JPH0555747U - ステップモータのステータ絶縁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ステップモータのステータ絶縁構
造に関し、特に、絶縁層体で大歯の側部を覆うことによ
り、ステータコイルとステータとの短絡を防止する構成
である。 【構成】 絶縁層体(4)は大歯(6)の側部(6b)を覆ってい
るため、ステータコイル(7)と大歯(6)との短絡を防止し
た構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ステップモータのステータ絶縁構造に関し、特に、絶縁層体で大歯 の側部を覆うことにより、ステータコイルとステータとの短絡を防止するための 新規な改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、用いられていたこの種のステップモータのステータ絶縁構造としては、 一般に、図３、図４で示す構造が採用されていた。 すなわち、図３及び図４において符号１で示されるものは、半径方向の内方に 向けて形成された複数のステータ基部２を有するステータであり、この各ステー タ基部２間に形成されたスロット３内には、Ｕ形をなす絶縁層体４及び補助絶縁 板４ａが設けられている。

【０００３】 前記各ステータ基部２の内端側には、複数の小歯５を有する大歯６が形成され ており、この絶縁層体４は、前記大歯６の根元部６ａに位置している。

【０００４】 前記各ステータ基部２の外周位置には、前記絶縁層体４を介してステータコイ ル７が巻回され、この各ステータコイル７に駆動パルスを印加することにより、 図示しないロータをステップ駆動することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従来のステップモータのステータ絶縁構造は、以上のように構成されているた め、次のような課題が存在していた。 すなわち、巻線機にてステータコイル７を巻回する場合は、補助絶縁板４ａを 装着しない状態で、巻回作業を行った後、ステータコイル７と大歯６との短絡防 止のため補助絶縁板４ａをスロット３に装着しており、この補助絶縁板４ａの装 着に手間と時間を要していた。 また、この補助絶縁板４ａを装着する前においては、ステータコイル７が絶縁 層体７の端部から飛び出し、大歯６と短絡することがあり、ステップモータにと って致命的な欠陥となっていた。

【０００６】 本考案は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、絶縁層 体で大歯の側部を覆うことにより、ステータコイルとステータとの短絡を防止す るようにしたステップモータのステータ絶縁構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によるステップモータのステータ絶縁構造は、複数の小歯を有する複数 の大歯を有し、前記大歯と一体のステータ基部に絶縁層体を介してステータコイ ルを巻回したステップモータのステータ絶縁構造において、前記絶縁層体は前記 大歯の側部を覆う構成である。

【０００８】 さらに詳細には、前記絶縁層体の先端部は、前記小歯の底面とほぼ同一面に位 置した構成である。

【０００９】

【作用】

本考案によるステップモータのステータ絶縁構造においては、絶縁層体が大歯 の側部を覆っているため、ステータ基部の外周にこの絶縁層体を介してステータ コイルを巻回し、このステータコイルの量が多量となった場合でも、このステー タコイルと大歯との短絡は完全に防止することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、図面と共に本考案によるステップモータのステータ絶縁構造の好適な実 施例について詳細に説明する。 なお、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。 図１及び図２は、本考案によるステップモータのステータ絶縁構造を示すもの で、図１は要部の断面図、図２は要部の斜視図である。

【００１１】 図１及び図２において符号１で示されるものは、図４で示される構成と同一の 半径方向の内方に向けて形成された複数のステータ基部２を有するステータであ り、この各ステータ基部２間に形成されたスロット３内には、Ｕ形をなす絶縁層 体４（図４の構成と同様）が設けられている。

【００１２】 前記各ステータ基部２の内端側には、複数の小歯５を有する大歯６が形成され ており、この絶縁層体４の先端部４Ａは前記大歯６の側部６ｂを覆って形成され ている。

【００１３】 前記絶縁層体４の先端部４Ａは、前記各小歯５の底面５ａとほぼ同一面に位置 しており、前記各ステータ基部２の外周に絶縁層体４を介して巻回されたステー タコイル７と大歯６との短絡を完全に防止している。

【００１４】 前記絶縁層体４に形成された上方突出片４Ｂは、前記大歯６の大歯面６ｃから 上方に延出して形成されており、この上方突出片４Ｂによりステータコイル７の 保持を行っている。またこの絶縁層体４に一体に形成された後方突出片４Ｃは、 前記上方突出片４Ｂとほぼ平行に形成され、ステータコイル７の保持を行ってい る。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によるステップモータのステータ絶縁構造は、以上のように構成されて いるため、次のような効果を得ることができる。 すなわち、スロットに設けられた絶縁層体の先端部が大歯の側部を覆うように 構成されているため、ステータ基部に巻回されたステータコイルと大歯との短絡 を完全に防止することができ、ステータコイルの巻回が容易となり、かつ、ステ ップモータとしての信頼性を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるステップモータのステータ絶縁構
造を示す要部の断面図である。

【図２】要部の斜視図である。

【図３】従来のステップモータのステータ絶縁構造を示
す要部の断面図である。

【図４】図３の従来構成を示す断面図である。

【符号の説明】

２ ステータ基部 ４ 絶縁層体 ４Ａ 先端部 ５ 小歯 ５ａ 底面 ６ 大歯 ７ ステータコイル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の小歯(5)を有する複数の大歯(6)を
   有し、前記大歯(6)と一体のステータ基部(2)に絶縁層体
   (4)を介してステータコイル(7)を巻回したステップモー
   タのステータ絶縁構造において、前記絶縁層体(4)は、
   前記大歯(6)の側部(6b)を覆う構成としたことを特徴と
   するステップモータのステータ絶縁構造。
2. 【請求項２】 前記絶縁層体(4)の先端部(4A)は、前記
   小歯(5)の底面(5a)とほぼ同一面に位置している構成よ
   りなることを特徴とする請求項１記載のステップモータ
   のステータ絶縁構造。