は、図17(27)に示すようにスレッショルド
レベルを超えて変動するものにおける低レベルのデジタ
ル信号の出力中「1」となる。フリップフロップ85の出
力は、ORゲート96の一方の入力に与えられるととも
に、1/fs遅延回路98によって1/fs遅延され(図17(28)
参照)、ORゲート96の他方の入力に与えられる。した
がって、ORゲート96の出力は、図17(29)に示すよう
になる。ORゲート96の出力は、微分回路100に与えら
れる。微分回路100は、ORゲート96の出力が「1」を
継続した場合、その出力を徐々に低下させる(図17(3
0))。この場合、予め定められた時間T内であれば、
「1」を維持する。時間Tを超えると、ORゲート96の
出力が「1」であるにも拘らず、その出力を「0」とす
る。微分回路100の出力は、バッファ102に与えられる。
バッファ102の出力は、図17(31)に示すようになる。
バッファ102の出力は、スイッチ62に与えられる。
【0061】バッファ102の出力が「1」の場合には、
スイッチ62が導通する。これによって、バッファ50から
出力されたMSB〜15SBの信号は、プルダウンされる。バ
ッファ102の出力が「1」となるのは、スレッショルド
レベルを超えて変動するものにおける低レベルのデジタ
ル信号の出力中にわたっている(図14(13)参照)。し
たがって、このデジタル信号のデジタルミキサ14への通
過は禁止される。バッファ102の出力が「0」の場合に
は、スイッチ62が遮断する。これによって、バッファ50
から出力されたMSB〜15SBの信号の通過を許容する。
【0062】ここで、リミタ121〜125から図18(1)に
示すようにスレッショルドレベルを超えて変動するもの
における低レベルのデジタル信号の出力後にスレッショ
ルドレベルの範囲内で変動する低レベルのデジタル信号
が出力される場合がある。この場合には、スレッショル
ドレベルを超えて変動するものにおける低レベルのデジ
タル信号の出力後にANDゲート82からフリップフロッ
プ85に「1」が入力されない。このため、フリップフロ
ップ85は、図18(2)に示すように「1」を出力し続け
る。しかし、微分回路100の出力は、図18(3)に示すよ
うに、時間T経過後「0」となる。これによって、スイ
ッチ62が遮断し、スレッショルドレベルの範囲内で変動
する低レベルのデジタル信号のデジタルミキサ14への通
過が可能になる。また、リミタ121〜125からスレッショ
ルドレベルの範囲内で変動する低レベルのデジタル信号
が出力される場合には、一般的にフリップフロップ85の
出力が「0」となっている。したがって、このスレッシ
ョルドレベルの範囲内で変動する低レベルのデジタル信
号のデジタルミキサ14への通過が可能になる。
【0063】なお、図10に示したゼロクロス歪除去回
路221〜225では、フリップフロップ85がスレッショルド
レベルの範囲を超えて変動するものにおける低レベルの
デジタル信号の第2波(図18(1)のA参照)から動作
するようになっている(図18(2)参照)。このため、
スレッショルドレベルの範囲内で変動する低レベルのデ
ジタル信号の第1波(図18(1)のB参照)がデジタル
ミキサ14に入力され、第1波Bについてゼロクロス歪を
生じることになる。したがって、第1波Bの通過を阻止
するため、ラインメモリ等を用いて第1波Bも検出する
ようにゼロクロス歪除去回路を構成するようにしてもよ
い。
【0064】また、20Hz〜20kHzの音声信号帯域で実施
するようにしたが、ビデオ信号帯域で実施するようにし
てもよく、電話回線等で実施するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1の雑音低減回路においては、リ
ミタから出力された各周波数帯域の低レベルのデジタル
信号を、各周波数帯域について、スレッショルドレベル
の範囲を超えて変動するものにおける低レベルのデジタ
ル信号と、スレッショルドレベルの範囲内で変動するも
のにおける低レベルのデジタル信号とに弁別し、スレッ
ショルドレベルの範囲内で変動するものにおける低レベ
ルのデジタル信号のデジタルミキサへの通過を許容する
とともに、スレッショルドレベルの範囲を超えて変動す
るものにおける低レベルのデジタル信号のデジタルミキ
サへの通過を全部又は一部禁止するゼロクロス歪除去回
路を備えるようにしている。
【0066】したがって、デジタル減算回路からノイズ
信号成分の少なく、しかもゼロクロス歪の少ない差信号
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】両極性コードを示す図である。
【図3】デジタルバンドパスフィルタ101〜105の通過帯
域特性を示す図である。
【図4】A/Dコンバータ6から出力されたデジタル信
号の周波数スペクトルを示す図である。
【図5】デジタルバンドパスフィルタ101〜105から出力
されたノイズ信号成分Nと、所望の信号成分Sまたは所
望の信号成分Sおよびノイズ信号成分Nのレベルを示す
図である。
【図6】リミタ121〜125の出力を示す図である。
【図7】ゼロクロス歪除去回路221〜225の出力を示す図
である。
【図8】デジタル減算回路8の出力を示す図である。
【図9】リミタ121〜125の具体例を示す回路図である。
【図10】ゼロクロス歪除去回路221〜225の具体例を示
す回路図である。
【図11】リミタ121〜125の各部入出力を示す図であ
る。
【図12】リミタ121〜125の各部入出力を示す図であ
る。
【図13】リミタ121〜125の各部入出力を示す図であ
る。
【図14】リミタ121〜125の各部入出力を示す図であ
る。
【図15】ゼロクロス歪除去回路221〜225の各部入出力
を示す図である。
【図16】ゼロクロス歪除去回路221〜225の各部入出力
を示す図である。
【図17】ゼロクロス歪除去回路221〜225の各部入出力
を示す図である。
【図18】ゼロクロス歪除去回路221〜225の各部入出力
を示す図である。
【図19】従来の雑音低減回路の回路図である。
【図20】従来の雑音低減回路におけるデジタルバンド
パスフィルタ101〜105の出力を示す図である。
【図21】従来の雑音低減回路におけるリミタ2121〜21
25の出力を示す図である。
【図22】従来の雑音低減回路におけるデジタル減算回
路8の出力を示す図である。
【符号の説明】
6…A/Dコンバータ 8…デジタル減算回路 101〜105…デジタルバンドパスフィルタ 121〜125…リミタ 14…デジタルミキサ 16…D/Aコンバータ 221〜225…ゼロクロス歪除去回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レベルに応じたデジタル信号を抽出すべき
    ノイズ信号成分に応じた周波数帯域ごとのデジタル信号
    に分割するデジタルバンドパスフィルタと、 デジタルバンドパスフィルタから出力された各周波数帯
    域ごとのデジタル信号を、予め定められたスレッショル
    ドレベルでスレッショルドレベル以下又はスレッショル
    ドレベル未満の低レベルのデジタル信号と、スレッショ
    ルドレベル以上又はスレッショルドレベルを超えるレベ
    ルの高レベルのデジタル信号とに弁別し、各周波数帯域
    の低レベルのデジタル信号をそれぞれ出力するリミタ
    と、 各周波数帯域の低レベルのデジタル信号をそれぞれ混合
    して出力するデジタルミキサと、 デジタルミキサで混合された各周波数帯域の低レベルの
    デジタル信号を元のデジタル信号から減算した差信号を
    出力するデジタル減算回路とを備える雑音低減回路にお
    いて、 リミタから出力された各周波数帯域の低レベルのデジタ
    ル信号を、各周波数帯域について、スレッショルドレベ
    ルの範囲を超えて変動するものにおける低レベルのデジ
    タル信号と、スレッショルドレベルの範囲内で変動する
    ものにおける低レベルのデジタル信号とに弁別し、スレ
    ッショルドレベルの範囲内で変動するものにおける低レ
    ベルのデジタル信号のデジタルミキサへの通過を許容す
    るとともに、スレッショルドレベルの範囲を超えて変動
    するものにおける低レベルのデジタル信号のデジタルミ
    キサへの通過を全部又は一部禁止するゼロクロス歪除去
    回路を備えることを特徴とする雑音低減回路。
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