JPH0556203B2 - - Google Patents
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- JPH0556203B2 JPH0556203B2 JP62264997A JP26499787A JPH0556203B2 JP H0556203 B2 JPH0556203 B2 JP H0556203B2 JP 62264997 A JP62264997 A JP 62264997A JP 26499787 A JP26499787 A JP 26499787A JP H0556203 B2 JPH0556203 B2 JP H0556203B2
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- Metal Rolling (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、工業用純チタンの板および帯の製造
において、インゴツト材またはそれを加工した鍛
造材や分塊材を温間または冷間で圧延することに
より、従来の製造工程にかかるコストを削減する
とともに、良好な表面性状を有する工業用純チタ
ン板および帯の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 純チタンは酸素との親和性が非常に強く、高温
において酸化されやすい性質を有している。そこ
で、純チタンの溶解は一般にVAR(消耗電極型真
空アーク溶解炉)などを用いて真空中で行い、円
柱形のインゴツトを製造している。そして通常は
このインゴツトを鍛造あるいは分塊圧延によつて
スラブにした後、熱間圧延−焼純−酸洗−表面キ
ズ取り研削の各工程を経て厚板あるいは中板を製
造し、また続いて冷間圧延−真空焼純を行つて薄
板を製造している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このうち、インゴツトの鍛造や分塊圧延、さら
に熱間圧延などの高温加熱時には、前述のように
素材の表面酸化が顕著となり、酸化スケールロス
でけでなく表面に形成された硬化層によつて加工
後の素材の表面性状に肌荒れや疵などの悪影響が
生じる。そのため鍛造あるいは分塊圧延後のスラ
ブの表面機械加工や部分研磨、また熱間圧延後の
厚板あるいは中板のメカニカルデスケーリングと
それに続く酸洗は必須工程となつている。さらに
薄板製造の場合、酸洗による熱間圧延板の表面ス
ケール除去が不十分な場合には冷間圧延時に表面
疵が発生する恐れがあるため、熱間圧延−酸洗板
の表面残留スケールを研削によつて完全に除去す
ることが必要である。このように良好な表面性状
を有する工業用純チタン板および帯を製造する上
で、表面手入れに関係する工程による歩留低下と
製造コストの増加は、大きな問題点となつてい
る。 本発明は、工業用純チタンの板および帯の製造
において、従来の製造工程にかかるコストを削減
するとともに、良好な表面性状を有する工業用純
チタン板および帯を得ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段・作用〕 本発明者は、工業用純チタン板および帯の製造
に関わる上記問題点を解決すべく、表面酸化スケ
ールの生成を最小限に押さえて製造する方法につ
いて検討した結果、従来鍛造や分塊圧延あるいは
熱間圧延で適用されていた加熱温度よりかなり低
い加熱温度範囲でも、また加熱しなくても、イン
ゴツトあるいはその鍛造材、分塊材の圧延が可能
であることを明らかにし、本発明を完成させた。 すなわち本発明は、工業用純チタンのインゴツ
ト材または該インゴツト材を加工した鍛造材もし
くは分塊材を、該材料の酸素含有量〔O〕に応じ
て1式を満足する圧下率R(%)および材料温度
T(℃)で圧延することを特徴とする。 R−0.06×T≦150−490×〔O〕 ……1式 R:圧下率(%) T:材料温度(℃) 但しT≦780℃ 〔O〕:チタンの酸素含有量(wt%) 本発明において、工業用純チタンとはJISの1
種、2種および3種などの材料である。インゴツ
ト材とは鍛造したままの状態の材料であり、鍛造
材とはインゴツト材を熱間、温間あるいは冷間で
鍛造した材料、分塊材とはインゴツト材あるいは
鍛造材を熱間、温間あるいは冷間で分塊圧延した
材料である。また本発明で得られる板は、スラ
ブ、厚板、中板および薄板であり、帯は帯状の中
板または薄板をコイルにしたものである。 材料温度が低すぎたり圧下率が高くなると耳割
れが発生し、歩留まりの低下や圧延中の板破断な
どの事故が生じる可能性が高くなるため、これら
の圧延条件は耳割れの生じない範囲であることが
必要である。ここで言う耳割れとは、実用的に通
板上板破断などの原因となりうる程度の耳割れを
指す。そこで本発明者は、酸素含有量の異なる数
種の工業用純チタンのインゴツト材およびその鍛
造材を用い、これらを大気中で種々の温度に加熱
後圧延して、その時の材料温度と圧延後の板表面
性状の関係、および材料温度と耳割れ発生時の圧
下率の関係を求めた。その結果、まず圧延板の表
面性状に関しては、材料の酸素含有量に係わらず
材料温度が780℃より高いと、加熱時の表面酸化
量が粒状に表面に残留し、良好な表面を得るため
には、通常工程と同様にメカニカルデスケール
(シヨツトブラスト、液体ホーニング、ベンデイ
ング等)−酸洗の後、表面研削が必要であつた。
材料温度が780℃以下で700℃より高い場合には、
表面酸化層の影響はほとんどなく、メカニカルデ
スケールの後軽い酸洗(例えば酸濃度を低く、あ
るいは酸洗時間を短くして、溶解量で従来の約1/
10)を行うことで良好な表面が得られた。材料温
度が700℃以下で650℃より高い場合には、メカニ
カルデスケールを行うことなく通常の酸洗のみで
良好な表面が得られた。これは圧延により表面酸
化皮膜が粉砕される効果が働いているためであ
り、さらに材料温度が650℃以下で600℃より高い
場合には、軽い酸洗のみで良好な表面が得られ
た。材料温度が600℃以下で400℃より高い場合に
は、圧延後の表面はスケール除去の必要がほとん
どないほど良好であり、かつ加熱時の生成した薄
い表面皮膜が圧延時の潤滑材となり、圧延板の表
面は従来の冷延板と比べて滑らかであつた。材料
温度が400℃以下の場合には、従来の冷延板表面
と全く差がなかつた。なお材料温度が700℃以下
の場合において、メカニカルデスケールと酸洗を
行つても、全く問題のない表面が得られることは
言うまでもない。しかし耳割れについてはこれが
発生する限界圧下率は材料の酸素含有量が少ない
程また材料温度が高い程高いことがわかつた。 第2図は酸素含有量が0.20wt%の純チタンイン
ゴツト材を、室温(約30℃)から870℃までの範
囲の温度で圧延した時の、耳割れ発生の有無を示
した図であり、○印は耳割れが全く発生しないか
あるいは微小な耳割れが発生するが通板上問題の
ない程度であることを、また×印は通板上問題と
なり得る大きさの耳割れが発生したことを示して
いる。第2図より通板上問題となるような耳割れ
の発生する限界圧下率Rおよび材料温度Tの関係
は直線(割れ発生限界線)で表されることがわか
る。一方、材料温度が780℃を超えると、加熱時
の表面酸化スケール生成が顕著となり、メカニカ
ルデスケールと酸洗だけでは良好な表面が得られ
なかつた。さらに同様の実験を酸素含有量が
0.01wt%から0.24wt%の数種の純チタンインゴツ
ト材およびその鍛造材と分塊材を用いて行つた結
果、第1図に示すようにインゴツト材、鍛造材あ
るいは分塊材のいずれにおいても、各材料の酸素
含有量および材料温度に応じて第1図に示す直線
の左側の範囲(直線上を含む)の圧下率で圧延す
れば、通板上問題となるような耳割れは発生しな
いことがわかつた。第1図の耳割れ発生限界線
を、チタンの酸素含有量〔O〕(wt%)、圧下率
R(%)材料温度T(℃)との関係を式で示すと1
式のように表すことができる。 R−0.06×T≦150−490×〔O〕 ……1式 R:圧下率(%) T:材料温度(℃) 〔O〕:チタンの酸素含有量(wt%) 工業用純チタンのインゴツト材または該インゴ
ツト材を加工した鍛造材もしくは分塊材を、該材
料の酸素含有量〔O〕に応じて1式を満足する圧
下率R(%)および材料温度T(℃)で圧延すれば
耳割れが発生しない。 〔実施例〕 (1) 酸素含有量が0.01wt%,0.09wt%(JIS 2種
相当)および0.21wt%(JIS 3種相当)の3種
類のインゴツト(直径305mm)を、圧延前の材
料温度を室温(30℃)から780℃の範囲の6水
準に変化させ、最終板厚を100mm(圧下率67
%),30mm(圧下率90%)および6mm(圧下率
98%)の3水準として圧延したところ、耳割れ
に関して表1に示すような結果(○印は耳割れ
が全く発生しないかあるいは微小な耳割れが発
生するが通板上問題のない程度であること、×
印は通板上問題となりうる程度の耳割れが発生
したことを示す)が得られた。表面性状に関し
ては、素材の酸素含有量や圧下率によらず表2
に示す条件で脱スケールしたところ良好な表面
が得られた。 (2) 酸素含有量が0.01wt%,0.10wt%(JIS 2種
相当)および0.20wt%(JIS 3種相当)の3種
類のインゴツト(直径305mm)を熱間で圧延し
てスラブ(厚さ130mm)とし、機械加工により
脱スケールした後、圧延前の材料温度を常温
(30℃)から780℃の範囲の6水準に変化させ、
それぞれ最終板厚を30mm(圧下率77%),6mm
(圧下率95%)および1mm(圧下率99%)の3
水準として圧延したところ、耳割れに関して表
3に示すような結果(表中の○×の意味は前記
表1と同じ)が得られた。各材料温度における
表面性状は実施例(1)と同じであつた。 (3) 酸素含有量が0.06wt%(JIS 1種相当)およ
び0.10wt%(JIS 2種相当)の2種類のインゴ
ツト(厚さ40mm)、圧延前の材料温度を常温
(30℃)から780℃の範囲の6水準に変化させ、
最終板厚を6.0mm(圧下率85%)および0.7mm
(圧下率98%)の2水準として圧延したところ、
耳割れに関して表4に示すような結果(表中の
○×の意味は前記表1と同じ)が得られた。各
材料温度における表面性状は実施例(1)と同じで
あつた。
において、インゴツト材またはそれを加工した鍛
造材や分塊材を温間または冷間で圧延することに
より、従来の製造工程にかかるコストを削減する
とともに、良好な表面性状を有する工業用純チタ
ン板および帯の製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 純チタンは酸素との親和性が非常に強く、高温
において酸化されやすい性質を有している。そこ
で、純チタンの溶解は一般にVAR(消耗電極型真
空アーク溶解炉)などを用いて真空中で行い、円
柱形のインゴツトを製造している。そして通常は
このインゴツトを鍛造あるいは分塊圧延によつて
スラブにした後、熱間圧延−焼純−酸洗−表面キ
ズ取り研削の各工程を経て厚板あるいは中板を製
造し、また続いて冷間圧延−真空焼純を行つて薄
板を製造している。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このうち、インゴツトの鍛造や分塊圧延、さら
に熱間圧延などの高温加熱時には、前述のように
素材の表面酸化が顕著となり、酸化スケールロス
でけでなく表面に形成された硬化層によつて加工
後の素材の表面性状に肌荒れや疵などの悪影響が
生じる。そのため鍛造あるいは分塊圧延後のスラ
ブの表面機械加工や部分研磨、また熱間圧延後の
厚板あるいは中板のメカニカルデスケーリングと
それに続く酸洗は必須工程となつている。さらに
薄板製造の場合、酸洗による熱間圧延板の表面ス
ケール除去が不十分な場合には冷間圧延時に表面
疵が発生する恐れがあるため、熱間圧延−酸洗板
の表面残留スケールを研削によつて完全に除去す
ることが必要である。このように良好な表面性状
を有する工業用純チタン板および帯を製造する上
で、表面手入れに関係する工程による歩留低下と
製造コストの増加は、大きな問題点となつてい
る。 本発明は、工業用純チタンの板および帯の製造
において、従来の製造工程にかかるコストを削減
するとともに、良好な表面性状を有する工業用純
チタン板および帯を得ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段・作用〕 本発明者は、工業用純チタン板および帯の製造
に関わる上記問題点を解決すべく、表面酸化スケ
ールの生成を最小限に押さえて製造する方法につ
いて検討した結果、従来鍛造や分塊圧延あるいは
熱間圧延で適用されていた加熱温度よりかなり低
い加熱温度範囲でも、また加熱しなくても、イン
ゴツトあるいはその鍛造材、分塊材の圧延が可能
であることを明らかにし、本発明を完成させた。 すなわち本発明は、工業用純チタンのインゴツ
ト材または該インゴツト材を加工した鍛造材もし
くは分塊材を、該材料の酸素含有量〔O〕に応じ
て1式を満足する圧下率R(%)および材料温度
T(℃)で圧延することを特徴とする。 R−0.06×T≦150−490×〔O〕 ……1式 R:圧下率(%) T:材料温度(℃) 但しT≦780℃ 〔O〕:チタンの酸素含有量(wt%) 本発明において、工業用純チタンとはJISの1
種、2種および3種などの材料である。インゴツ
ト材とは鍛造したままの状態の材料であり、鍛造
材とはインゴツト材を熱間、温間あるいは冷間で
鍛造した材料、分塊材とはインゴツト材あるいは
鍛造材を熱間、温間あるいは冷間で分塊圧延した
材料である。また本発明で得られる板は、スラ
ブ、厚板、中板および薄板であり、帯は帯状の中
板または薄板をコイルにしたものである。 材料温度が低すぎたり圧下率が高くなると耳割
れが発生し、歩留まりの低下や圧延中の板破断な
どの事故が生じる可能性が高くなるため、これら
の圧延条件は耳割れの生じない範囲であることが
必要である。ここで言う耳割れとは、実用的に通
板上板破断などの原因となりうる程度の耳割れを
指す。そこで本発明者は、酸素含有量の異なる数
種の工業用純チタンのインゴツト材およびその鍛
造材を用い、これらを大気中で種々の温度に加熱
後圧延して、その時の材料温度と圧延後の板表面
性状の関係、および材料温度と耳割れ発生時の圧
下率の関係を求めた。その結果、まず圧延板の表
面性状に関しては、材料の酸素含有量に係わらず
材料温度が780℃より高いと、加熱時の表面酸化
量が粒状に表面に残留し、良好な表面を得るため
には、通常工程と同様にメカニカルデスケール
(シヨツトブラスト、液体ホーニング、ベンデイ
ング等)−酸洗の後、表面研削が必要であつた。
材料温度が780℃以下で700℃より高い場合には、
表面酸化層の影響はほとんどなく、メカニカルデ
スケールの後軽い酸洗(例えば酸濃度を低く、あ
るいは酸洗時間を短くして、溶解量で従来の約1/
10)を行うことで良好な表面が得られた。材料温
度が700℃以下で650℃より高い場合には、メカニ
カルデスケールを行うことなく通常の酸洗のみで
良好な表面が得られた。これは圧延により表面酸
化皮膜が粉砕される効果が働いているためであ
り、さらに材料温度が650℃以下で600℃より高い
場合には、軽い酸洗のみで良好な表面が得られ
た。材料温度が600℃以下で400℃より高い場合に
は、圧延後の表面はスケール除去の必要がほとん
どないほど良好であり、かつ加熱時の生成した薄
い表面皮膜が圧延時の潤滑材となり、圧延板の表
面は従来の冷延板と比べて滑らかであつた。材料
温度が400℃以下の場合には、従来の冷延板表面
と全く差がなかつた。なお材料温度が700℃以下
の場合において、メカニカルデスケールと酸洗を
行つても、全く問題のない表面が得られることは
言うまでもない。しかし耳割れについてはこれが
発生する限界圧下率は材料の酸素含有量が少ない
程また材料温度が高い程高いことがわかつた。 第2図は酸素含有量が0.20wt%の純チタンイン
ゴツト材を、室温(約30℃)から870℃までの範
囲の温度で圧延した時の、耳割れ発生の有無を示
した図であり、○印は耳割れが全く発生しないか
あるいは微小な耳割れが発生するが通板上問題の
ない程度であることを、また×印は通板上問題と
なり得る大きさの耳割れが発生したことを示して
いる。第2図より通板上問題となるような耳割れ
の発生する限界圧下率Rおよび材料温度Tの関係
は直線(割れ発生限界線)で表されることがわか
る。一方、材料温度が780℃を超えると、加熱時
の表面酸化スケール生成が顕著となり、メカニカ
ルデスケールと酸洗だけでは良好な表面が得られ
なかつた。さらに同様の実験を酸素含有量が
0.01wt%から0.24wt%の数種の純チタンインゴツ
ト材およびその鍛造材と分塊材を用いて行つた結
果、第1図に示すようにインゴツト材、鍛造材あ
るいは分塊材のいずれにおいても、各材料の酸素
含有量および材料温度に応じて第1図に示す直線
の左側の範囲(直線上を含む)の圧下率で圧延す
れば、通板上問題となるような耳割れは発生しな
いことがわかつた。第1図の耳割れ発生限界線
を、チタンの酸素含有量〔O〕(wt%)、圧下率
R(%)材料温度T(℃)との関係を式で示すと1
式のように表すことができる。 R−0.06×T≦150−490×〔O〕 ……1式 R:圧下率(%) T:材料温度(℃) 〔O〕:チタンの酸素含有量(wt%) 工業用純チタンのインゴツト材または該インゴ
ツト材を加工した鍛造材もしくは分塊材を、該材
料の酸素含有量〔O〕に応じて1式を満足する圧
下率R(%)および材料温度T(℃)で圧延すれば
耳割れが発生しない。 〔実施例〕 (1) 酸素含有量が0.01wt%,0.09wt%(JIS 2種
相当)および0.21wt%(JIS 3種相当)の3種
類のインゴツト(直径305mm)を、圧延前の材
料温度を室温(30℃)から780℃の範囲の6水
準に変化させ、最終板厚を100mm(圧下率67
%),30mm(圧下率90%)および6mm(圧下率
98%)の3水準として圧延したところ、耳割れ
に関して表1に示すような結果(○印は耳割れ
が全く発生しないかあるいは微小な耳割れが発
生するが通板上問題のない程度であること、×
印は通板上問題となりうる程度の耳割れが発生
したことを示す)が得られた。表面性状に関し
ては、素材の酸素含有量や圧下率によらず表2
に示す条件で脱スケールしたところ良好な表面
が得られた。 (2) 酸素含有量が0.01wt%,0.10wt%(JIS 2種
相当)および0.20wt%(JIS 3種相当)の3種
類のインゴツト(直径305mm)を熱間で圧延し
てスラブ(厚さ130mm)とし、機械加工により
脱スケールした後、圧延前の材料温度を常温
(30℃)から780℃の範囲の6水準に変化させ、
それぞれ最終板厚を30mm(圧下率77%),6mm
(圧下率95%)および1mm(圧下率99%)の3
水準として圧延したところ、耳割れに関して表
3に示すような結果(表中の○×の意味は前記
表1と同じ)が得られた。各材料温度における
表面性状は実施例(1)と同じであつた。 (3) 酸素含有量が0.06wt%(JIS 1種相当)およ
び0.10wt%(JIS 2種相当)の2種類のインゴ
ツト(厚さ40mm)、圧延前の材料温度を常温
(30℃)から780℃の範囲の6水準に変化させ、
最終板厚を6.0mm(圧下率85%)および0.7mm
(圧下率98%)の2水準として圧延したところ、
耳割れに関して表4に示すような結果(表中の
○×の意味は前記表1と同じ)が得られた。各
材料温度における表面性状は実施例(1)と同じで
あつた。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
このような本発明に係わる工業用純チタン板お
よび帯の製造方法を実施すれば、従来の条件で製
造した板および帯に比べ材料が低温で受ける変形
量が多くなるため、内部ひずみエネルギーの蓄積
が多くかつ均質となる。よつてその後に続く焼純
で再結晶が促進され、材質的にも均質でかつ良好
なものが得られる。
よび帯の製造方法を実施すれば、従来の条件で製
造した板および帯に比べ材料が低温で受ける変形
量が多くなるため、内部ひずみエネルギーの蓄積
が多くかつ均質となる。よつてその後に続く焼純
で再結晶が促進され、材質的にも均質でかつ良好
なものが得られる。
第1図および第2図は本発明の圧延条件を示す
図である。
図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 工業用純チタンのインゴツト材または該イン
ゴツト材を加工した鍛造材もしくは分塊材を、該
材料の酸素含有量〔O〕に応じて1式を満足する
圧下率R(%)および材料温度T(℃)で圧延する
ことを特徴とする工業用純チタン板および帯の製
造方法。 R−0.06×T≦150−490×〔O〕 ……1式 R:圧下率(%) T:材料温度(℃) 但しT≦780℃ 〔O〕:チタンの酸素含有量(wt%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62264997A JPS63268503A (ja) | 1986-12-15 | 1987-10-20 | 工業用純チタン板および帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29680786 | 1986-12-15 | ||
JP61-296807 | 1986-12-15 | ||
JP62264997A JPS63268503A (ja) | 1986-12-15 | 1987-10-20 | 工業用純チタン板および帯の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63268503A JPS63268503A (ja) | 1988-11-07 |
JPH0556203B2 true JPH0556203B2 (ja) | 1993-08-19 |
Family
ID=17838398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62264997A Granted JPS63268503A (ja) | 1986-12-15 | 1987-10-20 | 工業用純チタン板および帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63268503A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102711587B1 (ko) * | 2021-11-30 | 2024-09-27 | 한국재료연구원 | 등방성이 우수한 순수 타이타늄 및 그 제조 방법 |
-
1987
- 1987-10-20 JP JP62264997A patent/JPS63268503A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63268503A (ja) | 1988-11-07 |
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