JPH0556229U - 透過膜によるろ過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過
膜を利用し、上下水道等の水処理を主体とし、その他各
種液体のろ過操作に関する。 【構成】 精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過
膜によるろ過装置において、モジユ−ルケ−ス内透過膜
の外周に陣笠状の導流壁を設け、透過膜外周からの洗浄
用流体による透過膜洗浄時に透過膜周辺に、集中的に強
い洗浄流速を発生させ、また洗浄用流体による透過膜洗
浄時に、透過膜から剥離した除去物質が導流壁上に沈降
しやすくさせ、さらに透過膜から離れた位置に滑落しや
すくする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過膜を利用し、上下水 道等の水処理を主体とし、その他各種液体のろ過操作に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過膜により液体中の異物を分 離する方法が用いられてきた。これらの分離方法の場合、分離操作により分離し た異物の一部が膜表面へ付着し、これが透過流量の低下を促すという結果を招来 していた。

【０００３】 この透過流量回復のために、定期的に空気もしくは水などの液体で洗浄を行な わなければならないが、一般には透過膜ケ−スと透過膜外周間には大きな空間が あるため、透過膜外周から洗浄流体を流す場合、透過膜の洗浄に寄与する必要最 少限の流体以上の量を流す必要があつた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

透過膜の洗浄は、透過膜でろ過することにより、透過膜に付着した分離対象物 を、液体で洗い流したり、液体中に空気を送ることによる振動で剥離させたりす る。透過膜は、一般に透過膜ケ−スに収められており、透過膜ケ−スの断面積に 対し透過膜の断面積は数十％からの数分の一である。このため、洗浄時に外部か ら送られる洗浄流体は、透過膜の洗浄に寄与しない部分もあり、不経済である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案では、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過膜によ るろ過装置において、モジユ−ルケ−ス内透過膜の外周に陣笠状の導流壁を設け 、透過膜外周からの洗浄用流体による透過膜洗浄時に透過膜周辺に、集中的に強 い洗浄流速を発生させるものである。

【０００６】 請求項２記載の考案では、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の透過膜によ るろ過装置において、モジユ−ルケ−ス内透過膜の外周に、多数の陣笠状の導流 壁を設け、洗浄用流体による透過膜洗浄時に、透過膜から剥離した除去物質が導 流壁上に沈降しやすくさせ、さらに透過膜から離れた位置に滑落しやすくするこ とを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

請求項１記載の考案においては、空気もしくは液体からなる洗浄用流体が陣笠 状の導流壁によつて、透過膜周辺で強い洗浄流速を発生して少量の洗浄用流体に よつて強力な膜洗浄を可能とする。

【０００８】 請求項２記載の考案においては、洗浄用流体による透過膜洗浄時に透過膜から 剥離した除去物質が、前記陣笠状の導流壁により案内され、透過膜から離れた位 置に滑落することにより、透過膜への再付着を回避できるものである。

【０００９】

【実施例】

先ず図１に示す第一実施例において、モジユ−ルケ−ス１の上下に形成した仕 切板２Ａ，２Ｂ間に中空系型限外ろ過膜３を多数束状に張りわたされて透過膜４ が構成されており、この透過膜４の外周を包囲して１枚もしくは数枚の陣笠状の 導流壁５が設けられる（図示の例では上下に２枚が設けられている）。

【００１０】 これら陣笠状導流壁５は、前記モジユ−ルケ−ス１及び透過膜４に対して若干 の隙間を保つて配設するものとする。

【００１１】 図において、６は原液流入管、７は透過液流出管、８は洗浄用流体吹込管、９ は洗浄用流体流出管、１０は循環液流出管、１１は洗浄排液管であつて、前記仕 切板２Ｂには洗浄用流体流通用の通口１２が設けられている。なお図では省略し たが、各管６ないし１１には不使用時閉塞するためのバルブが設けられている。

【００１２】 上記構成からなるろ過装置によるろ過作業の概略について述べると、原液流入 管６からモジユ−ルケ−ス１内に導入された原液の一部は前記透過膜４の各ろ過 膜を透過して透過液流出管７から取り出され、残余は循環液流出管１０から流出 し、原液を補充されて再び原液流入管６からモジユ−ルケ−ス１に導入される。

【００１３】 ろ過作業を一定時間継続した後、透過膜４の洗浄を行なう場合、洗浄用流体と して空気を使用する際には、洗浄用流体吹込管８及び通口１２を介して洗浄用空 気を吹き込むと、この空気は導流壁５の下面に沿つて流通し、透過膜４の近傍を 集中的に上昇して洗浄用流体流出管９から流出することになり、少量の洗浄用空 気で強力な膜洗浄ができる。

【００１４】 上記洗浄用流体として液体を使用する場合も、前記洗浄用流体吹込管８から洗 浄用流体流出管９へ至る経過による洗浄を行なうが必要に応じて透過膜４の逆洗 を行なう場合には洗浄用液体を、透過液流出管７から導入して洗浄排液管１１か ら排出する経路を使用する。

【００１５】 図２及び図３に示す第二実施例は、モジユ−ルケ−ス１内に四組の透過膜４を 設置した例を示すもので、その他の構成、作用は前記図１に示す第一実施例にお けると同様であるので、同一又は同等の部分に同一符号を付し、説明は省略する 。

【００１６】 図４においては、前記陣笠状の導流壁５を、透過膜４の外周に多数配設したも のであつて、透過膜４の下方から洗浄用流体を吹き込んだ時、この洗浄用流体は 導流壁５により透過膜４の近傍を集中的に上昇し、少量の洗浄用流体によつて強 力な膜洗浄ができることは、前述のとおりであるが、この際剥離した膜付着物は 、各陣笠状の導流壁５の上面を滑落して外方へ導かれるので、再び透過膜４に接 触することなく、透過膜４から離れたモジユ−ルケ−ス１の内壁付近を降下する のである。

【００１７】 この例では導流壁５が多数あるため、傾斜板効果により、剥離した付着物の沈 降分離が容易になるものである。

【００１８】

【考案の効果】

この考案の上述の構造によつて、請求項１においては、導流壁の下面から透過 膜に向かつて集中的に洗浄用流体が流れることによつて少量の洗浄用流体によつ て強力な膜洗浄が達成でき、また請求項２においては、前記洗浄用流体によつて 膜面から剥離された付着物が、導流壁の上面によつて案内されて外方へ滑落し、 透過膜への再付着を回避することができるという効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第一実施例の竪断面図である。

【図２】この考案の第二実施例の竪断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】この考案の第三実施例の竪断面図である。

【符号の説明】

１ モジユ−ルケ−ス ２Ａ 仕切壁 ２Ｂ 仕切壁 ３ 中空系型限外ろ過膜 ４ 透過膜 ５ 陣笠状の導流壁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の
   透過膜によるろ過装置において、モジユ−ルケ−ス内透
   過膜の外周に陣笠状の導流壁を設け、透過膜外周からの
   洗浄用流体による透過膜洗浄時に透過膜周辺に、集中的
   に強い洗浄流速を発生させることを特徴とする透過膜に
   よるろ過装置。
2. 【請求項２】 精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等の
   透過膜によるろ過装置において、モジユ−ルケ−ス内透
   過膜の外周に、多数の陣笠状の導流壁を設け、洗浄用流
   体による透過膜洗浄時に、透過膜から剥離した除去物質
   が導流壁上に沈降しやすくさせ、さらに透過膜から離れ
   た位置に滑落しやすくすることを特徴とする透過膜によ
   るろ過装置。